アガサ・クリスティーのレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
気分を変えてミス・マープル。『鏡は横にひび割れて』から時間を遡り、マープルシリーズ2冊目にあたる、ゴシントン館が巻き込まれる事件です。
なんだか今作は、被害者が登場人物たちとそこまで接点が深くないのもあってか、ふわふわしたままお話が進んだ印象。殺されたルビー・キーンが、関係者全員から「頭のよわい子」と言われすぎてなんだかかわいそうになってしまった……笑
そして真相がわかってみれば、とにかく巻き込まれたにすぎないパメラとバントリー夫妻が気の毒で。いかに良好な付き合いをしていようと、人間はくるくる手のひら返しをするものだよなぁと考えさせれたりもしました。
トリックや動機は正直そこまでハッとする -
Posted by ブクログ
時は第二次世界大戦中、ナチのスパイが潜伏しているとされるゲストハウス・無憂荘に、身分を偽って潜り込むトミー。妻であるタペンスにはただの事務仕事と嘘をついてのミッションだったが、嘘を見破って自分自身も身分を偽り一宿泊客として無憂荘に潜入する一枚上手のタペンス。
裏で協力しながら、あの手この手でスパイを炙り出そうとする二人。中年になり、何となく自分たちが世の中から必要とされていないのではとくさくさしていた二人だったが、再び若い頃を思い出して冒険を繰り広げる。
誰も彼もが怪しく見え、大きな進展もないなかで誘拐事件が発生すると、今度はトミーも窮地に陥る。前作に比べると冒険感は低めだが、ゲストハウスに潜 -
-
-
-
Posted by ブクログ
久しぶりにBSでミス・マープルのテレビシリーズが!
楽しく観ていますが、原作と大きく違う部分があるらしく!確認したくて読み始め。
テレビシリーズと原作は別物と割切り(笑)楽しめました。個人的には原作派です。
その方が動機や「書斎の死体」の理由や、解明のきっかけがスムーズにつながる気がするので。
でも!そんな改変がどうでもよくなるくらい、実写は実写の良さがある…ので、これをきっかけに、40年ぶりにアガサ再読してみよ、と思ったところです。
さて、ホントは星3.8くらいです。4は多いが3じゃ少ない。
だいたい書斎に死体があるなんて、普通じゃないですよね?(笑)
追記: 一つ忘れていました。この作 -
-
-
Posted by ブクログ
ノンシリーズ。
「クリスマスにはクリスティーを! 」
(このコピー考えた人、天才!)
ということで、本書はミステリではなく、聖書を題材にとったショートストーリー&ポエム、11編が収録されている、クリスマスブックでございます。
聖書がベースとなっているので、全体的にキリスト教要素が強く、聖書の知識があるとよりお楽しみ頂けるかと思います。
そんな中、個人的に好きだったのは「水上バス」ですね。
人間嫌いだけど善良な、ミセス・ハーグリーヴズの一日が描かれているのですが、クリスティーの人間描写の上手さと、ミセス・ハーグリーヴズの心に変化が起こっていく様が繊細に描かれていて、何度でも読み返したくなる秀 -
-
-
Posted by ブクログ
戯曲なので頭の中で
舞台を想像しながら読むのも楽しい。
誰々が上手から登場、とかね。
外交関係の仕事をしている夫の
前妻が結婚した男が書斎で死んでいた。
彼はその直前、前妻の実娘を連れ戻すと
おどしをかけに来ていたのだ。
犯人はその娘に違いないと思ったクラリサは
なんとか隠蔽しようとするのだが。
と、倒叙モノっぽく始まって
死体を隠したところで
誰かの通報で警察がやってきて
あっさり発見されちゃう。
ところが事情聴取をしている間に
その死体がまた消えてしまうのだ!
セットは客間と死体を隠す奥の書斎だけなのに
こんなスラップスティックな話ができるんだ。
もちろん見えていないところでも
事件 -
Posted by ブクログ
ポアロシリーズ17巻目。1939年の作品。
少し順番が飛びますが季節的にこちらにしてみました。
(このシリーズは再読も多いので、なるべく新訳で読もうと思っているのですが、2023年11月に川副智子による新訳版が出ていることにあとから気がつきました。)
章のタイトルが「第一部 十二月二十二日」、「第二部 十二月二十三日」となっている時点でもうワクワク。
クリスマスに一族が集まることでそれまでは隠されていた感情が表面化し、引き起こされる人間模様というクリスティーお得意のストーリー展開。
今回は若くて美しい娘さんより、美人ではないけれど上品で賢くて根性のある奥様方が素敵でした。
そし