アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • 書斎の死体

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    「朝起きると、書斎に死体がころがってる」という、現実には起こりようもないが、しかしミステリー小説なら定番という出だしをクリスティがどう料理するかを楽しむ一作。最後の謎解きまで読み終わったときに、ようやく昔読んだときの記憶を思い出した。トリックは類型的だが、しかしこの類型の代表作と言えるだろう。

    ミス・マープル・シリーズ再読も早くも飽きてきた感じだが、もう一冊くらいは読むつもり。

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    2023年10月29日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

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    ネタバレ

    ★は3.5というところ。いやはや、クリスティー作品にはこんなテイストもあるのか!とまたもや驚かされてしまいました。

    これは10月に読もう、と前から決めていてやっと手に取ったのだけど、会話が多いせいかスラスラ読めてしまい、気付けば1日で読破。そして休日の終わりに「はぁ今作も面白かった」と満足感いっぱいなわけです。当初はドレイク夫人と富豪の老婦人との関係がつかめなくて混乱しましたが、家系図が整理できてからはスッキリ。甥夫婦は別の舘に住んでいたということですね。
    さて今作では子供が犠牲になってしまうということで、これまでにない緊張感と胸の痛みを感じました。もともと子供好きではない私からしても、さす

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    2023年10月22日
  • ブラック・コーヒー〔小説版〕

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    コーヒーのなかに毒物が。タイトルの「ブラック・コーヒー」がこの物語の始まり。お馴染みのポアロとヘイスティングスが活躍するクリスティの名作。

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    2023年10月21日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

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    何気におそらく初クリスティ。

    10月だ!ハロウィンって書いてるの読も!と買ったんだけど。読みやすすぎて1日で読んだ。

    途中で犯人わかった!と思ったけど半分しかわかってなかったし全体の読み甘すぎた…と最後の怒涛のネタ明かしパートで眼白黒させた。

    ミステリー全然読まないマンなので、これが…ミステリー…という気持ちで読み終えた。

    解説に書かれてたけどきっとクリスティ好きな人からしたら既視感もあって微妙なのかなとも思うけど。自分は新鮮に読めてよかった。

    他のも気が向いたら読む。

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    2023年10月20日
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕

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    ミステリとしては物足りないけれど、中東の様子や、遺跡発掘調査、それに携わる人達の価値観などが知れて違った楽しさがある。

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    2023年10月19日
  • 三幕の殺人

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    実にアガサ·クリスティーらしいストーリー。一周回ってこの人は無いだろうと思ってたら…悔しいけどやられた感。殺人の動機には時代を感じた。
    でもエラリークイーンを読んだ後だと、やっぱりどこかストーリーがスムーズに進みすぎてる感じはする。今回はポアロの登場シーンが少なめっていうのも残念だった…

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    2023年10月17日
  • 牧師館の殺人

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    久しぶりにクリスティでも読むかと思ってミス・マープル・シリーズを読み返している…といいつつ、この「牧師館の殺人」は初読な気がする。学生時代、ポアロは好きだったけど、マープルはあんまり読まなかったんだよな。

    謎解きの要素は謎解きの要素としてあるのだが、そんなクラッシク・ミステリーを楽しむ年でもないので、イギリス田舎町の有閑婦人やメイドの、時代がかった描写が楽しい。1930年というから、ざっと100年ほど前の現代小説。

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    2023年10月15日
  • カリブ海の秘密

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    療養のためセント・メアリ・ミード村を離れて遥か彼方の西インド諸島を訪れたミス・マープル。
    そこは最早リゾートだからセント・メアリ・ミードのような人間関係は生じないかと思いきや、裕福な人間たちが限られた空間に集うわけだから根本的な人間模様は変わらない
    つまり噂も憶測も飛び交うお喋りの坩堝と化すわけだ

    ゴールデン・パーム・ホテルにてお喋りの代名詞となっている人物がパルグレイヴ少佐だね
    ミステリにおいて、口が軽い人間が殺される率は高いものだけど、彼もその例に漏れず
    ただ、この場合に厄介だったのは彼があまりにお喋りだったせいで皆が彼のお喋りを話半分にしか聞いていなかった事か

    誰も彼もまともに聞いて

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    2023年10月10日
  • ヘラクレスの冒険

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    ネタバレ

    冒頭のポワロによる自分の名前の由来であるヘラクレスに対する突っ込みが面白かった。印象に残ったのはアルカディアの鹿 (わりと爽やか)、ステュムパロスの鳥(推理できた)、クレタ島の雄牛(いかにもな話の流れからの急展開に意表を突かれた)、ヒッポリュテの帯 (元がわりと艶っぽい話なのでどうポワロと取り合わせるのかと思ったら上手くまとまっていた)。いい話とは思わなかったけど展開に驚いたのはアウゲイアス王の大牛舎 (ポワロ側のやり方が汚くない?)。

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    2023年10月05日
  • パディントン発4時50分

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    犯人が他者に知られてはいけない事は数あれど、殺人の瞬間なんて目撃された日にはその時点でミステリはお終いとなる筈
    けど、犯人は目撃されたと知らないし、目撃者の言葉を信じる者はかのミス・マープルだけ
    本作はそのような導入を持つ作品だね

    そもそも列車に乗っていたら別の列車で行われた殺人の瞬間を目撃してしまうなんてかなりドラマティック
    これで被害者の死体がすぐに発見されれば、非日常に一歩だけ迷い込んでしまった身震いする逸話で終わるのだろうけど、生憎と死体は発見されず
    だから目撃者のミセス・マギリカディは義憤に駆られるし、マープルも死体探しに本気になる

    ただ、マープルは行動力が有るわけではないから実

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    2023年10月03日
  • 招かれざる客

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    戯曲なので苦手な人はなかなか読みづらいかもしれないですが、内容は素晴らしいものでした。いい意味でアガサ・クリスティーらしい作品でタイトルの回収もしっかりやってのけるところが読んでいてすごく気持ちよかったです。

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    2023年10月01日
  • バートラム・ホテルにて

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    ネタバレ

    クリスティの長編ミステリー。探偵役は(一応)マープル。
     推理小説の探偵物でよくある光景が警察官が無能であり、探偵の足を引っ張る構図だ。探偵を邪険に扱い(場合が場合なので仕方ない部分もあるが)、的外れな推理をしてんで真実に辿り着けない様な人物や事柄を重宝し、しまいには探偵が解き明かした真実を受け入れ犯人を我が物顔で逮捕し、探偵に笑顔を振り撒いて一件落着する。ある種のお約束だ。さて、では、もし探偵がいる中で警察官がとても優秀だったらどうなるのか。答えは「面白味に欠ける」だった。
     今作に出てくるオヤジさんこと主任警部のフレッドは優秀であり、完全にマープルが脇役になっている。読者は当然、探偵の活躍

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    2023年10月01日
  • 海浜の午後

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     戯曲3編収録。
    〇「海浜の午後」
     読んでいると少し登場人物がワチャワチャしている感じがするが、おそらく舞台では人物の出入りがはっきりするので、あまり気にならないのだろう。
     過保護の青年の恋愛話など全体にユーモラスなものにしようとしているのだろうが、ラストはあまりスッキリしない。

    〇「患者」
     転落して動くことも口をきくこともできなくなった患者。事故なのか、自らの意思で落ちたのか、それとも犯罪か。警察は医師の協力により、ある実験によってその真相を明らかにしようとする。

    〇「ねずみたち」
     何者かによりアパートの一室に誘い出された男女。誰が自分たちをここに呼んだのか、またその目的は何か。

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    2023年10月01日
  • 白昼の悪魔

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    ポアロシリーズで「してやられた」って思うの何回目だ。
    今回もロマンス寄りの話かと思いきや、本格的なミステリーだった。
    関係者達の言動や目にした情報から、あらゆる可能性を考慮し犯人に辿り着く。
    灰色の脳細胞を駆使したポアロの推理が冴え渡る。
    最初から最後まで面白く読めた。

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    2023年09月28日
  • 象は忘れない

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    過去に起こった事件の真相を究明するため、ポアロが動く。最後にはこれぞクリスティといわしめる真実が解き明かされる。ポアロ作品の後年の名作。

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    2023年09月28日
  • ハロウィーン・パーティ

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    ポアロシリーズ31作め。
    映画が公開されたということで、鑑賞前に原作に触れることにした。やっぱり視覚からの情報はインパクトがありすぎるから、映画観てからの読書という順番がよい。
    個人的には星2.5に近い。過去の話が長すぎた…。パーティーの夜に起こった事件の解決のために過去の事件を解かないといけないのはわかるけども…。途中から執念で読んだ感じ。ラスト数ページで伏線が一気に回収されていくのでそこが救いだった。

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    2023年09月24日
  • メソポタミヤの殺人

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     メソポタミアの殺人
     クリスティの長編。ポアロシリーズ。
     外国旅行物、現在のイラクあたりの土地の様であり、考古学の発掘隊が舞台になる。
     余り地理感覚はないのだが、何故だかクリスティの外国旅行物はワクワクしてしまう。彼女の描写力は人物像に留まらず風景描写も素晴らしい。また、彼女自身、考古学の様々な工程に知識があり(パートナーが考古学者だったのは有名)作業工程の描写がリアルだ。こういった要素を習得しているミステリ作家は少ないと思うので、彼女の作品の差別化としても重要な要素だ。
     ストーリーの大筋は王道のフーダニットであり、また殺害のトリックがかなり個性的(現代では似たようなトリックを使った作

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    2023年09月23日
  • バートラム・ホテルにて

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    ネタバレ

    これまで読んだアガサクリスティーの小説とは少し違った。人が死ぬのもかなり後半の方だし、牧師さんは生きてたし。でも比較的人物関係も整理しやすくはあったから理解はしやすかった。強盗事件が物語の軸ならもっとそこを深く掘り下げて書いて欲しかったかも。

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    2023年09月22日
  • 鳩のなかの猫

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    イギリスの名門校で教師が殺害される。その少し前に起こった中東での革命で、莫大な価値を持つ宝石が消え失せた。この二つの事件の関連は?
    ここに誘拐事件なんかも絡んできて、事件だらけ。ポアロも中々出てこない!!

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    2023年09月19日
  • 愛国殺人

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    かの有名なポアロも歯医者に掛かるのか、と謎の親しみを覚えた。
    彼に治療を施した歯科医が突然自殺してしまう。
    しかし、その死を不審に思ったポアロは調査を開始する。
    巧みにミスリードさせる犯人の手腕に最後までやられっぱなしだった。
    よくよく考えるとなかなかシニカルな邦題だなと。

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    2023年09月19日