アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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アイリッシュのファントム
ウィリアム、アイリッシュのファントム、レイディのお手本になったお話。
クリスティさんの良さ、ポアロのうまさが遺憾無く発揮されている作品。
アイリッシュの方も面白いです。お好みで。 -
Posted by ブクログ
「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『ヒッコリー・ロードの殺人(原題:Hickory Dickory Dock)』を読みました。
『終りなき夜に生れつく』、『なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?』、『NかMか』、『ポアロのクリスマス』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
-----story-------------
外国人留学生の多いロンドンの学生寮で盗難騒動が次々と起き、靴の片方や電球など他愛のないものばかりが盗まれた。
が、寮を訪れた「ポアロ」は即刻警察を呼ぶべきだと主張する。
そしてその直後、寮生の一人が謎の死を遂げる。
はたしてこれらの事件の裏には何が…マザーグースを口ずさむ「ポアロ」が名推理を披露する。
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1955年に発表された「エルキュール・ポアロ」シリーズの長篇27作目となる作品、、、
『ポアロのクリスマス』に続き「エルキュール・ポアロ」シリーズ作品です。
「ポアロ」の秘書「ミス・レモン」の姉「ハバード夫人」が管理人として雇われているヒッコリー・ロード二十六番地の学生向けの寮で盗難事件が多発、、、
盗まれたモノは靴の片方や電球など他愛のないものばかり… 「ポアロ」は、探偵の理論と方法という講演をするという理由で寮に入り込み、真相を探ろうとします。
窃盗の大半は、寮生「シーリア・オースティン」が、同じ寮生の「コリン・マックナブ」の気持ちを惹きつけるための犯行ということが判明しますが、一部の盗難について「シーリア」は犯行を否定します、、、
「シーリア」が犯行を否定した盗難に何か意味があるのでは… と推理した「ポアロ」は真相を究明しようとしますが、そんな中「シーリア」が寮でモルヒネにより毒殺され、その後、寮の経営者「ニコレティス夫人」、寮生「パトリシア・レイン」が相次いで殺害されます。
「シーリア」の犯行ではなかった盗品、、、
ずたずたに裂かれたリュックサックは密輸の道具だったり、
電球は警察の捜査時に見えにくくするための工夫だったり、
聴診器は医者になりすます小道具に使われたり、
と、それぞれ意味のある犯行だったんですね… そして、その背後には大規模な麻薬密輸が絡んでいたという展開でした。
短時間に一気に多くの登場人物が出てくるので、人物の相関関係が判りにくかったなぁ… 特に寮生たちについては、名前と人物像がなかなか一致せず、ちょっと感情移入し難かったですね。
男女の寮生による犯行… そのうちの一人は、過去に犯罪歴(家族を毒殺)があったというオチでした、、、
途中で、ある程度、犯人が想定できる展開でしたが、なかなか面白かったです。
以下、主な登場人物です。
「エルキュール・ポアロ」
私立探偵
「ミス・レモン」
ポアロの秘書
「ハバード夫人」
レモンの姉。寮母
「ニコレティス夫人」
寮の経営者
「マリア」
ヒッコリー・ロード下宿料理人
「ジェロニモ」
マリアの夫
「ナイジェル・チャプマン」
歴史学専攻の学生
「レン(レオナード)・ベイトソン」
医学生
「コリン・マックナブ」
心理学専攻の学生
「サリー・フィンチ」
アメリカ人の女子留学生
「ヴァレリ・ホッブハウス」
服飾品のバイヤー
「エリザベス・ジョンストン」
ジャマイカからの女子留学生
「パトリシア(パット)・レイン」
考古学専攻の学生
「ジュヌビエーブ・マリコード」
フランス人の女子留学生
「ジーン・トムリンソン」
セント・キャザリン病院物理療法研究生
「アキボンボ」
西アフリカ人の留学生
「シーリア・オースティン」
セント・キャザリン病院薬剤師
「シャープ」
ロンドン警視庁の警部 -
Posted by ブクログ
「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『ポアロのクリスマス(原題:Hercule Poirot's Christmas{アメリカ:Murder for christmas})』を読みました。
『終りなき夜に生れつく』、『なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?』、『NかMか』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
-----story-------------
聖夜に惨劇は起きた!
一族が再会した富豪の屋敷で、偏屈な老当主「リー」の血みどろの死体が発見される。
部屋のドアは中から施錠され、窓も閉ざされているのに、犯人はどうやって侵入したのか?
休暇返上で捜査にあたる「ポアロ」は被害者の性格に事件の鍵が隠されていると考えるが…クリスマス的趣向に満ちた注目作。
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1939年に発表された「エルキュール・ポアロ」シリーズの長篇24作目となる作品です。
■第一部 十二月二十二日
■第二部 十二月二十三日
■第三部 十二月二十四日
■第四部 十二月二十五日
■第五部 十二月二十六日
■第六部 十二月二十七日
■第七部 十二月二十八日
■解説 霞流一
大富豪だが偏屈者の老人「シメオン・リー」がクリスマスに離れ離れの息子家族を、彼の住む「ゴーストン館」に呼び寄せるところから物語は始まります、、、
元々、ほとんど交流がなく、信頼関係のない四人の息子とその妻たち(三人)、そして初めて「ゴーストン館」を訪れた孫娘(亡くなった娘の子ども)と南アフリカから訪ねてきた「シメオン」の旧友の息子を自室に集め、「シメオン」は遺言状の変更を考えていることを仄めかし、息子たちへ挑発的な言葉を吐き掛け、一族が反目し合うように仕掛けます… その夜、「シメオン」が部屋の金庫に隠していたダイヤの原石が盗まれ、地元警察の「サグデン警視」が調査にやって来たクリスマスイヴの夜、「シメオン」は密室状態の自室で血まみれの惨殺死体で発見されます。
その殺人は密室にする必然性がないうえに、必要以上の出血があり、身体の弱った老人を殺害したにも関わらず激しい乱闘の形跡が残っており、謎のゴム片と木釘が残されているという、不合理な謎が残されていた、、、
息子やその妻、孫娘、旧友の息子、従僕等には、それぞれ動機や機会があるように思えた… 「ポアロ」は地元警察の警視「サグデン」や警察部長「ジョンスン」とともに真相を探ります。
誰が犯人でもおかしくない展開の中、孫娘「ピラール・エストラバドス」や旧友の息子「スティーブン・ファー」が偽者であることが判明し、疑いは二人に集中しますが、、、
これまた、まさかまさかの展開で、犯人とは思えない人物が真犯人でしたねぇ… 容貌がわかれば、ある程度、推理しやすかったかも。
もう一人、家族(「シメオン」の息子)が存在していたとは… しかも、その人物が捜査側にいたとは… 「アガサ・クリスティ」は、家族の愛憎を描くのが巧いですね。
登場人物が多く、序盤は少し入り込み難い面がありましたが、一人ひとりの特徴や性格が把握できた中盤以降は抵抗感なく読めました。
仲違いしていた息子たちや、偽者だった二人も幸せな未来が築けそうな明るいエンディングも良かったですね。
なかなか面白かったです。
以下、主な登場人物です。
「シメオン・リー」
ゴーストン館の当主
「アルフレッド・リー」
シメオンの長男
「リディア・リー」
アルフレッドの妻
「ジョージ・リー」
アルフレッドの弟、国会議員
「マグダーリン・リー」
ジョージの妻
「デヴィッド・リー」
アルフレッドの弟、画家
「ヒルダ・リー」
デヴィッドの妻
「ハリー・リー」
アルフレッドの弟
「ピラール・エストラバドス」
シメオンの孫娘、ジェニファーの娘
「スティーブン・ファー」
シメオンの旧友の息子
「エドワード・トレッシリアン 」
ゴーストン館の執事
「シドニー・ホーベリー」
シメオンの従僕
「サグデン」
アドルスフィールド警察署警視
「ジョンスン」
ミドルシャー州の警察部長
「エルキュール・ポアロ」
探偵 -
Posted by ブクログ
「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?(原題:Why Didn't They Ask Evans?)』を読みました。
『終りなき夜に生れつく』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
-----story-------------
牧師の息子「ボビイ」は、ゴルフの最中に崖下に転落した瀕死の男を発見した。
男はわずかに意識を取り戻すと、「ボビイ」に一言だけ告げて、息を引き取った。
「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」
―幼なじみのお転婆娘「フランキー」とともに謎の言葉の意味を追う「ボビイ」。
若い男女のユーモアあふれる縦横無尽の大活躍。
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『終りなき夜に生れつく』に続きノン・シリーズモノです、、、
牧師の四男坊「ボビイ」と、幼馴染で伯爵令嬢「フランキー」のコンビが素人探偵として活躍するミステリ、冒険、ラヴロマンスの3要素がミックスされた作品… 若い男女ペアの冒険推理譚がいきいきと描かれているという点では、おしどり探偵コンビ「トミー」と「タペンス」シリーズに近いイメージの作品でしたね。
二人が事件に関わる発端となったのは、「ボビイ」がゴルフのプレー中に発見した、崖下に転落した謎の男性、、、
その男性は「ボビイ」に、「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」というダイイングメッセージを残して息を引き取る、
そして、「ボビイ」は、その男性のポケットには人の心を惹きつけるような女性の写真が入っていたことに気付く、
そこへ偶然「バッシントン・フレンチ」と名乗る男が現れ、夜の祈祷に遅れそうな「ボビイ」に代わって死体の見張りを引き受けてくれる、
(しかし、警察が確認した時には「ボビイ」が見た写真は消えていた)
その後、男性のポケットに残されていた別な写真から妹夫婦が判明して事故として事件は片付けられたが、「ボビイ」が遺族の「ケイマン夫妻」にダイイングメッセージを伝えた後、「ボビイ」はビールに盛られたモルヒネにより危うく毒殺されかける… 元々、この事故は殺人ではないかと憶測していた「フランキー」は、「ボビイ」とともに事件の真相を探り始める。
いやぁ… 序盤からぐいぐいっと物語に引き込まれる感じの展開でしたね。
その後、、、
「フランキー」が、事件の鍵を握ると思われる「バッシントン・フレンチ」邸に交通事故を装って潜入したり、
「ボビイ」が、「フランキー」の情報からの疑惑の人物として浮上した、精神病院を経営する医師「ニコルソン」が麻薬患者を隔離・治療している邸宅に侵入したり、
二人が真犯人に捉えられたり… 意外な人物に助けられたりと、
それぞれが手掛かりを拾い集め、犯人と知恵比べをしながら、徐々に真相に近づきます… その過程を二人に感情移入しながら愉しめた作品でしたね。
そして、二人が探り当てた真相、、、
「エヴァンズ」は身近にいた意外な人物(結婚して苗字が変わっていたとは!?灯台下暗しですね…)で、真犯人たちも意外な二人(男女)でしたね… 特に女性の犯人は、守ってあげるなきゃいけない人物(被害者)だと思わせる伏線が張ってあり、まんまと騙されました。
ダイイングメッセージは、
「ジョン・サヴィッジは、遺言書の証人を、なぜ、本人のことを良く知らない料理人と庭師に頼み、なぜ、本人のことを良く知っているメイドのエヴァンズには頼まなかったのか?」
というのが正確な感じかな。
ここまで判明していれば、真相に近づくのが早かったんですけどね… まっ、それじゃあ面白くないかな。
「ボビイ」と「フランキー」の二人の前向きな行動力と、明るい将来を予感させるハッピーエンドが印象的な作品でした。
以下、主な登場人物です。
「ロバート(ボビイ)・ジョーンズ」
元海軍軍人。ジョーンズ牧師の四男
「トーマス・ジョーンズ」
ボビイの父。マーチボルトの牧師
「フランシス(フランキー)・ダーウェント」
伯爵令嬢。ボビイ・ジョーンズの幼なじみ
「マーチントン卿」
伯爵。ダーウェント嬢の父
「ヘンリイ・バッシントン・フレンチ」
地方名家の当主。治安判事
「シルヴィア・バッシントン・フレンチ」
ヘンリイの妻。アメリカ人
「ロジャー・バッシントン・フレンチ」
ヘンリイの弟
「アレックス・プリチャード」
死んだ男
「アメリヤ・ケイマン」
プリチャードの妹
「ジョージ・アーバスノット」
医者。フランキーの友人
「ジャスパー・ニコルソン」
医学博士。カナダ人
「モイラ・ニコルソン」
ジャスパーの妻
「アラン・カーステアーズ」
博物学者。狩猟家。カナダ人
「ジョン・サヴィッジ」
億万長者
「フレデリック・スプラッゲ」
マーチントン卿の弁護士
「ロバーツ夫人」
ジョーンズ家の家政婦 -
Posted by ブクログ
「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『象は忘れない(原題:Elephants Can Remember)』を読みました。
『鳩のなかの猫』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
-----story-------------
推理作家「ミセス・オリヴァ」が名づけ親になった「シリヤ」の結婚のことで、彼女は先方の母親から奇妙な謎を押しつけられた。
十数年前の「シリヤ」の両親の心中事件では、男が先に女を撃ったのか、あるいはその逆だったのか?
「オリヴァ」から相談を受けた「ポアロ」は“象のように”記憶力のよい人々を訪れて、過去の真相を探る。
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1972年に刊行された「エルキュール・ポアロ」シリーズ長編第32作目の作品、、、
『カーテン』が「エルキュール・ポアロ」最後の作品ですが、『カーテン』は1943年に執筆された作品なので、実質上(執筆順)では本作が「ポアロ」最後の作品となります。
『象は忘れない』という題名は、英語の諺「An elephant never forgets.:象は(恨みを)忘れない(そして必ず報復する)」に由来しているそうです。
■1. 文学者昼食会
■2. 象に関する最初の言及
第一部 象
■3. アリスおばさんの手引き
■4. シリヤ
■5. 過去の罪は長い影をひく
■6. 旧友の回想
■7. ふたたび子供部屋に
■8. ミセズ・オリヴァの話
■9. 象探しの成果
■10. デズモンド
第二部 長い影
■11. ギャロウェイ警視とポアロ覚え書を検討する
■12. シリヤ,エルキュール・ポアロに会う
■13. ミセズ・バートン=コックス
■14. ウィロビー医師
■15. ヘア・スタイリスト・ビューティシャン,ユージン・アンド・ローズンテル
■16. ミスタ・ゴビーの報告
■17. ポアロ出発を告げる
■18. 間奏曲
■19. マディとゼリー
■20. 審問廷
十数年前に起きた心中事件の真相と、心中事件の真相を調べるため「オリヴァ婦人」に近づいた「ミセズ・バートン=コックス」の目的を、「エルキュール・ポアロ」が「オリヴァ婦人」を巧く使いながら、見事に解決する物語、、、
ちょっともどかしい序盤の展開と、縺れて絡み合った糸がスッキリ解けるような中盤から終盤にかけての展開が、「アガサ・クリスティ」らしい作品でしたね。
心中したとされる「シリヤ・レイヴンズクロフト」の父親「アリステア」と母親「マーガレット」には、自殺すべき動機が見当たらない… 過去の関係者から聞き取りを進めるうち、当時、「マーガレット」の一卵性双生児の姉「ドロシア」が同居しており、心中の数日前に事故死していることが判明、、、
「ドロシア」に精神的な疾患があったことや、「マーガレット」との結婚前、「アリステア」と「ドロシア」が恋愛関係にあったことが判明… 「ポアロ」は、様々な証言から真相を推理し、真実に行き着きます。
一卵性双生児だった「マーガレット」と「ドロシア」の容姿が酷似していたことや、「ドロシア」の過去の奇行、「マーガレット」のカツラが4つも残っていたこと等が、大きなポイントになっていましたね。
「アリステア」も「マーガレット」も、「ドロシア」を愛していたことから起こった事件、、、
ちょっと哀しい結末でした。
ちなみに、、、
「オリヴァ婦人」って、どこかで見た名前だなぁ… と思っていたら、何作か「ポアロ」と共演しているらしく、そのうち、『死者のあやまち』と『ハロウィーン・パーティ』は既読でしたね。
どうも、「アガサ・クリスティ」本人がモデルみたいです。
以下、主な登場人物です。
「アリアドニ・オリヴァ」
ポアロとは旧知の女流推理作家
「ミス・リヴィングストン」
オリヴァの秘書
「ミセズ・バートン=コックス」
未亡人
「デズモンド」
バートンの養子
「シリヤ・レイヴンズクロフト」
オリヴァの名付け子
「アリステア・レイヴンズクロフト」
シリヤの父
「マーガレット・レイヴンズクロフト」
シリヤの母
「ドロシア・ジャロー」
シリヤの伯母
「マディ・ルーセル」
シリヤの家庭教師
「ゼリー・モーウラ」
シリヤの家庭教師
「ジュリア・カーステアズ」
オリヴァの友人
「ミセズ・マッチャム」
オリヴァの友人
「ミセズ・マーリーン」
オリヴァの友人
「ウィロビー」
医師
「ミセズ・ローズンテル」
美容院
「ミスタ・ゴビー」
情報屋
「ギャロウェイ」
元警視
「スペンス」
ポアロとは旧知の元警視
「エルキュール・ポアロ」
私立探偵 -
Posted by ブクログ
「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『鳩のなかの猫(原題:Cat Among the Pigeons)』を読みました。
「アガサ・クリスティ」作品は、10月に読んだ『愛国殺人』以来ですね。
-----story-------------
中東の王国で起きた革命騒ぎのさなか、莫大な価値をもつ宝石が消え失せた。
一方、ロンドン郊外の名門女子校、メドウバンクにも事件の影が忍び寄る。
新任の体育教師が何者かに射殺されたのだ。
ふたつの謎めいた事件の関連は?
女子学生の懇願を受けて、ついに名探偵「エルキュール・ポアロ」が事件解決に乗り出した。
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1959年に刊行された「エルキュール・ポアロ」シリーズ長編第28作目の作品、、、
タイトルの『鳩のなかの猫』は、女学生(鳩)達の園である学園に殺人者(猫)が紛れ込んでいるという意のようです。
また、中東ラマット国での革命の描写は、「アガサ・クリスティ」が夫とともに、毎年のように遺跡の発掘作業に赴いていたイラクにおいて、1958年に発生した(王政が廃止され、共和制へ移行)がモチーフになっているらしいです。
■プロローグ・夏季学期
■1. ラマット国の革命
■2. バルコニイの女
■3. ロビンスン氏登場
■4. 旅行者帰る
■5. メドウバンク校からの手紙
■6. 最初の頃
■7. 風向き
■8. 殺人
■9. 鳩の群のなかの猫
■10. 奇想天外な話
■11. 会談
■12. 古いランプと新しいランプとの交換
■13. 破局
■14. ミス・チャドウィック眠られぬ夜を過す
■15. 殺人事件は繰返す
■16. 室内競技場の謎
■17. アラディンの洞窟
■18. 協議
■19. 協議のつづき
■20. 雑談
■21. 手がかりの整理
■22. アナトーリアでのできごと
■23. 大詰め
■24. ポアロの説明
■25. 遺贈
ロンドン郊外の名門女子校メドウバンクを舞台に、室内競技場で連続して発生する女性教師の殺人事件、、、
ラマット国の国王の従妹である「シャイスタ王女」の転入、ラマット国から持ち出された莫大な価値を持つ宝石の謎、引退を考えている「バルストロード校長」の後継者に関する悩み、女生徒「ジェニファ・サットクリフ」のテニスラケットを母親から預かったと偽って新品と交換してくれた謎の女性… 等々の伏線が、利発な少女「ジュリア・アップジョン」の機転と、「エルキュール・ポアロ」の灰色の脳細胞によって解き明かされる展開。
登場人物が多く、序盤はちょっともどかしい展開でしたが、それぞれの人物像や事件の背景を理解するためには必要な内容なんでしょうね、、、
後半の329ページになって、ようやく「エルキュール・ポアロ」が登場… その後は、小気味よい展開で一気に事件が解決に向かいます。
女性教師が三人殺されるのですが… 同一犯が同一の目的・動機で行った犯行と思い込んでしまうところが、真相をミスリードしてしまう展開になっていましたね。
そして、校長秘書「アン・シャプランド」の正体を知っていた「ジュリア・アップジョン」の母親、、、
「バルストロード校長」が序盤の「アップジョン夫人」の言葉を聴き逃していなければ… という伏線の配置の仕方も、巧いなぁ と感じました。
以下、主な登場人物です。
「オノリア・バルストロード」
メドウバンク校の校長
「エリナー・ヴァンシッタート」
ドイツ語・歴史の教師
「チャドウィック(チャディ)」
数学教師
「アイリーン・リッチ」
英語と地理の教師
「アンジェール・ブランシュ」
仏語教師
「グレイス・スプリンガー」
体操教師
「エルスペス・ジョンスン」
舎監
「アン・シャプランド」
校長秘書
「アダム・グッドマン」
園丁
「ジェニファ・サットクリフ」
メドウバンク校生徒
「シャイスタ」
メドウバンク校生徒。王女
「ジュリア・アップジョン」
メドウバンク校生徒
「ジョアン・サットクリフ」
ジェニファの母親
「ボッブ・ローリンスン」
ジョウンの弟。ラマット国王のパイロット
「アリー・ユースフ」
ラマット国の国王
「ロビンスン」
謎の人物
「パイクアウェイ」
陸軍大佐。特捜部主任。
「ケルシー」
ハースト・セント・サイプリアン署捜査課警部
「エルキュール・ポアロ」
私立探偵 -
Posted by ブクログ
「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『愛国殺人(原題:One, Two, Buckle My Shoe)』を読みました。
「アガサ・クリスティ」作品は、5月に読んだ短篇集『マン島の黄金』以来ですね。
-----story-------------
憂鬱な歯医者での治療を終えてひと息ついた「ポアロ」の許に、当の歯医者が自殺したとの電話が入った。
しかし、なんの悩みもなさそうな彼に、自殺に徴候などまったくなかった。
これは巧妙に仕掛けられた殺人なのか?
マザー・グースの調べに乗って起こる連続殺人の果てに、灰色の脳細胞「ポアロ」が追い詰めたものとは。
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1940年に刊行された「エルキュール・ポアロ」シリーズ長編第19作目の作品、、、
原題はマザー・グースの童謡の1節『いち、にい、わたしの靴の留金を締めて』から引用されていて、以降20までの数え歌の歌詞が作品の章のタイトルとなっています。
■1. いち,にい,わたしの靴のバックルを締めて
■2. さん,しいそのドアを閉めて
■3. ごお,ろく,薪木をひろって
■4. しち,はち,きちんと積みあげ
■5. くう,じゅう,むっくり肥っためん鶏さん
■6. じゅういち,じゅうに,男衆は掘りまわる
■7. じゅうさん,じゅうし,女中たちはくどいてる
■8. じゅうご,じゅうろく,女中たちは台所にいて
■9. じゅうしち,じゅうはち,女中たちは花嫁のお仕度
■10. じゅうく,にじゅう,私のお皿はからっぽだ
ちなみに邦題の『愛国殺人』は、アメリカ版の原題『The Patriotic Murders』の訳題のようですね。
登場人物が多く、頭の中で一人ひとりの特徴が整理でき読み進める感じとなり、序盤~中盤は少しもどかしい感じでしたが、終盤はバラバラのピースが埋まっていく愉しい感覚が存分に味わえる展開となっていました。
読み終わったときには、さすが「アガサ・クリスティ」作品って感じでしたね。
動機が、公的な理由だと思っていたら、実は個人的な理由だったり、
狙われていると思われた人物が、実は狙う側だったり、
「ポアロ」も惑わされる真相でした。
それにしても、、、
「国を愛するがゆえの殺人」という真犯人の動機は、余りにも利己的な思考… 人間に優劣を付け、公を護るために犠牲を強いるというのは、到底納得できるものではなかったですねぇ。
たまたま人物を覚えることが得意だった(不都合なことを覚えていた)ために殺されたり、邪魔な人間を(歯科で)油断させて殺すために歯科医が殺されたり、、、
たまったもんじゃないですよ。
本書を読んで、歯科について考えさせられた、、、
受診するときは誰もが無防備… 確か「ヒッチコック」の映画でも、歯科医に殺害されそうになるシーンがあったような気がします。
歯医者に行くのが怖くなりましたね。
あと、ちょっと気になったのは装丁に使われている靴の写真、、、
これは「メイベル・セインズバリイ・シール」の履いていた、バックル付きのイヴニング用の靴の方に変更した方が雰囲気が出ると思います。
以下、主な登場人物です。
「ヘンリイ・モーリイ」
歯科医
「ジョージイナ・モーリイ」
ヘンリイの妹
「ライリイ」
ヘンリイのパートナー、アイルランド人
「グラディス・ネヴィル」
ヘンリイの秘書
「フランク・カーター」
グラディスの恋人
「アグネス・フレッチャー」
モーリイ家の小間使
「アムバライオティス」
ギリシャ人
「メイベル・セインズバリイ・シール」
元女優
「レジナルド・バーンズ」
内務省退職官吏
「アリステア・ブラント」
銀行頭取
「ヘレン・モントレザー」
アリステアのまた従妹
「ジェイン・オリヴェイラ」
アリステアの姪
「ジュリア・オリヴェイラ」
ジェインの母
「ハワード・レイクス」
ジェインの恋人
「アルバート・チャップマン」
セールスマン
「シルヴィア・チャップマン」
アルバートの妻
「ジャップ」
主任警部
「エルキュール・ポアロ」
私立探偵