アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • 秘密機関

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    ハラハラドキドキの展開が面白かった。
    ラスボスというか黒幕においては、
    『あの人だな…』
    『えーっ!?そっち!?』
    『って、やっぱそっちかーっ!』
    ってな感じで翻弄されてしまった。


    トミーとタペンスにおいては、トミーが意味もなく(あるんだろうけど)カーッとなるところ、
    非常に人間味に溢れていて微笑ましい(感想そこかー)。
    二人とも好奇心旺盛で行動的で魅力的。
    本作品では二人の展開が途中で別々になってしまったけど、
    もっとずっと一緒にいて活躍しても良かったかな。

    あまり前知識が無いうえにクリスティー作品も二作目だから、
    勝手にわかった風に評することはできないけれど…
    アガサ・クリスティと言

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    2013年02月28日
  • メソポタミヤの殺人

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     再読。
     出来栄えは上々。キラリと光る名作。
     トリックは知ってしまえば「なあんだ」で終わってしまうかもしれない。西暦2000年をとうに過ぎた今、余りにも使い古された感のあるトリックでもある。しかし、有名なトリックというのは、思いもよらぬ「意外性」を持つから「再利用」が図られるのであり、既知だとして軽んじられるものではない。
     ストーリーも身があり、人物の思惑が交錯する様を描写する力量は、流石クリスティ。

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    2014年03月17日
  • アクナーテン

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    ネタバレ

    アメン神を中心とした多神教の古代エジプトを、アテンを唯一神とする一神教世界に変えようとしたアクナーテン。
    彼の思想はあまりに先進的過ぎ誰にも理解されない。
    誰にも理解されない理想を追い進む姿と、一国の王としての理想の姿とは一致しない。
    お互いを強く思いながらも、現実を祖国を憂うホムエルヘブと、理想を全世界を憂うアクナーテン二人の道は交わることはない。
    アクナーテンの悲劇のもとは最後の石工のセリフに凝縮されていると思う。

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    2013年01月22日
  • 邪悪の家

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    ネタバレ

     再読。筋をスッカリ忘れてしまったので読み直してみると……あら、不思議。だんだんと思いだしてくるものなのだ。良くあることです。
     表紙が可愛らしくなった為、前の『邪悪の家』と打って変わって、「邪悪さ」が半減(前の表紙は、まるでホラー映画の舞台の様だった)。
     これだったら、『エンド・ハウスの怪事件』の題の方が合いそうだ。
     後、この表紙の『邪悪の家』は新訳の様で、ポアロの口調は前よりもくだけたものとなっている。それに合わせて、ヘイスティングスも一人称は「俺」。

     内容は、申し分ない。実際、初めて読んだ時、おおっと度肝を抜かれてしまった(と言う割に、スッカリ忘れてしまった訳だが)。ストーリーの

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    2013年01月16日
  • ポケットにライ麦を

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    クリスティの真骨頂ですね。
    彼女の犯人の動機はお金か愛情のため、の大体二択なんですが(まぁ一番多い動機だとは思いますが)犯人を判らせずにあっと驚かせる。
    被害者がとてもかわいそうですが、犯罪の餌食になってしまった人は残らず可哀そうですね。

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    2012年12月28日
  • 黄色いアイリス

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    ネタバレ

    ポアロにミス・マープルにパーカー・パイン・・・
    クリスティオールスターズ(?)の活躍を描いた短編がいくつか入っていて手軽に読めちゃいます。
    ロマンチックな話が多くメロドラマみたいな雰囲気もあり。短いながらもクリスティならではの鋭い人間描写が冴えているので、やっぱり読み応えがある。
    「あなたの庭はどんな庭?」なんて、ちょっと味付けしてフランスで映画化してくれたら面白そう。(最近クリスティ作品、何故か仏での映像化が主?なので)
    というわけで、基本的には長編派なのだけどたまには短編も楽しいなと思いました。

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    2012年12月21日
  • メソポタミヤの殺人

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    中近東のノスタルジックな雰囲気と、魅惑の女性。そしてポワロ。
    ポワロはどうして、あんなにも変な人よばわりされるのでしょうね、ちょっと可哀想になります。

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    2012年11月27日
  • クリスマス・プディングの冒険

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    第7回福岡翻訳ミステリー読書会の課題本(課題作は、表題の短編のみ)。

    読書会が終わってから、詳しい感想を書く予定。

    ***

    読書会終了! いやはや、今回もツッコミどころ満載で(笑)とても楽しい読書会でした。

    クリスティーということで、代表作はほとんど読んでる~という人からこれが初めて、という人まで、読者層は割りとまちまち。
    私もクリスティを読むのはこれが4冊目だったので、先輩方のお話をふむふむと参考にさせてもらうなど。。

    さて、そんな楽しい会話の中で出たのは、以下のようなこと。
    ・クリスマス・プティングってそもそもどんなお菓子?
    ・クリスティはこの短編では、あまりミステリーを書く気

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    2012年11月20日
  • 秘密機関

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    アガサ・クリスティの初期作品を読み直してます。
    トミー&タペンスもの。

    デビュー作につぐ2作目とは気づきませんでした。
    読んだのはだいぶ後だったと思います。
    デビュー作で有名になったためか、このほうが明るくて広範囲の読者を獲得出来たのか、売り上げは倍増だったとか。

    戦争が終わって平和になり、活気づくロンドン。
    この戦争というのが第一次世界大戦。
    1922年の発行ですからね~。
    幼なじみのトミーとタペンスが、ばったり再会し、仕事がない二人で会社を始めようと「ヤング・アドベンチャラーズ」を名乗ります。

    トミーこと、トーマス・ベレズフォード。
    見た目は平凡だが感じが良く、冒険心はあるが真面目で

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    2012年11月14日
  • 予告殺人

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    ミスマープルものを始めて読んだ。
    秀作。この人のミステリーはやはり面白いと思う。
    映画”情婦”とポアロシリーズ(デビットスーシェ)がもう最高。

    どんな人生でもその人次第で良くも悪くもなる、的な言葉がとても重い。

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    2012年11月08日
  • 魔術の殺人

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    事件自体はシンプルで犯人はすぐに分かってしまったけど、事件が起きるまで、ミスマープルが話の中心だったところは、ちょっと新鮮だった。学生時代の友人を助けにいく話なのだけど、この友人がちょっと不可思議な人。その謎が分かった時は、ちょっと感動した。

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    2012年11月04日
  • ねずみとり

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    僕が最初に触れたミステリは、『シャーロック・ホームズ』と、『そして誰もいなくなった』だと思う。

    ミステリ界の巨人と言えば、コナン・ドイルとアガサ・クリスティ。

    そのクリスティの傑作戯曲と言えば、なんといっても、『検察側の証人』でしょう。

    ぐいぐい見るものの興味を引きつけ、一瞬たりとも目が離せなく、二転三転していくラストは、圧巻の一言。

    「エルキュール・ポワロ」シリーズや、「ミス・マープル」シリーズなどで、小説ばかりがどうしても目立ちますが、戯曲もけっこう書いていて、その中でも、ロングランを誇る作品として知られるのが、この、『ねすみとり』。

    実は、ミステリというのは、芝居にはしにくいん

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    2012年11月03日
  • ポケットにライ麦を

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    舞台が村ではないので、他のマープル作品のような牧歌的な雰囲気はなかった。それに被害者がミスマープルの知り合いということで、マープルも謎解きを楽しんでいるような明るさがなく、マープル物としては暗くシリアスな雰囲気。私はほのぼのした話の方が好きだけど、この作品のファンが多いのは納得。ラストは思い出すたび胸が詰まる。最初に読んだ時は、マザーグースは必要だったのか?と思ったけど、もう一度読み返してみると犯人の狡猾さを改めて感じた。

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    2012年10月31日
  • チムニーズ館の秘密

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    榛野なな恵の品のある絵がクリスティの雰囲気にぴったり。ファッションやお茶、小物、インテリアのデティールも凝っていて素敵。ストーリーもよくまとめてあって面白かった。このシリーズでもっと描いてほしいなあ。
    巻末の英国ファッション紹介も楽しかった。

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    2012年10月03日
  • 雲をつかむ死

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    個人的にはDVDで映像を見た後に小説を読んだ初のケース。どちらも面白い。ただし、西洋人の顔の見分けがあまりつかず、映像を見ても忘れてしまう自分の性質から、とても素直になぞ解きに熱中できたという特殊事情もあるだろう。

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    2012年09月30日
  • 殺人は容易だ

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    話の組立方が巧み。事件パート、捜査パート、推理パート、解決パート、それに加えてロマンスパート。それぞれを良いバランスと順序で組み合わせて、どんどんのめり込んでしまう仕組み。
    事件の内容は凄惨で醜悪だけど、気持ちの良いミステリ。

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    2012年09月29日
  • 予告殺人

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    ほんわかした雰囲気が良かった。何人も殺されるんだけど、凄惨な感じがまるでなく、マープルが楽しそうに事件を解決していた。クリスティもこんな感じのお婆さんだったんだろうなと思った。
    午後に生まれたからピップとエンマというのは意味が分からなくて調べたらP.M.をもじった言葉遊びらしい

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    2012年09月29日
  • ポケットにライ麦を

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    なんだか今回は、たちの悪い男に良いように操られる女性がたくさん登場した。
    一筋縄ではいかない犯人。しかも、皆その人物を、不審に思うことさえしなかったのだから。それこそ、自分がその手にかかる、その瞬間まで。
    ラストの二人の人物の台詞は、あまりに悲しい。そして、普段穏やかなミス・マープルでさえ、怒りに震え涙するのだ。

    ところでこの作品、ミス・マープルが探偵であるのはお馴染みだが、ニール警部もなかなか良い動きをしている。頭の回転が良くて誠実で正義感も強い。事前情報なしで、ミス・マープルを小馬鹿にしない警察官には、なかなかお目にかかれないと思うので。

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    2012年08月29日
  • 親指のうずき

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    たいへん面白かった。女史の作品の中でも佳作との評価は納得。
    推理小説としての醍醐味が味わえた。

    また、クリスティーの描く女性は本当に生き生きとしていて魅力的(タイプはだいたい決まってしまうけれど…)。
    今回の主人公も、とてもチャーミングで活動的。
    彼女自身がこのような女性だったのではないかと想像させられる。

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    2012年08月14日
  • 象は忘れない

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    久々にアガサ・クリスティー。
    夏の暑さを忘れるミステリーを急に読みたくなっただけだが
    そういえば小説の舞台はオリンピックに湧くロンドン。
    流れに乗っていた。

    1970年代になりポアロはずいぶん年を取ったが
    灰色の脳細胞は衰え知らず。
    ミセス・オリヴァもでてきて変わらぬ様子が嬉しい。

    昔起きた夫婦の銃殺遺体が見つかった事件。
    今になって暴かれる死の真相は?
    結末も満足のいくものであった。

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    2012年07月27日