あらすじ
ポアロは巨額の財産をもつ老婦人から命の危険を訴える手紙を受け取った。が、それは一介の付き添い婦に財産を残すという問題のある遺言状を残して彼女が死んだ二カ月後のことだった。ポアロとヘイスティングズは、死者からの依頼に答えるとともに事件に絡むテリアの「ボブ」の濡れ衣を晴らす。
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Posted by ブクログ
翻訳が珍しい感じだった。内容としては、まぁ面白いかな。犯人の顛末が少し拍子抜けしたけど、ある意味で依頼人の願いを完遂したということだろう。
しかし、昔から思っていたけど、ヘイスティングズが面倒臭さい男だの。
それにしても、子供たちはどこに行ったんだろう…「信頼している男の使い」が連れて行ったってことは、ポワロが確保したってことかな?
Posted by ブクログ
遺産相続をめぐる一族のいざこざはポアロシリーズの十八番で、慣れてきたと思ってましたが、飽きを感じることなく読めました。
ヘイスティングスによるボブの可愛い翻訳と、コメディ感がありすぎるトリップ姉妹のおかげだと思います。
今回は、怪しすぎる犯人がやっぱり犯人だったというわけではなかった所も意外でした。
タイトルがだんだん捻られてきていて、ストーリーと噛み合っていると感じられるようになり、アガサクリスティのセンスに磨きがかかっていると感じられて嬉しかったです。
"もの言えぬ証人"は、表紙を見た印象だと、ボブのことを言っているのかな、と予想しました。
しかし、読み終わってみると、命を狙われていることを知りながらも、おそらく真犯人を知らないまま亡くなっていったエミリイのことのような気もするし、狡猾に立ち回ったけれど、ポアロに暴かれた、全てを知っている真犯人のベラのことを指しているような気もしました。
それから犬が大好きなので、素敵なボブの引き取り手が見つかって幸せです。
Posted by ブクログ
【再読】
昔気質の女主人エミリイと、その財産を当てこむダメな甥・姪たち。そんな親族たちが泊まりにきていた夜、エミリイは愛犬のボブが放置していたボールにつまずき階段から転落する。そのことを不吉に感じたエミリイは、ポアロに依頼する。だがその依頼の手紙が届く頃には、すでにエミリイは病死していた。しかもエミリイは死の十日前に遺書を書き直し、財産を全て付添婦のロウスンに委ねていた。
事件の匂いを嗅ぎ取ったポアロは、ヘイスティングズとともにエミリイの旧い友人や親族、さらには売りに出されたエミリイの屋敷を訪ねる。それにより、エミリイはボブのボールに躓いたのではなく何者かが階段に張った糸で転倒したという事実が判明する。関係者の中で特に、エミリイの姪ベラが何か知っている模様。さらにベラは夫のジェイコブを異常に恐れている。そこでポアロはベラを夫から離すよう画策するが、その最中ベラが睡眠薬を服用して死亡する。
真相に辿り着いたポアロは関係者を集め、推理を披露する。犯人はベラだったのだ。ベラは遺産を手に入れるため階段に紐を張り巡らせエミリイを殺害しようとした。その姿を付添婦のロウスンが目撃したが、彼女は鏡に映ったブローチのイニシャルからそれをテリーザと勘違いした。この一件により警戒心を高めたエミリイは遺言書を書き換えるが、ベラはそれを知らずエミリイを燐により毒殺する。
そして遺言が公開され遺産がロウスンのものになったことを知るや、今度は彼女に取り入ろうとしたのだった。ほかの一族がロウスンを相手取り遺言の正当性を覆そうとしたのに、ベラだけはそうしようとしなかったのはそのためだった。ポアロに追い詰められたベラは、夫こそが犯人であるかのように振る舞ってみせたがポアロは騙せず、最後は自ら命を絶ったのだった。
クリスティーお得意の遺言と遺産相続、ヘイスティングズ回、そして愛すべきテリアのボブとかなり高得点の作品。降霊会もクリスティー作品でよく出てくるモチーフではあるが、それもまさかの使い方をしているのが面白い。エミリイの友人ピーボディを筆頭に登場人物の癖が強く、ポアロが自分の身分を偽り捜査を進める点も新鮮。ベラ・ジェイコブ夫妻の逆転の部分も鮮やかなので最後まで楽しめる。
そしてなんと言ってもやはりボブ。
●見どころ
・ボブの声を翻訳してくれるヘイスティングズ
・犬がなぜ郵便屋に吠えるのかについてのポアロの意見が示唆に富んでいる
●名言
「わたしはだれの味方でもありません。わたしは、いつも、真実の味方なんです」
Posted by ブクログ
振り子のようにポアロ作品に戻って本作。
知人の勧めで順序関係なく借りられた作品から読んでます。ありがたやま。
さて、冒頭「エミリイ・アランデルは五月一日に死んだ。」とちょっと急な掴みで始まりつつ、その後は割としずしずとポアロの捜査が進んでいく。
ただし、エミリイの視点で死に至るまでの彼女の疑念と恐怖を読者は知るし、ポアロさんが少ない手がかりからそれを認識していく様子にワクワクする。その間ちょこまかと口を挟んだり、表情で物語ってしまうヘイスティングズの存在が相変わらず可笑しい。
おまけに「もの言えぬ証人」たる飼い犬の気持ちまで雄弁に語っちゃったりして、なおさらヘイスティングズ〜!となるとか、ならないとか…笑
全体的にゆったりとした話でありながら、ちゃんとこちらの予想を裏切ってくれる手腕は変わらず。今回は外さないだろうと思っていたのに意表を突かれました。
Posted by ブクログ
犯人がまさかの既に死んでいるという真相。捕まって裁きを受けるが当たり前だと認識してしまっているから、ここの展開は少し驚いた。
作中で登場人物のことを「全くセンスはないが着飾るのが好きな人」と評していたのがなぜか妙に印象に残っている。多分作者の身の回りにこういう人がいたんじゃないかなと思う。他作品にも、服装についての描写はよく出てくるし、アガサクリスティー自身の観察眼の鋭さがあったからこそ、いろんな作品にそれが活かされたのかなとも考えた。
Posted by ブクログ
鏡越しに見たブローチのイニシャルが逆になるところには早めに気づいて、Aから始まりそうな名前を登場人物一覧の中から探して、そんな人いなくて、まだなんかあるんだなと思ってたら「親のアラベラという名をもらいそれを略したのがベラ、つまりATのAはアラベラのA」とか言われた時にはそんなんわかるわけなくない?と思いましたがおもしろかったです
ドクタータニオスはいい人だなと思った(投機失敗してるし散々疑われてたのできれいなジャイアン効果かもしれないけど)
Posted by ブクログ
2022年のポアロの幕開け。タイトルで分かるように故人(エミリイ・アランデル)から手紙が届く。「私事の案件で力を貸してください」そこでポアロとヘイスティングスは依頼者に会いに行くがすでに亡くなっている。関係者に話しを聴くと、彼女の家政婦(ロウスン)が故人の遺書により遺産37万ポンドを相続。エミリイは生前に階段から落ちたり、体調急変により毒を盛られた可能性がある。ポアロは8人の容疑者を特定し、全員から話しを聴く。その際勿論ポアロの「仕掛け=はったり」もある。犯人は外れ~(悲)。壮絶な真相だが消化不良かも。④
Posted by ブクログ
海外ものは名前や人物関係を把握するのに
いつも手こずるので、
今回からノートに相関図、時系列をまとめながら読んだ。
いつ誰に何ができたのか、こいつは周りからどんなやつだと思われているのか。
結果、みごとに犯人が…
全くはずれていた。
またやられた。
クリスティは人物への思い込みを利用するのがほんとに上手い。
だから、今回も見えてる通りの人物像とはみんなちがうんだろう、と実はロウスンがすっごい策士で演技してるんじゃないか!?とか思ってたのに。
全然ちゃうかった。
驚きとかトリックだとかはクリスティの
他作品より薄いが、終始コメディぽい軽快なやりとりが楽しい作品。ボブがいいスパイスになっている。
ちなみに相関図に書くために調べたら、ボブは表紙の犬とは全然ちがう感じの犬種だった。
今回、読んでてポアロが「事実と解釈」だとか「推察と考察」だとかを非常に意識して線引いてることに目が行った。やっぱり賢い人は気をつけてんだな。
最近、物事に対する自分の解釈だとか無意識の色眼鏡を疑ってかかんなきゃだめだなって反省してたから、参考になっちゃった。
「〝彼の話では〟とか〝彼女の話では〟といった推理は、愚の骨頂ですよ」とポアロは言った。「なんの意味もない。それは本当の話かもしれないし、あるいは〝嘘も方便〟のつくり話かもしれない。いずれにしてもわたしは事実だけしか取り扱わないことにしている」
「あらゆる人が少しずつ異った角度から彼女を眺めていたことになる。」
「この人たちをわれわれ自身の目で観察することです」
「その人から受けた印象だけを頼りにしたら、非常に危険だということ。感じや印象は第二にして事実をもととしなければ……」
「ヘイスティングズ。わたしは思うなんてことは、自分自身に対して絶対に許さない主義なんだよ。つまり推察するってことはしないんだね。ただ、いまのところある種の考察はしてますが……」
「原因と結果だよ。原因と結果」
肝に銘じます、ポアロさん。
Posted by ブクログ
犬のボブがかわいい。ボブにアテレコするヘイスティングズがかわいい。ヘイスティングズと軽口を言い合うポワロさんがかわいい!
ということで、話の展開としては”いつものクリスティー作品”なのですが、”ボブ”というアクセントが加わることでほっこりした印象が強かったです。
それに、犯人に対する裁きもちょっとビックリというか……。まあ、ポワロさんはコ◯ン君と違って犯人であっても必ず生かす主義ではありませんからね。
にしても、”お金のためならなんだってする放蕩息子”、”この世は自分のためにあると信じて疑わない美人な妹”が毎回出てくるのに、その度疑ってしまう自分をなんとかしたいものです。笑