アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった!
まずお屋敷とかじゃなくイギリス国内のいろいろなところで事件が起きて駆けずり回る筋書きが、これまで読んだポワロシリーズの中では新鮮でとても面白かった。
お屋敷や村とかだと途中でどうしても牧歌的で穏やかな雰囲気も出てきてしまい、それがクリスティの魅力のひとつとも思うが、この作品はそれがなく良い意味でずっとピリピリした緊張感を感じながら読んでいた。
随所に挟まれるカスト氏のシーンも異常者の行動をのぞき見しているような(読んでいるときはそう思わされていた)居心地の悪さがあり、作品全体をシャープに引き締めている。
ここらへんはなんかフィンチャーのセブンやゾディアックのようなじわじわと怖がら -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分の母を見るかのようで、心がゾワゾワした。きっと私の母は、砂漠で一人になっても、自分を顧みることはしない。自分は良い母親だったと満足し、疑うことはないだろう。
ロドニーの視点から見たジョーンが最後に描かれていた。諦めと失望と歪んだ優越感。栗本氏の解説にもあったが、結局似たもの同士なのだろう。子供達の視点から見たジョーンの姿も見てみたかった。
ジョーンが最後にあの選択をした(というより、考えることを放棄した)のも、リアルだし納得。私はロドニーにはなれないので、衝突の上、絶縁した。この選択が良かったのかは分からないし、ずっと関わらないで居られるのかも分からないが、自分に嘘をついて生きるのだけ