あらすじ
若妻グエンダはヴィクトリア朝風の家で新生活を始めた。だが、奇妙なことに初めて見るはずの家の中に既視感を抱く。ある日、彼女は観劇中、芝居の終幕近くの台詞を聞いて突如失神した。彼女は家の中で殺人が行なわれた記憶をふいに思い出したというが……ミス・マープルが回想の中の殺人に挑む。
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Posted by ブクログ
やはりミス・マープルはクリスティに愛されていたよう。
同時期に書かれたポワロの最終作同様、作品全体は不穏で落ち着かない雰囲気が貫かれているけれど、こちらはまだまだ元気に活躍してくれるのではという想像の余地を残してくれている。
謎を追う主人公に危害が及ばないように自主的に庭で張り込み(おせっかいから庭の手入れをするおばあさんに擬態)をしているのもさりげなくキュート。
最終作の位置付けの割に主役では無く登場も少なめなのがやや物足りないけれど、若い主人公に言葉を額面通りに受け取ることの危険を指摘し、指南役としてきらりと光る存在感を残している。
真実に向かって誘導していくマープルから読み手も一緒にヒントをもらえるため、要所要所で立ち止まって咀嚼し、犯人と結末を考え考え読み進めるのが楽しかった。
読み終えて、私もやっぱりミス・マープルが好き、と満足しました。
Posted by ブクログ
マープルシリーズで一番最後に発表された作品という事で、中々読む事が出来なかった。ポアロシリーズ最終作の「カーテン」は学生時代学校の図書室に作品があって、知識がないまま読んでしまったが、「スリーピングマーダー」については読んだらいよいよマープルシリーズが終わってしまうという想いもあり中々読むことが出来なかった。
クリスティ作品が大好きでほとんど作品は読み終えた為、いよいよ今作を手に取った次第だ。
ミスマープルと若い夫婦の組み合わせはかなり抜群で、過去にもマープルと若い女性を組みあわせた作品がいくつかあり、とても面白い作品になっていた。今回もリード夫妻の無鉄砲な冒険に対し、マープルは心配しながらも、適宜彼女たちをフォローしながら、事件の真相に染まっていく彼女のシリーズの独特の展開になっている。
事件自体は、十数年前の過去に起きた殺人事件と言う題材であり、実際に殺人が起きたかどうかも不確かな状態。
グエンダは田舎に家を探しており、イングランドでヒルサイド荘という家をみつける。グエンダは初めてイングランドに来たはずだが、家の内装に既視感があり、更には細かな部分を想い描く事が出来てしまう。不安の中、彼女はその家で女性が首を絞められて殺害されていた風景を思い出し・・。
冒頭がかなり魅力的なのは、マープルシリーズの特色であり、マープルシリーズでは必ず1番最初に読者を惹きつける全くの謎が提示されそれがマープルの手によって解き明かされていく手法だ。今回の事件においても、グエンダは全く持ってヒルサイド荘の記憶をなくしているわけだが、幼少期に一度済んだ時期があり、それがきっかけとして過去に起きたはずの事件と言う題材が進んでいく。
マープルはどちらかと言えば、フォロー的な立ち回りになっているが要所要所に目覚ましい活躍をしている。また、マープルの終わりの人たちや警察組織の人たちは彼女のことをしっかり認知しており、彼女はこの次元に首を突っ込むことを了承し、他のミステリーにあるような探偵をすることを阻害され、無駄に時間が過ぎるような事は無い。
スリーピングマーダーはマープルシリーズの最終作だが、執筆されたのは少し早い時期だったと記憶している。晩年の作品にも面白い作品はたくさんあるが、今作もとても呼びやすく、面白い作品だった。
最近近代のミステリーと比べて思った事は、マープルシリーズはとても読みやすく、人物描写が巧みだと言うことトリックも面白いが、作品全体としての完成度が高く、とても楽しむことができた作品だった。
Posted by ブクログ
若妻のグエンダがイギリス南部に買った趣のある家。訪れるのは初めてのはずなのに、なぜか見覚えがある。
ある夜ミス・マープルと彼女の甥夫婦とともに観劇をしていたグエンダは、かつてその家で起きたと思われる殺人のシーンを唐突に思い出し、それと同時に幼少期にやはりこの家に住んでいたということを確信する。分別のあるマープルは、殺人事件の真相を暴くと意気込むグエンダ夫妻を諌めるものの、二人の好奇心を止めることはできない。経験則から知らない方がいいこともあると知っているマープルと、知らずにはおれない若い二人の対比がクリスティらしくて非常に良い。
結局はマープルも夫妻をサポートするため動き出す。グエンダ夫妻とマープルはそれぞれにかつての関係者たちを訪れ、殺害されたと思しき女性はヘレンという名のグエンダの継母だということが判明する。ヘレンはグエンダの父と離婚してどこか外国へ行ったと思われていたが、本当は殺されているのかもしれない。だとすると犯人は一体誰なのか。三人は「彼女の生涯における男たち」を辿っていく。
普通のフーダニットと異なり、そもそも殺人が本当に行われたのかということがスタートでありゴールでもある。
「若い男女を優しく見守る」スタンスは、ポアロにもマープルにも見られるクリスティの持ち味。
Posted by ブクログ
何となく「復讐の女神」と似たタイプかな?と思っていたら大当たりだった。家の庭に埋めていたのも一緒で怖〜…となった。しかしリード夫妻が無事で良かった。最後にマープルが助けてくれたのが嬉しい。マープル最終作まで読んでしまったので寂しい…。
Posted by ブクログ
回想の中の殺人
久しぶりに犯人あてに成功
ブランデーくらいでやっと怪しみ始められたが
ミス・マープル初めて読んだけどこれが最後の事件らしい
信用しやすい人間の目を通して事件が描かれると全く違ったものになってしまう
恩田陸が解説なのもよかった
Posted by ブクログ
記憶もないほど幼い頃に過ごした海辺の快適な家、おぼろげながら幸福な印象にそぐわない惨劇の場面…曖昧な中から浮かび上がる明暗のコントラストが魅力的。オカルト的な要素は珍しいけど、心地よさと怖さを結びつけるところがまさにアガサ。クレプスキュールレーベルのfrom Brussels with loveというアルバムに入っていたHelen’s songというきれいだけど背筋が寒くなるような曲を思い出した。謎解きは定番的なため、リリーが手紙を書く時点で死亡フラグ+相談相手=犯人確定。この犯行のトリックも読めた。テニスネットのエピソードで元の事件も確信。新たな死者が出たのは気の毒だけど、若い命を断たれ汚名を着せられたヘレンのためにはせめて真実が明らかになってよかった。復讐の女神と同じ話で、今の時代ジェンダー問題になるけど、こういう事件は犯人が男性ならしっくりくる(女性ならライバルを襲う)。ミス・マープルはおとり捜査が好きみたいだけど、動く指のミーガンの時みたいに事前調整してあげたほうが良かったと思う…ウォルター・フェーンの家に死人がいる気がすると言うグレンダの直感はガセだったのか、「マギンティ夫人は死んだ」のアリアドニ・オリヴァ的なオチはなかった。
Posted by ブクログ
ミスマープル最後の事件
・グエンダリード
・ジャイルズリード 夫婦はイギリスの小さな街
に家を買う
その家はグエンダが小さい頃
住んでいた家だった
移り住んでから
亡くなった父母 継母 等
断片的に思い出す
その中に
・ヘレン(継母)の死体の記憶が..
役所 親戚等 訪ね歩き話を聞く
ヘレンは誰かと駈落ち(失踪)したと
思われていた
・ケヴィンハリデー少佐(グエンダ父)が
妻ヘレンを殺したのでは..と疑う
グエンダは幼い頃
良い親戚に引き取らられ
ニュージーランドで育てられた
この夫婦と
・ミスマープルが知り合いになり
調査 助言したりする
グエンダ夫婦は
ヘレンの失踪は偽装では..
(ヘレンは殺されていて犯人が別にいる)
と疑い出す
[ ヘレンは
・ウォルターフェーン と結婚する為
船でインドへ向かう途中
・アースキン少佐 と出会い恋仲に..
婚約破棄をするけれど
アースキン少佐とも別れる
帰りの船の中で
ケルヴィンハリデー少佐(グエンダ父)
と出会い結婚
(グエンダは赤ちゃんで母は死んでいる)]
・リリーキンブル 当時ハリデー家で働いていた
外国人の小間使い
リリーが殺される
グエンダ達は真相に近づいていると確信..
自分達も危ないと気づく
最後の方になると犯人候補は3人
一人一人動機や可能性を
ミスマープルと一緒に
丁寧に考察
グエンダが殺されそうになり
犯人が捕まる
犯人は自分的には
意外な人だった
動機も今時ぽい
アガサクリスティが早いのか..
もう少し考察とかが
あっさりしてる方が好み..
マープルよりポアロの方が好きかも..