アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • 終りなき夜に生れつく

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    ネタバレ

    主人公が一人称ですべてを語るとき、
    読者は感情移入がしやすく、
    自然と主人公側に立って物語を俯瞰し、
    一緒に物語の旅をすることになる。

    でも、それがクリスティーの手にかかると、
    この一人称も読者を欺く手段となる。

    普通に考えれば、あり得ない。
    転職を重ね、これと言った取り柄もない貧乏人の青年マイクと、
    アメリカの大富豪の娘エリー。

    このあまりにも育ちが違う二人が一緒になり、
    ロマンスとして描かれる。
    まるで「ローマの休日」のように。

    途中、暴力や殺人、それにつながる憎しみ等の描写は描かれないが、
    ラストになって押し寄せる欲望、殺人はこれまでのロマンスとして
    描かれたものを一気に破壊し、マイクの人格も破壊していく。

    終わりなき夜に生まれついた人間の悲劇。

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    2025年05月09日
  • 青列車の秘密

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    展開が早く、登場人物が少し多い感じがする。パートナーのヘイスティングが登場せず、ポアロとその他の登場人物の会話でストーリーが進む。これまでと違うタイプの物語。いろいろ怪しい人物がでるが、結果は単純。犯人に納得する。

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    2025年05月08日
  • 葬儀を終えて〔新訳版〕

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    ネタバレ

    恩田陸のエッセイで紹介されていて読んでみた。
    金持ちの一家、遺産相続争い、のような舞台ではあるが、焦点はそこではなさそう。
    兄弟、姪たち、親族一人一人が怪しくて、なんなら執事も召使いも怪しく思えてきて、ポアロの謎解きだよりだった。最後の演説を聞いて納得。
    描かれてきたコーラの人物像。そして、事件の発端となる「だって彼は殺されたんでしょ?」この発言自体がコーラじゃなかったなんて。

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    2025年05月05日
  • カリブ海の秘密

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    犯人候補が多すぎる。
    性別さえも決め切れなくて絞り込むのが大変。
    誰も彼も怪しい。
    クリスティ作品で犯人当てに挑戦するのは無謀だったか。
    療養で訪れた西インド諸島で事件に巻き込まれたミス・マープル。
    積極的に探偵役を引き受ける彼女と偏屈屋ラフィールとのやり取りが面白い。

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    2025年05月05日
  • ひらいたトランプ

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    トランプのゲーム自体への理解が不十分ではあったので、100%この話を楽しめたわけではないのが残念だが、意外性かつハラハラを味わえる本だった。

    最近年のか海外小説の登場人物を覚えるの苦手になってきたなあ。誰だっけと思ってしまうことが増えたのでぜひ訓練したい。

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    2025年05月04日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

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    ネタバレ

    あの人が目撃したものは。

    殺人を目撃したと吹聴した嘘つきの少女ジョイスが殺された。彼女は口封じのために殺されたのか。パーティーに居合わせた推理作家のオリヴァーは、ジョイスが自分の気を引くために嘘をついたのだと自責の念にかられ、ポアロに助けを求める。村にやってきたポアロが様々な人から話を聞いて見つけた過去の事件とは——。

    校長先生の勘すごい。誰もが怪しい感じで出てくるし、遺言書の偽造とかも出てくるし、何もかもが関係しているのかと思いきや、真実として出てくるのは、「ジョイスは嘘つき」「遺言書の偽造はあった」「世話をしていた外国人女性の失踪」最初から示されていたことはその通り。解釈次第なのだ。どのように結びつけるかが問題。

    雰囲気のあるイケメンが実はかなり強い独自の思想にかられた犯人の1人だったということで。儀式っぽいかたちで死んでしまうのも絵になる。そもそもハロウィンパーティーということでミステリアスな絵が最初から示されている。雰囲気を楽しむ作品。

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    2025年05月03日
  • 教会で死んだ男

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    【教会で死んだ男】:物足りない。人物の背景、謎解きもうちょっと欲しかった。残念。
    【洋裁店の人形】:何とも言い難し。
    【スズメバチの巣】:ストーリーは恋愛感情の縺れが原因。注目すべき点は、ポアロがまだ起こらない事件を未然に防ぐために行動する点。
    【プリマス行き急行列車】:謎解きもう少し欲しかった。ポイントは証言者の話。
    【二重の手がかり】:謎解きはまあまあ。注目すべき点は、ポアロも感心する女性の登場。テレビドラマでは、ポアロとの恋愛仕立てになっていたのに(笑)

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    2025年05月05日
  • 愛の探偵たち

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    読みながら別のこと考えてしまって気付いたら終わってる。ねずみとりが入ってたから、他の短編よりは読みやすかった。でもやっぱりアガサ・クリスティーの短編はそんなに好きじゃない。

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    2025年04月29日
  • 複数の時計

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    ポアロが完全に脇役で、あまり登場しません。
    時計という題名がつけられているわりには、事件のメインではありません。
    一度読んで犯人などがわかっているうえで、再読すると違った面白さがあるように思います。

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    2025年04月26日
  • 牧師館の殺人

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    ネタバレ

    昔読んだはずだけど、他作品の情報入り乱れて静かに没頭できなかった。語り手が犯人だったか?一度起訴されて無罪放免になったら同じ罪に問えないこと利用してわざと捕まる話だったか?などなど。
    マープルさんのよさは火曜クラブの方がキラリと光る。

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    2025年04月25日
  • エッジウェア卿の死

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    文章に慣れず、読むの疲れました
    呼び方が変わるので
    誰が誰だかわかんなくなっては 
    戻ったり、、とほほ

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    2025年04月28日
  • 火曜クラブ

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    短い話なのにちゃんと筋の通ったオチのあるミスマープル短編集。経験則から謎を解いちゃう洞察力鋭いところが素敵。

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    2025年04月23日
  • 死への旅

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    死への旅
    クリスティの長編スパイスリラー。若い女性がアクティブに行動するスパイスリラーはクリスティのなかでもたくさんあるが、今回の様に死を望んでいたヒラリーが特殊な事から亡くなった科学者の妻を演じ、失踪した科学者を探す冒険をする作品。

     クリスティのスパイスリラーを幾つか読んであるが、ヒラリーの冒険は面白いが、彼女が悪の親玉を暴く、大立ち回りをする様な作品ではなく、彼女自身の活躍はあるが、どちらかと言えば諜報部員たちの傀儡の様に行動している場面が多い。
     終盤に立って、彼女の強さや賢さ、魅力が表現されるのだが、その場面が少なく少し物足りない。
    反面、夫と別れ、子供とは死別してしまったヒラリーの再生の物語としてもおもしろい。クリスティは最初に試練をあたえ、それを乗り越え成長する女性を描くのが上手いが、今回でいえばヒラリーにもっと危機的な状態があってもよかったし、もっと彼女に目立って欲しかった。

     彼女の冒険の途中、いく人かの特徴ある人物達が登場しているが再登場は少ない。もっとキャラクターが素敵だったらもっともっと面白い作品になっていただろう。
     起承転結、いずれも既視感があり、今までに読み終えた作品を確認する予定だが、内容はとても面白かった。昔ながらのトリックも古典としての味がある

    クリスティ作品の中では比較的有名ではない作品だが、決して侮れない作品だ。最後にミステリーとロマンスで締めるあたりがクリスティらしい。

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    2025年04月21日
  • 杉の柩

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    エリノア、なんだか報われてほしい人だなぁ。今作もミステリー、謎解き満載で面白かった。最後までタイトルの意味はよく分からなかった。。

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    2025年04月14日
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕

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    1936年の作品。
    エルキュールポアロシリーズ長編12巻。


    あらすじ
    イラクのアッシリアの遺跡調査団を率いるレイドナー博士は、美貌の妻、ルイーズの付き添いとして看護婦のミス・レザランを雇う。ルイーズはとても美しく聡明な女性だったが、亡くなった前夫のフレデリックボスナーから「他の男と結婚したら殺す」と脅迫状が何度も届いたことで常に怯えていた。
    果たして、ミスレザランが雇われてまもなくルイーズは何者かに殺されてしまう。たまたまバグダッドに旅行中だったエルキュールポアロはこの事件の捜査を依頼される。犯人と思われるのは、ルイーズの亡くなったはずの夫フレデリックボスナーと、その弟のウィリアム。そのどちらかが調査団に紛れ込んでいると見て捜査を始めるが…。



    感想
    今から90年前の遺跡調査団の様子が伝わってきて、異国情緒溢れる作品です。
    が、、肝心の殺人事件に関しては…自信満々のポアロに思わず「そんなわけあるかーい!」とつっこんでしまった。
    クリスティ作品はどれも大好きですが、たまにそんなバナナなオチ?のものもありますね笑。
    看護婦さんが語り手となってるのも珍しい。もしやアクロイド殺しパターン?!と思ったら違った。いつも助手をコケにしまくるポアロですが、女性相手だから優しめな感じがします。

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    2025年04月12日
  • 三幕の殺人

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    ネタバレ

    クリスティーは、一体どれだけ「予想外の犯人」を生み出すのでしょうか?
    私はほとんど推理せずに読み進めるタイプなのですが、それにしても犯人に気を許しまくっていて、むしろ鼻につく○○○の方を疑っていました(⁠^⁠^⁠;

    今作には目次がなく、「おっ、これは第三幕で犯人を指摘するけど、真犯人はその後のエピローグでポアロさんがこっそり暴くやつだな!」なんて予想もしていましたが、そこは三幕できっちりと緞帳が下りましたね。なにも当たらない……。
    目次の代わりの「〈照明〉エルキュール・ポアロ」がなんともニクいですね。

    まー、しかし、「通し稽古」で実際に毒物を使うなんて……恐ろしい奴です。
    素人探偵たちに少々中だるみも感じましたが、プロットとしてはなんの破綻もない。改めて、クリスティー作品のクオリティの高さに感心いたしました〜。

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    2025年04月10日
  • 鳩のなかの猫

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    冒頭こそとある女学校の入学模様を描きつつも、それに続くは中東のある国で起こった革命に拠る余波。また、革命を逃れた宝石の行方を公安やら殺人鬼が追うというのはスリリング有る展開
    けれど、メドウバンク校で生じる事件の発展はじっくりと行われるね
    王国で起きた革命はお偉いさんを走らせるものでは有るけれど、イギリスの女学校では遠い話。遠縁とされるシャイスタが入学してきたとしても扱いに困るような事はない。むしろ、ちょっとやそっとじゃ揺らがない軸を持っている学校だと判る
    そんな女学校で教師が何人も殺される。しかもそのうち二人が殺された現場は室内競技場という殺人の動機を見出すのが難しい場所
    読者には動機が何となく見えはする。けれど、何故現場に室内競技場が選ばれたのか?何故体育教師は殺されたのか?そして宝石はどこに隠されているのか?
    錯綜する幾つもの謎が本作をワクワクとしたミステリにしてくれるね

    ポアロの登場は終盤になってからであり、それまではスパイのアダムやケルシー警部が推理や捜査を担当するだけあって、真相究明は一向に進展しない
    けれど、そうした遅々とした展開が逆にサスペンス風な本作の内容を活かしているね。アダムやケルシーの懸命に関わらず事件は起きるし犯人の尻尾すら掴めない。平穏に包まれていた筈の女学校が混沌と化していく様子には緊迫感が有る

    そうした緊張を強いる要素すら有る展開だからこそ、とある少女が見せた勇気によってポアロが舞台に登場し、事態が打開されていく展開は爽快感が有りましたよ


    事件とは別方面の要素だけれど、本作に登場するバルストロード校長は傑物だね
    たった一代でメドウバンクを英国では名の知れた学校に育て上げた。また、校内で殺人事件が続く中でも全く取り乱さないどころか、事件が終わった後に学校を復調させる道筋まで思い描いている。また、作中で彼女が掲げる教育理念も素晴らしいもの

    事件が終わった後に彼女がどうなったかは流石に本筋から外れるから描かれないけれど、彼女ならば、そして彼女が新たに得た共同経営者とならば、メドウバンクを再び偉大な学校に出来ると容易く想像できる程の人物に思えたよ

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    2025年04月07日
  • なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

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    ボビイとフランキーがふたりとも魅力的。
    そして「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」っていうタイトルがおしゃれ

    でも誰が誰だっけ??ってなることが多くて混乱した

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    2025年04月06日
  • ポアロ登場

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    ポアロシリーズの短編で、短編だからこそ一話ごとの事件の全容がとても分かりやすく読みやすかったです。
    ヘイスティングス目線で描かれるポアロは、変に神経質なとこや自尊心の高さが、ヘイスティングスのその時の思いと共に描かれているのがポアロというキャラクターの面白さや、お互いの関係が現れているようで、個人的に好きです。
    ヘイスティングスがなにかとポアロの失敗を期待したり、一方彼の自尊心に対して心配したり、またポアロのヘイスティングスに対する物言いも思いきり馬鹿にしていたりして、そこがまたおもしろかったです。

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    2025年04月05日
  • チムニーズ館の秘密

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    ミステリーだけでなく色んな要素が盛り込まれていたためか、前半はあまり集中できず。しかし後半の謎が解けていくパートは予想外の部分もあり面白かった。
    個人的にはミステリーに集中している作品の方が好みだと思った。

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    2025年03月30日