アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • 邪悪の家

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    ネタバレ

    その家には何か邪悪な空気があった。

    ポアロが保養地で出会った美女ニックが命を狙われる。彼女を助けようとするポアロだが、惨劇は起きてしまう。代わりに殺されたマギー、命を狙われ続けるニック。犯人の目的は遺産なのか、嘘をついているのは誰なのか。

    「それ以外の人物」が犯人になるのはミステリとして反則である。正確に言えば、「今まで登場していない人物、もしくはその場にほとんど関係のない端役の登場人物」が犯人になるのが反則である。謎解きの最初で今回の犯人は反則では、と思った。しかし、反則ではなかった。真犯人は、ずっと登場し続けていた、端役なんかではない、とても重要な登場人物だった。

    読者がミステリの反

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    2021年05月04日
  • 牧師館の殺人

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    マープル
    ミスマープルの長篇初登場作。とても面白かった。自分はポアロよりマープルが好きだ。
    本編とは全く関係ないが冒頭のクリスティの孫による「『牧師館の殺人』によせて」に印象に残る文章があったのでメモ。マープルものの時代について「当時は、裕福でなくても普通に誰もが使用人を雇えていました」と描写している。現代日本の庶民からすると、え、使用人はその誰もには含まれないの?と思ってしまい興味深かった。因みに1943年生まれのアガサ・クリスティ社の理事長。

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    2021年04月30日
  • 無実はさいなむ

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    ストーリーは5人もの養子をしたお金持ちの老婦人が殺された事件、養子の一人が逮捕有罪となり(獄死している)2年が過ぎたころ、その犯人養子のアリバイを証明する人が遺族たちの住む館に訪れて、終わったことなのにいまさらどうなのと、事件蒸し返しのさざなみが立つ。

    ミステリー的には遺産相続をめぐってではない肩透かしはいいけれど、結局犯人も平凡のよう、しかしそこじゃなかった。相変わらずの人間観察力秀逸なクリスティーなのだった。

    経済力の豊かな女性に、様々の劣悪な環境から救われて清潔で立派な住居、栄養の行き届いた食事、潤沢な教育環境など、何不自由なく育てられ、いまや大人になった養子たちの心理状況はどうあっ

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    2021年04月25日
  • 邪悪の家

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    命を狙われているというのに、ポアロの忠告に耳を貸さず笑い飛ばすニック・バックリー。全編に漂う気だるく享楽的な雰囲気にすっかり飲み込まれてしまう。誰が?動機は?次から次へと浮かぶ謎!最後に一気に解き明かされていくさまは圧巻!
    『邪悪の家』という邦題からはいつも内容が思い出せないが、読み始めたらすぐにストーリーも犯人も動機もみるみる甦った!原題はPeril at End House、エンドハウスの災難というくらいの意味かな?

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    2021年04月19日
  • 書斎の死体

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    真犯人にはあまり意外性を感じなかったけど、クリスティ独特の人間模様の描き方が良かった。クリスティの作品を読めば読むほど、人生に深みが出る考え方を養っていけている気がする。

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    2021年04月16日
  • なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

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    素晴らしかった!
    ずっとマープルが出てくると思ってたけどノンシリーズだったのね。これ。
    素人探偵が好奇心と無鉄砲さと運で真実に近づいていく。
    まあ灯台下暗しだったんだけど。

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    2021年04月13日
  • 検察側の証人

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    元は短編だったのを戯曲へと書き直した作品。短い話だが密度は濃い。やはりクリスティーのサプライズの仕掛け方は見事。なかなか楽しめた。

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    2021年04月11日
  • 茶色の服の男

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    主人公のアンが若くちょっと生意気で、感情移入ができなかった。途中からペドラー氏の手記が織り込まれて物語が進められるが、そちらの方がよっぽど好感持てた。

    アフリカ大陸の知識がないため、地名が出てきてもピンと来なかったが、一度訪れればもっと楽しめたかもしれない。

    物語は悪くはなかったけれど、やっぱりアンの年上への態度が苦手…

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    2021年04月09日
  • ゼロ時間へ

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     物語冒頭に登場した、自殺未遂の男・マクワーター。本編に全然加わってこないし、「なんなんあいつ。」と思ってたら最後の最後に大活躍。

     最後のオチは、なんか急展開だなぁと思ったがまあ面白く読み終えられた。

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    2021年04月08日
  • パーカー・パイン登場

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    ネタバレ

    星新一のショート・ショートのような読み口
    ギリシャでは偽名を使う、で最後の話のフラグ建てとヒントになってるのすごすぎる
    最初の方はロマンスがありさえすればめでたしめでたしでいいでしょみたいなのを感じたけど、大金持ちの未亡人が農民になる話と死との約束のような嫌われ者夫人が毒をもられる話が好き
    貴族と農業の組み合わせ、今読んでる破滅フラグのカタリナ様じゃんってなった 計らずともメンタルと体の調子を整えるのに役に立ってるのね
    パイン氏のお話もっと続けてほしかったな〜

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    2021年04月06日
  • 愛国殺人

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    ネタバレ

    導入部が面白いポアロシリーズ19作目。世界一の名探偵でも歯医者怖いんだね(笑)

    以下ネタバレ

    ポアロ行きつけの歯医者の先生がポアロが受信した日に自殺。そして翌日に同じ日に受診した患者が死亡、別の患者は行方をくらます……歯科医院内で何かあったのかと思いきや、スパイやら国家機密やらなんだか物騒な流れに。
    タイトルからして革命家の方々のアレかと思いきや、めちゃくちゃ個人的な殺人でびっくり。スパイはミスリードだったのね。
    登場人物が多くて混乱気味やったけど、サクサク読めた。

    最後まで読んでからタイトルを見返すと思わず納得。
    そして私は最後のオチが好きでした。ポアロぽかーんやん(笑)

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    2021年03月22日
  • エッジウェア卿の死

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    ポアロは好ましくない相手でもきちんと仕事するんだよってことを言いたくてジェーンさんみたいなキャラクターを出したのかなと思った

    犯人が意外すぎてびっくり(毎回言ってる)

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    2021年03月12日
  • アクロイド殺人事件

    購入済み

    この版には見取り図が無い

    この翻訳は以前、角川文庫に収録されていたもの。紙の本をOCRで読み込ませて作成したらしく、誤植がかなり多い。(「ポワロ氏」の「ロ」が漢字の「口(くち)」になっていたりとか。)前後関係で判断できるので実害は無いけれども。早川書房版には、本文の途中のページにあった2枚の図版(アクロイドの家の見取り図とアクロイドの書斎の見取り図)が、この版には収録されていない。

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    2021年03月04日
  • 雲をつかむ死〔新訳版〕

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    ネタバレ

    最近病気して、全く読めていませんでしたが、ようやく読み終えることができました。

    今回も、女性が多く登場していましたが、それぞれの性格や気持ちが丁寧に書かれていて、探偵小説を読んでいることを忘れそうでした。

    裕福さを手放したくない美しいホーバリー夫人、ホーバリー伯爵を一途に想い続けるヴェニーシャ、親近感を持てるけれど賢いジェーン、どの女性達もとっても素敵でした。
    個人的にはもっとモリソー親子についても読みたかったです。

    ノーマンとジェーンが、クランシー(実際はポアロでしたが…)を尾行する場面からは、あちこち飛び回ったり、脅迫のふりをしたりと展開が早く、スパイ映画のようでした。
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    2021年02月23日
  • 三幕の殺人

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    ネタバレ

    1回目の殺人の動機がどうしてもわからないポアロ。本来の目的である2回目の殺人のためのリハーサルだったから、1回目に死ぬのは誰でもよかったということで、動機もクソもなかったらしい。ポアロが死ぬ可能性もあった。しっかり計画練った上でやってるわけだけど、間抜けなところもあったり、人が集まる場所で平然と殺しの練習しちゃうヤバさもあったりする。若い女の子と結婚したいからっていう動機もヤバい。

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    2021年02月07日
  • 蒼ざめた馬

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    前回読んだグレアムヤングが毒殺云々の件で、この本を読んでたとか、読んでないとか。

    他にもこの本はタリウムでの毒殺を扱っていて、タリウム殺人の構想の元になったんじゃないか?

    と言われてる作品。

    ならば!と読んで見たが。ただ単純に面白い!!!ミステリーとして最高に面白い!!!!

    海外のミステリーは背景があまりにも違ったり、名前が覚えきれなくて、誰が誰だったのかわからなくなったり、古い本だとさらに時代のバックグラウンドが違いすぎて、なんかなーって思うのに。
    全く古びない。

    ふつうにラストびっくりした!!!笑笑

    読みやすいのもある!なんかちょっとコミカルでもあり、その中で真剣に近づく恐怖に

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    2021年02月06日
  • 三幕の殺人

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    ネタバレ

    チャールズ、サタースウェイト、エッグの3人の人物メインで、事件の手がかりを探し歩くという、新鮮な展開でした。
    ポアロがあまり出てこないので、寂しい気持ちで読んでいました。
    今回は犯人の殺害動機が身勝手な上に、巻き込まれた牧師と患者があまりに可哀想でしたが、最後はポアロの推理できっちり締められていたので、すっきりした読後感でした。

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    2021年01月11日
  • 複数の時計

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    ポアロじゃない2人の人物の視点で話が進められていく。
    でも最後はやっぱりポアロがさらっと事件を解明していくのがさすが!
    今回もポアロの自惚れ具合にクスッとした。

    今回の語り手の一人が殺人犯とは別に、ある人物を探していた。
    最後にそれも明るみに出るけど、予想外の人物で驚いた。
    さらにその人は他の人とも縁ある人だったり…
    最後の最後にビックリさせられた。

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    2020年12月06日
  • スリーピング・マーダー

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    ミス・マープルもの。

    結婚を機にイングランドへ移住し、新居を探していたグエンダは、初めて見るはずの家の内部に既視感を抱きます。さらに後日見た芝居のある場面からその家で起こった恐ろしい記憶が浮かんできて・・。
    グエンダの夫のいとこがミス・マープルの甥夫婦だったという事もあり、この“回想の中の殺人”の解明にミス・マープルも手助けすることになります。
    封印された記憶に眠る殺人が掘り返される過程で、グエンダの継母の人生と関わった男性たちが浮かび上がってきて、皆怪しいような怪しくないような・・。
    真犯人については、そのトリックにまんまと目くらましされて、解った時は“あんただったのか!”と、我ながらクリ

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    2020年11月27日
  • カーテン

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    ネタバレ

     あのポアロが犯罪に手を染めるの、寂しい感じ。でもテーマとしては面白かったな。どれだけ計算してても、他人の心を操るのがこんなにうまくいくものかと思ったけど、法に触れずに他人を引きずり込む悪の存在をありありと感じた。多くの人は他人の発言に少なからず影響を受けるし、相手が善良そうに見えればなおさらだと思う。特に、何か運命的なものを感じたら直感ですぐに行動するタイプだと、仕組まれた悪意に気付かずに罪を犯してしまいそう。

     ポアロとXの戦いはどっちが勝ったと言えるのだろう?結果的に先にXが死んだから、一見ポアロが勝ったように見える。だが、人の心理を操って犯罪へ導き、人の生死を左右するのがXの目的なら

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    2022年08月29日