あらすじ
若夫婦の山荘に、大雪をついて五人の泊り客、そして一人の刑事がやってきた。折しも、ラジオから凄惨な殺人のニュースが流れる。やがて不気味に緊張感がたかまり、舞台は暗転した! マザー・グースのしらべにのって展開する、スリリングな罠。演劇史上類をみないロングランをほこるミステリ劇。
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Posted by ブクログ
mousetrapを見に行く前に原作を予習しようと思って読み始めた。
読み終わってまず初めの感想としては、短いのにめちゃくちゃ満足感がある。主な理由としては1つ、戯曲なだけあってテンポが良くキャラも立っていること。カタカナの名前を覚えるのが苦手なわたしでもすぐに登場人物を自分の世界にインプットできた。さらにもう1つ、話の構成がわかりやすく、いい意味でミステリーのテンプレをいっていること。大体流れは読めるが、不思議と肩透かしをくらった感じはない。
れっきとした殺人事件が起きているのに、いまいち舞台に緊張感がなく、終始なごやかで間の抜けた雰囲気が漂っているのもこの作品の愛すべき点。ぬるっと殺されて特に悲しまれてもいない被害者のあの方には同情。特にラストの締めくくり方が大好き。あれ?わたしが読んでたのってミステリーだよね?
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【戯曲】
「吹雪の山荘もの」で大好きなクローズド・サークル!
タイトルからは全くクローズド・サークルだと想像できなくて、攻略本でも★3だったのでノーマークだった。
正真正銘のこれぞ王道クローズド・サークルという作品だった。
魅力的なキャラクター、ストーリー、戯曲っぽいラストと全てのバランスが良い。
特にラスト好きだー。
1952年から世界で最長連続上映をしている理由は、このバランスの良さのような気がする。
以前に★10を付けた戯曲『検察側の証人』の方が意外性や面白さからすると断然優れていると思う。
でも子どもでも、ミステリー好きじゃなくても、誰でも楽しめるわかりやすさは『ねずみとり』だと思った。
「この中で嘘をついているのは誰か?」というシンプルで王道のドキドキ感は、この先もずっと変わらず愛され続ける作品だと思う。
解説によると、この作品はメアリー王女80歳の誕生日記念に書かれたラジオドラマが原型だそう。
誕生日にミステリーのプレゼントだなんて、英国だからこそで知的で素敵だ。
戯曲は登場人物のキャラクターや動き、ト書きなどを頭の中で想像するのがとても楽しい。
第1幕が終わった時は、自分も本を閉じ休憩して演劇を観に行ってる感を出して気分を盛り上げている。
たくさんの観客に楽しんでもらうために練りに練られているので、戯曲は無駄がなくてハズレがない。
クリスティーは小説だけでなく、戯曲もすごく面白い。
自分の夢が一つ増えた。
いつかイギリスで『ねずみとり』を観てみたい。そんな日を夢見て日々頑張ろう。
Posted by ブクログ
僕は舞台の事は詳しくないが、イギリスでもっともロングランしていた作品がこの作品の様だ。
過去に小説版を読んでいるが、戯曲についても楽しむ事が出来た。戯曲の方が少し抒情的に感じるのは小説版から時間が経っているせいか。戯曲構成の為か。いずれにせよ、クリスティ作品の中でも完成度は抜群で余計なものが無い、研ぎ澄まされた様な作品だ。
クリスティの傑作、名作は数十作に上るが、今作では「これぞクリスティ!!」と舌を巻く、王道の「雪の密室」と「フーダニット」そして「メロドラマ」の組み合わせだ。最後のオチまでしっかりと描かれており、舞台は観ずともミステリーとして面白い。
舞台用なので登場人物が小説よりもわかりやすく丁度いい人数の為、読者が推理する楽しみも味わえる。舞台装置や俳優の動き方はイメージ出来なかったが、舞台で見たら面白そうだと興味が生まれた。
若い夫婦モリーとジャイルズがロッジをオープンし、そこに宿泊に来る数名。何かしら一癖も二癖もありそうな面々。そして時折聞こえるラジオでは、近隣で起きた殺人事件のニュースが流されており、犯人は捕まっていない。
ロッジのオープン日は豪雪に見舞われ、予約できた人々も、トラブルにて偶々やってきた人も閉じ込められてしまう。
そんな折、モリーの元に警察から連絡があり、緊急の用件でロッジにやって来るという。
刑事がやって来て近隣の殺人事件とロッジの関係性、過去に起きたとある事件の顛末を語りながら殺人事件が起きない様に注意喚起をしていくが・・・。
何度もいうが、まるでお手本の様な完成度であり、雪の中の舞台効果がよく発揮されている。
舞台としてロングランされる理由もわかるし、読んでも面白い。ポアロの様だと形容されるバラビチーニのキャラクターを置いた事である意味読者はミスリードされる(笑)。いずれにせよ、「今作の様な」構成のトリックもやはりクリスティが書いていたのかと脱帽だ。本当に彼女は全てのミステリのトリックを生み出したのでは。と疑ってしまう。
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同じ訳者による『白昼の悪魔』を読んだときに、なんだか癖のある文体の人だと思っていたので不安だったが、こちらは気にならなかった。
舞台の大道具の配置図が載っており、また、話が一つの場所だけで進行するというのもあり、読みやすくもある。内容も短くまとまっていて面白い。しかし、大団円のところで、登場人物が一人だけ出てこなくて、あれっと思った。あいつ、あそこで出番終わりなの? と。(これは話の核心とは関係がないのでネタバレではない)
Posted by ブクログ
アガサクリスティーがミステリーの女王と言われる理由は、ミステリーとしての組み立ての見事さはもちろんだと思うのですが、英国文化にあまり詳しくない私でも登場人物のキャラクターがきちんと判別出来る、関係性をそれとなく感じるといった表現にあるのだと思った。
よく結末が見えてしまって興醒めすることもあるのですが、本作は登場人物皆が怪しく最後まで楽しめました。
大どんでん返しとかがあるわけではないのですが、物語の中でほのめかされる伏線をきちんと回収しいて見事だと感じた。
舞台装置についても写真と見取り図が付いていたのでイメージが湧きやすかった。ロングラン戯曲ということなので、是非演劇も見てみたいと感じた。
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読んだのは2度目ですが、犯人はすっかり忘れていました。
読んでいる途中で、ひょっとしたら全員が関係者なのではと思いましたが、別の事件でした。
1度目読んだときは、すごくおっくうだったのですが、2度目だと、だいぶすらすら読めました。
出てくる歌の曲が思い出せないので、映像作品を見てみようと思いました。
Posted by ブクログ
ミステリーの女王アガサクリスティー戯曲
1952年S27ロンドン初演以来2万回以上世界で最も上演させている作品。若き夫婦が山荘を開業させた日ロンドンでは殺人事件発生し犯人が逃走中山荘は大雪に見舞われ孤立にどこか怪しげな宿泊客がやって来てそして殺人事件が発生する。カーテンコールでは観客に筋書きの結末を漏らさないようにお願いしているらしいです。
いつか日本でも上演していただきたいです。
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戯曲なので、つまらないんじゃないか?と思ったけど、先が楽しみでならなかった。
雪の山荘のゲストハウス。オーナー夫妻と、客と警察官。ロンドンで起きた殺人事件の、現場に落ちていた手帳に山荘が、記載してあった。
誰がなぜ殺されるのか、誰が犯人か。
雪はひどく、電話線は、切られていた。
もう、ワクワクです。
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本国では60年のロングランだというこの舞台。2013年3月、六本木にて上演された日本人キャストの「マウストラップ」を見ました。
セリフはほぼ文庫の戯曲のまま忠実でした。
犯人を知らずに舞台を見たら、面白いだろうなあ…
カーテンコールでキャストが「結末は誰にも言わないでください」と言うのもやってました。
Posted by ブクログ
僕が最初に触れたミステリは、『シャーロック・ホームズ』と、『そして誰もいなくなった』だと思う。
ミステリ界の巨人と言えば、コナン・ドイルとアガサ・クリスティ。
そのクリスティの傑作戯曲と言えば、なんといっても、『検察側の証人』でしょう。
ぐいぐい見るものの興味を引きつけ、一瞬たりとも目が離せなく、二転三転していくラストは、圧巻の一言。
「エルキュール・ポワロ」シリーズや、「ミス・マープル」シリーズなどで、小説ばかりがどうしても目立ちますが、戯曲もけっこう書いていて、その中でも、ロングランを誇る作品として知られるのが、この、『ねすみとり』。
実は、ミステリというのは、芝居にはしにくいんですね。
なぜと言うに、単純な話、「殺人事件を扱った場合、殺される役の人は、その後、出番がない(もしくは極端に少なくなる)」ので、出番の少ない役者が不満に思う可能性があるのですね。
まあ、気にしなきゃいいだけの話かもしれませんが、そこはそれ、僕は気にする性格なので。
ついでに、昨今のミステリだと、いわゆる「叙述トリック」というのが人気だと思いますが、これもまた、生身の役者がそこに存在する芝居ではなかなかうまくいくことがまれであり。
さてそんな芝居で、ロングランになり得るだけの傑作をものせるクリスティには、もはや脱帽と言うしかないわけで。
戯曲なので、小説に慣れ親しんだ人にはちょっと読みにくく感じるかもしれませんが、舞台写真や舞台配置図などの図版もありますので、いろいろと想像しながらお楽しみいただければ良いのではないかなと思います。
いつか生の舞台で観てみたいものです。
Posted by ブクログ
きょう開店の、雪の中のペンションが舞台。
舞台の脚本用らしく、動きと連動しての演技の指示も入っている
閉鎖された空間・知らないもの同士・・と そしてだれもいなくなったを少し思い出します
事件も解決も「らしい」かんじで迎えます。
短めでさらっと読めるので、ちょっとミステリーがよみたい、という時にいいかもしれない
Posted by ブクログ
これの本には、ト書き・セリフ・人物の動きが書かれていて、まるで台本のよう。
ロンドンでどうしてもこの舞台が見たくて、でも英語を聞き取る自信がなくて飛行機の中で読みました。
舞台見たから、本の印象が変わった!
悲劇であり、喜劇である脚本。本読んだだけじゃ笑えないんだけど、舞台で見て「あぁ、笑いどころだったんだぁ」って気づきました。
会話で成り立ってる物語だから読みやすいかも。
Posted by ブクログ
戯曲だけれども、読みやすい。演劇作品としてとても人気があり、ロングラン上演されているそうだ。大雪によって孤立状態にある山荘、経営者の若い夫婦と5人の客と1人の刑事。誰もが怪しく思える、緊迫した状態にゾクゾクする。
Posted by ブクログ
最初は脚本のような書き方に慣れず、なんだか違和感を抱えたまま読み進めた。いや、脚本だからこういった書き方なのかな?
舞台用に作ったのだと全面に押し出しているので、自分が観客なのかキャストなのかただの読者なのか分からなくなり、いつの間にか作品に魅せられ読み終えていた。
戯曲はファウスト以来だからか、あっという間に読み終えてしまった。
いつか舞台を見に行きたい。
Posted by ブクログ
短期集中アガサ・クリスティー第三弾。
突然ですが著者の名前問題。
みなさんアガサ・クリスティーって、何て呼んでます?
名前の呼び方って三種類あると思うんですよ。
①姓で呼ぶ
②名前で呼ぶ
③フルネームで呼ぶ
①の姓で呼ぶのが一般的かなー。
エラリー「クイーン」
エドガー・アラン「ポー」
コナン「ドイル」
「太宰」治
②の名前呼びは国内の人に多い。
江戸川「乱歩」
夏目「漱石」
③が一番無難かな。
藤沢周平
パット・マガー
村上春樹
ダニエル・キイス
で、アガサ・クリスティー。
なんとなくだけど、「アガサ」「クリスティー」「アガサ・クリスティー」と人によって呼び方がまちまちな気がする。
「クリスティー」呼びが一番多いかな。「クリスティー文庫」ってぐらいだし。
でも俺はなぜか「アガサ」って呼んでしまう。
人生の先輩だし、合ったこともないから呼び捨てもなんなので、「アガサさん」と。
アガサさん……。
口に出してみると呼びづらい。
なので略して「アガさん」と呼んでます(笑)
はい。アガさん、アガさん、ア~ガ~さん。
(バナナン、バナナン、バ~ナ~ナンのリズムで)
あとはそうだな~。
ミネット・ウォルターズも「ウォルターズ」とは呼ばないな~。
普段は「ミネットちゃん」と呼んでます。
なぜか「ちゃん」付け(笑)
まあ、好きに呼べばいいわな。
あ。本書の内容。
戯曲です。
ロングランらしいです。
雪に閉じ込められた山荘で殺人でみんな怪しく思えます。
ちょっとヒッチコックぽいかも。
いい具合に忘れたので再読したんですが、読んでいるうちに思い出してしまいました。残念。
忘れてしまいたいことほど思い出してしまうもんだよな~。人生ってヤツは。夜風が身に沁みるぜー。
( `ー´)フッ
Posted by ブクログ
戯曲ってあんまり好きじゃないんですよね
(衝撃の告白からスタートしております)
高校生くらいの頃かな?
文学青年きどりたいわたくしはシェイクスピアも有名どころはほとんど読んだんですよ
でもその頃からダメだったんですよね
んでもそれって固定観念や先入観あるいは単なる無知から来てたということが今となっては分かっていて、あれから何十年もだった今改めて読んだら何か変わっているかな?と考え
土瓶さんにお勧め頂いたのももしかして転機となるかな?と思ったのですが…
結論を言うと三つ子の魂百までというやつでした(★3の時点でわかる)
ではなぜ戯曲があまり好きではないのか?ということなんですが…
まずはっきりさせておきたいのはシェイクスピアもこの『ねずみとり』も素晴らしい物語だということは間違いないんです
間違いないんですが戯曲って未完成品だよねって思っちゃうんです(まぁ了見の狭いこと)
舞台になって初めて完成品だよねって
もしこの『ねずみとり』を舞台で見たら(もちろん脚本だけで決まるわけではありませんが)立ち上がってブラボーって言ってたかもしれません
でも戯曲って設計図やん!そんなん舞台や映画が好きな人がコレクションするやつやん!って思ってしまうんです
うんもうしょうがない
しょうがないこれは
面白ければ面白いほど小説で読みたいな〜(あるいは舞台で)って思っちゃうんですよね
なのであんまり好きじゃないのです
Posted by ブクログ
これは途中で犯人の目星がついたが、どうやって事件関係者がその場所に2人同時にいられるように工作できたのかわからない。
本物の刑事は2件目の事件を阻止できなかった大失態の割には悠々と構えてたなぁと。実の姉に気づかないってあるのかな?
Posted by ブクログ
クリスティーの伝説の劇作品をどうぞ!
雪に閉じ込められた山荘、謎の宿泊客たち、ラジオから流れる殺人事件のニュース、そして起きる殺人。すべてが馴染みのあるミステリ劇。もちろん、クリスティーの時代は新しかったのかもしれない。でも今となってはオーソドックスだからこそ、この劇がロングランした理由がわかる。ちょうどいいのだ。舞台で見てみたいと思う。舞台の上の世界にのめり込み、真相にびっくりしたい。
Posted by ブクログ
戯曲である。舞台はオープン初日を迎える民宿の大広間。民宿を経営する夫婦、客の5人の中で犯人を捜す刑事がいる。舞台脚本文章で会話を重視するため、少し物足りない。それでも、アガサ・クリスティーの面白さは現在でも通用する。事件となった動機が過去の虐待にあり、アガサ・クリスティーの時代も今と変わらないことを知った。
Posted by ブクログ
アガサ・クリスティー作品にしては、めずらしく犯人が途中でわかるという驚き。
戯曲という事で、普段の小説とは少し違った感じがしました。
ぜひ舞台でみてみたいなあと思います。
Posted by ブクログ
今だとそうだろうなという犯人なんだけど、なんといってもかなり前の作品だし、戯曲としてはやはりテンポよく読めるし面白い。ただ正月に読む内容ではw
Posted by ブクログ
いままで読んだ中のクリスティーでは一番中途半端な終わり方な気がする。
何人かの素性がわからないままエンディングだし。
急展開すぎる
話としては面白いんだけどなぁー。
Posted by ブクログ
いわゆる吹雪の山荘ものの戯曲。ミステリとしての種明かしはシンプルだが、戯曲ならではの制限(地の文がないこと)を感じさせない緊迫感のある作品になっている。が、やはりこれは劇場で演じられているところを見たい。