あらすじ
雪に覆われ下界と遮断されたシタフォード村の山荘。そこに集まった隣人たちが退屈しのぎに降霊会を試みる。現われた霊魂は、はるかふもとの村に住む老大佐の殺害を予言した! 駆けつけると、大佐は撲殺されており、しかも殺害時刻は、まさに降霊会の最中だった……絶妙のトリックが冴える会心作。
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Posted by ブクログ
降霊会って、こっくりさんみたいなものなんだろうか。
イギリスでも同じようなものがあるのは初めて知りました。
表紙の雪景色がすごく綺麗で、冬に持って歩くのにはもってこい。
雪の足跡を、もう少しうまく使って欲しかったような気もする。
解説を書かれている「飛鳥部勝則」さんの本は一度も読んだことがないので、ぜひ一度読んでみようと思いました。
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ポワロでもミス・マープルでもないクリスティ作品。しかし、ストーリーはまさにクリスティ・ワールドである。
雪に覆われた、自然により作り出された「密室」、そこで行われた降霊術で示唆された殺人。
死体で発見されたシタフォード荘の主トリヴェリアン大佐。
フィアンセが容疑者となり、その無実を晴らすべく、エミリー・トレファシスが新聞記者チャールズ・エンダビーを相棒に事件に挑む!
という物語。
とはいえ、チャールズは最終的にあまり活躍しない賑やかしなのだが。結局はナラコット警部が優秀なのだが。
根っからのクリスティファンなので楽しんだが、ところどころトリックには突っ込みたくなったり、説明されていない謎があったりして、気になる人は気になるかなと思う。降霊術でどうやって大佐の名前出したんだよ、とか。
それらを凌駕してしまった理由の一つは、大佐殺しの動機が序盤から示されていることだろうと思う。
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雪の降りしきるスタフォード荘で何気なく行われた降霊会で、麓に住むトリヴェリアン大佐の死が予言される。馬鹿げていると思いながらも親友であるバーナビー少佐が様子を見に行くと、本当に大佐は惨殺されていた。
独身である大佐の遺産は妹と三人の甥・姪が相続するということで、ナラコット警部は彼らの身辺を捜査する。
ノンシリーズなのでお決まりの探偵がいない分、エミリーやエンダビー、ミス・パーシハウスなど抜け目ない登場人物が多い。最初はてっきりバーナビーが主人公かと思いきや、容疑者となったジェイムズのフィアンセであるエミリーと新聞記者の青年エンダビーのコンビが素人探偵として奮闘する。
犯人については予想はしていたけどまさかそうはなるまいと思っていた結末で、『アクロイド殺し』を思い浮かべた。
あの人は自分がいなくてもやっていけるけれど、あの人には自分がいなければだめ。ともに奮闘したエンダビーではなく、意思を貫き通してジェイムズを選んだエミリーの覚悟が個人的にはよかった。
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江戸川乱歩がアガサ・クリスティ作品の中から推した8作に入っていたので読んでみた。
読んだあとになってみればそんなトリックもあるよなと思うが、物語途中では怪しい人が複数いて自分は犯人にたどり着かなかった。
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犯人もトリックもいつもながらのアガサ・クリスティの作品という印象。
本作でいうと、犯人はある意味予想通り(他の作品と設定が似通っている部分があるので)だったのだが、なぜやったのか、が全然わからかった。しかし最後まで読むと、あー、なるほど、ヒントに全然気づいていなかっただけなんだな、とある意味納得。
ミステリーとしてどうか、と考えると、誰がやったのか、となぜやったのか、がきれいな形で融合している部分が良いのだと思う。アガサ・クリスティファンなら読もう。
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エミリー・トレファシスがいろんな手を使って「お願い」をするのがズルくて、でも可愛いから許されちゃう(笑)
トリックとしては今でも通用するとは言えないけれど、それでも読めちゃうから、やっぱりアガサ・クリスティだなあ、と。
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NHKでやってたドラマと、全然ハナシが違うじゃないの! マープルじゃないのも(持ち帰るまで気付かなかった)驚いたけれど、ここまでハナシを変える必要があったのだろうか? それはそれとして、ミステリ小説の王道というカンジで面白かった。クリスティにハズレなし。(2008-08-15L)
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降霊会をしたら、山荘のオーナーの死が予言され、予言されたのと同じ時間に山荘のオーナーが殺害された。途中、登場人物が一気に出てきて理解が追いつけない場面もあったけど、色んな謎が散りばめられていて面白かったです。
余談ですがアガサクリスティーの話の中に、時々降霊会の描写が現れる。コックリさん流行ったなーと昔を懐かしんだけど、クリスティーの話の中では主に大人が楽しんでいる事が多い気がする。当時流行っていたのかしら。
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ダートムアを舞台に、登場人物がアーサー・コナン・ドイルに言及するなど、バスカヴィル家の犬を始めとするシャーロック・ホームズ作品へのオマージュ(脱獄騒動、赤の他人の男女が血縁のふりをする、消えたブーツ、ヴァイオレットという名の女性他)が散りばめられた楽しさのある作品。クリスティ作品の中でも特に登場人物が多いほうと思われる。重婚問題などは無理に入れたかったのか回収しきれていない印象で若干散らかっているがトリックはシンプルでストンと落ちた感じ。
まあまあかな
犯人は明らかですが
登場人物が皆怪しげで、
なにか裏があるのかと
惑わされてしまいます。
最後に、それらの怪しさは一通り解明されて
なるほどとは思うものの
話を複雑にするためだけに作られたエピソードという感じが否めなかった。
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ノン・シリーズ。
雪深いシタフォード村の山荘で行われた降霊会。そこで“降りてきた霊魂”が、山荘の持ち主ではるかふもとの村に住んでいるトリヴェリアン大佐の死を告げます。
そして、その同時刻に予言されたとおり、大佐が本当に殺害されていて・・。
ナラコット警部が捜査にあたり、殺された日に大佐の家を訪問していた大佐の甥・ジェイムズ(ジム)が容疑者として逮捕されてしまいます。
そこで立ち上がったのが、ジムの婚約者・エミリー。
クリスティーのノンシリーズによく登場する、魅力にあふれたアクティブ女子で、新聞記者のチャールズと共に(というか彼を丸め込んで)、真相解明に乗り出します。
シタフォードの村人達から情報を引き出す為、愛想を振りまくエミリーですが、利用価値がないワイアット大尉に対しては塩対応なのが笑えます。
山荘の借主のウィリット母娘も明らかに訳アリですし、他にも色々怪しい人達の人間模様も、謎解きと併せて楽しめます。
で、真相ですが、ラストで一気にというか、あっけなく明かされる感じです。ちょっと殺人の動機が弱いかな、とも思いましたが、積もり積もったものがあったのかもしれないですね。
そして、本書の最大の謎(?)が、美人で頭が良くて魅力的なエミリーが何で、だめんずのジムを選んだのか?だと思いますが、エミリー曰く“あたしが世話を焼かなければ・・”との事でして、まぁそんなものなのですかねー。
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霊が伝えた殺人事件!
降霊会でトリヴェリン大佐の殺害が予告される。そして大佐は本当にその時間に殺されていた。友人のバーナビー少佐、トリヴェリン大佐からシタフォード荘を借りたウィリット夫人とその娘ヴァイオレット、大佐の下男エヴァンズ、シタフォード荘の隣人たち、大佐の妹や甥姪。誰が大佐を殺したのか? 逮捕された大佐の甥ジェイムズの無実を信じて、婚約者エミリーは調査を始める。
エミリーの勢いに乗ってぐいぐいと読んでいけた。気の弱いところのあるジェイムズにはできないとの判断、特ダネを狙う新聞記者チャールズ・エンダビーをおだてて転がして協力者にさせる。シタフォード村の住民やジェイムズが泊まっていたスリー・クラウン館の人、また大佐の親戚やその使用人たちに対しては、健気に殊勝に同情を買って情報を引き出す。タペンスや『茶色の服の男』のアン、『七つの時計』のバンドルに通じる「おきゃんな娘」エミリーの冒険がこの作品の魅力。
エミリーの視点、バーナビー少佐の視点、そして捜査するナラコット警部の視点など、様々な視点から語られる事件の経過。犯人の視点ももちろん入っているのだが、謎が解けてから読み返すとそういうことだったのか唸ってしまう。
トミーとタペンスシリーズのタペンスを思い出したが、同時に、これはトミーを選ばないタペンスではないかと感じた。エミリーはチャールズの手を取らない。エミリーは、1人でやっていけるチャールズではなく、終始一貫してジェイムズのために動く。チャールズは利用しただけ。その迷いのない姿勢も気持ちがいい。
Posted by ブクログ
降霊会でおきた、殺人事件。エミリーのキュートさだけで読めたかな?(笑)ミステリ部分はもう少し上手くなんとかしてくれよ!と思ったけれど楽しく読めた。
Posted by ブクログ
うーん、これはクリスティにしてはイマイチ。
と、思ったのは、けっこう数を読んで飽きてきたせいかもしれません。まあ、あとヒロインが、いまひとつ好きでなかったからかも。基本的に、もてる人の心理ってわからないので。
すぐに、心変わりしそうな感じがするところが、何ともはや。
でも、終盤のみんなが主人公に「どっち?」て質問するところは、好きです。
まあ、ただしクリスティにしてはという但し書きがつくので、標準以上のできではあります。
しかし、あのトリックは……。気づけよ、警察。というか、わたしも気づかなかったんだけど……盲点なのか?