あらすじ
その朝、新聞の広告欄を目にした町の人々は驚きの声を上げた。「殺人お知らせ申しあげます。10月29日金曜日、午後6時30分より……」いたずらかと思われたが、しかし、それは正真正銘の殺人予告だった。時計の針が予告時間を指したとき、銃声が! 大胆不敵な殺人事件にミス・マープルが挑む。
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Posted by ブクログ
『予告された殺人』なんてミステリーの醍醐味ですね。
奇妙で不気味で奇抜な出来事から始まる先の見えない展開には、もう、ほんと「オラ、ワクワクすっぞ!」でした。
そして衝撃の第一の殺人から始まる第二第三と続く連続殺人までスピーディに話は進みます。アガサ・クリスティーの作品を何冊か読んでいると、この人が犯人だなって分かるんですが、犯人を当てるよりまさかの真相に驚かされます。
つくづくアガサ・クリスティーは人間の先入観を上手く突いて読者をミスリードする天才だなと思います。
それに引っかかってしまっても、なぜか悔しいという気持ちよりも「まじかー、参った」と言いつつ心地良さを感じてしまいます。だから、アガサ・クリスティーのミステリーは読むのが止まらないです。
Posted by ブクログ
クリスティの長編ミステリー。マープルシリーズ。巻末解説にて記載されているが、マープルシリーズは12篇しかないという事で驚いた。もっと幾つかの作品があった様に思うが、意外にもたったの1ダースなのだ。ポアロもクリスティ財団公認で続編が発表されているが、マープルの世界観を再現できる人材があれば是非書いてみてほしいし、読み続けたいシリーズだ。
今作、「予告殺人」はクリスティの作品の中でも好きな作品の一つだ。犯人の意外性は勿論の事、殺人を偽装する為のトリックの秀逸さ、真犯人の人生の悲しみと救い、そして今作に蔓延っているなんとも言えないドライな雰囲気。田舎で生活している登場人物達とのコントラストがとてもはっきりとしており、最後、全員で団欒の様に結末を話共有している恐ろしさは田舎特有のものだ(想像して欲しいが、三人も殺害された事件の当事者達が集まり、警察もふまえ、この時はこうだったと楽しそうに語らう様は異様な筈だが時代背景やミステリー特有のものとして誰も不思議に思わない)
残念な事に作中でマープルが死ぬ訳がない為、彼女が失踪した部分についてはスリリングな展開ではなかったが、殺害された人物たちが第二、第三と不用意に何かを漏らしそして殺害されるのはある意味クリスティのお約束なので、受け入れてしまった。ただし、犯人からすれば証拠が増えたり自身に不利になる事は多いはずで、さらに第三の殺人についてはなんとか言い逃れできる道もあるかも知れない為、犯人も不用意だったと想像している。
新聞の広告欄に殺人をお知らせしますとアナウンスがあり、という形で冒頭はスタートしていくが、本当にクリスティのミステリーは序盤に奇想天外に見える様な状況や環境を当ててくる事が多い(それでいて結局は単純な状況だ。)
今作の犯人については余り犯人であって欲しくない人物だったが、巧妙に疑惑の人物を配置し、後々に登場させ、読者を混乱させた。人物の入れ替わりはクリスティ作品では当然の作用であり、驚きも無く、今作も一部人物の真相が隠されているが、一部の偽装については中盤である程度予測はできてしまった。
僕自身の評価が高い点は序盤に述べたが、何より読みやすい事が一番だろう。古典ミステリー、しかも海外ものでは人物名、地名、設定や環境について読み慣れない部分や共感できない、そもそもわからない部分も多いが、今作はとてもすらすら読めた作品だ。
Posted by ブクログ
〈ミス・マープル〉シリーズの4番目の長編(1950年発表)。クリスティーの50冊目の著作。
原題 “A Murder is Announced”
ミス・マープルものは、海外ドラマで何作か見てるけど原作は全て未読。(ドラマを見た作品も結局のところ内容を覚えてない…[汗])
この「予告殺人」は日本でドラマ化されると知って読み始めた作品。
面白かった。
真犯人と動機が、最後まで全く分からなかった。そして、登場人物の偽装(なりすまし)にも気づけず…。すっかりクリスティーに騙された。
きっと各人のセリフをしっかり読み込んでいたら、色んな伏線に気づけたはず!
事件の全貌を知った上で、最初から改めて読み返すと、1回目に読んだ時とは違った面白さが味わえそう。
(もう一度、読み返したいけど、また別のミス・マープルものを読みたい欲求が高まっているので、再読できるか分かりませんが。)
Posted by ブクログ
予告に基づいた殺人が本当に行われる。
はじめは冗談だと思って読んでいた。
本当に殺人が行われ、びっくりした。
全部題材を伏線として提示しているのか、
これから題材を提示するのか。
どきどきしながら読み進みました。
ps.
イギリスの田舎町は、こんなに地元の人は集まってパーティをやるものだろうか。
ミス マープルものは、イギリスの文化、風土とを知るのによいかもしれません。
Posted by ブクログ
何度目かの再読。何度読んでも色褪せない面白さがあります。
現代の推理小説にはこの人物描写の豊かさはなかなかみられないなと思いながら読みました。
Posted by ブクログ
クリスティのミス・マープルシリーズ4作目。
ある朝、新聞広告に殺害予告が掲載される。誰もがゲームだと思い、予告れた日、予告された場所へと向かう。そして予告された時間、男が現れて…
過去の3作と比べると微妙。提示される謎の割には冗長で、中弛みも激しい。ここまで長くなくてもよかったのになぁと。
過去作の「牧師館の殺人」や「書斎の死体」ほどにはミステリ的に強くなく、「動く指」ほどにはユーモラスでもない。じゃあ何が良かったかと言うと、マープルが早めに動き始めるところ。なんと、意外にちょこまかと動く笑(前作が出番少なめだっただけの気もしている)。
Posted by ブクログ
【マープル】
マープルのイメージをつかむためにPrime Videoでドラマ版を観たら大大大正解だった!
Audibleで自分が想像していたマープル像は完全に間違っていた…
ドラマのマープルは、知的で上品で、優しくて、控えめで品格があって、頼りになるとっても可愛い素敵なおばあさんだった!
Audibleの声のイメージから、私は勝手に生意気で噂好きな少し下品なおばあさんを想像していて、完全に正反対のイメージを持ってしまっていた。
マープルの姿も知らなくて、小説も読んでいないのに、いきなりAudibleで聴いてしまったのがいけなかった…
なぜならAudibleのマープル役は男性がやっているから!!
ナレーターさんはとても上手なんだけど、やっぱり男性に声だけであのドラマのマープルの感じを出すのは無理だ〜。
村の人のイメージも完全に間違っていた。
みんな上品で知的な紳士淑女だった。
この間違った想像こそがマープルを好きになれなかった原因だった。
それからマープルの英語の綺麗さと聴き取りやすさに驚く!!英語に慣れてない私でも知ってる単語は1つずつはっきりと聴き取れる。綺麗な英語にうっとり聴き入ってしまう。
イギリスの綺麗な田園風景、素敵なお家、上質で上品な服装、家具、食器、テーブルコーディネートの美しさ、テーブルマナー、何もかもが釘付けだった。この話は中流階級くらいの話。
この後に『パディントン発4時50分』を少し観たんだけど、お城みたいな上流階級の家で本当にこんな状態だった(♡∀♡)♡♡♡
ドラマ+読書のダブルが最高だけど、1度でも観れば小説でもAudibleでも断然イメージしやすくなる。
ポアロも映像では1度も観たことがないので観てみたい。(ハマりそうでこわい…)
○ここからはAudibleで読書のレビュー。
ドラマは小説どおりに忠実に再現されてるけど、やっぱりクリスティーの心理描写は小説でなければ味わえないと感じた。
有栖川有栖さんの『月光ゲーム』で大学生が遊んでいたマーダーゲームが出てきた。
こんなに昔からある伝統ゲームだったんだ。
予告殺人という今までにない事件の進み方にドキドキする。
中だるみ感はあるけど、ドラマ版を観たおかげで最後まで楽しめた。
マープルの魅力がわかって本当に嬉しい!!
これからはマープル楽しむぞー(*˘︶˘*).。*♡
Audibleにて。
◆あらすじ
地元紙の広告欄に「殺人お知らせ申し上げます…」という文章が掲載された。
好奇心旺盛の村の人々が館に集まる。
予告の時刻になると…
Posted by ブクログ
エンターテイメント!説明的で、少し冷める部分も多いけど、それでも70年以上にこれを形に残せているのはすごい。そして最後まで犯人が分からなかった…は言い過ぎですが、なぜ?どうやって?は想像つかなかった。もう少しクリスティを読んでみます。次はポアロかな。
Posted by ブクログ
犯行可能なのが一人しかいないが、この人は犯人であってほしくない…と読み進めていたら、そもそもの前提が間違っていた。誤植だと思っていた箇所は誤植じゃなかった。
Posted by ブクログ
イギリスの作家「アガサ・クリスティ」のミステリ長篇『予告殺人(原題:A Murder is Announced)』を読みました。
『ひらいたトランプ』、『ナイルに死す』、『白昼の悪魔』、『運命の裏木戸』に続き、「アガサ・クリスティ」作品です。
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その朝、新聞の広告欄を目にした町の人々は驚きの声を上げた。
「殺人お知らせ申しあげます。10月29日金曜日、午後6時30分より……」いたずらかと思われたが、しかし、それは正真正銘の殺人予告だった。
時計の針が予告時間を指したとき、銃声が!
大胆不敵な殺人事件に「ミス・マープル」が挑む。
(解説 「三橋暁」)
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1950年(昭和25年)に発表された「ミス・マープル」シリーズの長篇4作目となる作品、、、
「ミス・マープル」シリーズは、4年前に読んだ『動く指』以来なので久しぶりですね。
■1. 殺人のお知らせ
■2. リトル・パドックスの朝食
■3. 午後六時半
■4. ロイヤル・スパー・ホテル
■5. ミス・ブラックロックとミス・バンナー
■6. ジュリア、ミッチー、パトリック
■7. その他の人々
■8. マープルの登場
■9. ドアについて
■10. ピップとエンマ
■11. マープルの訪問
■12. チッピング・クレグホーンの朝
■13. チッピング・クレグホーンの朝(つづき)
■14. 過去を訪ねて
■15. 甘美なる死〈デリシャス・デス〉
■16. 帰ってきたクラドック警部
■17. アルバム
■18. 手紙
■19. 犯罪の再構成
■20. いなくなったミス・マープル
■21. 三人の女
■22. 真相
■23. 牧師館の夕べ
■エピローグ
■解説 三橋暁
チッピング・クレグホーン村の地元紙「ノース・ベナム・ニューズ・アンド・チッピング・クレグホーン・ギャゼット」の広告欄に次のような文章が掲載された… 「殺人お知らせ申し上げます…10月29日金曜日、午後6時30分よりリトル・パドックス館にて…」 、、、
これはいったい何事だろう?気の利いた遊戯か、単なる悪ふざけか… 好奇心旺盛な村の人々はリトル・パドックスに集まる。
時計が6時30分を指したとき、明かりが消え、3発の銃声が響く… 明かりがつくと、そこに男の死体があり、リトル・パドックスの女主人「レティシア(レティ)・ブラックロック」は銃弾が掠り出血していた、、、
死んでいたのは、村のホテルに勤める従業員の男「ルディ・シャーツ」だった… 悪ふざけではなかった、世にも大胆な、恐るべき殺人予告だったのだ!
警察はその場に居合わせた村人たちをひとりずつ調べていく… そして、チッピング・クレグホーンの友人「ダイアナ(バンチ)・ハーモン」のもとを訪れていた饒舌で詮索好きなオールドミス「ジェーン・マープル」は、「クラドック警部」や「フレッシャー巡査部長」とともに事件の真相を暴いていく。
最初の殺人以降、「レティシア・ブラックロック」を狙ったと思われるアスピリンの瓶に入れられた毒薬で、リトル・パドックスに居候している「ドラ・バンナー(バンニー)」が亡くなり、事件当夜のことのある女性の行動に気付いた養鶏業者の「エミー・マーガトロイド」が絞殺される… そして、「レティシア・ブラックロック」の元雇い主で資産家の「ランダル・ゲドラー」の多額の遺産相続を巡って「レティシア・ブラックロック」の命が狙われる可能性があることが判明、、、
さらにリトル・パドックスに同居するある人物が、「レティシア・ブラックロック」が亡くなった場合に遺産を受け取る権利が生じる「ランダル・ゲドラー」の姪「ピップ」と「エマ」であることが判明する… そんな中、「ミス・マープル」が行方不明となる。
リトル・パドックス「クラドック警部」は、関係者をリトル・パドックスに集め、判明した事実を話し始める… いやいや、いやー 意外な人物が真犯人でしたね。
姉と妹の入れ替えですね… 愉しめました!「アガサ・クリスティ」ファンからも高く評価されている作品らしいですね、、、
終盤、直接的な証拠がない中で犯人を特定するための大芝居… さすが「ミス・マープル」と思える作品でした。
以下、主な登場人物です。
「ジェーン・マープル」
探偵好きな独身の老婦人
「レティシア(レティ)・ブラックロック」
リトル・パドックスの女主人
「ドラ・バンナー(バンニー)」
レティシアの旧友
「パトリック・シモンズ」
レティシアの甥
「ジュリア・シモンズ」
レティシアの姪。薬剤師
「フィリッパ・ヘイムズ」
リトル・パドックスの美貌の下宿人。園芸師
「ミッチー」
レティシアのメイド。外国避難民
「アーチー・イースターブルック」
大佐。心理学者
「ローラ・イースターブルック」
イースターブルック大佐の妻
「エドマンド・スウェッテナム」
文学青年
「スウェッテナム夫人」
エドマンドの母
「ヒンチリフィ(ヒンチ)」
チッピング・クレグホーンの養鶏業者
「エミー・マーガトロイド」
チッピング・クレグホーンの養鶏業者
「ジュリアン・ハーモン」
チッピング・クレグホーンの牧師
「ダイアナ(バンチ)・ハーモン」
ハーモン牧師夫人。ミス・マープルの友人
「ルディ・シャーツ」
ロイヤル・スパー・ホテルの接客係。スイス人
「クラドック」
警部
「ライデスデール」
警察署長
「ヘンリー・クリザリング卿」
前警視総監
「ベル・ゲドラー」
ランダル・ゲドラーの妻
「マーナ・ハリス」
ロイヤル・スパー・ホテル、グリルのウェイトレス
「フレッシャー」
巡査部長。クラドックの部下
「ロウランドスン」
ロイヤル・スパー・ホテルのマネージャー
「マックルランド」
ベル・ゲドラーの看護婦
「ランダル・ゲドラー」
資産家。レティシアの元雇い主
「ベル・ゲドラー」
ランダルの妻
「ソニア」
男と駆け落ちてゲトラー家を出たランダルの妹
「ピップ」
ソニアの子
「エマ」
ソニアの子
「シャーロット・ブラックロック」
レティシアの妹。愛称「ロティー」
Posted by ブクログ
ミス・マープルもの。
冒頭で、チッピング・クレグホーン村の人々のもとに、新聞が配達されるシーンから物語が始まります。
各々読んでいる新聞が異なる中で、地元紙だけは全員読むという事を踏まえたような、“殺人予告”が地元紙の広告欄に掲載されるという、なかなかのシチュエーションです。
とにかく登場人物が多く、しかもそれぞれの状況や会話が逐一書いてあるので、どうしても話が長くなり、つい読む側も流し読みっぽくなってしまいそうになるのですが、ちょっと待った!その会話の中に伏線ありますから!というところがクリスティー。
後で語られる真相部分で、何度ページを後戻りしたことか・・。
で、今回のトラップはドラ・バンナーがブラックロックさんを呼ぶときの呼び名なのですが、私は誤植又は誤訳(すみません)又は、ネイティブ特有の呼び方だと思い込んでいました(私だけ?)。
そして、キャラクターで強烈だったのは中欧からの難民でメイドのミッチー。クセが強すぎて面倒くさい娘!でも笑えます。
Posted by ブクログ
ミス・マープル物。ローカル新聞に「殺人お知らせ申し上げます」の広告。指定の日時に殺人が起きる!?クリスティらしい、なんとも魅力的な設定。この予告殺人の本当の意図は?真相まで二転三転する展開にすっかり騙された。
Posted by ブクログ
ミス・マープルシリーズの4作目
【あらすじ】
イギリスの地方新聞の広告欄に、犯行日時と場所が明記された殺人予告が掲載された。近隣の人々は、殺人を模したパーティの告知だと思ってその場所と訪れるが、予告された時間に実際に殺人事件が発生してしまう。
【感想】
最初は登場人物の特徴や背景説明が少ないままで殺人が発生するため、とっつきにくさがある。ただし、読み進めると、人々が抱える秘密やルーツが見えてくる為、面白くなっていった。マープルさんは中盤から登場し、色々と示唆をくれる。
ある種のパターンにはまったプロットの為、ミステリー小説をよく読んでいる人は真犯人を特定しやすいと思われる。私は真犯人とトリックは想定通りだったが、真犯人の正体までは至らなかった。
Posted by ブクログ
マープル第四作"A Murder is Announced"。
ローカル誌に掲載された殺人予告。
そしてその予告通りに事件が起きてしまう。
最後まで騙された。
途中なんとなく読み過ごしていたけれども、
読み返すと確かに疑わしいのだ。
後から読んでちゃんと納得できるのは良い。
そしてドラ、ミッチー、バンチといい、
個性的な女性脇役が良い味を出している。
ただ少し話が長いとは思う。
Posted by ブクログ
やはりクリスティーはミステリーの女王だった、としみじみ感じました。
ドタバタ?風に始まって連続殺人も起き展開の素晴らしさ。
一気読みでした。
Posted by ブクログ
奇抜なタイトル、犯人設定、得意の電気系統…クリスティらしさを感じる作品です。登場人物と台詞が非常に多い。クラドック警部の手がかりに導かれるくだりの運命的なところなど、こういうの有るかもと思います。違和感、引っかかりなどから謎がほつれていく…。そしてマープルはクリスティの分身なのかな、とも思えます。
それにしてもクリスティは挑戦的な作品が多いですね。手品師は客に挑戦するな、と言われていますが。
Posted by ブクログ
アガサ・クリスティーの長編で、登場探偵はマープル。
ある朝、イギリス田舎ののどかな村、チッピング・クレグホーンでは、いつものように地方紙「ギャゼット」が配達されていた。いつものように新聞を読んだ村人は仰天した。広告欄に、殺人の予告が載せられていたのだ。予告通り、6時半に、指定された家に集まる村人たち。誰もが悪ふざけだと考えていたが、事件は本当に起こった。たまたま村に滞在していたミス・マープルが持ち前の好奇心から調査を開始する。
伏線の巧みさと、村ののどかさが印象に残る作品。特にある伏線については、途中で何度も言及されているにもかかわらず完全に読み飛ばしてしまっていた。もっと気をつけて読むべきだった。
クリスティ作品の例に漏れず、登場人物は脇役に至るまで個性的。中でも、被害妄想気味な移民メイドのミッチーがいい味を出している。雇いたくはないけど。
Posted by ブクログ
甘美なる死と共に、様々な人間模様も味わえる濃厚な一冊でした。
犯人は何となく分かったものの、ある伏線の意味に気づけなくて悔しい!ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、これから読む方はある人の発言に注意して読み進めて下さい。
Posted by ブクログ
ミスマープルものを始めて読んだ。
秀作。この人のミステリーはやはり面白いと思う。
映画”情婦”とポアロシリーズ(デビットスーシェ)がもう最高。
どんな人生でもその人次第で良くも悪くもなる、的な言葉がとても重い。
Posted by ブクログ
ほんわかした雰囲気が良かった。何人も殺されるんだけど、凄惨な感じがまるでなく、マープルが楽しそうに事件を解決していた。クリスティもこんな感じのお婆さんだったんだろうなと思った。
午後に生まれたからピップとエンマというのは意味が分からなくて調べたらP.M.をもじった言葉遊びらしい
Posted by ブクログ
ミス・マープルものの魅力全部載せな作品。
人間関係が複雑に絡み合っていて、綺麗な一本の糸に戻ったときには、最初見えていたのとまったく違った光景が広がっているのです。
みんなが気にも止めていなかった人物達の証言が、すべて真相をついていた、というのも絶妙でした。とかく女性の話は自分本位になりがちで、他人が聞くと不可解だったり誇張気味に聞こえたりするものですし。
人間の悲しさ、その描写はとても女性的であると思います。
あんまり書くとネタバレになってしまいそうですが、ミス・ブラックロックとミセス・ゲドラーは、陰と陽のように思えました。
Posted by ブクログ
伏線がいっぱいあって楽しかった。
時間を空けてもう一度読んでみたい。
ミッチーさんがギャーギャー騒いでて、
うるさいなと思ったと同時になんか可愛いと思ってしまった。
Posted by ブクログ
殺人予告を地域新聞に掲載するという意表をついた始まりから、事件、謎めいた住人たち。マープルの登場シーンも多く、楽しく読めます。
犯人の意外性は(伏線が貼りまくられているので気付く人も多いはず)そんなにありませんし、この作品がクリスティーのベスト10にランクインする程のものかは個人的には疑問が残りますが、それは他に別格の傑作があるからで、推理小説としては佳品といえると思います。
Posted by ブクログ
大がかりな芝居がかったトリック。
それにはちゃんと裏がある。解明される謎にワクワク。
こういうの大好き。
ドラマもよかった。BGMがえらいのどかで、その中で「えいっ」という感じで
殺人未遂がおこったりしてなんか笑ってしまった。
Posted by ブクログ
初マープル作品!
途中登場人物が多く読みにくい箇所もあったがラストに近づくにつれて手が止まらなくなった。
本格ミステリというより、ドラマを見てるような感じ。
マープルはポアロよりも、コミュ力活かして聞き込みで詰めていくタイプの探偵と感じた。
部屋の図などがあればよりわかりやすかったなあ。
Posted by ブクログ
なかなか凝った話で、推理小説の定石というか、冒頭にかすり傷だけの人= 怪しいというのが頭にこびりついてしまってもそれなりに展開を楽しめた。年金不正受給は現代的なテーマのようでいて昔からあったんですね。ただそもそも犯人はある程度普通な人のはずが口封じのために連続殺人鬼になってしまうのが、アガサの定番らしいけど苦手。
Posted by ブクログ
ミス・マープルシリーズ
面白かった
他のアガサ・クリスティ作品も読んでみたくなった
・アクロイド殺し
・オリエント急行の殺人
・ABC殺人
・火曜クラブ
・動く指
Posted by ブクログ
いきなりかなり魅力的な謎の提示で、引き込まれる。
ちょっとその解決についてはしりすぼみ感があるけれど、さすがはクリスティだなあとうならされるのは確か。
Posted by ブクログ
朝刊に殺人をお知らせ申し上げます、という衝撃的な広告が載る。何かのパーティーだと思った村の人は、広告に載っていた家に実際に向かうが、その場で本物の殺人が起こる。大胆不敵な事件にミス・マープルが挑む。
さりげない会話の中に巧みに伏線をしのばせるのはクリスティーの得意技ではあるのですが、今回はそのさりげない会話が中盤に多すぎたようにも感じます。そのためにちょっと中だるみ感を感じてしまいました。
でもやっぱりそのしのばせ方は巧いの一言に尽きます。途中違和感を感じたところがあったのですが、それが最後のマープルの推理披露できっちりとそのモヤモヤが明かされた時の快感は、やはりクリスティー作品だから味わえるものなのだと思います。
もう一回問題のところを読み返してみると、ああなんでもっと深く考えなかったのか、と歯噛みしてしまうんだろうなあ。それが本格ミステリーを読む醍醐味でもあると思います。