アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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1940年の作品。
エルキュール・ポアロシリーズ長編18巻目。
あらすじ
大富豪の老女ローラ・ウェルマンの姪であるエリノア・カーライルは、親戚で幼なじみのロディ・ウェルマンを深く愛しており、2人は婚約していた。ウェルマン夫人の遺産を狙っている娘がいるとほのめかす匿名の手紙が届いたことがきっかけで、エリノアとロディは夫人の館を久しぶりに訪れる。館の門番の娘のメアリィ・ジェラードをウェルマン夫人は可愛がり、教育を受けさせたり面倒を見ていた。ロディは、美しいメアリィを一目見た瞬間、彼女に夢中になってしまい、それを知ったエリノアはロディとの婚約を解消する。その後、ウェルマン夫人が遺言を残さず亡くなり、唯一の肉親であったエリノアが莫大な遺産を相続する。さらにその後、メアリィジェラードがモルヒネにより毒殺された。警察は嫉妬による殺人と判断し、エリノアは容疑者として裁判にかけられる。エリノアを助けるためにロード医師が依頼したエルキュール・ポアロが真相に迫る…
ポアロに珍しい法廷モノ。そして文句なしに面白い!何より構成が素晴らしい!
なかなかポアロは出てこないんですが、感情を表に出さないエリノア・カーライルの心情が巧みに描かれていて、深く愛する男性が別の女性に恋に落ちてしまうことを知った彼女の切なさに胸が締め付けられます!
そしてそんな彼女を一途に想うロード医師…。
ポアロが優しい。恋のキューピッドさながら慈愛に満ちています。ヘイスティングス君やジャップが出てこないとポアロすごいいい奴に思えるw
裁判のシーンは手に汗握る臨場感。伏線回収していく清々しさ!さらに、この伏線関係なかったんだ!とバラしていく巧みさも素晴らしい〜!!
クリスティ作品の中でも大好きな作品の一つです。 -
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「信頼できない語り手」のタイプの小説。読みはじめてすぐに、これは自分が好きな小説だと分かった。
クリスティの小説のおすすめとしてよくタイトルを見かけていたが、期待以上だった。
まだクリスティの小説を読んだことがないというひとはぜひ読んでみて。
ところどころで、「ん?」と違和感がでてくるのだけど、すぐにもとの話の調子にもどってしまう。なんか変だぞと怪しみながらも、なにを意味しているのかよく分からないといったバランスになっている。
読みおわったあと、全ての事実を知った状態で、もういちど最初のページから読みなおしたくなった。
作中で事件や殺人も起こるので、犯人は誰なのか考えながら読んだ。最後に事実が明らかになるまでミスリードさせられっぱなしだったな。
表紙もお気に入り。読み初めてすぐと、読み終ってからとでは印象がまったく変わってくる。
あらすじ
マイクは呪われた土地と噂されている「ジプシーが丘」に建つ物件を見にきていた。
母子家庭で育ち、土地と仕事を転々としながら生きてきたマイクには、土地を買うだけの資金はなかった。
しかし、たまたま見かけた広告に運命を感じて物件を見にきていたのだった。
マイクとは対照的に、エリーは大富豪の娘として生まれ育った。
エリーは身内に内緒でこっそりと旅行していたときに、「ジプシーが丘」でマイクと出会う。
二人は惹かれ合い、やがて結婚し「ジプシーが丘」に素晴らしい家を建て、そこで暮らすようになるのだが…… -
Posted by ブクログ
ネタバレ1937年イギリスで出版
2003年発行 文庫
訳者 加島祥造
最初に 著者の前書きと
訳者からのおねがい が載っている
*ゆっくり読んで
*地図を見て参考に
*「探偵小説が[逃避行文学]だと
するなら読者はこの作品で
〜南国の陽射しとナイルの青い水の国
に逃れてもいただける訳です」アガサ
...ひととき旅するように楽しんで
ってことか...
・リネット.リッジウェイ(ドイル)
→美貌の若い資産家女性 銃で殺される
・サイモンドイル→リネットの結婚相手
・ジャクリーン.ド.ベルフォール
→リネットの親友でサイモンと婚約していた
リネットとジャクリーンは
親友なのに
ジャクリーンの婚約者と
リネットがいきなり
結婚していてビックリした
・アンドリュー.ペニントン
→リネットの米国の財産管理人
リネット夫婦がエジプト旅行に
行くと聞いて偶然を装って
その旅に参加する
・ジム.ファンソープ
→英国の法律事務所職員
ペニントンがエジプト旅行に
リネット夫婦と共に同行すると聞いて
大急ぎで自分も参加する
・ポアロ→探偵
・ミセス.オッターボン→女流作家
・ロザリー.オッターボン→女流作家の娘
有名なリネットに不平等という
感情を持っている
・ジョアナ.サウスウッド→社交界貴婦人
・ミセス.アラートン→ジョアナの従兄弟
・ティム.アラートン→アラートンの息子
リネット.サイモン夫婦の後を
ジャクリーンがつけ回し
エジプトの船の旅に参加する
リネットがジャクリーンの付きまといを
ポアロに相談 依頼 するが断られる
ポアロは
リネット サイモン ジャクリーン
3人に直接話を聞き
人物分析する
・ギド.リケティ→考古学者
〜エジプト旅行中に
ミセス.アラートンが現地の子供達が
土産を買ってくれと付きまとうのを
嫌がるところが出てくるけれど…
今のYouTube動画(エジプト等の旅)
にも似た場面出てきて…こういうの
伝統なのか‥遺伝的性格なのか‥
今も昔も同じにみえる〜
・ヴァン.スカイラー→金持ち老婦人
・コーネリア.ロブス→スカイラー従兄弟
・バウァーズ→スカイラーの看護婦
ナイル川を船で旅して
観光地により 遺跡見たり
土産見たり そのうち
船の人と言葉交わすようになり
なんとなく性格もわかってくる
この本読んでいる時
[どうぶつの森]やっていて
本読んでゲームして…繰り返して
いたのでゲームの中で
ナイル川観光‥探検‥している
ような気分になった
その中で リネット サイモン ジャクリーン
と知り合いになり
殺人事件が起きた…
リネットが殺された後
・レイス大佐→英国特務機関員
ポアロ時共に事件の捜査をする
・ファーガスン→社会主義的な男
・カール.ベルナール→中年の医者
〜ポアロ 「美貌の大金持ちのリネットの
周りには色んなものがある
矛盾した 憎悪 嫉妬 羨望
意地悪 まで 蝿の群れみたいに
ブンブン…ブンブン…」
船(カルナク号)に乗っていた人達は皆
一筋縄ではいかない捻くれ者‥蝿の群れ
犯人が見つかりそうになると殺されたり‥
疑わしい人物の名前
言おうとすると銃で撃たれたり‥
コーネリア(ポアロからみると際立った性格)
にいきなりの結婚の申し込み..
..社会主義思想の汚い身なりの男..
と思いきや伯爵...
コーネリアは中年医者を選ぶ
真珠泥棒のティムと
庇おうとしたロザリーが恋仲に..
最後に犯人は
サイモンとジャクリーンとわかる
...銃で命を絶つ
犯人が自ら死を選び
悲しく 潔い キレイな終わり方
この小説より後に
書かれた小説が
アガサの小説に影響されて
いるんだろうな..
と思えてくる
ただの殺人事件の
犯人探しだけじゃなく
幸せエピソードや
悲しい愛情の話出てきたりする
前半の船旅も楽しかったし
後半の3女性の殺害事件の
犯人探しも
二転三転し
目がはなせなかった
出てくる登場人物全員
曲者だけれど
全部が善でも悪でもなくて
(ハリポタの登場人物みたい)
人との相性によっては
幸せそうだったり
不幸せそうだったりで
面白かった
訳者のアドバイス通り
ゆっくり ちょっとづつ
(1クラスの人数位 人出てくるので)
読んだ方が楽しめる
楽しい読書だった
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Posted by ブクログ
ネタバレ招かれざる客
クリスティの戯曲を小説化した作品。クリスティ作品ふ戯曲も面白いのだが、戯曲だと読み難い為、全作品小説化して欲しいと願う。
クリスティの作品から派生していく作品(ソフィ・ハナのポアロシリーズ等)は、クリスティの余韻を感じる事が出来るし、キャラクターの世界観を壊さなければとても楽しむ事が出来るが、戯曲を小説にするこによって、まるでクリスティが蘇った気持ちになるし、女史の未読作品が殆ど無くなってしまった今となっては単純に個人的に楽しんでいる。
現代だと突飛押しもないスタートから始まる今作だが、余りにも変わった導入は唯一だしクリスティらしいスタート。スタークウェッダーという若者が霧の中で車を溝に落としてしまい、近くの屋敷に助けを求めると玄関が開いていて、リビングで中年男性の死体と銃を握りしめた女性が立っているという導入。スタークウェッダーは女性に好意を持ち銃を握りしめる女性に事の顛末を確認していく。
冒頭では余りにも突飛な物語の導入ね驚き、どうやってこの事件の結末を結ぶのか、スタークウェッダーとローラ・ウォリックの出会いがどの様に発展していくのか全く想像だに出来なかった。スタークウェッダーのキャラクターも不気味であるが人間味があり、中盤からは本当に一目惚れで無茶したのだなぁと笑ってしまう。中盤以降、登場人物が出揃い、物語の真相がわかってくるが、中盤から怒涛の展開が始まっていき、流石はクリスティと息を呑む構成だった。元々演劇用だと考えれば、起承転結がはっきりしていてわかりやすいわけだが、ミステリー、ロマンスを交え、どんでん返しに次ぐどんでん返しは最終的にとてもよく作用していたと思う。
終盤のとある出来事、それに付随するウォリック家の面々の行動の意味と結末、悲劇は本の厚さからは想像出来ない様なボリュームのあるドラマを与えてくれるが、一方で警察官が余りにも魅力がない事が残念であり、癖のある警官が実は切れ者パターンも盛り込んで山盛りな仕様でも今作は楽しかっただろう。そして事件の全貌が見えて来ると、冒頭からの解釈が一変してしまい、今作の本当の悲劇が見えて来る。とある重要人物が名前だけで作中に登場しない理由に深い意味があり、衝撃的だった。
◯ネタバレになるが、看護婦が登場しているとある人物の偽装があっという間に明るみに出てしまう。
やはりクリスティは面白い。戯曲は数冊読んでいるがどれも魅力的な物語なので、是非小説に焼き直してほしい。 -
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1937年の作品。
ポアロ・シリーズ長編15作目。
あらすじ
美貌の資産家の娘、リネット・リッジウェイは世の中で手に入らないものはないと思われるほど恵まれた境遇だった。美貌、金、聡明さ…全てを兼ね備えていた彼女だったが、貧しい親友のジャクリーンの恋人、サイモン・ドイルのことが好きになり、彼女から奪い結婚してしまう。ジャクリーンは自分を裏切った2人を恨み、新婚旅行のエジプトまで追いかけてくる。
たまたま休暇中だったエルキュールポアロは、このエジプトのツアーでリネット夫妻とジャクリーンと一緒になる。一行はナイル川沿いを巡るカルナック号のツアーに参加するが、そのツアーの最中にリネットが何者かに撃たれて殺害される。ポアロと情報局員のレイス大佐は、このツアーの参加者の中に犯人がいると見て捜査を始めるが…
感想
ハヤカワ書房の新訳版。
まず、クリスティのまえがきと、クリスティの孫、マシュープリチャードのまえがきから最高です。
クリスティ本人が2番目の夫、考古学者のマックスアローワンとともに行ったエジプト旅行が元になっており、ナイル川を眺めているときこの話が思い浮かんだのだとか。クリスティ自身も大のお気に入りの作品だと自賛している。
マシュープリチャードによるとクリスティとマックスは本当に仲良くこのエジプト旅行を楽しんでおり、キリスト教徒であったクリスティは宗教に関係なく中近東の文化を愛していた。中東をめぐる現在の政治情勢をクリスティ達が知ったら悲しむことだろう…と。
さて、本編についてですが、ヘイスティングス語りの軽めのものが好きな私もこの作品はダントツに好きです!ドラマチックで、本流の殺人事件以外にもいろんな要素が絡み合って、群像劇のような趣きがあります。そしていつも鼻持ちならない自信満々のポアロが、この作品では本当に優しく思いやりがあって胸を打たれます。一緒に捜査をするポアロの友人、レイス大佐も渋めのイケオジでステキ(他の作品にも登場してますね)
しかし、とにかく登場人物がめちゃくちゃ多いので名前を覚えるまでが大変かもしれません笑。 -
Posted by ブクログ
現代の日本の作家のミステリーももちろん面白いが、やはりクイーンやポワロの活躍する探偵小説はいつでも面白い。比較的長い作品にも関わらず、事件の真相が明らかになるとその長さの中に無駄がなく伏線が詰まっていたのだと分かって衝撃だった。
(あらすじ)
2人の男女が愛し合っていたが、男は裕福な女性リネットと結婚してしまった。2人はそのままエジプトへとハネムーンに出かけるが、そこに男のかつての婚約者が現れた。女の出現に怯えるリネットだったが、撒くために乗り込んだ船にも女が現れ、リネットはその後死体となって発見される。果たしてこれは復讐のための殺人か!?エルキュール・ポワロが明かす意外な事件の真相とは!
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Posted by ブクログ
冒頭で、殺人事件を考えることについて、つまりこの小説の書き方について語られる。
「殺人事件のニュースや小説を読む時、殺人事件の調査をする時、人々は殺人が起きたところから考え始める。しかし殺人は結果なのだ。因果関係はその以前から始まっている。あの目撃者がそこにいたのはなぜ?あの証人が嘘をついたのはどんな感情で?殺人事件に至るまでには、計画があり、多くの偶然により思いもかけない形が作られ、関係者となった人たち性質が影響して、殺人という”ゼロ時間”に集束するのだ。」
物語の前半は、ある年の月に海辺の町ガルズポイントに集まることになった人々の事情、それまでにした経験が語られる。
スコットランドヤードのバトル警視は、大柄で木彫りのような印象で、切れ者には見えないのだが警官としての素質は確かだった。今回も娘が学校でかけられた盗みの冤罪を晴らした。夏の休暇は家族と日程が合わず、少し遅い休暇を甥のジェームス・リーチ警部のいるガルズポイントで過ごすことにする。
アンドリュー・マクハーターは、何もかもうまく行かず自殺しようとするが失敗した。その後思いもよらない縁で就職が決まった。そこで改めて彼の地、ガルズポイントで最後の休暇を過ごして自分を振り返ってみることにした。
ガルズポイントの屋敷に老未亡人トレシアン夫人と使用人たちが住んでいる。今年の9月にはいつもと違った客が来ることになった。
テニス選手のネヴィル・ストレンジは、亡トレシリアン氏の遺産受取人だ。彼の現在の妻は若く美しく派手なケイ。最初の妻オードリーを追い出して結婚した。なんと今年はネビルの今の妻ケイと、以前の妻オードリーが同じ時期にトレシリアン夫人の屋敷で過ごすことになった。
オードリーは「白い幽霊のような印象」と言われる薄幸そうな女性。若いケイは自信家で自由気儘。「白雪ちゃんと紅薔薇ちゃん」と例えられたり、「目を引くのは間違いなくケイだが、眼の前にいない時に思い出すのはオードリーのこと」などと全く正反対だ。
さらに、オードリーに思いを寄せる昔なじみのトーマス・ロイド、ケイに思いを寄せる若い美男子テッド・ラティマーも滞在することになった。絡み合った恋愛、遺産受取人問題で緊迫感に満ちたトレシリアン屋敷。
そこへ、亡トレリシアンの旧友で、引退した名弁護士トリーヴが訪問してくる。共に過ごした夕食の場で、トレーブ氏はまるでその場の誰かに警告するかのような謎の物言いをする。
果たして「犯罪を犯したが罰せられず逃げ延びている」人物がこの場にいるのか?そして改めて事件が起きるのか…?
冒頭の「ゼロ時間」説明により、この小説は「殺人をスタートではなくて、そこに至る偶然や人間の感情から描き始め、殺人は結果として書きますよ」というものなのね、として読んでいきました。しかし実際に事件が起きてからは「あれ?普通の事件捜査小説だよね?」と感じました…が!しかし!終盤の謎解きでなぜこのような書き方をしたのか納得!!前半のガルズポイントに行く前の会話、体験が、ガルズポイントでの「ゼロ時間」に見事につながった!
「あの時こんな経験をしたので、犯人はこのよう殺人を計画し、関係者はこのように行動・証言し、探偵役はこのように解決した」がピッタリはまります。そして登場人物たちは、見かけと実際の性質が違うような人が複数いるのですが、その人がなぜ本質と見かけが違うのかも納得です。
やっぱりすごいなーアガサ・クリスティー。
探偵役のバトル警視も良かったなあ。一見冴えない無骨なのに、捜査の勘も、懐の大きさも、考え方の柔軟性も超一流。彼はエルキュール・ポアロといっしょに捜査したことがあり「あのベルギー人ならどう考える?」なんて考えたりします。
相変わらず「事件解決後、やたらにカップルが誕生する。たまに意外なカップル誕生」のクリスティーですが(笑)、今回も無事カップル誕生して終わりました(笑) -
Posted by ブクログ
クリスティ自身が自作ベストテンに入れたことが肯ける作品。
普通の推理小説は“事件”から始まるが、この小説は“事件”に向かって話が進んでいく。
それを思いつくクリスティの発想の豊かさもさることながら、伏線の回収の仕方など、その見事さに唸るばかりで、読み終わったときは「お見事!」と思わず快哉を叫びそうになりました。
・・・ところで、メインキャラクターであるオードリー・ストレンジについて、目が離れていることが描かれているのだけど、これは何か意味があるのかしら?当時(1944年以前)の人相学などの影響か、単におっとりした印象を与える顔だと書きたかったのか? そこだけ不思議に思いました。 -
Posted by ブクログ
1944年の作品。
バトル警視が活躍するサイコスリラーサスペンス。
あらすじ
有名なテニスプレーヤーのネビル・ストレンジは、再婚したばかりの美しい妻、ケイ・ストレンジと夏の休暇を養母のトレシリアン夫人の屋敷、ガルズポイントで過ごすことにした。だが、ネビルは別れた妻のオードリーストレンジも同じ時期に招待し、元妻と現妻に仲良くなってほしいと提案する。
さらにケイ・ストレンジに想いを寄せるテッド・ラティマー、オードリーストレンジの幼なじみで、オードリーに結婚の申し込みをしようと決意しているトマス・ロイドも屋敷にはやってきて、ガルズポイントには居心地の悪い不穏な空気が流れていた。
そんな中、トレシリアン夫妻の旧友だった弁護士のトリーブスが屋敷を訪れ、凶悪な殺人鬼の性質を持つ恐ろしい子供の話をする。そしてその次の日トリーブスは持病の心臓病で亡くなってしまう。
さらに、トレシリアン夫人が何者かに撲殺される事件が起こる。
ロンドン警視庁のバトル警視とその甥リーチ警部は殺人事件の真相を暴くために捜査を開始するー
ポアロでもマープルでもなく、バトル警視が主人公の作品を読むのは初めて。
シリーズ物が好きなのでどうかなー…と思って読み始めたら…
なんだコレ…めちゃくちゃ お も し ろ い
序盤、全然無関係かと思われた何げないエピソードが後半に生きてくる。
様々に散りばめられた伏線が最後に全て回収されていく。
すごい…見事としか言いようがない。アガサクリスティ様。
マープルともポアロとも違うタイプのバトル警視は、天才肌ではなく地道に捜査をすすめてコツコツ考え犯人を追い詰めていく、いぶし銀のベテラン警部タイプ。松本清張の「点と線」の鳥飼刑事のような。娘の言葉からヒントを得るというところも似てるかも。
ポアロは登場しませんが、バトル警視がもしポアロがここにいたら…などポアロを思い浮かべながら捜査をするところも楽しいです。 -
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ネタバレ蜘蛛の巣[小説版]
クリスティの戯曲、蜘蛛の巣の小説版。クライム・コメディ。小説になっているが構成は演劇風。
クリスティの戯曲は面白いものが多く、小説化される事は嬉しい限り。戯曲は読み物としては読みにくいので、全てシリーズを小説化して欲しい。
いつも冗談ばかり言って周りの人達を振り回すクラリッサ。かなりの嘘を重ねているが、夫や知人からは呆れられながらも愛されている。
夫の連れ子のビッパも継母であるクラリッサに懐いており、とても幸せな家庭状態に見える。
ある日、知人達と別れた後、夫の元妻、ミランダの現在の夫であるコステロがクラリッサの屋敷を訪れ、その後帰ったはずの彼がクラリッサの屋敷で死体として転がっている事に気づく。彼女は知人たちを呼び戻し、死体の処理を相談する。
面白いところは、クラリッサは娘のビッパがコステロを殺してしまったと思い死体を隠そうとする。
三人の男性達もとても地位がある人達だが、それぞれの理由から死体を隠す事に協力する。
しかし、何故か警察に通報があり、死体を隠し切る前に警察官が屋敷にやってきてしまう。
そして結局死体が見つかってしまうが、数分後、警察達がいるにも関わらず死体が消滅してしまう。
と二転三転と物語が進んでいく所であり、取り調べではクラリッサが都度、嘘の供述をしながら、警官は当然それを疑いながら、やりとりが発展していく。
最後どの様に終幕になるかと期待したが、クリスティ作品らしく犯人は驚きの展開で明かされ、きちんと序盤の伏線も回収して見事に着地する。
エピローグで何も知らない夫とクラリッサのやりとりが思わずくすりと笑ってしまう。全ての登場人物に役割があり、演劇的ではあるが物語としてもとても面白かった。当時の生活や世界感も素敵で、現代ではまず冗談にならない部分も面白い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこ、これはまたすごいものを読んでしまった……!クリスティーの引き出し、どこまであるんだ。。
ポワロシリーズも残り10冊ちょっととなり、何を読もうかと迷って手に取った本書。なんと解説があのはやみねかおる先生!すっかり懐かしくなって、「夢水清志郎シリーズ」ぽちってしまいました〜(^^♪
さて。
いつもレビューを読んでくださる皆様はおわかりの通り、私は普段ミステリーしか読みません。ヒューマンストーリーや恋愛ものは、なんだか冷めてしまって飽きてしまうのです。
そんな私ですが、500ページ近くを費やして描かれる濃密な人間関係に、すっかり引き込まれてしまいました……!
被害者であるジョンはモラハラ野郎なので1ミリも同情しなかったのですが、登場する女性陣のクセの強さ、人間性、自活することと忘れられない過去への葛藤……それらが生き生きと描かれ、退屈するヒマなんて全くありませんでした。
クリスティー以外のミステリーを読むと、そのステレオタイプな女性像にうんざりすることが多いのですが、時代を経てなお、はっきりと息遣いの感じる女性を描くこと、それにクリスティーは本当に長けていたなと感じます。
だめんず製造機なヘンリエッタの行く末にはハラハラし通しでしたが、ラストの姿にも感動。芸術家としてしか生きられない孤高さには胸を打たれました。でもジョンに魅力を感じるのはどうかとおもう!
だんだん「ホロー荘」がつかめない幻影のように思えてくる過程もぞっとしましたし、なにより唯一応援したくなったミッジが幸せになれそうでよかった。
逆にミステリー好きでなく、人間ドラマ好きな方々にもオススメしたい一冊ですね。
これは、ポワロシリーズの中でも忘れられない作品だ。。
【印象深いセリフ】
p200
「…でも、わたし、相手がだれであろうと、世の中にその人しかいないみたいに考えるのは、よくないと思っていますのよ」
p470
「…あなたにとっては、人の心が傷つけられるのは耐えがたいことです。しかし、ある人々にとっては、それ以上に耐えがたいことがあります。――わからない、ということです。…科学的な精神の持主にとっては、真実が第一なのです。どんなに辛かろうと、真実は受けいれることができ、人生の模様に織りこんでいくことができるものなのです」 -
Posted by ブクログ
1937年の作品。
長編ポアロシリーズ14巻目。
ある日エルキュールポアロは、裕福な独身の老婦人、エミリーアランデルから調査の依頼の手紙を受け取る。しかしその手紙は2ヶ月前に書かれたものであり、手紙を出した彼女はすでに故人となっていた。彼女の死は病死で、少しも疑わしいところはなかった。が、彼女が死ぬ前に遺言状を書きかえたこと、階段から落ちて怪我をする事故があったことなどからポアロは彼女の死が殺人によるものではないかと疑い始める。
容疑者は、エミリーアランデルの甥のチャールズアランデル、姪のテリーザアランデル、同じく姪のベラ・タニオスとその夫でギリシャ人のドクタータニオス。彼女の死によって莫大な遺産を受け継いだ付添人のミスロウソンである。
一部始終を目撃していたはずのエミリーの愛犬、ボブは言葉を話すことができない…。
この作品は、ワンちゃんのボブがキーパーソン(キードッグ?)となって出てきます。
アガサクリスティの飼い犬がモデルになっているのかな?
ヘイスティングスくんの語りで書かれていますが、ヘイスティングス君はさすが、犬語も解すんですね!!
強い個性のキャラクターがいっぱい出てきますが、中でも強烈なのが、ミス・ピーボディというオールドミス。尖った傘の先でヘイスティングス君を刺して喜んだりしています。宮崎駿作品の湯バーバのようなイメージです(個人的見解)
いろいろな伏線も出てきますが、鮮やかなほどミスリードさせられたー!
やはりヘイスティングス君の語りの作品は軽妙で面白いですね!