あらすじ
若妻グエンダはヴィクトリア朝風の家で新生活を始めた。だが、奇妙なことに初めて見るはずの家の中に既視感を抱く。ある日、彼女は観劇中、芝居の終幕近くの台詞を聞いて突如失神した。彼女は家の中で殺人が行なわれた記憶をふいに思い出したというが……ミス・マープルが回想の中の殺人に挑む。
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初めてのミスマープルもの。
ポアロよりマープルのがキャラとしては好きかも!
ヒロインのグエンダが「いままで一度も訪れたことのない国の、一度も来たことのない家」を買って、張りたいと思い描いた壁紙と全く同じものがそこに張ってあるのを見つけるシーンが、なんとも言えず不可解で最高の導入。殺人を見る夢も不気味でよい。
クリスティー作品の、これから素敵な謎が展開していくぞ、とわくわくさせる始まり方、好き!
解説が恩田陸さんなのも得した気分。
「ふとした瞬間に、ざわざわとした胸騒ぎを覚える小説」「ゆったりとした、語られぬ部分を余白として感じられる小説」まさに!
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解説(奥田睦氏)が共感、言い得て妙。“冬休みの午後、炬燵に入り、緑茶をすすり、マクビティの胚芽チョコレートビスケットを食べながら、クリスティーを読み耽る楽しみ”、そして“幸福な読書の象徴”…
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やったー犯人当てられたーっ
といっても、別にトリックで当てたわけでもなく、仕込んであったアリバイ操作を見破ったわけでもない。
多分クリスティなら、コイツを犯人にするだろうなあという、そういう推理小説を読み解くのにそれはどうよという……いわゆる当てずっぽう的なものである。それでも毎度毎度外しまくっていた身としては、それなりに嬉しい。
ミス・マープルシリーズでは一番最後、完結作品としてクリスティの死後に発表された本作は、ある意味思いっきり作者の書き逃げ的なものなんだろうと思う。なんせ感想を持ったとしても、書いた本人はもうこの世にいないのだ。ただ最後のポアロ作品で同じく死後に発表された「カーテン」に比べると読後感は良くて、最後の完結作品であるという感覚はない。むしろ、ミス・マープルに恩義を持ったであろう若夫婦が、彼女の後継者として活躍してくれるんじゃなかろうかと、そんな予感をさせてくれる。
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恩田陸さんが勧めていて気になって読んだ1冊。
前に読んだ「五匹の子豚」も回想ものだったけれど、今回は主人公の女性が段々と思い出していく描写があって新鮮だった。マープルの活躍も良かった。あと、アガサ・クリスティ作品に出てくる「言葉」はめっちゃ重要なんだと改めて気付かされた!!
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若妻のグエンダがイギリス南部に買った趣のある家。訪れるのは初めてのはずなのに、なぜか見覚えがある。
ある夜ミス・マープルと彼女の甥夫婦とともに観劇をしていたグエンダは、かつてその家で起きたと思われる殺人のシーンを唐突に思い出し、それと同時に幼少期にやはりこの家に住んでいたということを確信する。分別のあるマープルは、殺人事件の真相を暴くと意気込むグエンダ夫妻を諌めるものの、二人の好奇心を止めることはできない。経験則から知らない方がいいこともあると知っているマープルと、知らずにはおれない若い二人の対比がクリスティらしくて非常に良い。
結局はマープルも夫妻をサポートするため動き出す。グエンダ夫妻とマープルはそれぞれにかつての関係者たちを訪れ、殺害されたと思しき女性はヘレンという名のグエンダの継母だということが判明する。ヘレンはグエンダの父と離婚してどこか外国へ行ったと思われていたが、本当は殺されているのかもしれない。だとすると犯人は一体誰なのか。三人は「彼女の生涯における男たち」を辿っていく。
普通のフーダニットと異なり、そもそも殺人が本当に行われたのかということがスタートでありゴールでもある。
「若い男女を優しく見守る」スタンスは、ポアロにもマープルにも見られるクリスティの持ち味。
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出版社と著者の契約に基づき、クリスティの死後に出版されたミス・マープル・シリーズ最後の一冊。犯人探しの楽しみはもちろん、そこに描かれる時代がかった風景、冒頭のホラーにも似た展開、様々な性格の登場人物たち、そして控え目に大活躍するマープルと、マープルシリーズの魅力を詰め込んだ、まさに大団円にふさわしい一作。恩田陸の解説(というか随想)も良い。
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眠れる獅子を起こすと厄介な事になる。それは誰もが胸に留めるべき教訓なのだけど、本作で起こしてしまうのは殺人
誰も殺人と思わなかったワンシーンが一人の女性の回想により突如起き上がる。序盤は唐突に、そして話が進む毎にゆっくりと殺人犯の足音が忍び寄る様子にはクリスティーの熟練さがそこかしこに活きていると感じられるね
本作の他にも殺人と思われていなかった過去の事件が現代に殺人として蘇る事件はクリスティー作品には幾つか有るけれど、本作の場合はそもそも事件とすら思われておらず、被害者のヘレンは駆け落ちしたと殆どの者に信じられていた点が特徴
グエンダ自身もこれまでヘレンの事など欠片も覚えて居ないどころか、殺人現場に自分が居た事すら覚えて居なかった
なのにとある台詞を聞いた瞬間から彼女は眠れる殺人の存在を確信するわけだ
その導入はホラー感が有りつつも、幼少時の鮮烈な記憶が残っていたという納得感が有る為に読者にも眠れる殺人の存在を確信させるもの
本作を面白くしているのは殺人を思い出すグエンダの存在だけでなく、彼女と共に事件を探るジャイルズの存在が有ってこそだね
若い新婚夫婦が選んだ家は妻が昔住んでいた家でおまけに殺人が有ったらしい。それに興奮して余計な捜査を始める二人の様子はかなり危なっかしくて他のミステリならば被害者候補に成りかねないもの
だというのに、ジャイルズは意外な賢さを見せるし、グエンダも素晴らしい直感によって選ぶべき道を選んでいる
また、田舎のお婆ちゃん感たっぷりのマープルが二人を支えているものだから、尚更に事件だけじゃなく事件に接する主要人物も魅力的に感じられる作りになっている
本作の主題となる眠れる殺人はとあるポイントを過ぎるまで本当に殺人が有ったのかあやふやままに展開する。唯一頼りになるのはグエンダの曖昧な記憶だけ
だから関係者も時には読者でさえも「本当に殺人が有ったのか?」と疑いながら捜査は進んでいく
そのような展開だったからこそ、眠れる殺人が起き上がり過去に関係する人物に牙を向いた瞬間には恐怖すら感じられ、その恐怖の正体が解き明かされた瞬間には興奮を覚えずに居られない
本当に上手い構成になっている作品ですよ
Posted by ブクログ
何となく「復讐の女神」と似たタイプかな?と思っていたら大当たりだった。家の庭に埋めていたのも一緒で怖〜…となった。しかしリード夫妻が無事で良かった。最後にマープルが助けてくれたのが嬉しい。マープル最終作まで読んでしまったので寂しい…。
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ミス・マープルを初めて読んだ。 ポワロとは違って、より人の心理に寄り添って解決する感じ。 突如思い出した、子どもの頃に見た殺人事件は、幻なのか?現実なのか? 出てくる人皆怪しく思えてきた(笑)
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やはり、外国の作品を読めたことが奇跡だと感じるほど読むのが大変だった。単純に慣れてないだけなのだけれど、、
登場人物を覚えてきた、中盤からは物語に入っていけて面白かった。人間模様の複雑さが読みにくい部分もあったが、同時に面白かった。
あと、途中途中これを訳している方がすごいなと感じた。
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回想の中の殺人
久しぶりに犯人あてに成功
ブランデーくらいでやっと怪しみ始められたが
ミス・マープル初めて読んだけどこれが最後の事件らしい
信用しやすい人間の目を通して事件が描かれると全く違ったものになってしまう
恩田陸が解説なのもよかった
Posted by ブクログ
アガサ・クリスティの中でも、クリスティらしい作品だと思います。
まず、この設定を思いつくのがすごいと再読にもかかわらず、脱帽。記憶の中の、過去の犯罪。
クリスティは、他にもいろいろ有名な作品がありますが、この作品は落ち着きもあり、また凝った構成、恐怖感情だったり、この1作品で多くの感情が詰まっており、とても面白く読めました。読み終えたあと、なんとも言えないような胸が締め付けられました。
Posted by ブクログ
記憶もないほど幼い頃に過ごした海辺の快適な家、おぼろげながら幸福な印象にそぐわない惨劇の場面…曖昧な中から浮かび上がる明暗のコントラストが魅力的。オカルト的な要素は珍しいけど、心地よさと怖さを結びつけるところがまさにアガサ。クレプスキュールレーベルのfrom Brussels with loveというアルバムに入っていたHelen’s songというきれいだけど背筋が寒くなるような曲を思い出した。謎解きは定番的なため、リリーが手紙を書く時点で死亡フラグ+相談相手=犯人確定。この犯行のトリックも読めた。テニスネットのエピソードで元の事件も確信。新たな死者が出たのは気の毒だけど、若い命を断たれ汚名を着せられたヘレンのためにはせめて真実が明らかになってよかった。復讐の女神と同じ話で、今の時代ジェンダー問題になるけど、こういう事件は犯人が男性ならしっくりくる(女性ならライバルを襲う)。ミス・マープルはおとり捜査が好きみたいだけど、動く指のミーガンの時みたいに事前調整してあげたほうが良かったと思う…ウォルター・フェーンの家に死人がいる気がすると言うグレンダの直感はガセだったのか、「マギンティ夫人は死んだ」のアリアドニ・オリヴァ的なオチはなかった。
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ミス・マープルもの。
結婚を機にイングランドへ移住し、新居を探していたグエンダは、初めて見るはずの家の内部に既視感を抱きます。さらに後日見た芝居のある場面からその家で起こった恐ろしい記憶が浮かんできて・・。
グエンダの夫のいとこがミス・マープルの甥夫婦だったという事もあり、この“回想の中の殺人”の解明にミス・マープルも手助けすることになります。
封印された記憶に眠る殺人が掘り返される過程で、グエンダの継母の人生と関わった男性たちが浮かび上がってきて、皆怪しいような怪しくないような・・。
真犯人については、そのトリックにまんまと目くらましされて、解った時は“あんただったのか!”と、我ながらクリスティーの“いい客”です。
本書はミス・マープルの最後の事件という位置づけになっている事もあり、これにて私も“ミス・マープルものコンプリート”と相成りました。
ミス・マープルものの良さは、トリックだけに走らず愛憎劇的な人間ドラマがある点で、しかも変にドロドロした感じもなく、古き良き英国の雰囲気を味わいながら楽しめるのが好きでした。
ところで、解説の恩田陸さんが、“冬に炬燵に入り、マクビティの胚芽チョコレートビスケットを食べながらクリスティーを読み耽る愉しみ”と書いておられましたが、もう激しく同意します。本当、クリスティーとマクビティのビスケットは至福の組み合わせですよね!
Posted by ブクログ
なにを置いても、冒頭部分で若い妻グエンダが初めて来るはずの新居について詳しすぎることに気づき始め、回想の殺人を思い出すまでの描写が圧巻。テンポよく、必要な情報を含みながら、予感が確信に変わるスリルが味わえた。
若い夫婦を心配して色々と手を回すミスマープルの優しさが読んでいて嬉しかった。
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ニュージーランドからイングランドにやって来た新妻グエンダ。イングランドで家を見つけ改装を始めるがイングランドに来たことがないはずが家に関する記憶が蘇り始める。記憶にあらわれる遺体。ヘレンと言う名前。夫ジャイルズと調査を始める。実はイングランドで住んでいた事があったグエンダ。南アフリカからイングランドへの帰国中にヘレン・ケネディと再婚していた父親ケルヴィン・ハリデイ。グエンダの購入した家に住んでいた夫妻。ヘレンの兄ジェイムズ・ケネディが語るヘレンの駆け落ち。ヘレンは駆け落ちしたが自分がヘレンを殺したと主張し精神病院に入れられた末に自殺したハリデイ。男関係が派手だったヘレン。ヘレンから来た手紙。ミス・マープルの調査。
2009年12月16日購入
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犯人絶対この人だろうなっていうのが当たった。
いつも当たらないのに珍しい。
ナイルに死すとこれだけ。
誰が犯人だろうじゃなくて、この人が犯人な筋道を確かめてた。こういうのもたまにはよき。マープルシリーズ好きだな。
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ミス・マープルシリーズの最終巻。
もっと続きが読みたかったなあ。
グエンダの記憶が鍵を握る回想の殺人モノ。
当時の関係者に話を聞くうちに少しずつ核心に迫っていく。
だけど最も重要な部分は最後まで分からない。
まあ本当は、物語の初っ端に伏線が敷かれていた。
ただいつもの事ながら完全にスルーしていた。
「何故その可能性に思い至らないのか」と毎回不思議に思うのも、クリスティ作品における楽しみの一つでもある。
さて、次はどれを読もうかな。
Posted by ブクログ
ミスマープル最後の事件
・グエンダリード
・ジャイルズリード 夫婦はイギリスの小さな街
に家を買う
その家はグエンダが小さい頃
住んでいた家だった
移り住んでから
亡くなった父母 継母 等
断片的に思い出す
その中に
・ヘレン(継母)の死体の記憶が..
役所 親戚等 訪ね歩き話を聞く
ヘレンは誰かと駈落ち(失踪)したと
思われていた
・ケヴィンハリデー少佐(グエンダ父)が
妻ヘレンを殺したのでは..と疑う
グエンダは幼い頃
良い親戚に引き取らられ
ニュージーランドで育てられた
この夫婦と
・ミスマープルが知り合いになり
調査 助言したりする
グエンダ夫婦は
ヘレンの失踪は偽装では..
(ヘレンは殺されていて犯人が別にいる)
と疑い出す
[ ヘレンは
・ウォルターフェーン と結婚する為
船でインドへ向かう途中
・アースキン少佐 と出会い恋仲に..
婚約破棄をするけれど
アースキン少佐とも別れる
帰りの船の中で
ケルヴィンハリデー少佐(グエンダ父)
と出会い結婚
(グエンダは赤ちゃんで母は死んでいる)]
・リリーキンブル 当時ハリデー家で働いていた
外国人の小間使い
リリーが殺される
グエンダ達は真相に近づいていると確信..
自分達も危ないと気づく
最後の方になると犯人候補は3人
一人一人動機や可能性を
ミスマープルと一緒に
丁寧に考察
グエンダが殺されそうになり
犯人が捕まる
犯人は自分的には
意外な人だった
動機も今時ぽい
アガサクリスティが早いのか..
もう少し考察とかが
あっさりしてる方が好み..
マープルよりポアロの方が好きかも..
Posted by ブクログ
【マープル】
クリスティーが37歳の時に執筆して、亡くなった後に公開された作品。
マープルの最終話となっているけど、執筆したのはマープル作品初期の頃なので、こちらから読むことに決めた。
戦争中に執筆しているからなのか、仄暗くて重い雰囲気。怪奇要素も入っていて、今までのマープル作品にはない感じだった。
マープルは無理に話を聞こうとしない。
動揺して怖がっている人には、湯たんぽと濃くて熱くて甘いお茶で精神的に落ち着かせてくれる。
相手が話しやすい雰囲気づくりが上手い。
この作品では、まるで心理カウンセラーのようなマープルが印象に残った。
解説は恩田陸さん。
まさか解説でこんなに心を持っていかれるなんて思わなかった。
私は『ドミノ』しかまだ読んでないので、全然恩田さんのことは知らないのに一気に心を掴まれた。
自分が心の中で思っていて言語化できないクリスティーの好きな部分を全部言ってくれた感じがした。解説のこんなに短い数ページでそれをやってしまうすごい才能。
クリスティーを読み終わったら恩田陸さんの本ももっと読んでみたい。
次は未読最後のマープル作品『復讐の女神』。
ついにマープルが終わってしまう。
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春にして君を離れ でアガサクリスティおもしろい!となって読んでみた。
ぐいぐい読み進められる展開にわくわくしながらマープルと一緒に謎をかんがえていく楽しさ。これにつきる。
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ずいぶん久しぶりにクリスティーの長編を読んだ。単行本も持っているが、当時、ミス・マープル最後の事件として鳴り物入りで刊行された記憶がある。
長い間眠っていた事件が、ヒロイン役があることをきっかけに記憶を呼び起こしたために、関係者に波紋を広げ動き出す。そして新たな事件も……。
展開がスムーズで、とても読みやすい。犯人の見当は途中から大体ついたが、最後まで飽きさせず読ませるのは、さすがクリスティー。
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ニュージーランドから来た若妻、英国で購入した家に既視感、幼少期に遺体を見た記憶。彼女は駆け落ちしたと思われていた父の再婚相手であり、父は殺したという妄想とともに自殺していたことを知る。呼びかけに反応した彼女の兄は出奔後に手紙を受け取ったという。
最後の謎解き、意外な犯人、分かってみれば、様々な伏線が張られていたことに改めて気付く。懐かしの時代の正統派ミステリー。有名なタイトル、寝た子を起こすなだったのですね。
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初のミス・マープル作品。
過去に起きたであろう事件を掘り起こしていく展開がメインゆえ、血腥さが少なく、ミス・マープルの穏やかな人物設定のお陰か安心して読んでいられた。一方で、新婚夫婦の一途だけれど未熟な行動にハラハラさせられ気を揉む場面も。寝た子を起こすから新たな事件が生じ、余計なことをしなければいいのに、とミステリー読者にあるまじき考えが頭に浮かぶ。
良く言えば読みやすい作品、ただちょっとあっさり風味で物足りない。
Posted by ブクログ
ミス・マープルが活躍する最終作。クリスティーの死後に発刊されたが、執筆はポワロ最終作の「カーテン」と同様、1940年代に行われて親族に寄贈された。
【あらすじ】
イギリスへの移住のため、夫に先駆けてニュージーランドから到着したグエンダ。イメージ通りの邸宅が手に入り、意気揚々と内装工事に着手するが、何故か館に既視感を覚える。
そしてある夜、演劇のセリフをきっかけに、グエンダはその館でヘレンという女性が殺害された記憶を思い出す。
【感想】
回想の殺人が題材。グエンダとジャイルズ夫妻が捜査を進め、マープルは参謀役の立場をとる。前前作に位置する「復讐の女神」と類似性があるため、続けて読んだ人は謎解きし易いかもしれない。
ミス・マープルの活躍もこの作品で打ち止めとと思うと大変感慨深い。作品中の彼女はまだまだ活躍しそうなのだが…短編集は未読なので、そちらで彼女の活躍を楽しみたい。
Posted by ブクログ
読みながら、冒頭をドラマで見たことがあることを思い出した。
あれが、スリーピングマーダーだったとは。
クリスティの小説としては最後のこの一冊も、ついに読み終えてしまったけど、最後がマープルさんらしいマープルもので良かった。