【感想・ネタバレ】カリブ海の秘密のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年09月28日

 クリスティ作品の中で最も完成度が高く、読んでいて心地よい作品。今作と「復讐の女神」は連作になっている。復讐の女神とは今作中において、大金持ちのラフィールがマープルから夜中に叩き起こされるシーンでマープル自身の形容について冗談の様に言った事なのだが、復讐の女神(メネシス)に似ても似つかない様がずっと...続きを読むラフィールの印象に残ったのだろう。次作のタイトルが「復讐の女神」である事も鳥肌物で、今作の完成度がずば抜けて凄いと感じてしまう要因の一つだ。
 更に巻末を見て驚いたが、今作は三部作構成の計画があったという事だ。クリスティが亡くなり実現しなかったという事らしいが英題まで決まっていた様で物凄く残念だ。願わくば今の時代に生きる有名なミステリ作家がタイトルを引き継ぎチャレンジしてほしいが、きっと誰も納得しないんだろうなぁ。
 普段はセント・メアリー・ミードから出る事がないマープルだが、甥のレイモンドの愛情により旅行にでている。マープルが何処かに出かける作品は意外に多く実は彼女はとても行動的なのだが、カリブ海はメキシコ湾の辺りの様で数少ないマープルの旅行物だ。ホテルの人達や滞在客は皆んな優しく過ごしやすい環境だが、ある日パルグレイヴ少佐の死亡をきっかけにマープルが疑問をもつ。彼は病死とされていたが、マープルに話しかけていた際にとある事件の犯人の写真を見せびらかそうとした際に、不意に何かに気づき話題を変えていたが、その事を不自然に感じ、マープルができる限りの調査を開始する。
 今作の好きな所の一つ目は冒頭に挙げた次作のタイトルを見事に表現している部分なのだが、二つ目は探偵小説にありがちな矛盾を逆手にとっている事だ。そもそも素人探偵に警察が協力する訳が無く、数あるミステリではとにかくこの部分を誤魔化す訳だが、今作ではマープルは孤独を理解し、仲間を巻き込む所から始まり、最初は医者を利用し(彼は利用されたで良いだろう(笑))、その後、大金持ちのラフィールを味方につけ、彼の部下も巻き込み真相を解決している。少なからずマープルは探偵役としては欠点が多い訳だが、今作ではそれが大いなる魅力に変換され、作品の山場を見事に演出している。そして、根本には犯人の意外性や幾つもの殺人、伏線となる語られた過去の事件等は当然のごとく表現されている。
 実は落ち着いてみると、クリスティのベストに入る作品なのでは。と今更ながらに思う。読み終えてから次に手に取るのは、言わずもがな、「復讐の女神」だ。

0

Posted by ブクログ 2021年05月26日

マープル
翻訳の永井淳氏って聞いたことあるなーと思ったらジェフリーアーチャーを担当していた方だった。懐かしい。
始まりは何となく退屈な感じ(マープルが退屈な話を聞かされてるから当たり前)だったけれど、最後は畳み掛けるような面白さだった。いつものように私が怪しいと思った人は全然関係なかった。ラフィール...続きを読む氏も登場した時とラストでは全く印象が変わった。それにしてもリゾート地での療養をプレゼントしてくれる甥がいるなんて羨ましいなあ。マープルシリーズの未読は3冊になり寂しい。

0

Posted by ブクログ 2014年03月31日

西インド諸島に療養でやってきたマープル。そこで起きる事件。殺人か自然死か。ホテルでの様々な人間模様。人のイメージは本当に一部しか見ていないのに操作されやすいのを痛感した。さすがとおもわせる人間描写。やはりクリスティはすごいと思う。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年08月14日

ミス マープルものは、イギリスの文化、風土とを知るのによい。
特に、牧師がよくでてくるし、牧師の住んでいる家もよくでてくる。
本書はその代表例ともいえる。

海の話題が鉄道よりも多いのは、ひとえにイギリスものだからだろうか。

人間性の観察にたけたミス マープルものを呼んでおくと、イギリスで...続きを読むの会話の話題としてはハリーポッタよりもよいと思う。
ハリーポッタは、魔法の世界なので、現実のイギリスの描写が少ない。

海外文学を、その国にいくときの話題のために読むのは邪道だとは思いますが、、、

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月20日

甥夫婦の厚意で陽光降り注ぐカリブ海のゴールデン・パーム・ホテルに滞在することになったミス・マープル。そこには個性豊かな宿泊客が集まっていた。二組の夫婦、頑固者の大富豪とその世話係、そして退役軍人の老紳士・パルグレイブ少佐。マープルは、話半分にパルグレイブ少佐の長話を聞き流していたが、翌朝冷たくなった...続きを読む少佐が発見される。高齢者が突然死ぬことはよくあることと、事件性も疑われず処理されてしまうが、マープルは少佐が語っていた写真のことが気に掛かっていた。しかしその写真は少佐の持ち物から忽然と消えてしまっていたのである。
少佐の死には何かあると踏んだマープルは、宿泊者たちを相手に捜査を進めていく。
その最中、何かしらの秘密を握っていたと思われる人物が殺害されると、自殺未遂や新たな殺人など事件は連続殺人の様相を呈し始める。
警察が完全に空気の中、マープルはかなり能動的に捜査を進めていく。歯に衣着せぬ物言いの大富豪ラフィールとのタッグがこの作品の見所。年齢は全く違うけれど、ラフィールがジェフリー・ディーヴァー作品のリンカーン・ライムに少し似ていてそこも面白かった。
クリスティ作品は基本的にどの順番で読んでも問題ないが、この『カリブ海の秘密』と『復讐の女神』は明確な繋がりがあるのでこちらを先に読むべき。
「隠し事のある人にとっては、会話はいつだって危険」ポアロも言っていたこの言葉。かなり的を射た考え方だと思う。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月03日

「葬儀を終えて」や「ハロウィーン・パーティー」のように、"秘密を知る人が殺された"系ストーリー。マープルが立ち上がった時のワクワク感がすごい。ラフィール氏との相棒関係もまた良し。続き物らしいので次回作が楽しみ。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月07日

しばしば警察関係者があてがわれてきた「聞き手役」に賢き偏屈おじいちゃんが配され、物語の舞台も相まってとても新鮮。
酸いも甘いも噛み分けた「お年寄り」同士のやり取りが心地よい。

0

Posted by ブクログ 2023年10月09日

この年になってクリスティかと笑われそうだが、旅行中に何か読む本をと思って本棚の中から一冊選んで持っていったところ大層面白かった。本棚にあったので初読ではないはずだが、読んだのは何十年か前で内容は完全に忘れていた。

ここ最近の複雑なトリックとサスペンスが洗練されたエンターテイメントと比較して、クリス...続きを読むティなんて非現実的なプロットと時代がかった謎解き話かと軽く見ていたが、穂井田直実の解説にある通り、年を取って判る面白さというものは確かにある。ミス・マープルの年齢に近くなって、そろそろ老人の生活を復習しておくにはよい年かもしれない。シリーズをもうちょっと読んでみよう。

0

Posted by ブクログ 2023年04月23日

十代のころ読んだ気がするがほとんど覚えていなかった。40歳を超えた今読む方が楽しく読めたように思う。
ラフィール氏、なんて爺さんだっ!と思ったけど中々魅力的なご老人で、ミスマープルとのコンビは最高。
この本は難しいトリックはないけどマープル女史の魅力たっぷり。永井淳氏の翻訳も面白い。この人の翻訳でク...続きを読むリスティ作品もっと沢山読みたくなりました。

0

Posted by ブクログ 2022年08月31日

クリスティのミスマープルシリーズ。自分の住んでいる小さな村での出来事や人物を当て嵌めて、知らない街での殺人事件を解決に導く、いつもながら胸がスカッとする。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年09月13日

早い段階で犯罪パターンが提示され、それに沿った行動をとっている人が犯人というシンプルな話ながら楽しめた。ミス・マープル物にしては出ずっぱり+情報収集のために作り話をしたり匍匐後退までして元気でアクティブ。ラフィール氏のコンビも良かったし、特に最後、空港で見送りの際の会話が、老いや死を笑い飛ばすような...続きを読むからっとした格好良さで印象的。爽快な読後感。

0

Posted by ブクログ 2020年03月05日

イギリスを離れ、西インド諸島で療養生活を送るミス・マープル。ある晩、とりとめのないおしゃべりを繰り返す老少佐が「殺人犯のスナップ写真」を彼女に示そうとするか、寸でのところで取りやめてしまう。そしてその晩少佐は亡くなってしまう。

序盤で死体が登場するわりに、事件そのものの進展は遅い。だが、一見「良い...続きを読む人」に見える宿泊客の仮面を一つ一つ剥がしていくことで、物語に深みを与えているように思う。いつもの頼りになる仲間が不在の中、ミス・マープルと相棒を組むのが、嫌味な大富豪というのも面白い。警察や医者と事件に関する話ができない一方、大富豪との会話は老人パワーフル回転で楽しくもあり、若者とは違う視点で物事を見ているのがわかる。(クリスティー自身が年を取り、老人に肩入れしているのかもしれない)
事件そのものは、最初から示されていたのに、目くらましをまんまと食らってしまった。悔しい。

0

Posted by ブクログ 2015年07月09日

おもしろかった。
ちょっと登場人物がごっちゃになったけど、犯人も意外だったし、なにより頑固ジジイがいい味出してたと思う。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年04月17日

老マープルが休養で訪れた西インド諸島のホテルでの起きた殺人事件。
犯人解決に導くためのヒントなど、わかると納得。
それでいて、犯人を特定させないための展開も優秀。

マープルが老いを見せる面など、マープルシリーズを昔から読んでる人向けではないかと思う。

0

Posted by ブクログ 2011年05月31日

おばあちゃんとおじいちゃんの推理合戦が面白い。
「だが彼女はあえて反論しなかった。紳士というのは自分の発言を訂正されることを好まないものだと彼女は知っていたからである」

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年05月24日

カリブ海の西インド諸島にやって来たミス・マープル。ホテルの滞在客パルグレイヴ少佐は過去の思い出話を他の滞在客に話すのが好きで、ミス・マープルにも最初に妻の自殺未遂を助け次に自殺を装い殺害する夫の話をする。ミス・マープルに犯人の写真を見せようとしたときに何かに気がついたパルグレイヴ少佐。夜の内に急死し...続きを読むたパルグレイヴ少佐。高血圧の薬の存在から薬の量を間違えた事故と処理するグレアム医師。不信に思ったミス・マープル。消えた写真。ホテルの主人ティム・ケルドンとモリー夫妻に薬の瓶はパルグレイヴ少佐の物ではないと証言した使用人ヴィクトリアの殺害。グレゴリー、ラッキーのダイストン夫妻とエドワード、イーヴリンのヒリンドン夫妻の関係。エドワードとラッキーの浮気。関係を絶ちたがるエドワード。事件のショックから睡眠薬を多量に摂取したモリー。ティムの活躍で一命をとりとめるモリー。落ち着いたと思われるモリーの失踪。川底から発見されたラッキーの遺体。モリーと間違われたラッキー。滞在客で富豪のラフィール氏の使用人ジャクスンに協力を依頼するミス・マープル。ラフィール氏がエスターに残す遺産の秘密。 

2009年11月29日購入

0

Posted by ブクログ 2024年01月22日

リゾート地で療養していたミス・マープル。そこで殺人事件が起きて。アガサ・クリスティーはミステリのトリックや設定もさることながら、魅力的な人物を創造するのがとても上手だ。

0

Posted by ブクログ 2023年10月10日

療養のためセント・メアリ・ミード村を離れて遥か彼方の西インド諸島を訪れたミス・マープル。
そこは最早リゾートだからセント・メアリ・ミードのような人間関係は生じないかと思いきや、裕福な人間たちが限られた空間に集うわけだから根本的な人間模様は変わらない
つまり噂も憶測も飛び交うお喋りの坩堝と化すわけだ
...続きを読む
ゴールデン・パーム・ホテルにてお喋りの代名詞となっている人物がパルグレイヴ少佐だね
ミステリにおいて、口が軽い人間が殺される率は高いものだけど、彼もその例に漏れず
ただ、この場合に厄介だったのは彼があまりにお喋りだったせいで皆が彼のお喋りを話半分にしか聞いていなかった事か

誰も彼もまともに聞いてないのに、パルグレイヴ少佐はお喋りのせいで殺されてしまった
マープルは人との会話からその人柄を読み取るのが得意なタイプだけど、肝心な人物の話が曖昧なものだから推理も上手く進まないという点が今回の事件の特徴かな

また、もう一つの特徴を上げるなら、マープルの助手役となった人物が風変わりと云うか驚きの人物であった点だろうか
マープルは療養に来るくらいには体の自由が効かない状態。おまけにポアロのように名探偵を名乗っているわけでもないから警察を自由に動かせもしない
だから彼女の代わりに動いたり、考えを補佐する人物が必要となるわけだけど、まさかあの人物がマープルの助けになるとは思わなんだ
マープルの推理力に感激し協力的になる人物は数あれど、あのような姿勢から協力的になった人物はかなり珍しいんじゃなかろうか?


あと、特徴と言える程のものではないけど、あとがきで言及されているように、本作はマープルの柔軟な姿勢が目立って居るね

ゴールデン・パーム・ホテルでは知り合いがいるわけでもなく、むしろ彼女と年の離れた人物ばかり。夕食時にはスチール・バンドが鳴り響くなど彼女向けの環境とは言い難い
それでもマープルはその環境を楽しもうと自分の言い分を他所において、全く異なる生き方をする人物の話に耳を傾けるし、スチール・バンドも好きになろうと努力する

そういった控えめな積極性が噂をかき集めなければ真実に到達できない事件の解決へ近づく助けとなっていると読み終わると判るね

0

Posted by ブクログ 2021年06月16日

いいねぇ、この不穏な空気のリゾート地!
定番のクリスティーって感じです。
私はポアロ派なのですが
読んだらやっぱりマープルもおもしろい。
捜査権がない老婦人だから
より「聞き込み」重視になるわけね。

被害者の視線の先に殺人者が…って
それなりに推理して読んだけど
見事に手のひらで踊らされました。
...続きを読むどのカップルもそれぞれ怪しいんだもん。

0

Posted by ブクログ 2020年10月02日

ミス・マープルもの。

転地療養の為、西インド諸島のホテルに滞在中のミス・マープル。ある日、同じホテルの滞在客の少佐が死体となって発見されます。
高血圧による死亡として処理されますが、マープルさんはその死を不審に思い、独自に調査を始めます。
ホテルの経営者夫婦や、滞在客たちとの会話から、複雑な人間模...続きを読む様も浮かび上がってきて、もう何が何だか・・・という感じですが、それでも先が気になるのでページを繰る手を止められない私です。
いつものイギリスにいる時とはマープルさんも勝手が違っていたようですが、大金持ちで偏屈なラフィール爺さんがマープルさんの良い聞き手となった事もあり、見事に真相にたどり着くのは毎回ながら感心してしまいます。
因みに、今回舞台となった“西インド諸島”は、お馴染みの南アジアのインドではなく、南北アメリカ大陸に挟まれたカリブ海域にある群島です。カリブ海の島でリゾート療養なんて羨ましいですね。

0

Posted by ブクログ 2019年08月13日

言わずと知れたアガサ・クリスティのマープルシリーズ。

カリブ海が舞台の作品です。

転地療養のためにカリブ海の宿に滞在中のミス・マープル。

仲良くなった少佐の突然の死に疑念を抱き、事件に関わっていきます。

ミス・マープルの捜査には派手なところはなく、ひたすら関係者とのやり取りが描かれるため、ど...続きを読むうやって真相にたどり着くのか、最後のほうまでよくわかりません。

しかし、最後になってミス・マープルが見聞きしたことがつながってくるのがさすが!という感じ。

個人的には、いつものセント・メアリ・ミード村やイギリスのどこかが舞台の作品のほうが生活感があって好きですが、夏休みシーズンということで、ちょっとそれらしい雰囲気のこちらの作品を読んでみました。

シリーズ物は順番に読んでいくのが基本ではありますが、気分や季節で、「今だ!」というときに読むと、物語により入り込んで読める気がします。

◇おすすめポイント
 ・いつものマープルシリーズとは違う雰囲気を楽しめる
 ・ミス・マープルと一緒に推理を楽しめる
 ・大人の女性の落ち着いた態度を学べる

◇こんな方におすすめ!
 ・ミス・マープルが好き
 ・カリブ海でのんびり療養したい
 ・夏休みである

0

Posted by ブクログ 2018年09月24日

西インド諸島で療養中のミス・マープル。殺人犯を知っているという昔話に興じていた少佐が翌日に死体となって発見される。ホテルのオーナー夫妻、使用人、様々な旅行客。旅先で出会った人の本当の顔は知る由もない、数々の噂話も嘘か本当かわからない、そんな状況でマープルは何を信じて真相を解明するのか。

0

Posted by ブクログ 2018年08月08日

ミス・マープルシリーズ。
登場人物の夫婦が何組もいて、誰が誰なのかわからないまま読み進んだ。集中して読んでなかったのかもしれない。最後まで犯人がわからなかった。

0

Posted by ブクログ 2018年06月27日

マープルさんってこんなに行動的だったっけ?って思った一冊でした。最初のうちはレイモンドのことを思い周りの人の話を聞いて、リゾート地は有り難いけど退屈と思ったりするいつものマープルさんだったんですが、殺人がおきてから誰かを見張ったり、事件について話す相手の横に立ってこそっと告げ口したり、生き生きして見...続きを読むえました。慣れてない土地、知らない人々が原因でしょうか。

0

Posted by ブクログ 2017年08月08日

マープルが甥のレイモンドの計らいで、セント・メアリー・ミードを離れて、カリブ海のリゾート地で静養している際に遭遇した三人の死亡事件。マープルは、最初に死亡したパルグレイヴ少佐の死に不審を抱き、マープルの「たったひとつの武器」である会話によって、真相を究明しようとする。
三組の微妙な関係の夫婦や、頑固...続きを読む老人と従順な秘書といい加減な世話係の組み合わせなど、多彩な人物を登場させ、物語を進行させていく手腕は作者の真骨頂であり、見所である。今回は特に、パルグレイヴ少佐がマープルに見せようとした写真に写っていたのが誰であったのか、パルグレイヴ少佐がその人物がいることに気づいて写真を引っ込めた相手は誰なのか、ということに焦点が当てられている。「犯行をうまくやってのけると同じ犯行が繰り返される」ということと、「人間は人の話をいとも簡単に信じてしまう」ということが、うまく真相に活かされている。
マープルはある人物との会話からヒントを得て、ある事柄に気づき、犯人が誰であるかを知るのだが、正直、犯人を特定する決め手としては弱い。これといったトリックが使われているわけでもないし、アリバイも問題になっておらず、ミステリ―としてはやや物足りなさを感じる。

0

Posted by ブクログ 2016年03月28日

ミス・マープルシリーズの長編9作目。

 マープルは甥・レイモンドの計らいで、西インド諸島にあるリゾートホテルに療養に来ていた。そこで出会った少佐から、ある殺人事件の容疑者が写った写真を見せられようとするが、直前で少佐は思い留まり話題を変えた。翌日、その少佐が遺体となって発見される。死因は持病の薬の...続きを読む飲過ぎと診断されるが、腑に落ちないマープルは情報収集を開始する。

 如何にも怪しい夫婦や富豪が登場するリゾート地。どちらかと言えばポワロが得意とする舞台に思えるが、マープルも老体に鞭打って活躍する。犯人の意外性はあるが、周辺人物や状況が都合の良い立ち回りをしていると感じたため★3。

0

Posted by ブクログ 2015年05月06日

マープル第九作。
夫婦が多数出てきてなかなか人間関係が掴みにくい。
節々にヒントがあったのだけれども、
全く気付かないままラストまで行ってしまった。

0

Posted by ブクログ 2014年12月29日

この作品の続編である『復讐の女神』を先に読み進めてしまい、あわてて『カリブ海の秘密』を読みました。そして初めてマープル物を読みました。ポアロのように推理を皆の前で展開していくというかんじではないのでスリルは抑え目かもしれません。でも、マープルが犯人が分かる瞬間は、さすが仕掛けがうまいなと思わされまし...続きを読むた。

0

Posted by ブクログ 2014年12月21日

ミス・マープルが、甥っこの親切によって療養に行った際、事件に巻き込まれる話。
むしろ巻き込まれることを望んでいたかのような?

面白かった。今回は彼女の手足になってくれる情報提供者がいない中で、孤軍奮闘をした彼女だったが、最後には良き理解者とめぐり合えて事件も解決。

0

Posted by ブクログ 2013年11月15日

南の島で療養する老嬢ミス・マープル。
甥の勧めで来たものの退屈極まりない。
そんな折、お喋り好きの少佐から逃亡中の殺人犯の話を聞く。
しかも少佐の様子から、殺人犯がこの島にいることが伺えた。
その晩、老少佐は突然死んでしまう。
殺人を疑ったマープルは南の島でひとり、犯人探しを始めるのだった。

紳士...続きを読む的で陽気なリゾート滞在客。ホテルを経営する親切な若夫婦。
だが一皮剥くと皆ドロドロしたものを抱えていた。

意外な一面が見え出すと物語が俄然面白くなってくる。
この毎度の展開はアガサ・クリスティの
シナリオライターとしての優れた才能を伺わせる。

犯人を特定できないうちに新たな犠牲者が。
これ以上被害者を出してはいけないと焦るマープル。
いつもの仲間がいない南の島で老嬢マープルはひとり如何に解決するのか。
ミス・マープル、リゾート特別編。

0

「小説」ランキング