あらすじ
戦争も終わり平和が戻ったロンドンで再会した幼なじみのトミーとタペンス。ふたりはヤング・アドベンチャラーズなる会社を設立し探偵業を始めるが、怪しげな依頼をきっかけに英国を揺るがす極秘文書争奪戦に巻き込まれてしまう。冒険また冒険の展開にふたりの運命は? 名コンビ誕生の記念碑的作品。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
冒険物語で楽しかった!主人公2人が活動的に動き回るので敵に見つかるんじゃないかとドキドキした。ポアロマープルのようなミステリとしてではなく、トミーとタペンスの活躍を楽しむストーリー。2人が大好きになった!3作目の「NかMか」が名作のようなので早く辿り着きたい~!
Posted by ブクログ
クリスティの長編スパイスリラー。トミータペンスシリーズ。記念すべきトミータペンスシリーズの一作目であり、クリスティの長編作品二作目にあたる作品だ。
「若さ」についてとてもエネルギッシュで魅力に満ち溢れた作品で、「若い」事はこんなにも無謀で何でも出来る様な気でいるが、実際人生はそんなに甘く無いとクリスティに釘を刺されている様な気がする(笑)トミーとタペンスの単純な考えで結成したヤングアドベンチャラーズ。戦争の不安が残る中、仕事を見つける、お金を稼ぐ方法がとても大変な世の中。そんな中、幼馴染の二人は再会し、勇敢に(今の時期から見れば余りにも無鉄砲だ)新しい世界に立ち入って行く。
クリスティの冒険ミステリーはいくつかあるが、作品解説にてスパイスリラーとあり、カテゴライズされている。それぞれクリスティの探偵達には得意分野があり役割分担が上手く、探偵然としたポアロ、安楽椅子のマープル(意外に行動力があり、僕の捉え方は間違えているだろうなあ(笑))
そしてトミータペンスは冒険物だ。それぞれが各々に適した物語があるし、誰を登場させるかで解決や世界観も違って見える。
今作はトミータペンスシリーズの一作目なので最後の二人の関係が落ち着く様子は見ていて気持ちがよい。タペンスはお転婆で溌剌としており何にでも無謀に突撃して行く様なパワフルな人物だし、トミーは落ち着いているがカッカしやすい、楽観的な人物だ。
作中、ある意味、そんな事あるかとにやけてしまうストーリー展開なのだが、バカバカしい感じが少なく、面白く読む事が出来るのはこの作品の世界観が見事だからで、カフェでヤングアドベンチャラーズの結成を宣言した矢先からきな臭い依頼が舞い込み、瞬時に謎と危険の中に紛れていく。トミータペンスの持ち前の行動力を活かし、諜報部員からアメリカの女性に引き継がれた機密文書を巡る冒険。無謀な考えで飛び込み、様々に訪れる危機を乗り越えていき・・・。謎の人物ブラウンとはだれなのか。フーダニットの面白さも盛り込まれ。犯人当てはドンデン返しを巧みに用いている。全体を通してあっという間に読んでしまった、魅力的な作品だ。
(スパイスリラーの様なジャンルはぼやかしている部分が多く余り得意ではないが、このシリーズは別物だ!!秘密主義の作品の筈だがぼやかしはなく何から何まではっきりしすぎている。明るい作品だ。)
Posted by ブクログ
展開に驚きを隠せない。やはり読み続けるのが楽しくなる。アガサ・クリスティーだなって思わされる。トミーとタペンスの組み合わせがいい。章の構成によって、どんどん読み進めたくなった1冊。
Posted by ブクログ
ドラマ化により再読。やはりおもしろい!
トミーとタペンス物はこの明るさと軽さが最高。ふたりの会話が今でも充分おしゃれ。
ラスボスやネタはわりとすぐに読めてしまうけど、この作品の魅力はそこではないんだな、と懐かしく楽しく読み進めた。
Posted by ブクログ
ハラハラドキドキの冒険活劇もの!
トミーとタペンスが
ジュリアス、エジャートン卿、ブラウン
とめっちゃすげー人たちとの間で
めっちゃすげーことに巻き込まれていくと言うか自ら巻き込んでいくというか
はちゃめちゃな感じが読んでいてとても楽しかったです!
ジュリアスのお金持ち具合に
実際周りにこんな人いないからなのか
え?ありえんくね?無理じゃね?
ってちょっと思ったけど
金持ちだから金使って全て解決する感じがとても好感持ててよかったw
タペンスの
肝の座った感じもまたかっこいい!!
面白かったですとも!
Posted by ブクログ
名コンビですねえ。
ハラハラさせられつつも、その場しのぎでうまく行っちゃうところが楽しい!
本格的にアガサクリスティにハマってしまったようです。
Posted by ブクログ
二作目の長編でこのクオリティか。
ミステリーというよりは冒険小説だけど、めちゃくちゃ面白かった。
滅多に読まないジャンルなのに楽しめてしまったから正直驚いてる。
伏線は随所に散りばめられているし、事件の黒幕は最後まで分からない。
もちろんロマンスも忘れない。
もう最後の数頁なんてニマニマしながら読んだわ。
ホント読者を飽きさせないな。
さすがは女王です。
Posted by ブクログ
若きトミーとタペンスの冒険劇。ポアロやミス・マープルの王道ミステリとはまた別味のするスリル溢れる展開に謎。クリスティ長編2作目だという今作は隠れた名作。
Posted by ブクログ
おてんば娘の危なっかしさにハラハラしつつ、二人の恋愛模様がロンドンの街中で繰り広げられる景色に、自分のロンドン生活と重なってとても温かい気持ちになる。 この二人、以後の作品で年を取っていくという。その姿を見ていきたいし、既にこの二人のような関係になっていきたいなぁ。
Posted by ブクログ
20代前半のトミーとタペンスの冒険・推理・ロマンス小説。本格ミステリーというよりも少年少女向きな感もあるが、とても面白い。英国娘タペンスは元従軍看護士で、無鉄砲な冒険好き。一方のトミーはいかにも英国青年らしい沈着な元士官。久しぶりに出逢った幼馴染の貧乏者同士は、「ヤング・アドベンチャラーズ」という会社で新聞広告を出そうとし、スリリングな冒険が始まる。また、謎解きでは結局クリスティーの術中にはまってしまった。
Posted by ブクログ
ハラハラドキドキの展開が面白かった。
ラスボスというか黒幕においては、
『あの人だな…』
『えーっ!?そっち!?』
『って、やっぱそっちかーっ!』
ってな感じで翻弄されてしまった。
トミーとタペンスにおいては、トミーが意味もなく(あるんだろうけど)カーッとなるところ、
非常に人間味に溢れていて微笑ましい(感想そこかー)。
二人とも好奇心旺盛で行動的で魅力的。
本作品では二人の展開が途中で別々になってしまったけど、
もっとずっと一緒にいて活躍しても良かったかな。
あまり前知識が無いうえにクリスティー作品も二作目だから、
勝手にわかった風に評することはできないけれど…
アガサ・クリスティと言えばミステリー。
ミステリーと言えば密室…じゃないや、推理物。
なんてイメージが強いこともあって、
こういった話も書くんだと、ちょっと意外だった。
ポアロシリーズ、トミーとタペンスシリーズ含め、
他の作品も非常に興味深く、いつか読んでみたい。
どうでいいけど、個人的に“トミー”と言えば『噂の刑事トミーとマツ』を思い出す。
本当にどうでもいいね(笑)。
Posted by ブクログ
アガサ・クリスティの初期作品を読み直してます。
トミー&タペンスもの。
デビュー作につぐ2作目とは気づきませんでした。
読んだのはだいぶ後だったと思います。
デビュー作で有名になったためか、このほうが明るくて広範囲の読者を獲得出来たのか、売り上げは倍増だったとか。
戦争が終わって平和になり、活気づくロンドン。
この戦争というのが第一次世界大戦。
1922年の発行ですからね~。
幼なじみのトミーとタペンスが、ばったり再会し、仕事がない二人で会社を始めようと「ヤング・アドベンチャラーズ」を名乗ります。
トミーこと、トーマス・ベレズフォード。
見た目は平凡だが感じが良く、冒険心はあるが真面目でしっかりした青年。
タペンス(2ペンスという意味)はあだ名で、本名はプルーデンス・カウリー。
大きな灰色の目で、勘が良く、いたずら小僧のような雰囲気があるキュートな娘。
新聞広告をタイムズ紙に載せた所、反応があり、事件に巻き込まれていきます。
とっさに名乗ったジェーン・フィンという名が波紋を起こすのです。
1915年に、汽船ルシタニア号がドイツの攻撃を受けて沈没。
そのときに、機密書類を受け取ったのがジェーン・フィンでした。
行方の知らないジェーンを捜すいとこジュリアスも登場。
これは写真でしか知らないジェーンに恋しているアメリカ人で、富豪なのです。
情報局員のカーターと情報を交換しつつ、トミーは怪しい男を尾行して邸に入り込み、秘密の会合を目撃。
国際的な陰謀が行われている様子。
タペンスは怪しいと睨んだ夫人の元へ、メイドとして潜入。
教会大執事の娘であるタペンスは、女中に家事を仕込む立場だったので、お手のものでした。
その建物のエレベーター・ボーイともすぐ仲良くなったり。
ユーモラスな書き方で、スリルもほどほどに。
携帯どころか、まだ電話もすべての家にあるわけではない時代。
用事の連絡は電報!という。
レトロなテンポで~素人探偵が活躍。
ポワロもののような綿密さはありませんが、コメディ映画を見るような気分で、楽しく読めます。
そういえば、ドラマもテレビで見たかも…
タペンスはフランセスカ・アニスだったそうで~原作に美人ではないと書いてある割には大美人だけど、チャーミングにいきいきと演じていました。
この版は、2003年の新訳によるもので、一番新しい装丁。
Posted by ブクログ
【トミー&タペンス】
クリスティー32歳。
デビュー作の次に書かれた2作目。
トミーとタペンスが生き生きしていて魅力的だけど、やっぱり冒険ものが苦手でミステリーじゃないと途中挫折しそうになる…。
すると面白い出来事が出てきて、クリスティーに「頑張るのよ!」と励まされているかのように、またぐいぐい読める。
世界の命運を握る秘密文書の行方を若者素人探偵が探すという、どうにもあり得ない設定。
それについては、あ〜そうなんだ程度に深く考えない方が良さそうだ。
「一体誰が黒幕なのか?」というミステリーの犯人当てのような楽しみ方がわかると、一気にものすごく面白くなってきた。
2人が若さに溢れていて明るく魅力的。
そして今までのシリーズにはないドキドキ感!
冒険もので初めて最後まで楽しく読むことができた(゚∀゚)
クリスティーの幅広い作品のおかげで、私の狭い偏った好みを徐々に矯正してもらってる感じがする。
思い返せば、あんなにカタカナ名前が苦手だったのにいつの間にか慣れたし、文化は違っても人間の本質は同じなんだと外国の壁も取っ払ってくれた。
クリスティーのおかげで読書の楽しさが大きく広がった。私にとってクリスティーはもはや先生。
自分のクリスティー読書50冊目は、冒険ものに初めて踏み出して楽しめたので、忘れられない1冊になった。
クリスティーの作品は100冊あるので、これでやっと半分まできた。
色々なジャンルがあるので、全然飽きないどころか、読めば読むほど愛が強まってしまうのがクリスティーのすごいところ。
杉江松恋さんの解説がとてもわかりやすくて、自分がどうして『ビッグ4』を途中で挫折してしまったのか理由がわかった。
この解説を読むと、クリスティーのことも作品のこともより深く知ることができて、より作品が面白くなる。こういう解説が大好きだ。
★3.5
Posted by ブクログ
小説に対してのコメントにはふさわしくないかと思うが、映画のようなドキドキ感・満足感が得られた。トミー&タペンスの他の活躍が気になる、そんな思いを持たせてくれる良い作品。
Posted by ブクログ
<トミー&タペンス>シリーズ。第一次世界大戦終結後のロンドンで再会した幼馴染のトミーとタペンスは、失業中でお金が無いし退屈だからと軽いノリで「ヤング・アドベンチャラーズ」なる万屋みたいな会社を起こすも、怪しげな依頼をきっかけにヒッチコック映画さながらの陰謀騒動に巻き込まれてしまう。
クリスティーが本作のような冒険小説を発表していたこと自体に驚かされた。ポアロやマープルや『そして誰もいなくなった』のようなミステリー小説のほうが馴染み深いぶん読むのに苦労したが、楽しめた。ただトミーとタペンスの向こう見ずでお金に意地汚い部分は少し苦手。
Posted by ブクログ
クリスティは、中学生くらいのころに『そして誰もいなくなった』を読んで大衝撃を受け、それでミステリーにどハマりした…というような歴史認識でいるわりに、(その後も有名どころを何冊か読んだはずだが、)何も覚えていない。ミス・マープルやポワロもアンソロジーでちらほらとしか読んでおらず、要するにクリスティ初心者なのだが、トミーとタペンスという男女バディものの冒険小説的なシリーズがあるとブク友さんに教えてもらい、なんだか楽しそうだぞと思い読んでみることに。
第一次大戦後のロンドンで、お金に困った若い二人の男女が久方ぶりに再会し、何でも屋とでもいうような会社を設立するところから物語が始まる。そんな無鉄砲な、と序盤から思ってしまうのだが、そのあと実際に仕事が舞い込んできて、依頼人との初めの面会でいきなりの大ピンチ。そこでタペンスが咄嗟にかますはったりが大当たりと、いきなりタペンスがかっこいいではないか。その後、やや押され気味かと思われたトミーも、ときに大胆に、ときに冷静に、様々な困難を掻い潜っての大活躍。
正直、話のあんこである国家存亡の危機に関する策謀の細かいことは、頭がこんがらがってよく飲み込めなかったのだが、敵か?味方か?のハラハラ感や、トミーとタペンスの冒険とロマンスでじゅうぶん楽しめた。
解説によるとこのあと二人の登場作品は四作あり、最後は七十代の老境が描かれるらしい。楽しみだ。
Posted by ブクログ
トミー&タペンスもの
クリスティー作品は、最近だとミス・マープルものばかり読んでいたのですが、ちょいと気分を変えて本書を手に取りました。
幼馴染のトミーとタペンスが、とある機密文書を託されたまま失踪した女性を巡る陰謀に巻き込まれていく冒険活劇です。
本書は、クリスティーお馴染みの本格ミステリとは趣が異なる感じで、若い男女コンビが繰り広げるアクションに、ドキドキハラハラしながら読みました。
(注:この“ドキドキハラハラ”は、二人の行動が危なっかしくてハラハラしていたという意味です 笑)
で、“謎の黒幕”が誰か?という事も、話の展開で怪しい人物が挙がってくるのですが、「この人か?・・あ、でもこの人ちゃうか・・」と、見事にクリスティーに翻弄されてしまいました。
という事で、クリスティーのこのような冒険小説も楽しいですね。今後、“トミー&タペンスもの”制覇したいと思いました。
※余談ですが、今回はいつもの古い方のクリスティー文庫ではなく、新訳の文庫にしてみましたが、個人的に表紙のデザインは古い方(左上に“マーク”がある方)の、クリスティー文庫が好みかな。と思った次第です。