アガサ・クリスティーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレチムニーズ館の秘密に続きこちらも上流階級の言葉遣いが悪すぎてドン引き。まあ若手エリート外交官達が見たままの「ぼんくら」揃いでなかったのには安堵した。ダイイングメッセージでこっちが犯人だな目星をつけた状態で読んだので格闘も自作自演感がわかりやすかった。途中で自分が絞首刑になる運命とか言っているし。セブンダイヤルズの会合でロニーを事故死に見せかける噂が流布されて、それなら心配ない、と言うようなコメントが出ていたのは矛盾に見えるけど…
ポンゴが地味に好き。「私はなんと言われようと平気ですが」と平然と言ってのけるバトル警視の渋いキャラクターが好きだったのに、最後の現実離れした派手派手展開に驚愕。バンドルは本作の時点で爵位も継いでいるようだし、才気煥発な美女と恵まれすぎ設定だが、非モテ系に好かれ(前作に続き)そうでない人にスルーされたり、前作の初登場場面は「動く指」のミーガンを彷仏とさせ、終始とんちんかんな努力をしながらも憎めない感じだった。 -
Posted by ブクログ
毒針を使った空の密室殺人を暴け。
パリからロンドンに向かう飛行機の中で殺人が起きた。凶器は落ちていた毒針。飛行機内で蜂を見たという人も現れる。ポアロは犯人を見つけられるのか。
乗り物全般が苦手なのかポアロ。この当時、もしかして飛行機での旅行は珍しいものだったのか。吹矢で毒針を飛ばすなんてありなのか。トリックや犯行にはなんだかピリッとしない感じがある作品。
しかし最後まで止まらずにページをめくり続けてしまうのは、会話が面白いから。いい加減なマスコミ、パリで出会った2人の進展、あれこれと語り合うポアロと警部たち。さらに登場人物の独白も面白い。犯人とわかってからその人物の独白を読み返すと、ここにこんな意味があったのか、と驚く。犯行時の行動がそこに堂々と書いてあるのだ。
クリスティーすごいな、とまた思った。これはやはり全作品読むしかない。 -
Posted by ブクログ
やはりポアロには敵いませんでした。
誰が犯人でどうやって事件を進めていったのか、動機はなんなのか。
自分なりに考えを持ちながら読み進めていったのですが、ポアロに種明かしをされるまで、犯人にたどり着くことはできませんでした。脱帽です。
ミステリー小説は多くあるが、"実は時系列が違いました"、"実は女性でした"など"実は○○でした~"という終わり方が多いように思う。
でも、この一冊は本当にポアロと一緒に事件を追っていくことができ、事件を解く鍵も平等に与えられていく。それがとても面白く、読むことに没頭してしまった。
こういうのを正統派ミステリーというのだろうか。
名探偵になってみたい方は、是非挑戦してもらいたい -
Posted by ブクログ
ネタバレアガサは書き直しの際に割と犯人を変えるんだなと言うことを学習し、さすがこれだけ売れる作家はサービス精神が違うと思ってその辺も楽しみながら読んだ。
どれも悪くないけどさほど気にいったということもない四篇。そのうち3作はそこそこの長さと登場人物の多さで、空き時間にちょこちょこ読み進めていたのでやはり登場人物リストが欲しかった。最初の2作は事件ではなく、犯人というか首謀者に理があり頭も良くて感心した。3作目も同情できる犯人で、その辺と、見た目と違う真相、あたりがこの本のテーマになっているのかもしれない。
ミス・プレンダーリースは「ホロー荘の殺人」のヘンリエッタタイプ。
「謎の盗難事件」が意外と1番好みで、メイフィールド卿のような人いいなと思う。間取りがどことなくロジャーアクロイドの家と似ている?
「砂に描かれた三角形」というタイトルの訳し方が素敵だなと思った。ロードス島は当時イタリアだったんですね。 -
Posted by ブクログ
ミステリの女王クリスティには考古学好き、西アジア好きという一面がある。
舞台はエジプト、後にアマルナ時代と言われるアクナーテン王の治世。強大なアメン神官の力を削ぐために、アクナーテンはテーベからアマルナへ遷都し、太陽の神アテンを唯一の神として祀り始める。長い古代エジプト史の中でも謎とロマンに満ちた時代だ。個人的には、アクナーテンという王は、アケナテンないしアクエンアテンと表記する方が見慣れた気がする。
美術史上最も美しいとされるネフェルティティの胸像をキーに、クリスティはアクナーテンの哀しい物語を、虚実ギリギリのところで描いている。実は私の恩師がこの時代の専門家で、学生時代にはそれなりに文献も読み漁った。著名な考古学者で夫でもあるマックス・マローワンのツテでクリスティがエジプト学者にも監修してもらったという本作は、細かい点まで史実に忠実で驚かされる。あの時代の彼らはこんな風に話し、考えていたのかなと想像するだけでも楽しい。
クリスティの最晩年に書かれたこの戯曲にはミステリの要素はほとんどない。クリスティのエジプトへの憧憬が書かせた作品という気がする。