【感想・ネタバレ】もの言えぬ証人のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年11月03日

遺産相続をめぐる一族のいざこざはポアロシリーズの十八番で、慣れてきたと思ってましたが、飽きを感じることなく読めました。
ヘイスティングスによるボブの可愛い翻訳と、コメディ感がありすぎるトリップ姉妹のおかげだと思います。

今回は、怪しすぎる犯人がやっぱり犯人だったというわけではなかった所も意外でした...続きを読む
タイトルがだんだん捻られてきていて、ストーリーと噛み合っていると感じられるようになり、アガサクリスティのセンスに磨きがかかっていると感じられて嬉しかったです。
"もの言えぬ証人"は、表紙を見た印象だと、ボブのことを言っているのかな、と予想しました。
しかし、読み終わってみると、命を狙われていることを知りながらも、おそらく真犯人を知らないまま亡くなっていったエミリイのことのような気もするし、狡猾に立ち回ったけれど、ポアロに暴かれた、全てを知っている真犯人のベラのことを指しているような気もしました。

それから犬が大好きなので、素敵なボブの引き取り手が見つかって幸せです。

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Posted by ブクログ 2021年08月16日

愛犬家としてはたまらない作品。
依頼人の愛犬ボブが可愛らしいこと。ボブの行く末を案じていましたが、とても良い引き取り手が見つかり良かったです。

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Posted by ブクログ 2020年10月31日

亡くなったのは人からの依頼状に興味を引かれて捜査に乗り出したポアロ。
容疑者はお金に困っている身内数人と、彼らを差し置いて故人の遺言によって全財産を相続した家政婦。

ポアロがあっちこっちに聞き込みをするんだけど、なかなか大胆な嘘をついたりしてて面白かった。
犯人はやっぱり最後まで分からない。
容疑...続きを読む者たちの話を聞いていると皆悪人に見えてくるし…でも犯人は本当に予想外だった。
あと、タイトルの「もの言えぬ証人」=ペットのボブはさして重要じゃなかったのはちょっと残念。
でも最後にボブが幸せそうで良かった!

故人を島国根性って表現している部分がちらほらあったけど、日本と通じるものがあってちょっとクスッとした。
微妙な日本語や、ヘイスティングスの一人称の使い分けやポアロをあんたと言っているのに違和感もあったりして、ちょっと翻訳は微妙だったかな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年07月08日

ポアロシリーズ14作目。今回は久しぶりにヘイスティングズの語り。

なんか……面白かった!!(笑)ポアロがいろんな役に化けて情報収集するんだけど、それがもう面白くて!!ニヤニヤしながら読んだ。

以下ネタバレ



ただ、ラスト犯人がわかった状態でポアロが犯人が自殺するのを止めないのがなんか違和感な...続きを読むんだよな〜と思ってたんだけど(過去のポアロはたとえ殺人犯人でも、自死を許さないタイプだったような記憶がある)ラストを読み直して納得。
今回ポアロは、依頼人であるエミリイが望むことをやったんだな、と。
エミリイが望むこと→一族の恥を晒さないこと。事件を公にしないこと。
だから、犯人には消えてもらわなきゃならなかったんだ!と私の中ではストンッと納得できた。
そう考えたら、めちゃくちゃ綺麗な終わり方だし、すごいまとまった物語だわ。


いやぁ。クリスティ、当たりが続いていて嬉しい。
さ、次は「ナイルに死す」だな。

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Posted by ブクログ 2018年03月25日

14作目。やられたー。また犯人わからず、クリスティに騙された~。
タイトルのように、もうちょっとボブ君が証人になってくれればよかったけどな。そういえば、リンはバスカヴィルの犬でも使われてたね。
姪も甥もどうしようもない奴らばっかり出てきたけど、付き添い婦の心の清らかさは救いだね

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年06月23日

鏡越しに見たブローチのイニシャルが逆になるところには早めに気づいて、Aから始まりそうな名前を登場人物一覧の中から探して、そんな人いなくて、まだなんかあるんだなと思ってたら「親のアラベラという名をもらいそれを略したのがベラ、つまりATのAはアラベラのA」とか言われた時にはそんなんわかるわけなくない?と...続きを読む思いましたがおもしろかったです
ドクタータニオスはいい人だなと思った(投機失敗してるし散々疑われてたのできれいなジャイアン効果かもしれないけど)

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Posted by ブクログ 2023年06月14日

やっぱり好きだなあ。
作品から醸し出されるこの雰囲気が良い。
既に死亡しているエミリイ・アランドルからの手紙をきっかけに、調査を開始するポアロ。
直前で書き換えられた遺言状、階段からの墜落事件、エミリイを取り巻く家族関係。
そこから導き出された真相は興味深く、事件の性質から犯人像を推理していく過程も...続きを読む面白かった。

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Posted by ブクログ 2023年05月07日

だいぶ好きな作風でした。故人から届いた依頼から動き始めるポアロの調査。関係者を一人ずつ訪問し調査を進める中で、見えて来る人物像からの推理。ボブの心の声も可愛げがあって、アガサクリスティはこんな事もするんですね〜。
ヘイスティングズがいるから安心して、一緒になんでなんでと、楽しめました。

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Posted by ブクログ 2023年04月27日

エルキュール・ポアロシリーズのひとつで、他の作品同様にヘイスティングスとの軽妙なやりとりは全編通じて健在でした。本作品の最大の特徴は初期設定でしょう。裏表紙にも書いてありますのでここでも述べますが、ある老婦人が死亡してから2ヶ月近く経って、ポアロに手紙が届きます。しかもその手紙は自分の身の危険を明確...続きを読むに述べているわけでもなく、状況的には自然死であろうということで、怪しいところがないなかでポアロは捜査を始めます。そして死亡した老婦人の関係者(親戚や使用人)と話を進めるなかでポアロは推理を進めるわけですが、私の個人的な感想としては、他の作品以上に登場人物の心理分析が中心になっていて、なかなかそのあたりの機微を読み取るのが難しい。これは女性の読者の方が共感する作品かもしれませんね。正直わたしは種明かしのパートもそんなに共感できませんでした(というよりよくわからなかった)。ただ舞台設定はユニークで序盤は大変引き込まれました。

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Posted by ブクログ 2022年10月29日

相変わらず自分はクリスティー好きだなぁと読みながらしみじみ思った。
グイグイすらすらと読ませる力は本当に超一流だと思う(じゃないと14巻も読み続けられん)。
今回はポワロのプロファイラー的?側面が強調されていた気がした(心理学的に見た犯人像から紐といていく感じ)。

あと内容には関係ないけど、翻訳の...続きを読む違和感すごい。
いろんな人が訳してるから仕方ないのかもだけど、もうちょっと各巻で擦り合わせしてほしい…。ポワロやヘイスティングスの話し方とか、二人の関係性とか…。新訳出てるのかもしれないけど…。ポワロこんな喋り方だっけ…。

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Posted by ブクログ 2022年09月17日

「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『もの言えぬ証人(原題:Dumb Witness,米題:Poirot Loses a Client[改題:Mystery at Littlegreen House])』を読みました。

『書斎の死体』、『動く指』、『茶色の服の男』、『シタフォードの秘密』、『邪悪...続きを読むの家』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。

-----story-------------
「ポアロ」は巨額の財産をもつ老婦人「エミリイ」から命の危険を訴える手紙を受けとった。
だが、それは一介の付添い婦に財産を残すという問題のある遺言状を残して、彼女が死んだ二カ月後のことだった。
「ポアロ」と「ヘイスティングズ」は、死者からの依頼に応えるとともに、事件に絡む愛すべきテリア“ボブ”の濡れ衣も晴らす。
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1937年に発表された作品… 『邪悪の家』に続き「ポワロ」シリーズです。

「ポワロ」は2か月前に死去した老婦人「エミリイ」が差し出した手紙を受け取るが、奇妙なことにその手紙は彼女の死の半月も前の日付が書かれていた… そして、その手紙には、命に危険が迫っていることを示唆する内容が記載されていた、、、

手紙が差し出された経緯に疑問を抱いた「ポワロ」は、婦人の死の真相究明に乗り出す… という、なかなか興味深い展開の物語でした。

 1. 小緑荘の女主人
 2. 親戚縁者
 3. 不慮の災難
 4. ミス・アランデル,手紙を書く
 5. エルキュール・ポアロ,手紙を受け取る
 6. われら,小緑荘に行く
 7. ジョージ亭で昼食
 8. 小緑荘の内部
 9. ポアロ,犬のボール事件を論ず
 10. ミス・ピーボディを訪問
 11. トリップ姉妹を訪問
 12. ポアロ,事件を論ず
 13. テリーザ・アランデル
 14. チャールズ・アランデル
 15. ミス・ロウスン
 16. ミセス・タニオス
 17. ドクター・タニオス
 18. 隠れた殺人者
 19. パーヴィス氏を訪ねる
 20. 二度目の小緑荘訪問
 21. 薬剤師,看護婦,医師
 22. 階段上の女
 23. ドクター・タニオスの来訪
 24. テリーザの否認
 25. わたしの推理
 26. ミセス・タニオス,話を拒む
 27. ドクター・ドナルドスンの訪問
 28. 新しい犠牲者
 29. 小緑荘での審判
 30. 終りにひと言

 解説 ミステリ評論家 直井明



資産家の老婦人の手紙は、死後2ヶ月近くたって「ポアロ」のもとに配達されてきた!

ロンドンから車で1時間半ほどのところにある田舎町、マーケット・ベイシングの小緑荘の女主人「エミリイ・アランデル」が死んだのは5月1日のこと… 「エミリイ」には、甥の「チャールズ」と姪の「テリーザ」、もう1人の姪の「ベラ・タニオス」の3人の親族がいた、、、

「エミリー」の巨額な遺産は、3人の親族に残されるはずだったが、彼女は死の10日前に遺言を書き替え、遺産は全て家政婦の「ミニー・ロースン」に遺された… 金使いの荒い遊び人の「チャールズ」と浪費癖のある「テリーザ」、それにギリシャ人医師である夫の「ジュイコブ」が投機に失敗した「ベラ」 と3人とも金を必要としており、「エミリイ」の遺産をあてにしていたが、遺産は全く手に入らなった。

「エミリイ」が遺言を書き替えたのは、4月14日の深夜に起きた「エミリイ」の階段からの転落事件が原因だった… 深夜に目が覚めた「エミリイ」は、2階から階段を下りようとして何かに躓き、階段を転げ落ちてケガを負った、、、

飼い犬の「ボブ」が、お気に入りのボールを階段の上に置きっぱなしにし、そのボールを「エミリー」が踏んだことが原因と想定されたが、「エミリイ」はこの事故には「ボブ」は関係ないと考えていた… なぜなら「エミリイ」は前夜きちんと「ボブ」の遊んだボールを、いつもの机の引き出しにきちんとしまったことを覚えていたし、その夜「ボブ」は外に出て夜遊びをして締め出されていたからだ。

「エミリイ」は、親族の誰かが事故を装って殺そうと企んだと思い遺言を書き替えたのだ… その際、「エミリイ」は「ポアロ」への調査依頼の手紙を書いたが、「エミリイ」は投函を忘れ、その後、「エミリイ」は肝臓病が悪化して5月1日に亡くなってしまった、、、

「エミリイ」の葬儀が終わり、「ミニー」や他の家政婦によって「エミイリ」の遺品が整理されたが、その時に「エミリイ」の書いた手紙が見つかり、投函されて「ポアロ」の元に届いたのが6月28日のことだったのだ… 「ポアロ」は、手紙の日付と届いた日があまりに開きすぎていることを不審に感じ、「ヘイスティングズ」とともにマーケット・ベイシングに赴いて調査を始める。

「エミリイ」の遺言書き替えの原因となった階段転落事故を調べると、その夜は飼い犬の「ボブ」が朝まで外にいたことが判明… さらに階段の上の壁に釘が打たれ、その釘にワニスが塗られてわかりにくくしたあった、、、

何者かが、階段の手すりを支える柱の根本とこの釘の間に紐を渡し、深夜に起きる癖のあった「エミリー」が躓くように細工をしたと思われた… そして、遺言の書き替えは極秘に行われたので、殺人未遂の犯人はその当時の遺言では遺産を相続することになっていた親族3人と想定する、、、

誰が「エミリイ」を殺そうとしたのか?
「エミリイ」の死因は本当に病死だったのか?

犯人が遺言の書き替えを知らないとすれば、「エミリイ」を病死に見せかけて殺害したのかもしれない… 「ポアロ」は「チャールズ」、「テリーザ」、「ベラ」の3人をはじめ、「テリーザ」の恋人の「レックス・ドナルドスン医師」や「ベラ」の夫の「ジュイコブ」、「エミリイ」の古い友達の「キャロライン・ピーボディ」、「ミニー」が親しくしている霊媒師「トリップ姉妹」、「エミリイ」の弁護士の「パーヴィス」や「エミリイ」の主治医「グレインジャー」など関係者に何度も会って調査を進める。

そして「エミリイ」の最後の食事の後で、「エミリイ」の頭の周りが後光が差したように光ったことを突き止め、「エミリイ」の死の真相に近づく… 果たして「エミリイ」の死の真相は、、、

依頼人が既に亡くなっていることを除けば、比較的オーソドックスな展開の作品でしたね… 「ポワロ」は関係者への訪問と面接を手際よく行い、8人の容疑者(3人の親族「チャールズ」、「テリーザ」、「ベラ」、「ベラ」の夫「ジュイコブ」、「テリーザ」の婚約者「ドナルドスン医師」、遺産を相続した家政婦「ミニー」、そして使用人2人)から犯人を徐々に絞り込んで行きます。

直接的な証拠はなく、「ポワロ」の推理から容疑者を消去法で外して行くという手法でしたね… しかも、犯人は「ポワロ」の推理が披露される直前に自殺してしまっていたので、反論もできないという展開でした、、、

当たり前に親族3人がイチバン怪しいのですが… その中では、最も犯人らしくない人物が犯人でしたね。

犯人の夫や子どもには辛い結果かもしれませんが… まっ、結果的には親族含め遺産は等分したようなので、結果オーライなのかな、、、

そして、この事件の報酬はテリアの「ボブ」で、いつも人の心が読めない「ヘイスティングズ」が、「ポワロ」よりも犬とは心を通じさせる… という皮肉なエンディングは、洒落が効いていて良かったな。

あと、霊媒師たちが見た「エミリイ」に後光が差したように光ったことが燐による毒物の影響とは… 全く思いつかなかったですね、、、

登場人物や容疑者がある程度限定されていたので、比較的展開が理解しやすい作品でした。


以下、主な登場人物です。

「エルキュール・ポアロ」
 私立探偵

「ヘイスティングズ」
 ポアロの友人

「エミリイ・アランデル」
 小緑荘の主人。

「ウイルヘルミナ(ミニー)・ロウスン」
 エミリイの家政婦。

「チャールズ・アランデル」
 エミリイの甥。

「テリーザ・アランデル 」
 エミリイの姪で、チャールズの妹。

「ベラ・タニオス」
 エミリイの姪。

「ジュイコブ・タニオス」
 ベラの夫。ギリシャ人の医者。

「レックス・ドナルドスン」
 テリーザの恋人。医者。

「キャロライン・ピーボデイ」
 エミリイの古い友人。

「ジュリア・トリップ」
 霊媒師。

「イザベラ・トリップ」
 霊媒師。ジュリアの妹。

「パーヴィス」
 エミリイの顧問弁護士。

「グレインジャー」
 エミリイの友人。医者。

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購入済み

現実にありそう

A
2022年06月19日

綿密な計画とか、巧妙なトリックとかではないけれど
ポアロが乗り出さなければ、ばれなかっただろうと思うと
恐ろしいような気がする。
犯人の人物造形や動機も、怖くなるくらい現実的で
現実世界でも、こんな殺人が起きて、ばれていないのかもしれない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年01月14日

2022年のポアロの幕開け。タイトルで分かるように故人(エミリイ・アランデル)から手紙が届く。「私事の案件で力を貸してください」そこでポアロとヘイスティングスは依頼者に会いに行くがすでに亡くなっている。関係者に話しを聴くと、彼女の家政婦(ロウスン)が故人の遺書により遺産37万ポンドを相続。エミリイは...続きを読む生前に階段から落ちたり、体調急変により毒を盛られた可能性がある。ポアロは8人の容疑者を特定し、全員から話しを聴く。その際勿論ポアロの「仕掛け=はったり」もある。犯人は外れ~(悲)。壮絶な真相だが消化不良かも。④

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Posted by ブクログ 2021年06月11日

ポアロ
ヘイスティングズがでてきてよかった。
登場人物の女性がp241「ハサミ虫みたいな感じの女さ。母親としては献身的だけど。ハサミ虫だってそうだろうな、きっと」と表現される部分がある。ハサミ虫みたいな女の意味がさっぱりわからなくてハサミ虫を調べたところ、英語で「耳の虫」の意で、「眠っている人間の耳...続きを読むに潜り込み中に食い入る」という伝承による、そうだ。わかったような、わからないような。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年09月13日

終盤まで犯人が分からず、ドキドキしながら読めました。
ただ犯人にどうしても言いたいことが一つあります。
「最初から燐で殺しときゃよかったのに」…と。
よそのお宅の廊下でこっそり釘をカンカン打っちゃう度胸は認めるけど、余計なことしなきゃ、被害者が警戒して遺言変えちゃったりポアロが追ってきたりしなかった...続きを読むのにね。

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Posted by ブクログ 2017年01月07日

モーヘイダーの二作を続けて読んでいたら気分が鬱いできたので口直しにクリスティを再読。彼女のミステリはコージーと思われているが、決してそうではない。現代にも通用する憎悪焦慮悲哀に再読しても(すっかり忘れてるんだけど)十分共感できて古びていない。
ただ、以前気がつかなかったびっくり箇所が!
若くてハンサ...続きを読むムな××
空威張りはするけどさっぱりした××
ひとづきあいのよい××
落ち着いた、信頼のおける××
これってぜーんぶ彼女の作品の犯人じゃん!!
もう読んじゃったから私は良いけど未読の人の立場は?『アクロイド』に続く、いや、ミステリ界では更に罪が重い掟破りが?
と再読しても退屈しないクリスティは、好きだなあ。

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Posted by ブクログ 2014年10月01日

依頼者が死んだあとに届いた手紙から事件が始まる。
劇中の時間が短いせいか、
厚みほどの長さを感じさせない。
ポアロとヘイスティングスの仲良しっぷりが楽しめる。

そしてヘイスティングスは長編においては、
本作からカーテンまで登場しないのである。
このコンビで活躍するのは割と好きなので残念。

途中で...続きを読む他作品の犯人について、
ポアロが言及している箇所あり。

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Posted by ブクログ 2014年06月30日

ポアロの元に事件依頼の手紙が届く。差出人を尋ねていったポアロだが、すでに彼女は病死していた。
その死に不審なものを感じたポアロは捜査に乗り出すのだが…。

犬愛に溢れた作品。
ヘイスティングズの犬に対する態度がなんともかわいらしい。
その反面、事件の真相は落ちるべきところに落ちた感じだけど、ちょっと...続きを読むやるせない。
外国の見方や、当時のミステリのお約束に対するクリスティの皮肉に満ちた1作。

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Posted by ブクログ 2013年03月28日

なんとも可愛い話。ポアロの番外編のような、なんとなく、こじんまりと終った感じのお話しです。
ミステリーとしても楽しめますが、それよりも、ヘイスティングズとポアロの仲の良さが際立った作品のような気がする。
二人の会話が面白い。
ヘイスティングズの辛口批評が、思わず笑えてしまいます。
そして、ポアロがい...続きを読むつになく、やたらとウソついたり、立ち聞きしたりと、ヘイスティングズをギョッとさせているのも笑える(笑)
二人で常に行動し、色々とダメ出しし合いながら、それでも仲良しな二人が微笑ましい。
ミステリーよりも、二人の仲の良さが楽しい本でした。

これ以降、ヘイスティングズは長い間登場しないとのこと。
なので、こんなに仲の良い二人を描いたのかなぁ~、とも思ったり…。

そんなところが面白い、なかなか可愛いお話しでした☆

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Posted by ブクログ 2023年09月04日

クリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。相棒はヘイスティングス。依頼人からの手紙がポアロの元に届くが、何故か書かれた時期と投函された時期がずれており、既に依頼人が亡くなっているという状況。手紙の内容はとてもわかりにくくヘイスティングスは気にも止めないがポアロは依頼人を調査する事を決め、彼女が住ん...続きを読むでいた屋敷を訪れる。
 ポアロの探偵としての行動や考え方、時には嘘をも活用した調査方法とヘイスティングスのイギリス人然とした馬鹿正直な人間性が対比になっており、序盤の二人のやりとりはとても面白い。また、被害者の愛犬、テリアのボブが重要な役割を果たしており(タイトルで匂わされているが)かれが登場する擬人化した描写になる為、ヘイスティングスとのやり取りなどは微笑ましい。
 設定として、大金持ちの老人が自身の一族に不信感を持ち、とある事故をきっかけに自身の身に起きている事を不審に感じ、全く家族とは関係ない手伝いさんを相続人にする。やがて、金持ちの老人は急に亡くなり、全ての遺産をお手伝いさんが相続する。老人が生きている際に認めたのがポアロへの依頼であり、これによりポアロは興味を持ち依頼をスタートさせる。
 彼女の一族は見るからに怪しい描写がされている人達ばかりで、相続人でさえ何処となく影のある人物だ。少なくとも犯人は誰か。と目星をつけるのは難しくヘイスティングス並みに読者も混乱するだろう。ラスト、いつもの如くポアロは関係者達を集めて推理を披露するが、直前で明かされるとある出来事により、僕自身犯人を推定して文字を追っていったが、結末はまさかのものだった。
 クリスティの作品は、タイトルにて作品をある程度表しているものが多い。今回もテリアが実は暗にご主人を殺害した人物なり証拠なりを咥えていたり掘り出したりした方が伏線になっており面白い様に思った。犬が活躍するというのは言い過ぎだが、アクセントとしてあっても良いのではないだろうか。また感慨深いのは、後書きにあるのだが、今作後テリアはヘイスティングスに飼われ、一緒にアルゼンチンに連れて行ったのであろうと推測され、そしてこの後「カーテン」に至る十数年間(説によってバラバラ)ポアロと再会しなかった様だ。ポアロとヘイスティングスは名コンビなのだが共演が意外に少ないと知った。

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Posted by ブクログ 2022年09月03日

既に無くなった人からの依頼状に基づいて捜査を行うお話。ポアロもの。
クリスティでよくある、遺産相続がテーマ。他クリスティ作品と比較して普通な作品だろうか。
読み終わると、タイトルの意味合いがなるほどなぁと思う。

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Posted by ブクログ 2022年07月30日

ポアロは巨額の財産をもつ老婦人エミリイから命の危険を訴える手紙を受けとった。だが、それは一介の付添い婦に財産を残すという問題のある遺言状を残して、彼女が死んだ二カ月後のことだった。ポアロとヘイスティングズは、死者からの依頼に応えるとともに、事件に絡む愛すべきテリア“ボブ”の濡れ衣も晴らす。

ある一...続きを読む族の老婦人が病死かと思いきや殺人未遂があって間もなく死亡していて、しかも遺産は家族には全く与えられず付き添い婦に、という衝撃の展開。最初は半信半疑のヘイスティングスですが、ポアロに引っ張りまわされながらだんだんと事件性に気が付いてあれこれ考えをめぐらせるところが読者と同じ目線で非常にいいです。ボブという犬の度々の登場も心がなごむ。怪しさ満点の登場人物だらけですが、やっぱり犯人は意外性のある人でした。全然分からなかった・・・。最後がちょっと消化不良な終わり方でしたが、読み応えのある作品だった。

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Posted by ブクログ 2022年01月30日

ポアロもの。

資産家の老婦人・エミリイから命の危険を訴える手紙を受け取ったポアロ。
ですが、差出人のエミリイは手紙が届く二か月前に死亡していて・・。
巨額の遺産を、親族ではなく付添婦のミス・ロウスンに残す旨遺言状変更した理由とは?そして、エミリイが死亡する前に起きた階段落下事故は偶発的なものだった...続きを読むでしょうか?
ポアロ&ヘイスティングズが、真相解明に乗り出します。
事情を探る為とはいえ、ポアロが身分詐称はするわ、嘘話はするわ、誘導尋問はするわ、盗み聞きはするわで何でもアリなやり方に、若干引き気味のヘイスティングズでしたが、彼とエミリイの愛犬・ボブとのやり取りには癒されました。(ボブの台詞部分はヘイスティングズの妄想)
そう、今回は何といっても、ボブの愛くるしさにつきるという感じでしたね。
真相については、印象操作的なミスリードにまんまと騙されてしまいました。
ラストでは、ボブが良い引き取り手に託されたようで、何よりです。
因みに、本書の解説で『カーテン』のネタバレがさらっと書かれていて、未読の私はかなりショックを受けました。
皆さん、気をつけてくださいね!

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Posted by ブクログ 2022年01月28日

ポアロが届いた手紙に興味を持って依頼人を訪れた時には、既に依頼人は死んでいた!?
依頼人がいない中でポアロが試行錯誤、情報を集め推理していきます。犬のボブが賢すぎる✨✨

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年10月06日

全体的にはコメディタッチだが幼い子が二人いる女性に間接的に自死をすすめるような話は後味悪い。まあ、夫に濡れ衣を着せて擬装自殺で口封じするのを阻止した、と言えるかもしれないけど、犬の濡れ衣を晴らしたとかいうと、ちぐはぐで世情に疎すぎるような…
鏡で反転したイニシャルは、この話のここで使う必然性が弱く、...続きを読む思いつきがいいでしょ、みたいなわざとらしさが興醒めと言えなくもない。頭文字ひっかけネタはもはや定番の1つと言えそうで、定期的に出さずにいられないのか…逆に降霊会のエピソードは笑えて勉強になった。

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Posted by ブクログ 2019年06月02日

一人のお年寄りを死を巡ってポアロが調査を行う物語。結構な分量にもかかわらず動きが少ないが、個性豊かな登場人物により最後まで楽しめる。

怪しいと言えばみんなあからさまに怪しい人達ながら、何となく憎めないキャラが集結していてるが、今回はトリックがちょっとしっくりこなかったかな。文章の中に色んなヒントが...続きを読む散りばめらているという意味ではフェアな探偵小説であるとは思うけど。

それはそうと解説は他の人の言う通り見ない方がいい。大したこと書いてないのに色々と他の話のネタバレさせとる…全員が一度クリスティの代表作を全て読んでる前提のような文章はないだろう…

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年12月17日

調査の依頼人は既に故人で病死と判断されていてと……。ミステリの導入としてはちょっと変わっている。
トリックも実際の凶器となるのが毒物としては知名度の低い物ということで推理できる少なめな印象。その分この殺人を起こしたのはどのような精神の人間なのかと想像するのが中心か。そういった意味では解決時に明かされ...続きを読むる犯人の精神構造は驚かされると同時に納得できるものでもある。やはりクリスティー作品の最大の魅力は特異な事件内容ではなく登場人物たちの心理描写にあるね
ただ、ラストにポワロが犯人の死を許してしまうどころか促している点には違和感があるかな。

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Posted by ブクログ 2016年05月05日

依頼者の死が病死なのか、ポワロがにらむように本当に殺人だったのか。
ヘイスティングスと同じようにもやもやとしながら容疑者たちの証言を読み進めていくことに。
真相はあまりにも意外であるが、ポワロいわく「推察」なくしてこの結末を導くことは難しいのではないだろうか。
最後までもやもやが払拭できない作品。
...続きを読む
ヘイスティングスが代弁するボブ(犬)の発言が面白い。

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Posted by ブクログ 2015年06月04日

ポアロシリーズ。ちょっと犯人は意外だった。そして何よりもあとがきを読んでショック!!ヘイスティングスがもう最終巻まで出てこないなんて!!一番好きなキャラなのに…。残念…。

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Posted by ブクログ 2015年04月02日

再読。訳が好きになれなかった。特にヘイスティングズがポアロを「あんた」って言ってるのが…。喋り方も、あんな乱暴な感じだったっけ?って思わず他の作品で確認しちゃったり。訳す人が違うとはいえそこらへんはちゃんと統一してほしいなぁ。これでカーテンまでヘイスティングズが出ないのはとても残念。

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Posted by ブクログ 2013年03月20日

老婦人の愛犬ボブが愛らしい。犬好きな人には、確かにこう言ってるように見える時があるなーという。コミックの『動物のお医者さん』もそうだけど、彼らが彼らの視点で考えるとこんな感じかなぁという。

犯人は、それでいいの?って感じだったけど。
方々に嘘をつきまくるポワロに度肝を抜かれた。ポワロの捜査ってこん...続きを読むなだったっけ?と意外な感じ。多様な方法を駆使できるのが、彼の強みなのかもしれない。

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