【感想・ネタバレ】カリブ海の秘密のレビュー

あらすじ

転地療養のため美しく平穏な西インド諸島を訪れたマープル。一週間は何事もなく穏やかにすぎていった。だが、まもなく彼女を相手に懐古談をしていた少佐が死体となって発見される。以前から少佐は何かを憂いていたようなのだが……。義憤にかられた老嬢ミス・マープルが、事件の謎に挑む。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

甥夫婦の厚意で陽光降り注ぐカリブ海のゴールデン・パーム・ホテルに滞在することになったミス・マープル。そこには個性豊かな宿泊客が集まっていた。二組の夫婦、頑固者の大富豪とその世話係、そして退役軍人の老紳士・パルグレイブ少佐。マープルは、話半分にパルグレイブ少佐の長話を聞き流していたが、翌朝冷たくなった少佐が発見される。高齢者が突然死ぬことはよくあることと、事件性も疑われず処理されてしまうが、マープルは少佐が語っていた写真のことが気に掛かっていた。しかしその写真は少佐の持ち物から忽然と消えてしまっていたのである。
少佐の死には何かあると踏んだマープルは、宿泊者たちを相手に捜査を進めていく。
その最中、何かしらの秘密を握っていたと思われる人物が殺害されると、自殺未遂や新たな殺人など事件は連続殺人の様相を呈し始める。
警察が完全に空気の中、マープルはかなり能動的に捜査を進めていく。歯に衣着せぬ物言いの大富豪ラフィールとのタッグがこの作品の見所。年齢は全く違うけれど、ラフィールがジェフリー・ディーヴァー作品のリンカーン・ライムに少し似ていてそこも面白かった。
クリスティ作品は基本的にどの順番で読んでも問題ないが、この『カリブ海の秘密』と『復讐の女神』は明確な繋がりがあるのでこちらを先に読むべき。
「隠し事のある人にとっては、会話はいつだって危険」ポアロも言っていたこの言葉。かなり的を射た考え方だと思う。

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2024年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「葬儀を終えて」や「ハロウィーン・パーティー」のように、"秘密を知る人が殺された"系ストーリー。マープルが立ち上がった時のワクワク感がすごい。ラフィール氏との相棒関係もまた良し。続き物らしいので次回作が楽しみ。

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2024年02月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

しばしば警察関係者があてがわれてきた「聞き手役」に賢き偏屈おじいちゃんが配され、物語の舞台も相まってとても新鮮。
酸いも甘いも噛み分けた「お年寄り」同士のやり取りが心地よい。

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2024年01月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

早い段階で犯罪パターンが提示され、それに沿った行動をとっている人が犯人というシンプルな話ながら楽しめた。ミス・マープル物にしては出ずっぱり+情報収集のために作り話をしたり匍匐後退までして元気でアクティブ。ラフィール氏のコンビも良かったし、特に最後、空港で見送りの際の会話が、老いや死を笑い飛ばすようなからっとした格好良さで印象的。爽快な読後感。

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2021年09月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いや~今回も犯人は難しすぎ。療養のため奇麗で温かい西インド諸島を訪れたマープル。一週間は何事もなく穏やかに過ごしていた。彼女を相手に懐古談をしていたパルグレイブ少佐が亡くなって発見される。少佐に自分の妻殺しの内容を知られたと思った犯人の仕業とマープルは考える。ホテルの従業員の夫妻(ティムとモーリー)の使用人・ヴィクトリアも刺殺される。登場人物の夫婦達や金持ちのラフィール、その秘書、医師等怪しい者が多すぎて、犯人予想ができずに混乱。でも一応予想した、が、やっぱりハズレ。76歳のクリスティーの作品、完敗。③

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2024年08月18日

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