アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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ネタバレ歯医者行きたくないよ…のポアロが可愛いです。
いきなり口調が変わるのは、翻訳する上で仕方ないのかもしれませんが、今作は余計に混乱しました。丁寧な話し方から、『あんた、安心していいよ、…』に変わったり、「今ポアロが喋ってるんだよね⁈」と、文章を二度見したり、遡ったりしていたら時間がかかってしまいました。
権力を持つと保身に走るのは、いつの時代でもどの物語でも同じですね。
『私のたずさわっているのは自分の命を他人から奪われない、という権利を持っている個々の人間に関することです』というポアロの台詞、他の作品でもきちんと彼の中でぶれない軸として生きているのだろうな…と感動でした。オリエント急行の結末等を思い返すと、共通して国だの権力ではなく、人の尊厳を重く見ていることが分かって、嬉しく思います。 -
Posted by ブクログ
ポアロシリーズ25冊目。
クリスティーはやっぱり面白いな……(n回目)。
ちょうど長距離移動があったというのもありますが、一日で読み切れる作家は、クリスティーを除くとあまり知りません。
「大富豪ゴードン・クロードが戦時中に死亡し、莫大な財産は若き未亡人が相続した」
というあらすじ通り、ゴリッゴリの遺産相続ものです。
ゴードンの姉、兄、弟、甥姪が入り乱れ、しかも戦後の苦境とそれまでの温室生活がたたり、いずれもが未亡人・ロザーリンとその兄に憎悪の感情を向けています。
このロザーリン兄妹がまたクセモノで、読んでいてもまっっったく同情心が湧いてこない!
ゴードン・クロードに頼りきりだったクロード一族もどうなの?という感じですが、これはたぶんクリスティーも意図してこういう性格に描いているのでしょうね。よっぽど倒叙モノなの?という気持ちで読んでいました。
一向に事件は起きないし、したがってポアロさんも全然出てこないのですが、それでも人間ドラマの面白さで読ませてしまうのがクリスティーなんですよねぇ。
クロード一族を把握する頃(肝の座ったフランセスが一番好み)には一気に引き込まれ、しかもやっと起きた事件も二転三転し……と最後はもう一気読みでした。
解説でも触れられていましたが、肝となる「ある秘密」も、あまりにさらっと書いてしまうのがすごい。
「あっ、なるほどね」と納得したうえで、じわじわと始めからの違和感がすべて繋がる気持ちよさ……。うーん、すごい。
ちなみに、ポワロさんが指摘した「ポーター少佐の一言」にはあれっと気付けたのがちょっと嬉しかったです(^^)(だからといって予想は何一つ当たりませんが……)
ということで、「かなり重症のクリスティー・ファン」向けの一冊も大いに楽しめたのですが、どうしても一つだけ……。
クリスティーが好んで出したがる、頭も良く自立心も強いのに男のセンスがないリンのような若い女性だけは、どーーーしても素直に「よかったね!」と言えないんですよねぇ( ˊᵕˋ ;)それでいいのか本当に。。 -
Posted by ブクログ
最近は未読のクリスティー作品でとりわけエルキュール・ポアロの登場作品をゆる〜く追っていて、『エッジウェア卿の死』は題名は知りつつも、内容はさっぱりだったので読むのを楽しみにしてました。
残念だったのは、翻訳が終始一貫して言い回しがかたくて読みづらかったこと。登場人物がみんな武人みたいな口調なので、誰の発言なのか悩みながら、なんとか進むやら戻るやら…難敵でした(u_u)
その点を除けば、二転三転する謎に見事にはまり、登場人物を順番に疑っていたら(笑)最後にあっと言わされる感覚は実に面白かったです。
要所、要所でトリックの一端をチラつかせながら、謎が解けたつもりでいると裏切られる…流石のクリスティー作品でした。 -
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ポアロの旧友スペンス警視は、マギンティ夫人を撲殺した容疑で間借人の男を逮捕した。服についた夫人の血というたしかな証拠で死刑も確定した。だが納得がいっていない警視はポアロに再調査を依頼。未発見の凶器と手掛かりを求め、現場に急行するポアロ。しかし死刑執行は刻々と迫っていた。
登場人物が多くて序盤は混乱しがちでしたが、最終的にポアロが介入してからも1人亡くなってしまう事件の展開で舞台向けだなあと思いながら読んでいました。クリスティの作品は戯曲に近いというか、人の心の機微以外に効果的な場面が多くて舞台映えしそうな展開にわくわくします。マギンティ夫人が死んでから物語が始まるので、他人から語られる姿しかなくて、ちょっと物足りない気持ちもあった。殺人の動機がめちゃくちゃ怖くて、そんなことで!?というレベルなんですが、一回逃げおおせると繰り返しても平気に思えちゃうのかなあ。 -
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トミーとタペンスシリーズに初挑戦。
うん、とにかくタペンスが良い。台詞も行動も読んでいて楽しい。
相棒となるトミーは、タペンスに比べると正直キャラが掴みづらかった。
勇敢ではないけど冷静で知恵があってちょっと皮肉屋で〜みたいなキャラかと思いきや意外とトミーも充分行動力があるので、最後までトミーってこんなこと出来るんだ…の連続。
バディ物のようなものを期待してたのに早々に離れ離れになるストーリー構成は個人的にかなり残念。
仲間が離れ離れになってそれぞれで活動する展開は好きだけど、そういうのは2作目以降で、最初は冒険の中で反目し合いながらも絆を深めていくようなストーリーをしっかり見せて欲しかったかなあ。
まあ書いた当時はシリーズにする気なかったのかもしれないけど。
トミーが単身敵の集会所に忍び込むシーンの緊張感ある描写はさすが。
スタイルズ荘に続く長編2作目とのことだけどクリスティの意地の悪さ(笑)はしっかり出ておりブラウンの正体はちゃんと騙された。
面白い場面はたくさんあるけど、ストーリーがそこまで進展しない割にひとつひとつの描写がちょっと長いかなーという気はしたかな。
あと最後はラブストーリー的なハッピーエンドだからか、前半にあったタペンスのキャラの面白さが後半には大人しくなっていくのが寂しかった。
ただこの後のトミーとタペンスシリーズも読んでいこうと思えるくらいには魅力のある作品でした。