アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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ネタバレミスマープル最後の事件
・グエンダリード
・ジャイルズリード 夫婦はイギリスの小さな街
に家を買う
その家はグエンダが小さい頃
住んでいた家だった
移り住んでから
亡くなった父母 継母 等
断片的に思い出す
その中に
・ヘレン(継母)の死体の記憶が..
役所 親戚等 訪ね歩き話を聞く
ヘレンは誰かと駈落ち(失踪)したと
思われていた
・ケヴィンハリデー少佐(グエンダ父)が
妻ヘレンを殺したのでは..と疑う
グエンダは幼い頃
良い親戚に引き取らられ
ニュージーランドで育てられた
この夫婦と
・ミスマープルが知り合いになり
調査 助言したりする
グエンダ夫婦は
ヘレンの失踪は偽装では..
(ヘレンは殺されていて犯人が別にいる)
と疑い出す
[ ヘレンは
・ウォルターフェーン と結婚する為
船でインドへ向かう途中
・アースキン少佐 と出会い恋仲に..
婚約破棄をするけれど
アースキン少佐とも別れる
帰りの船の中で
ケルヴィンハリデー少佐(グエンダ父)
と出会い結婚
(グエンダは赤ちゃんで母は死んでいる)]
・リリーキンブル 当時ハリデー家で働いていた
外国人の小間使い
リリーが殺される
グエンダ達は真相に近づいていると確信..
自分達も危ないと気づく
最後の方になると犯人候補は3人
一人一人動機や可能性を
ミスマープルと一緒に
丁寧に考察
グエンダが殺されそうになり
犯人が捕まる
犯人は自分的には
意外な人だった
動機も今時ぽい
アガサクリスティが早いのか..
もう少し考察とかが
あっさりしてる方が好み..
マープルよりポアロの方が好きかも..
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Posted by ブクログ
久々のクリスティー!
本書はなんといっても、看護婦ミス・レザランの手記で語られるのが特徴。
やはりクリスティー作品に出てくる、職業意識の高いご婦人は頼もしいですね。彼女目線の”ポアロ描写”にもくすっと笑ってしまいました。
『ナイルに死す』と同じく、中東の世界観たっぷりな今作。
生涯の伴侶となったマックス・マローワンと共にこの地を訪れたクリスティーには、どんな風にこの景色が映っていたのか……とレザランの手記を通して想像できます。余談ですが、ポアロさんはこの事件の後にオリエント急行に乗って”あの事件”に遭遇するそう。うーん、コ○ン君(笑)。
登場人物が多いのはいつものことですが、今回は職業も国籍もバラバラということで当初はなかなか苦戦しましたが、物語も半分くらいまで進むとしっかりキャラクターの輪郭が濃くなっていくのがさすがのクリスティー。
そして、妄想としか思えなかった犯人も、シンプルながらしっくりくる謎解きに十分納得でした。
こちらはまだドラマ版が未鑑賞なので、「松明を持って湿地から姿を現わし、男を惑わす妖精」と評されるルイーズがどんなふうに描かれているのか、観るのが楽しみです。 -
Posted by ブクログ
1930年の作品。
ミス・マープル長編一作目の作品。
イギリスの田舎の村、セント・メアリ・ミードでルシウス・プロズロー大佐が牧師館の書斎で何者かに殺された。若く美しい画家、ローレンスレディングが自分が大佐を殺したと名乗り出るが、ローレンスは大佐の妻のアン・プロズローと恋仲であり、アンを守るために自供したものと思われた。アンもまたローレンスを守るため自首するが、2人とも目撃情報などから無罪が証明された。牧師館の隣に住むミス・マープルは、牧師のクレメントと共に犯人の推理を始める。
ミス・マープルの初登場は『火曜クラブ』だと思ってましたが、出版されたのはこちらの方が先なので『牧師館の殺人』が一作目なんですね。
牧師館の主人、牧師のレナード・クレメントの視点から物語が語られます。
若く美しい妻を持ったこの冴えない中年男の情けない感じの語りがとてもいいんですよねぇ。
甥のデニスにバカにされたり、妻の手のひらで転がされたり、心の中のつぶやきみたいなものが語りに混じっていて親近感がわきます。決して聖人君子のような牧師じゃないんですよね。
この話の主人公はクレメント牧師で、ミス・マープルは脇役感あります。
アガサクリスティの孫のマシュープリチャードの前書きが大変興味深いです。
自身が幼少期に体験した古き良きイギリスの田舎の村への憧憬や、ポアロとマープルの好対照について語られています。 -
Posted by ブクログ
【ポアロ】
1936年クリスティー46歳の作品。
タイトルの通り〈トランプ〉のブリッジが重要になってくるので、ルールを知っていればもっと楽しめたのにと思う。
同じくトランプで事件を解いたヴァン・ダインのアノ事件と似ていた。
トランプで何がわかるの?と思うかもしれないけど、トランプって本当にその人の性格が出てくるので面白い。
この作品を読んでる途中に、お正月で親戚達とトランプの大富豪をやったので、Naotyポアロになりきって観察してみた。
・序盤から良いカードを出して過ぎて、最後に破滅する〈勝負師タイプ〉
・全然良いカードがない、終わったわ…と言いつつ大富豪になる〈策士タイプ〉
・自分の手の内が全部顔と行動に出てしまう〈正直タイプ〉
・良いカードを持ってるのに最後まで使えない〈心配性タイプ〉
・平民が1番平和だわ〜と本当にずっと平民の〈万年平民タイプ〉
・大貧民から1つずつ着実に上り詰めて大富豪になる〈叩き上げタイプ〉
・女の子には甘いが男の子には厳しい〈おじさんタイプ〉
・孫にだけ優しい〈おじいちゃんタイプ〉
いや〜見事にそれぞれの性格が出ていて面白かった!
今年1発目に読んだ『茶色の服の男』のレイス大佐がこの作品にも登場していて、たまたまこの順番で読んだのに偶然に驚いた。
推理作家のオリヴァ夫人の初登場作品でもあり、キャラクターも楽しい。
ポアロ作品は残すところあと4作品。
どれも攻略本では低評価だけど、もったいなくてなかなか読めない。
★2.5 -
Posted by ブクログ
清々しいほどに やられましたー!!!!
血族を聖夜に呼び寄せた偏屈な老当主
不仲だった兄弟に対して
辛辣な言葉を浴びせる老当主
金で子を支配し 長きにわたる家族の不協和音…
そこに放り込まれた思いもよらないゲストたち…
血族に辛辣な言葉を浴びせる老当主は
密室でその代償をはらうことになる…
アガサクリスティーから届いた
血で染まる凶暴な殺人という
時代を超えたクリスマスプレゼント…
私もポアロのように謎解きに挑むが…
予想外のトリックと犯人にビックリ!!
ポアロの終盤の推理劇は圧巻でしたー!!
ポアロの洞察がとにかくすごい!!
王道のミステリー最高ですね -
Posted by ブクログ
大好きなミス・マープルシリーズ。全13作の中の最後の作品。
カリブ海の秘密、からの続編となっている。
とはいえ、カリブ海の秘密を未読でも楽しめます。
前作、「カリブ海の秘密」で、旅行先で出会った老富豪ラフィール氏とミスマープルは協力して旅先で起こった殺人事件を解決した。
あれからさらに時が経ち、ミスマープルは新聞の死亡記事でラフィール氏が亡くなったことを知る。
ところが、死んだラフィール氏からミスマープルにある事件を調べてほしいという依頼があった。なんのヒントも手がかりもないまま、ラフィール氏の手配で、イギリス国内の邸宅と庭のツアーに参加することになったミスマープルに待ち受ける事件とは…
81歳のアガサクリスティーが描いた、ミスマープルの気迫に満ちた凛とした姿のかっこよさったら!
こんなおばあちゃんになりたい!
ピンクのふわふわの毛糸のショールをつけているのに!
そもそもの事件自体が何かわからない。
いつものようにミスマープルが出会った殺人事件を調べるのではなく、ラフィール氏が何をミスマープルに調べてほしいのかを推理するのがこの小説の新しいところ。
怪しいと思う人物が何人か出てくるんですが、どれもダミーなんですよね笑。
まだ未読の作品もあるので、コンプリートしたいと思います^_^
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Posted by ブクログ
【ノンシリーズ】
2025年の1冊目は大好きなクリスティーから。
1924年クリスティ34歳。
デビューから4作目のとても若々しい作品。
お転婆のアンが国際的な犯罪に立ち向かう冒険スリラー。
はい、私の苦手な分野(^_^;)
クリスティ65冊目で好きな作品はもう読んでいるので、苦手な分野でも良いので少しでもクリスティを感じたい。
主役のアンは『秘密機関』のタペンスのよう。冒険を求めて南アフリカへ向かう船に飛び乗ってしまう。
船の中は『ナイルに死す』のような高揚感も感じられるし、列車ではドキドキのシーンもある。クリスティが描く船や列車内で起きるストーリーはやはり光ってる。
船までの前半はミステリーが強くて面白いけど、船を降りてからは苦手な冒険ものとベタな恋愛ものになるので少し辛い。
男性達の言いなりの大人しい女性ではなく、好奇心の赴くままに突き進んだり、初めてのサーフィンにも挑戦して「ここでひきさがってたまるものか」と果敢に挑戦して楽しむアンの姿はクリスティーのイメージと重なる。
解説によると、作中でアンが経験したようなことをクリスティー自身もやはり実際に体験していたようだ。
そして、アレはここで最初に使われてたんだ!というサプライズもあった。
物語には全く関係ないけど、船中で出てくる〈ビーフティー〉なるものが、牛肉のお茶!?ってどんなものなのか気になって調べた。
ティーといっても茶葉は一切使わず、牛肉を入れた水を沸騰させるだけの飲み物で、英国では古くから病院食や家庭薬などで飲まれていたとのこと。
日本のお粥みたいな感覚でビーフティーを飲むとは面白い。
2025年はクリスティー作品を何冊読めるかな。◕‿◕。 -
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ネタバレ弁護士ウィルフリッド・ロバーツ卿のところへ弁護の依頼にやってきた好青年レナード・ボウル。
彼は街で偶然知り合ってから親しくするようになった高齢女性を撲殺した容疑をかけられ困っていた。
裁判が始まり、検察のマイアーズが証人として高齢女性の家政婦や死体を解剖した医者などを呼ぶ中、レナードの妻のローマインが呼ばれ、レナードに不利な証言をしたことでレナードの立場は厳しくなっていく…。
戯曲(台本)形式で書かれていて、舞台の様子が想像しやすい。
事件自体はシンプルだし、シーンも事件現場と弁護士事務所と法廷だけしか出てこないけれど、はられた伏線が最後の方に何重にも効果を発揮して驚いた。
アガサクリスティはずっと気になっていたので、これを機に他のもの読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
イギリスの作家アガサ・クリスティの長篇ミステリ作品『バートラム・ホテルにて(原題:At Bertram's Hotel)』を読みました。
『愛の探偵たち』、『フランクフルトへの乗客』に続き、アガサ・クリスティの作品です。
-----story-------------
姪のジョーンが、気分転換に旅行をすすめてくれたとき、ミス・マープルはロンドンのバートラム・ホテルを選んだ。
14のとき、叔父と叔母が一度連れていってくれたことがある。
落着いた雰囲気のうちに、目立たぬぜいたくがあるホテルだった。
が、なにしろはるか昔のことである。
どんなに変ってしまったか、心配でもあった。
ところが、バートラム・ホテルはかわっていなかった。
そっくり昔のままだった。
奇蹟的に、もはや消滅したはずの古き良き英国が、そこには生き残っていた。
エドワード王朝時代の家具・調度・風習、それに地方在住の、爵位をもった未亡人や聖職者、退役軍人といった、時代から忘れられた宿泊人。
懐しい過去がいまも暖かなマユに包まれて、保護されているのだ。
もっとも、ときたま現代が吹きつけてくることもある。
ここ数年、ロンドン警視庁管内で続出している大胆振りない強奪事件 ――銀行強盗、給料強奪、郵便託送中の宝石類の盗難の噂が話されたり、大西洋横断飛行から原子力潜水艦の便乗までやってのけ、大衆のアイドルになったべス・セジウィック夫人といった風変りな人間がとまりに来たりする。
ともあれ、楽しいホテルだわと、ミス・マーブルは満足していた。
そして、犯罪などとはまったく無縁な場所に思われたのだが……。
詮索好きな老嬢ジェーン・マーブル、久々の登場!
(解説 佳多山大地 「ライバルは『ラバー・ソウル』」)
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1966年(昭和41年)に刊行された、ミス・マープルシリーズの長篇10作目となる作品です。
ロンドンのバートラム・ホテルに行きたいわ……姪から気分転換の旅行を勧められたミス・マープルは、こう答えた、、、
そこは、古き良きエドワード王朝の面影を今なお残す、格調高いホテル……ここ数年ロンドンを荒し回っていた強盗団の脅威とも無縁であるかのごとく、優雅な雰囲気を醸し出していた。
マープルにとっては、まさに恰好の休養の場のはずであった……だが、徐々に露見する、ホテル内の錯綜した人間関係、、、
そして、客の一人の突然の失踪……果たして彼女を待ち受けていた驚愕すべき犯罪とは? 流麗なタッチで描く香り高い本格篇!
大都会ロンドンの一画にエドワード王朝時代そのままのたたずまいを保つバートラム・ホテルは、ここ数年ロンドンを荒し回っていた強盗団の脅威とも無縁であるかのごとく、優雅な雰囲気を醸し出していた……休養のためバートラム・ホテルに滞在したミス・マープルは、徐々に露見するホテル内の錯綜した人間関係に気付き、宿泊客であったのペニファザー牧師の突然の失踪、その後、濃霧の夜に発生した宿泊客エルヴァイラ・ブレイクの射殺未遂事件、結果的にホテルのドアマン・マイケル(ミッキー)・ゴーマンが銃殺された事件の捜査に協力することに、、、
あくまでも捜査の中心はフレッド・デイビー主任警部を中心としたロンドン警視庁なのですが……ミス・マープルの推理や助言により、真相が判明するという展開でした。
ミス・マープルの出番は少ないものの、二転三転するエルヴァイラ・ブレイクの射殺未遂事件(マイケル・ゴーマン射殺事件)の意外な真相と、狙撃犯のあまりにも独善的な動機が印象的な作品でした……アガサ・クリスティの作品としては、まずまずだったかな、、、
相続……お金……そして恋って、人を狂わせてしまいますねー 怖いな!
以下、主な登場人物です。
ジェーン・マープル
探偵好きな独身の老婦人
エルヴァイラ・ブレイク
ホテルに滞在中の若い娘
デレク・ラスコム
大佐。エルヴァイラの後見人
ペニファザー牧師
クロース大聖堂評議員
ベス・セジウィック
女流冒険家
ラジスロース・マリノスキー
レーサー
ハンフリーズ
ホテルの支配人
ゴーリンジ女史
ホテルの受付
マイケル(ミッキー)・ゴーマン
ホテルのドアマン
ヘンリー
ホテルの給仕頭
ローズ・シェルドン
ホテルのメイド
リチャード・エジャトン
エジャトン・フォーブズ&ウィルバロー事務所弁護士
フレッド・デイビー
ロンドン警視庁主任警部
キャンブル
ロンドン警視庁警部
ロナルド・グレイブズ卿
警視庁副総監
アリス
バートラム・ホテル従業員
ブリジット
エルヴァイラ・ブレイク友人
セリナ・ヘイジー
ミス・マープル知人。レスターシャ在住
キャボット夫人
エルマーの妻 -
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ネタバレポアロのかかりつけの歯医者が殺された?
ポアロでも歯医者は憂鬱なんだなぁと微笑ましく感じる冒頭。しかし歯医者は遺体で発見され、治療ミスを悔いての自殺とされる。ポアロはいくつか引っかかったことをたぐるために、調査を進めるが——。
犯人がポアロに見逃してくれるように願う理屈は、自分が国家の安定に必要な人物だから、というもの。それに対してポアロは返す。あなたは4人の命を犠牲にしている、大切にしたいのは誰も自分の命を他人から奪われないことだ、と。まさにポアロの言うことは正しい。誰も自分の命を他人に奪われない、それは国家の存続よりも大事なことである。 -
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ポアロシリーズ12作目。1936年の作品。
テル・ヤリミア遺跡調査団宿舎の間取り図が出てきたところで、前に読んだことがあると気がつきました。そのあとで犯人も思い出しだので伏線とミスリードを確認しながら読んだのですが、これがなかなか楽しかった。
アガサ・クリスティーはやっぱり犯人がわかっててもおもしろいなあ。
遺跡発掘現場が舞台で、考古学者と再婚した美しきミセス・レイドナーが調査団たちに巻き起こす不協和音が事件の発端となるというのが、設定からして皮肉めいています。
アガサ・クリスティーが考古学者と再婚したのが1930年。とうぜん、彼の発掘調査に同行したこともあるでしょうし、その時に現場で敬われると同時に邪魔者扱いされたこともあったのかもしれません。
発掘現場である中東を美化していないところもいいです。
(15ページ)
でも、バグダッドの不潔さと混乱ぶりは信じられないくらい。『千夜一夜物語』から想像されるようなロマンチックなものなんてどこにもない。
(76ページ)
本当にがっかりだった。発掘現場は土と泥の山で、大理石もなければ、黄金もない。美しいといえるようなものは何もない。これなら、クリックルウッドにある叔母の家のほうが、まだ見栄えのする遺跡になるはず。
90年近く前の作品で、イギリスの上流階級の人々を中心とした登場人物といった違いはあるものの、ミセス・レイドナーをめぐる女性たちの嫉妬と羨望の視線は現代にもあるあるな感じで、こういうところがアガサ・クリスティーの普遍性だなと思います。
性格の悪さを隠そうとしないシーラが特に好き。
(221ページ)
「死んだひとの悪口を言っちゃいけないというけれど、それはちがうとわたしは思うの。事実はあくまで事実よ。言っちゃいけないのは、むしろ生きてるひとの悪口じゃないかしら。生きてるひとは傷つく。死んだひとは傷つかない。でも、死者がなした悪は死後も生きつづける。とかなんとか、シェークスピアも言ってるでしょ。」
クリスティーはいろんな出版社からいろんな訳が出てますが、どの訳でもいいなら、ハヤカワの旧装丁旧訳で満足なので、あえて新訳で読むというルールを自分に課していて、今回は2020年出版の新訳版を選んでいます。
旧訳と比較はできませんが、固有名詞が解説もなく結構でてきます。
「P・G・ウッドハウスの小説」とは美智子皇后が言及したことで日本でもちょっとブームになった『ジーヴス』シリーズあたりですね。
「セイリー・ギャンプ」はディケンズの『マーティン・チャズルウィット』に出てくる看護婦。wikiの訳ではセアラ・ギャンプ。
「イアーゴー」は有名だけどシェークスピアの『オセロ』の登場人物。
ミセス・レイドナーの本棚のタイトルも調べてみました。
『相対性理論序説』はベルグマン著。
『ヘスター・スタノップの生涯』
日本語訳だと法政大学出版の『オリエント漂泊
ヘスター・スタノップの生涯』が見つかりました。
『思想の達しえるかぎり』はバーナード・ショーの作品。
『リンダ・コンドン』も実在の小説のようです。
『クリュー列車』は日本語訳が見つからず。
どれもなかなか難しそうな本ですが、すらすらと説明しているポアロは読んだのか。
ミスター・エモットとの会話で『雪の女王』が出てきますが、カイ少年のことはおぼえていてもゲルダを忘れてるのが驚き。ゲルダ、主人公なんですけど!
(こういう視点で見ると雪の女王とカイ少年の関係って未成年誘拐みたいなもので結構ヤバい。)
(278ページ)
「子供のころ読んだ北欧の童話で、雪の女王とカイ少年が出てくる話があります。ミセス・レイドナーはその雪の女王です。いつもカイ少年を連れて歩いていました」
「ええ。ハンス・アンデルセンの童話ですな。たしか少女も出てきたはずです。ゲルダでしたっけ」
あと、「ヴァン・アルディン」は『青列車の秘密』に登場する大富豪「ヴァン・オールディン」のこと。
(137ページ)
「エルキュール・ポアロという人物をご存じでしょうか、博士」
「ええ、聞いたことはあります。ヴァン・アルディンという人物が高く評価していました。たしか私立探偵でしたね」
「人生は戦場なんです。ピクニックじゃない。」とか名言も多い。
(206ページ)
「わたしもよく冗談を言って笑います、マドモアゼル。でも、冗談ではすまないこともあります。わたしは仕事で多くのことを学んできました。そのなかでもっとも恐ろしいのは、殺人は癖になるということです」
以下、引用。
35
駅に着き、プラットホームにおりたって、まわりを見まわしていると、ひとりの青年が近づいてきた。顔はまん丸で、頬っぺは真っ赤。P・G・ウッドハウスの小説の登場人物のようだ。
41
パーティー会場で全部の男性からダンスを申し込まれないと気がすまないひとを、わたしはこれまで何人も見てきた。
48
「お待たせしました、みなさん。セイリー・ギャンプのお見えですよ」と、コールマンはディケンズの小説に出てくる看護婦の名前を出して言った。
59
部屋はきれいで、家具は簡素だけど、ベッド、整理だんす、洗面スタンド、椅子など、一通りのものは揃っている。
「お湯は朝とお昼と夕食のまえに持ってきてくれます。それ以外の時間なら、廊下に出て、手を叩き、使用人が来たら、こう言うのよ。ジブ・マイハール。覚えられる?」
68
〝ドナルドが(アーサーでも誰でもいいが)いまも生きていたら〟という言い方をする者は多い。でも、もし本当に生きていたとしたら、ごくありきたりの太った、気むずかしい、ロマンチックなところなどかけらもない中年男になっているにちがいない。
76
本当にがっかりだった。発掘現場は土と泥の山で、大理石もなければ、黄金もない。美しいといえるようなものは何もない。これなら、クリックルウッドにある叔母の家のほうが、まだ見栄えのする遺跡になるはず。
137
「エルキュール・ポアロという人物をご存じでしょうか、博士」
「ええ、聞いたことはあります。ヴァン・アルディンという人物が高く評価していました。たしか私立探偵でしたね」
142
「あなたはわたしを見くびっていますね、お嬢さん(マ・スール)。プティングの味は食べたらわかる、といいますぞ」
〝プティングの味は食べてみないとわからない〟、という諺のつもりだろう。
172
ポアロは手紙を受けとると、注意深く目を通しはじめた。指紋をとるための粉末を振りかけるでもなく、顕微鏡を持ちだすでもないので、少しがっかりしたが、考えてみれば、お年もお年なので、新しいものにはついていけないのかもしれない。普通に見て、読んでいるだけだ。
187
コールマンの立ち居振るまいは、血のかよった生身の若者のものというより、P・G・ウッドハウスの小説のなかの滑稽な登場人物のもののように思える。
206
「わたしもよく冗談を言って笑います、マドモアゼル。でも、冗談ではすまないこともあります。わたしは仕事で多くのことを学んできました。そのなかでもっとも恐ろしいのは、殺人は癖になるということです」
209
ポアロは紅茶に角砂糖を五つ入れて、スプーンでゆっくり掻きまわした。
221
「死んだひとの悪口を言っちゃいけないというけれど、それはちがうとわたしは思うの。事実はあくまで事実よ。言っちゃいけないのは、むしろ生きてるひとの悪口じゃないかしら。生きてるひとは傷つく。死んだひとは傷つかない。でも、死者がなした悪は死後も生きつづける。とかなんとか、シェークスピアも言ってるでしょ。」
222
「いわば女性版のイアーゴーといったところよ。あのひとにはドラマが必要だった。でも、自分が舞台に立つことはなかった。いつも裏で糸をひき、それを眺めて楽しんでいただけ。」
230
大人の男は子供のように保護され、守られているわけじゃない。ときには性悪女に出くわすこともある。あちこちでいろいろな女性と出会うはずです。スパニエル犬のように忠実な女性もいれば、〝死ぬまであなたのもの〟と誓う情の深い女性や、おせっかいで口やかましい鳥のような女性もいるでしょう。人生は戦場なんです。ピクニックじゃない。
278
「子供のころ読んだ北欧の童話で、雪の女王とカイ少年が出てくる話があります。ミセス・レイドナーはその雪の女王です。いつもカイ少年を連れて歩いていました」
「ええ。ハンス・アンデルセンの童話ですな。たしか少女も出てきたはずです。ゲルダでしたっけ」
344
それは本棚に並んでいた本のタイトルを見てもあきらかです。
『ギリシア人とは何者なのか』、『相対性理論序説』、『ヘスター・スタノップの生涯』、『クリュー列車』、『思想の達しえるかぎり』、『リンダ・コンドン』等々。
そこからわかるのは、第一にミセス・レイドナーが現代科学と文化に大きな関心を持っていたということ。つまり、それだけ知的な女性であったということです。『リンダ・コンドン』や『クリュー列車』という小説を読んでいたということは、男に束縛されない、自立した女性に共感を寄せていたということでしょう。レディ・ヘスター・スタノップにはその人間性に魅せられていたにちがいありません。『リンダ・コンドン』は女性による女性の賛美の書であり、『クリュー列車』の主人公は情熱的な個人主義者です。『思想の達しえるかぎり』は、感情的にではなく知的に生きよと説いています。
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Posted by ブクログ
【ポアロ・マープル短編】
久しぶりのクリスティー。
Audibleに未読のクリスティーが追加されていて大興奮!
クリスティーの短編は苦手で全く手を付けていなかったので、Audibleで聴けるのはありがたい。
「クリスマスにはクリスティーを」ということで、12月にピッタリのこの作品。
〈はじめに〉で語っている、クリスティーの子供時代のクリスマスの様子がとても素敵で幸せそう。聴いていてこちらまでほっこりした気分になった。
「読者の皆様に。クリスマスおめでとう!」というクリスティーからのメッセージが嬉しかった(*˘︶˘*).。*♡
『グリーンショウ氏の阿房宮』は、お久しぶりのマープル!この短編集はポアロとマープルの2つが楽しめる。
ポアロにもタイトルがほぼ同じの『グリーンショアの阿房宮』があるので、何か繋がっているのかと期待したけど、全く別の違うストーリーだった。
1話ずつが少し長めの短編で、人間関係の描写が丁寧に描かれているので短編でも初めて楽しめた♪