アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • そして誰もいなくなった

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    購入済み

    完全に観察日記

    第三者の点からだから完全に観察日記だった。だけど全てを知っているわけではないみたいな?
    それだけ

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    2020年04月19日
  • 復讐の女神

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    「カリブ海の秘密」の続編ともいうべき作品。
    西インド諸島で共に事件を解決した大富豪の死を新聞で知ったミス・マープルは、しばし感慨にふけったいた。しかし、その大富豪から届いた手紙によって、詳細を知らされぬまま、とあるバス旅行へと誘われる。正義をなしてほしい、という願いを叶えるために。

    登場人物表の半分近くをバスの乗客が占めているが、覚えなくても全然問題ないというところに苦笑い。バスツアーのくだりは、退屈なので正直脱落しそうになったが、三人姉妹と出会ってから「何をすべきなのか」がぼんやりと判明しだしてからは、ビックリするぐらい面白くなった。
    実際使われたトリックそのものは、途中で気づいたけれど「

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    2020年03月09日
  • カリブ海の秘密

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    イギリスを離れ、西インド諸島で療養生活を送るミス・マープル。ある晩、とりとめのないおしゃべりを繰り返す老少佐が「殺人犯のスナップ写真」を彼女に示そうとするか、寸でのところで取りやめてしまう。そしてその晩少佐は亡くなってしまう。

    序盤で死体が登場するわりに、事件そのものの進展は遅い。だが、一見「良い人」に見える宿泊客の仮面を一つ一つ剥がしていくことで、物語に深みを与えているように思う。いつもの頼りになる仲間が不在の中、ミス・マープルと相棒を組むのが、嫌味な大富豪というのも面白い。警察や医者と事件に関する話ができない一方、大富豪との会話は老人パワーフル回転で楽しくもあり、若者とは違う視点で物事を

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    2020年03月05日
  • 情婦…クリスティ短編集

    購入済み

    「検察側の証人」と同じ話

    表題作「情婦」は、映画の邦題に合わせたもの。他社の版では「検察側の証人」という題になっていることが多い。この版は翻訳に少し癖がある。とくにポワロやヘイスティングズの台詞の言葉遣いが丁寧すぎて、他の訳者の訳で読み慣れている人は少し戸惑うかも。

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    2020年02月14日
  • 暗い抱擁

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    凄まじいある愛の形。
    鉄管工の父を持つ保守党候補者ゲイブリエル、由緒ある貴族の末裔のイザベル。男と女、どこでどう惹かれるのか。肉体、精神、顔、声、それらが相まって関係は始まる。クリスティがここまで凄い恋愛観を持っていたとは。

    時は第二次世界大戦、ドイツが降伏した後、日本が降伏するまでの間に始まった。一組の愛の物語の背景に、戦争、貴族社会の変容、イギリス社会の階級意識、政治へのひとつの考え、などを配する。親父が鉄管工だという労働者階級出身だが保守党候補者ゲイブリエル。政治家になるのは金のためと割り切っておりしょせん政治はそれだけのもの、庶民に小さな希望を持たせればいいと言う。が、金で貴族の称号

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    2020年02月06日
  • 未完の肖像

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    主人公シーリアの幼い時から結婚、離婚に至る経緯が書いてある。シーリアが自殺しそうな所に遭遇した若い肖像画家メアリーがその時シーリアから聞いたシーリアの話を活字にまとめた、という体裁をとっている。おだやかな性格の婚約者を振り、積極的で現実的なダーモットと結婚。夢見がちなシーリアと現実的なダーモット、読み終わるとそのずれが痛々しくこちらの心に沈着する。

    離婚に至る夫婦とそうでない夫婦、どこでどう作用するのか、ひとつのケースを見せつけられる。前作「愛の旋律」の5人にもそれぞれクリスティの片鱗を見出したが、あちらは男女の大きなうねりが大河の流れのようにフィクションとして迫ってくる。が、こちらはクリス

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    2020年02月04日
  • 愛の旋律

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    おもしろい。一気に読んでしまった。ミステリーではないが、5人の若い男女の織りなす愛の物語と、作曲に憑かれた男の創造意欲、そして第一次世界大戦をはさむ非常時に翻弄される運命が二転三転する様はまるでミステリーのようだ。

    イギリスの何代も続くお屋敷に生まれたヴァーノン・ディア、従妹のジョー、隣に越してきたユダヤ人少年セバスチャン、そしてヴァーノンの幼友達ネル、オペラ歌手ジェーン。ヴァーノンとセバスチャンはケンブリッジ卒業後すぐに第一次世界大戦に召集なので、おそらくクリスティと同年代の設定。主人公ヴァーノンの音楽への創造意欲、友人セバスチャンの商売、奔放な愛に生きるジョー、男の経済力に頼るネル、声楽

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    2020年02月01日
  • カーテン

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    ネタバレ

    再読。いくつかポアロ物を読んでから読まないと、ちょっと良さがわかりづらいんじゃないかと思う。シニカルな部分もあるし、ジュディスの安楽死容認発言も気になる。老いや伴侶を失う寂寥、夫婦関係への洞察など、ここまで年月が経たないとここまで書けないだろうなというところに、筆者と登場人物の経年と円熟を感じる。そして遠回しな反戦も読み取れるように思う。
    苦い。そう、ジンセイって多かれ少なかれこんなふうに苦いものだよね。苦いものを抱えて生きていくものだよね。

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    2020年01月27日
  • 親指のうずき

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    新春気分で、のんびりおしどり探偵ぶりを楽しもうと思ったら、そんなに吞気でもなくてそれどころか結構残酷であった。

    解説が全くダメ。どんどん映画の話へとそれ、しかもトミーとタペンスからも離れて夫婦探偵映画の話になってしまって、この作品については枚数の半分も語っていない。がっかり。

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    2020年01月04日
  • 死人の鏡

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    収録作品は、「厩舎街の殺人」「謎の盗難事件」「死人の鏡」「砂にかかれた三角形」の四篇。
    この中で一番のお気に入りは、やはりアガサ・クリスティーらしさの表れた三角形だろうか。
    「なにごとも見た目通りではない」アガサの真骨頂である。
    購入したポアロものの短編(8本入り!)オーディオブックにも収録されているので、海外でも人気なのだろう。
    どのお話も、クリスティー「らしさ」が楽しめる秀作。

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    2019年12月13日
  • ポアロとグリーンショアの阿房宮

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    長編「死者のあやまち」の原型となった、中編一話が収録されている。
    「阿房宮」だけで憶えていた私は初め、ミス・マープルの阿房宮と混同していた。
    あちらは、「グリーンショウ氏」の阿房宮。ポアロは、「ポアロとグリーンショア氏」の阿房宮。編集と訳者さんの苦労が偲ばれる。
    死者のあやまち版はかなりの長編だったが、こちらはコンパクトにまとまっている。しかし登場人物も、話の筋も同じ。読後の満足感は……時間が取れないけどアガサが読みたい!となったときにはこちらに軍配が上がるか。じっくり時間をかけて一冊の本にとりかかるなら、死者のあやまちをオススメする。

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    2019年12月13日
  • ハロウィーン・パーティ

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     結論だけ書くと「やっぱりクリスティーは巧かった」これに尽きると思います。

    解説によるとクリスティー晩年の作品ということで、確かに派手なトリックや展開もなく、ポアロがひたすらに関係者の証言を集めていく、という地味な展開が続きます。

     ただ地味な証言集めが続く一方で、幻想的というか、ポアロが美しい庭園に足を踏み入れる場面があり、そこがなかなか面白かった。その庭で出会う女の子は、キャラが濃くてこの作品でしか見られないのが、もったいないくらいです。

     さて、なぜ自分がこの作品で巧さを感じたかというと、遺言状をめぐる展開もそうなのですが、犯人の動機の描き方が、なによりも巧い!

     動機としてはか

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    2019年10月06日
  • NかMか

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    2019/9/18

    シンプルで読みやすくて面白かった。半分くらいで犯人が1人わかったんだけどみんなそんな感じなのかな?それとも刑事ドラマの見過ぎなのかな。 犯人探しというよりかはタペンスとトミーの2人が素敵な夫婦が主軸となってる感じだった〜

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    2019年09月19日
  • 死者のあやまち

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    中編のポアロとグリーンショアの阿房宮 の後、再読。
    骨子は中編と大差はないが、物語の流れや結論に行き着くまでの経緯は、本編の方が面白かった。

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    2019年09月09日
  • ねじれた家

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    映画化をきっかけに読んでみた。
    アガサ・クリスティーを読むのは、これで2作目。
    大富豪の老人が毒殺された。
    家族の誰にも動機があるようで。。。。
    いったい誰が殺したのか。
    何が目的で殺したのか。

    充分な証拠が得られるまま、捜査は深みに嵌まっていく。
    第二、第三、第四と、警察をあざ笑うかのように続いていく事件。

    私には事件の後半まで、犯人の目星がつかなかった。
    動機にも、結末にも、背筋が寒くなった。

    70年前の作品なんですよね~
    いまなお面白く感じるとは、あらためて凄い作家だったのだな~と思いました。
    他の作品も読んでみたいと思います。

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    2019年09月02日
  • 愛国殺人

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    すごくおもしろかった。

    ポアロファンが好きなものが詰め込まれている1冊だと思いました。

    ポアロシリーズのなかでも、読み応えのある作品だと思います。

    まずポアロの登場シーンが多いのがいい。

    ヘイスティングスがいないのが残念ですが、ポアロによる調査シーンが多くてうれしかったです。

    ジャップ警部は出てくるので、二人の掛け合いも楽しめます。

    ミステリとしては、最後まで読者に頭を使わせてくれる構成で、一度流れに乗るとページをめくる手が止められませんでした。

    日本語のタイトルからは想像できませんが、実はマザーグースの暗記唄をモチーフとしたお話です。

    章タイトルが、マザーグースの暗記唄の一節

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    2019年09月01日
  • 無実はさいなむ

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    ネタバレ

    英BBCのドラマが面白かったので、原作も読んでみようと思い手に取った。

    初期設定やフィリップが殺される部分は小説とドラマはほぼ同じなのに、結末(真犯人・動機)は全く違っていて、最後まで楽しめた。

    ドラマを見てからだと多くの場合はトリックや犯人が分かってしまっていて、面白さが半減するけど、この作品は原作から入っても、ドラマから入っても、どちらでも大丈夫。

    ポアロやミス・マープルといった名探偵は出てこないが、かえって新鮮な感じだった。

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    2019年07月31日
  • 邪悪の家

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    クリスティーらしいラスト!バタバタと変わる犯人にワクワクしながらクライマックスを読み終えた。

    冒頭からワクワクするような流れ。ヘイスティングズが久々に登場するのも良い。
    若干ポアロがアワアワバタバタと動き回っている感じがするけど(落ち着きがない感じ)ストーリー的にはとても魅力的。

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    2019年06月03日
  • ねじれた家

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    映画化されるとあって読んでみた。ねじれた家に住むねじれた家族という文言にとびついた。「マザーグース」は想像の宝庫か。

    遺産と遺言、相続、遺産の規模がちがうわね。ねじれた家の最大の犠牲者は犯人だったのかも。でも一家を支配していた老主人の死により一家は精神的に開放され自由な生活へと向かう。


    2019.5.15購入

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    2019年05月23日
  • NかMか

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    アガサクリスティーの作品で、大好きなシリーズ。巻末の評論家さんが書いているように、「ガチガチの本格派」ではないところが良い。また、トミーとタペンス夫妻が、作品ごとに年老いていくのに、いつも素敵すぎる。

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    2019年05月06日