アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
原著は1929年刊行。初期の作品である。
ウッドハウスぽいクリスティー、ということで、クリスティーに詳しい方から紹介していただいて手にとった。
以前に読んだかも、とドキドキしたが、それはポアロの『複数の時計』のほうだった。
こちらはノンシリーズ、一応前段にあたる《チムニーズ館の秘密》があるそうで、それを飛ばして読んだけど、特に問題はなかった。
ジャンルとしては、スパイアクション。初期ぽい。
このジャンルはあついファンからはナメられているけど、私はけっこう好きで本作も楽しく読んだ。
冒頭の事件、なかなか起きない青年への友人たちのいたずらで、たくさんの目覚まし時計を置いてやる、って陽キャ大学サークルのノリだ。
本編は、向こう見ずの金持ちお嬢様・バンドルが、謎にとりくむストーリー。
愛車イスパノを駆って、ロンドンの謎の秘密結社のクラブや、郊外のお屋敷をめぐって謎に挑んでいく。
金持ちライフ、恋や友情、社交にゴルフに政治パーティー、執事と秘書など、確かにウッドハウスばりにキラキラしている。
怪しいキャラだらけのなか、成り上がりのクート夫妻がいい味を出していると思う。
私が一番こわかったのは、最後のシーン。
黒幕がわかり、今までの謎もとけ、大団円。
主役のバンドルたちが、近くにしゃれたレストランがありますよ、ちょうどいいわ、お腹ペコペコだったの、と言い合うところ。
え、ちょっと待って、、、いま、盛大に☓☓が☓☓だったとわかって、ショックうけてないの?
平然とご飯を食べられる神経が怖いな、となりました。
いやあ、さすが金持ちは違うねー、ハハッ。
かつての雇用主、というだけで、相手に対して居丈高なバンドルにもびっくり。
あと、全体に訳が古風な気がする。
・ライオンのあぎと
・とつおいつ
・ヒヤ!ヒヤ!(←『黄色い本』のチボー家の人々シーンだと《謹聴!》って訳されるシーンですよね。和む) -
Posted by ブクログ
ポアロもの。 今回の舞台は中東です。
看護師のエイミーは、ヤリミア遺跡の調査隊長で考古学者のライドナー博士の妻・ルイーズの付き添いの為、遺跡発掘現場にやってきます。
死んだはずの夫から脅迫状が届くと、不安に駆られるルイーズ。不穏な雰囲気の中、ついに殺人が起こってしまいます。
例によって、“偶々”シリアにいたポアロに事件解決の依頼がされて、捜査に乗り出すという展開です。
美しく、男性を魅了してしまうルイーズを巡って、微妙な雰囲気になっている遺跡調査隊の人間模様が、看護師エイミーの視点で描かれていて、その人間観察的な部分も見どころです。因みにエイミーの“ポアロ観”も何気に面白いです。
犯人は予測しやすいと思いますが、その“正体”と殺人の方法には無理があるかな・・・という印象です。
あとは、怪しさ満点だった調査隊メンバーがやっぱり“訳アリ”でした。
そして、現場を後にしたポアロは、一週間後にオリエント急行で英国に帰る途中、新たな殺人事件に巻き込まれたそうな・・。ニヤリ。 -
購入済み
短編集です
短編集です。
いろいろなタイプの話が読めて面白いです。
短編なので少し物足りない感じもしますが
お気に入りの一編を探してみるのも悪くないと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ庭園モチーフや、人々の会話から垣間見られる世相が「復讐の女神」と近く、作品としてはマープル物の方が好きながら、こちらもひんやりとした雰囲気に趣がある。タイトルに季節感があるとその時期に手に取りやすい。
子供(それも姉弟)の連続殺人、さらに誤解による口封じとなると普通ならいたたまれない悲しい話のはずが、クリスティの語り口は乾ききって憐憫がなく、登場する大人たちもおしなべて子供たちを突き放して見ている。この時期の彼女の若い世代への嫌気みたいなものが出ているようだが、最後に活躍する若者2人組には意表をつかれた。そして犯人達は子供に輪をかけて無分別で短絡的なのに悪知恵が働くところが怖い。
「マギンティ夫人は死んだ」でいい人だなと感心したスペンス警視が隠居先で前の事件についてポワロと話すのも楽しかった。同居する妹がどことなくアクロイド殺しの語り手の姉を彷仏とさせる。
アリアドニは毛糸玉で迷宮からの出口を導く由来からミステリ作家の名前としてうまいことつけたことよ、と思っていたので途中登場人物達の名前に関する会話が出てきたのが個人的にツボだった。ミランダもまさにこの少女のイメージが湧きやすいし、もちろんエルキュールも、彼のキャラクターにふさわしい大げさな感じと身体的イメージのギャップの面白さ+彼の場合はもっぱら頭脳の活躍だがやはり英雄、と言う点でぴったり。 -
Posted by ブクログ
ネタバレほとんど手慰みのつもりで読んでいたのが、いつの間にか物語に引き込まれるパターン。アガサ・クリスティー読んでるといつもこうなる。さすがミステリーの女王!って毎回思う。
学生寮の小さな窃盗事件が殺人に繋がり、どうせ人間関係のいざこざなんでしょって思ってたら、まさかの麻薬や宝石の密輸組織に繋がるというスケールのデカさ。ポアロの推理や警察の捜査の仕方は、いやそれでええんかい!みたいなとこあるけど、まあミステリーって大体そういうもん。それより隙のない物語のプロットの立て方に感心。これぞ王道。そして質の良い王道は当たり前に面白い。
何作か読んでるけど、有名なのもそうじゃないのも安定して楽しめるっていうのは本当に凄いことだと思う。当時のファンの熱狂ぶりが窺えるな。ファンじゃなくても全作読破してみたいと思わせるんだから相当な魅力です。また手が空いたときに読む。 -
購入済み
まぁまぁかな
ホラー小説の短編集です。
発表された当時は怖がられたのだろうけど
今読むと正直物足りない。
面白いことは面白いけど、
クリスティを読破しようというのでなければ
それほどオススメというわけではありません。 -
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ポアロもの。
パリからロンドンに向かう旅客機内で、金貸しの老婦人の変死体が発見されます。その老婦人の首には針で刺されたような跡があり、直前に飛んでいた黄蜂に刺されたのかと思いきや、席の近くに吹き矢の針が見つかります。
そして、偶然乗り合わせたポアロの席の背後から吹矢筒が発見されて・・。
その吹矢筒のせいで陪審員から有罪にされそうになったこともあり(?)真相解明に乗り出すポアロ。
イギリスとフランスを行き来しながら、老婦人の背景を洗っていくうちに意外な事実浮かびあがってきます。
飛行機の中での殺人という事で、基本的に犯人は乗客のメンバーと乗務員(スチュワード)に絞られるのですが、座席表を何度も見ても私の脳細胞では特定は難しく、結局ポアロが明かす真相に驚愕するといういつものパターンでした。
因みに、陪審員に有罪にされそうになった件でポアロをいじるジャップ警部はとても楽しそうでした。 -
Posted by ブクログ
ポアロ
ポアロシリーズの最期に近い作品だか、ちょうどハロウィンがちかいので先に読んだ。
殺されたのが子供とあって、なんとなく読みすすめるのに苦労した。
登場人物のミランダという少女が魅力的だった。その少女を評する母親のコメントがインパクトあった。
「ええ、あの子もいまはきれいだと、わたくしも思いますわ。でも、大人になったとき、どんなふうになるかわかりませんわ。よけいな脂肪がついて、ときどき肥った豚みたいになりますものね。でも、いまは--森の妖精みたいですわ」(p202)
森の妖精みたいな少女のことをそんなふうに言わなくても良いのに!謙遜なのか何かしら。 -
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ネタバレ殺人は容易だ。誰にも疑われない人物ならば。
ルークがたまたま同席した老婦人は、ロンドンの警視庁に連続殺人を訴えに行くと言った。その老婦人が事故で亡くなったと聞いたルークは、殺人犯に口封じされた可能性を考え、老婦人の村に調査に乗り込む。
クリスティーのアイテムが散りばめられた作品。事件の犯人を察する老婦人、人間関係の濃密な村、勝気な女性、新旧の価値観の対立、戦後の変化、もちろん殺人を犯しそうにない意外な犯人も。面白いけど、どこか別の作品で読んだ気がしてきてしまう。特に犯人に関しては、意外といえばあの人かな、と思ったら当たってしまう。他のクリスティー作品にもこのポジション(しっかりして一目置かれている独身女性)が犯人の作品があるので。
クリスティー作品の見本のような作品ではあるけど、タイトル『殺人は容易だ』があまりにもカッコよく、そしてタイトルが効いているので読んで満足。 -
購入済み
まあまあかな
犯人は明らかですが
登場人物が皆怪しげで、
なにか裏があるのかと
惑わされてしまいます。
最後に、それらの怪しさは一通り解明されて
なるほどとは思うものの
話を複雑にするためだけに作られたエピソードという感じが否めなかった。
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ノン・シリーズ。
雪深いシタフォード村の山荘で行われた降霊会。そこで“降りてきた霊魂”が、山荘の持ち主ではるかふもとの村に住んでいるトリヴェリアン大佐の死を告げます。
そして、その同時刻に予言されたとおり、大佐が本当に殺害されていて・・。
ナラコット警部が捜査にあたり、殺された日に大佐の家を訪問していた大佐の甥・ジェイムズ(ジム)が容疑者として逮捕されてしまいます。
そこで立ち上がったのが、ジムの婚約者・エミリー。
クリスティーのノンシリーズによく登場する、魅力にあふれたアクティブ女子で、新聞記者のチャールズと共に(というか彼を丸め込んで)、真相解明に乗り出します。
シタフォードの村人達から情報を引き出す為、愛想を振りまくエミリーですが、利用価値がないワイアット大尉に対しては塩対応なのが笑えます。
山荘の借主のウィリット母娘も明らかに訳アリですし、他にも色々怪しい人達の人間模様も、謎解きと併せて楽しめます。
で、真相ですが、ラストで一気にというか、あっけなく明かされる感じです。ちょっと殺人の動機が弱いかな、とも思いましたが、積もり積もったものがあったのかもしれないですね。
そして、本書の最大の謎(?)が、美人で頭が良くて魅力的なエミリーが何で、だめんずのジムを選んだのか?だと思いますが、エミリー曰く“あたしが世話を焼かなければ・・”との事でして、まぁそんなものなのですかねー。 -
Posted by ブクログ
アクナーテン(イクナートン)は一神教の始祖として語られることもある
多神教世界のなかで他の神々の崇拝を禁じ、太陽神アテンのみを神としたという意味では、一神教というよりは、多神教の多数の神々のなかから一柱の神を選び出して優位においたというべきかもしれない
しかしヨセフやモーセが古代エジプトで重要な人物であったことからすると、やはり完成された一神教であるユダヤ教に与えた影響などを空想(妄想)してしまう
有名なネフェルティティ、ツタンカーメンも出てくる!
アクナーテンに興味のある人にはおもしろい作品
そうでない人はつまらないと感じるかも(ミステリではありません) -
購入済み
まあまあかな。
素直なストーリー展開で面白かったです。
ノベライズということで、まあまあかな。
クリスティを読破しようというのでなければ
他の本をお薦めします。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ霊が伝えた殺人事件!
降霊会でトリヴェリン大佐の殺害が予告される。そして大佐は本当にその時間に殺されていた。友人のバーナビー少佐、トリヴェリン大佐からシタフォード荘を借りたウィリット夫人とその娘ヴァイオレット、大佐の下男エヴァンズ、シタフォード荘の隣人たち、大佐の妹や甥姪。誰が大佐を殺したのか? 逮捕された大佐の甥ジェイムズの無実を信じて、婚約者エミリーは調査を始める。
エミリーの勢いに乗ってぐいぐいと読んでいけた。気の弱いところのあるジェイムズにはできないとの判断、特ダネを狙う新聞記者チャールズ・エンダビーをおだてて転がして協力者にさせる。シタフォード村の住民やジェイムズが泊まっていたスリー・クラウン館の人、また大佐の親戚やその使用人たちに対しては、健気に殊勝に同情を買って情報を引き出す。タペンスや『茶色の服の男』のアン、『七つの時計』のバンドルに通じる「おきゃんな娘」エミリーの冒険がこの作品の魅力。
エミリーの視点、バーナビー少佐の視点、そして捜査するナラコット警部の視点など、様々な視点から語られる事件の経過。犯人の視点ももちろん入っているのだが、謎が解けてから読み返すとそういうことだったのか唸ってしまう。
トミーとタペンスシリーズのタペンスを思い出したが、同時に、これはトミーを選ばないタペンスではないかと感じた。エミリーはチャールズの手を取らない。エミリーは、1人でやっていけるチャールズではなく、終始一貫してジェイムズのために動く。チャールズは利用しただけ。その迷いのない姿勢も気持ちがいい。