アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • ポアロ登場

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    ネタバレ

    ポアロの短編集。イギリス人の名前に不慣れである(例えば、名前と愛称の対応関係が頭に残らない)ことが大きいのだけれども、人物関係を把握するのに毎話毎話少々時間がかかって大変だった。しかし、それを差し引いても、全般的に短くトリックをうまく仕掛けていると思う。ポアロがヘイスティング大尉をひたすら馬鹿にするのが読みたければ。

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    2021年11月22日
  • 青列車の秘密

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    ネタバレ

    ポアロの探偵もの。絶妙な引掛けが1つあり、そこに引っかかって真相にたどり着けなかった。とはいえ、クリスティとしての捻り具合は普通か。

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    2021年11月22日
  • 忘られぬ死

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    ネタバレ

    ちょい役が黒幕(この悲劇は誰の責任かと言うとこの黒幕の母親=愚鈍なのに割とちゃっかりしていて息子を甘やかし放題で極悪人にした被害者の伯母に負う所大だと思う)で、従犯者の叙述はアクロイド殺しと違ってアンフェアでは…また如才なく世の中をよく知っている女性が、いくら魅力を感じたにしても初めて会った悪人の話にころっと乗るのは現実味がない気がする。
    ただし一人ひとりの登場人物の書き込みが丁寧にされていて読み応えがあり面白かった。ファラデー夫妻の顛末は結局筋と関係なかったけれど結構感動した。でも途中でアレクサンドラが「あの時それを知っていれば、今はもう手遅れ」と言っていたのは、小説の半ばごろでいきなり犯行の告白のようにも取れるけれどそれにしては露骨すぎるし何なのか頭をひねった。結局何のことだったのか回収がなかった。彼女の印象についてケンプ警部が昔のキリスト教の聖者についての独白が斬新でアガサって意外とこういう人だったんだと思った。女優にキャンセルを伝えたのも結局ルースだったのか、どういう目的があったのかよくわからない。アンソニーの設定はひねりすぎ、レイス大佐は映画「ナイル殺人事件」の軽妙洒脱な陽性キャラクターがちらついてちょっと違和感。
    夫を除くほとんどの語り手からディスられていたようなローズマリー(キャラクターとしては白昼の悪魔の被害者に近い)だったが、落ちたバッグ の偶然は、万霊節の夜に彼女の意思が働いたような、人生これからの妹を守り、代わりに自分を愛してくれた夫を呼び寄せたとも取れ、残された妹が姉の想いに応える結びがほんのりじんとくる。

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    2021年11月27日
  • 検察側の証人

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    ラストにひっくり返りまくるミステリ。
    傑作です。
    戯曲テイスト、はじめて読んだけど、すっと読めたよかったです。

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    2021年11月11日
  • 火曜クラブ

    A

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    面白かった

    怖いねぇ、マープルさん。
    何もかも見透かされてるような気分になる。
    なにしろ証拠もなにも関係ないんだから。
    それでいて、確かにそうだよねと思わずにいられない。

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    2021年10月16日
  • ねじれた家

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    ネタバレ

    誰だ?誰だ?もう候補は上がりきったぞと思ってたらまさかのジョセフィン!
    全く候補に上げてなかった。
    そうだ、毒殺なら子供にもできる…。

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    2021年10月15日
  • 愛の重さ

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    アガサ・クリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で書いた小説はどれも面白い。人間の本質を突いている。
    どの小説にも存在するのが、物語の登場人物を冷静に見て、的確なアドバイスする人物。今回はポールドック氏がその立場のようだが、ボールドック氏の発言にアガサ・クリスティーが考えることが凝縮されているように思う。

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    2021年10月10日
  • 邪悪の家

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    終盤で明かされる謎達とその動機について読んだ時に、改めて序盤に戻って伏線の上手さに感動した。

    もう一度読んでもこの感動は得られないだろうから、記憶を消して読みたい1冊。

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    2021年09月25日
  • 愛の旋律

    A

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    面白かった

    ミステリーではないです。
    クリスティの別名義の作品です。
    みんな幸福をつかむチャンスはあったはずなのにね。
    でもそうはしなかった。
    望んで不幸になっているようにも見えるし。
    まあ幸せなんて本人の思い込みなわけで
    他人がとやかく言うものではないけれど。
    ほんとうの幸いってあるのかな。

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    2021年09月16日
  • 復讐の女神

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    ネタバレ

    クリスティ作品の登場人物で格別に印象深いラフィール氏、死後もなお大勢の人を振り回すのが彼らしく、懐かしくさえ感じる。前作の颯爽とした別れの挨拶の場面で既に計画が浮かんでいたのかな。終盤の守護天使は痛快だったが、ミス・テンプルも守ってあげて欲しかった…
    何が謎なのか探ることから始まる冒頭から、庭園ツアー参加者のアイデンティティ偽装も昔の作品よりひねりがあって面白い(怪しく見えて実は皆味方)。
    ただ核心となる事件が不自然で残念。自分勝手な偏執を愛と言ってしまう少女漫画的混同はいただけないし、女性犯人の動機として無理がある(女性ならライバルを襲っても当人に危害を加える事は無いのでは)。「書斎の死体」、火曜クラブの「舗道の血痕」「毒草」のモチーフが再登場で、その点毒草の犯人は自然。ポリゴナムの描写とノラの失踪で何が起きたかはピンときた。
    Nemesis は、かなわない、手強い人=ミス・マープルであって彼女の正義の嗅覚が主題だけどタイトルには「復讐の女神」が劇的で収まりが良いかな。
    冤罪が晴れる話についてはアガサは感慨薄めにするのが好きみたい?2万ポンドを当座口座に入れてパッと使うと言う思い切りよさがまさにミス・マープル。このさっぱりしたラストがシリーズの幕引きにふさわしい。その意味でも、アガサ・クリスティ解説本の巻末で、三部作説は海外文献に見当たらず、3冊目のタイトルとされているWoman’s Realmが、本作が掲載された雑誌名と一致しているらしい(どこかで混乱が生じた?)という話がミステリ的。

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    2021年09月18日
  • 七つの時計

    A

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    面白かった

    ケイタラム卿がいい味出してる、
    本筋とは関係ないけど。
    やはり見落としてしまった。
    気をつけて読んでいるつもりなのだが。

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    2021年09月07日
  • 雲をつかむ死〔新訳版〕

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    違う人を犯人じゃないかと疑ってたのでビックリした
    飛行機の中の殺人事件でしかも凶器が毒吹き矢とハチですごくおもしろいのだけど、その後の捜査はスピード感もなく淡々としていてウーンってなってた 犯人がわかったあともう一度読んだらかなり印象違いそう

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    2021年09月07日
  • カリブ海の秘密

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    ネタバレ

    早い段階で犯罪パターンが提示され、それに沿った行動をとっている人が犯人というシンプルな話ながら楽しめた。ミス・マープル物にしては出ずっぱり+情報収集のために作り話をしたり匍匐後退までして元気でアクティブ。ラフィール氏のコンビも良かったし、特に最後、空港で見送りの際の会話が、老いや死を笑い飛ばすようなからっとした格好良さで印象的。爽快な読後感。

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    2021年09月13日
  • 娘は娘

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    アガサ・クリスティーがメアリ・ウェストマコットの名で書いた母と娘の物語。

    娘の名付け親であり、母の友人でもあるローラの言葉が良い。淡々と語るその内容は、アガサ・クリスティーの考えそのものなんじゃないかしら。

    人間は結局のところ、自分自身しか道連れはいない、女は中年から開花する、仕事は自分自身から逃避する有効な手立てだということ、一つ一つが身に染みる。

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    2021年09月05日
  • 牧師館の殺人

    A

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    面白かった

    気をつけて読んでるつもりなのに
    どうしても見落としてしまう。
    事実をありのままに見るというのは
    難しいものですね。
    面白かったです。

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    2021年08月23日
  • マギンティ夫人は死んだ

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    ネタバレ

    出番は少ないけどモードウィリアムズはこれまで読んだアガサクリスティーの作品の中でも特に好きなキャラクターの1人。。文庫本291ページの「深みのある低音で話すかなり年配の男」は回収なし?

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    2021年08月21日
  • 未完の肖像

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    これは私の人生。

    母の死と夫の裏切りに心を閉ざすシーリアは、失踪事件を起こした著者の姿だと言われる。穏やかな婚約者を捨てて選んだダーモット。すれ違うシーリアとダーモット、産まれた娘はダーモットの性質を引き継いだ。孤独なシーリアが語る腕のない男の意味とは。

    ぎくりとする場面も多く、読むのしんどいこともあった。内気、自意識、夢想、色々なところに自分と重なるところを見つけた。シーリアの不安を我が事のように感じた。

    痛快な祖母グラニー。よき理解者の母ミリアム。自分ではなくダーモットの性質を受け継いだからこそ助けになる娘ジュディー。四世代に渡る女性の生き方を描いた作品とも読める。

    シーリアが指摘された小説家としての視点は、クリスティーも同じことを言われたのだろうか。これがまったくのノンフィクションでない以上、どれだけこの作品に真実の姿を探しても、クリスティーの肖像はまだわからないままだ。

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    2021年08月19日
  • 蜘蛛の巣

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    殺人事件は、基本的にコメディ。

    クラリサは、死体を見つけた。どうやら夫の前妻の子が手を下した可能性がある。もう少しで夫が外交上の要人を連れてくる。隠すしかない! 叔父や友人に協力を頼んで死体を隠したものの、謎の人物の通報により警察がやってくる。死体を隠した扉を開けられてもう終わりかと思ったら、そこに死体がなかった。さあ、クラリサはうまく警察をごまかせるのか?

    人が1人死んでいるドタバタ劇。出てくるキャラクターのクセが強いのはクリスティーのお約束。手がかりはちゃんとセリフやト書きの中にあり、犯人がわかってから読み返すとなるほどと思う。どこかで上演してくれないかな。

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    2021年08月02日
  • ねずみとり

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    ミステリーの女王アガサクリスティー戯曲
    1952年S27ロンドン初演以来2万回以上世界で最も上演させている作品。若き夫婦が山荘を開業させた日ロンドンでは殺人事件発生し犯人が逃走中山荘は大雪に見舞われ孤立にどこか怪しげな宿泊客がやって来てそして殺人事件が発生する。カーテンコールでは観客に筋書きの結末を漏らさないようにお願いしているらしいです。
    いつか日本でも上演していただきたいです。

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    2021年07月27日
  • ポアロのクリスマス

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    クリスマスに慈悲を。

    クリスマスに親類一同が集まった家で、老いた当主が血だらけになって発見された。手を下したのは家族なのか。ポアロはこの血みどろの事件をどう読むのか。

    解説にもあるが、クリスマスを思わせるアイテムをちりばめた話である。密室に誰かが外からやってくるというのはサンタクロースだし、真っ赤といえばサンタクロースの服である——赤い服を着たサンタクロースはアメリカの産物だけど。クリスマスに家族が集合すれば、善意よりも苦痛や憎しみの爆発が起こるだろうとポアロは語る。そうなればクリスマスは殺人事件にもってこいの季節だ。

    いかにも殺人トリックな作品なので、読み終わったときの満足感は十分。指し示された犯人もなるほどと思う。アリバイトリックはそこまでする必要があったのかなと思うが、まあ、もっと血を! という声に応えて書いた作品だと最初にあるので、そのしばりがあったからだと思えば。より洗練された作品を書いてきたクリスティーがあえてこういういかにもな殺人事件を書いたと楽しめる。血に飢えた方はぜひどうぞ。

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    2021年07月25日