アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
遺跡調査隊が発掘作業をしていたヤリミア遺跡で起こった事件を、看護婦エイミー・レザランが記録した物語です。
隊長である考古学者エリック・ライドナーの妻、ルイーズ・ライドナーに、死んだはずの元夫からと思われる脅迫状が届きます。周りの人はただのいたずらだと思い本気にはしていませんでしたが、ルイーズは恐怖に怯えていました。
そしてある日、本当に殺されてしまいます。
“外部の人間が奥さんの部屋にはいるには、入口の門を通って、中庭を横切らなくてはならないのです。だが、守衛とコックと小間使いの少年の一致した証言によれば、外からはいってきたものはいなかったというのです”よって、“犯人は外からはいってきたの -
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Posted by ブクログ
ポアロは四度も命を狙われたエンド・ハウスの所有者ニック・バックリーの安全を守るため、犯人を見つけようとします。しかし、犯行理由が見えず、起きる前に犯罪を見つけることはポアロにとっても困難きわまりないことでした。
そして、とうとう殺人が起きてしまいます。ただ、殺されたのはニック・バックリーではなく、彼女のいとこのマギーでした。ニックと間違えられたのです。
それにより、ポアロたちの仕事は“マドモアゼル(ニック)の身の安全を確保すること(p144)”から、“殺人犯を突き止める(p144)”という単純なものになりました。ポアロは論理的に動機を考えたり、ニックの周囲にいる人たちのリストを作ったりしま -
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Posted by ブクログ
モーヘイダーの二作を続けて読んでいたら気分が鬱いできたので口直しにクリスティを再読。彼女のミステリはコージーと思われているが、決してそうではない。現代にも通用する憎悪焦慮悲哀に再読しても(すっかり忘れてるんだけど)十分共感できて古びていない。
ただ、以前気がつかなかったびっくり箇所が!
若くてハンサムな××
空威張りはするけどさっぱりした××
ひとづきあいのよい××
落ち着いた、信頼のおける××
これってぜーんぶ彼女の作品の犯人じゃん!!
もう読んじゃったから私は良いけど未読の人の立場は?『アクロイド』に続く、いや、ミステリ界では更に罪が重い掟破りが?
と再読しても退屈しないクリスティは、好き -
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Posted by ブクログ
ネタバレアガサ・クリスティーがすごいのは、読者の犯人探しの視点を完璧に捉えていることだと思う。
この事件の中心は複雑な家族関係を抱えた豪邸水松荘。けれど冒頭は被害者の職場にあるタイピング室から始まる。結論から言うとタイピング室は事件に無関係で、冒頭以降の物語はすべて水松荘で展開される。
だけど、だからこそ、ミステリ好きの読者はその導入部分が気になってしまうのでは。タイピング室の人間関係や描写が軽快でわかりやすいのもそれを助長する。あのタイピング室は一体? 美人秘書のミス・グローブナーは事件後なぜ辞めたのか? もしや犯人はタイピング室に… と考えてしまう。
ミステリのトリック・種明かし自体はちょっと