アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • パディントン発4時50分

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    ミセス・マギリカディは、ロンドン発の列車の窓から、並走する列車の客席で男が女を絞殺する現場を目撃する。
    友人のミス・マープルに相談し警察に相談するも、翌日になっても死体すら見つからない。
    そこでミス・マープルは、有能で知られる家政婦のルーシーを雇い、件の列車の沿線にある邸宅に潜入させ、死体を捜索する。
    ほんの僅かの間並走する列車の中で行われた殺人、見つからない死体、沿線の邸宅に目をつけるミス・マープルの推理力、マープルの手足となって活躍する自立した女性ルーシー、被害者の足跡を辿るためフランスに乗り込むスコットランドヤードのクラドック、そして個性豊かなクラッケンソープの一族。
    「老いを感じる」と言いながらも、序盤からかなり能動的にミス・マープルが活躍する。死んだ女性の正体にも捻りがあって最後まで真相がわからないところも巧妙。

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    2024年03月16日
  • スリーピング・マーダー

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    出版社と著者の契約に基づき、クリスティの死後に出版されたミス・マープル・シリーズ最後の一冊。犯人探しの楽しみはもちろん、そこに描かれる時代がかった風景、冒頭のホラーにも似た展開、様々な性格の登場人物たち、そして控え目に大活躍するマープルと、マープルシリーズの魅力を詰め込んだ、まさに大団円にふさわしい一作。恩田陸の解説(というか随想)も良い。

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    2024年03月16日
  • 杉の柩

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    ネタバレ

    エリノアは絶対犯人ではないし、登場人物の中に必ず犯人がいる!とわかっていたのに、最後まで真犯人が誰かわからなかった……
    紛失したモルヒネ=殺人に使われたモルヒネだと確認されてないことや、バラのトゲで怪我したのだという言葉…絶対何か関わってくると思いつつ、同じように出された車の目撃情報などは推理を惑わせる情報で、あーーこのバランスがうまいんだった…アガサ・クリスティーの小説は…と思った。

    事件そのものも面白かった。登場人物たちはそれぞれ個性があるし、あとがきでも言及があるように、一昔前のイギリスの「階級が人の性格をある程度決める」という要素もあり、この感覚はこの時代の小説ならではの空気を出していて好き。
    解決パートが裁判の尋問形式で進むのも面白かった。ポアロの推理披露がみたいという人には物足りないかもしれないけど、それでもポアロのかっこよさは少しも損なわれていない。
    物語を半分読み終えてポアロが登場しただけで、そのかっこよさにワクワクした!

    ただ途中でポアロが察しの悪いロード医師にイライラする場面では、わたしも同じようになにもわからなかったので、「ごめん…」と思いながら読んだ。

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    2024年03月15日
  • ポアロ登場

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    ポアロの短編集。「スタイルズ荘の怪事件」の後くらいらしく、全話でヘイスティングスが登場する。ジャップ警部もときどき登場してくれる。
    ヘイスティングスが相手だと、ポアロがいつもより少しお茶目なのかな? ホームズ&ワトスンみたいな良いコンビで微笑ましい。何冊かポアロの長編を読んだことがあるけど、ヘイスティングスは登場しなかったので、こういうポアロはちょっと新鮮な感じがした。

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    2026年01月22日
  • 鳩のなかの猫

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    ネタバレ

    これまでの作品の中で、トップクラスに犯人の目星がつかず、思考を巡らされた作品だった。
    怪しいと思われる人が殺されたり、白と思われている人が実は怪しい人のうちの1人だったりと、面白い論理の展開だった。

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    2024年03月11日
  • 予告殺人〔新訳版〕

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    ネタバレ

    旅のお共として。ミス・マープルの長編。面白かった。人気作というのも頷ける。レティとロティが出てくるのにも気付いてたけど、単なる言い間違いかと思ったよ。これが翻訳物じゃなければもっと気になったのかも。最初の殺し方はすごいし、そんな理由で昔の友達を殺しちゃうの?と。でもドーラの性格上、よく1年も我慢できたな、とも思う。結局金なのか。

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    2024年03月07日
  • 秘密機関

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    若きトミーとタペンスの冒険劇。ポアロやミス・マープルの王道ミステリとはまた別味のするスリル溢れる展開に謎。クリスティ長編2作目だという今作は隠れた名作。

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    2024年03月06日
  • ポアロのクリスマス〔新訳版〕

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    ネタバレ

    富豪の一族が集まるクリスマスイブに偏屈な老当主シメオンが殺された。部屋は密室なのに明らかに自殺とは思われない殺され方…犯人は一体?
    スーシェのドラマを何度も観ていたので犯人もわかっていたから楽しめるかな?って思っていたけど、ポアロが出てきてから一気に読めた。というか、シメオンが嫌な奴すぎて進められなかったというのもあるかも。
    ドラマとは確か3兄弟だったのに原作は4兄弟でビックリしたし、他にもいなかった登場人物が…ただ、カタカナの名前を覚えにくい私なので4兄弟プラス3人の妻、誰が誰なのかなかなか大変でした(・・;)

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    2024年03月02日
  • 書斎の死体

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    ネタバレ

    作品の書かれた1940年代ですでに、「書斎の死体」はお決まりのモチーフであったようで、クリスティの茶目っ気が楽しい。

    犯行現場が書斎であることが、全く偶発的なことという外し方。真相は複雑に絡まっているけれど、利害のある関係性に気付き、動機や犯行方法を明るみにしていく手腕がお見事。

    替え玉として選ばれてしまった、罪のない女学生を思うと悲しさが残る。

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    2024年03月02日
  • 死人の鏡

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    『厩舎街の殺人』『謎の盗難事件』『死人の鏡』『砂にかかれた三角形』が収録された短編集。
    ちょっと長めの短編だったので、どの話も読み応えがあって、でも割と気軽に読めました。

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    2024年02月16日
  • なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

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    前に読んだことがあったんだけど内容を忘れて再読。
    エヴァンズに何を頼まなかったんだっけ、、、って感じで読んでたけど結局最後まで思い出せないまま初めて読んだみたいに楽しめた。

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    2024年02月12日
  • スリーピング・マーダー

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    眠れる獅子を起こすと厄介な事になる。それは誰もが胸に留めるべき教訓なのだけど、本作で起こしてしまうのは殺人
    誰も殺人と思わなかったワンシーンが一人の女性の回想により突如起き上がる。序盤は唐突に、そして話が進む毎にゆっくりと殺人犯の足音が忍び寄る様子にはクリスティーの熟練さがそこかしこに活きていると感じられるね

    本作の他にも殺人と思われていなかった過去の事件が現代に殺人として蘇る事件はクリスティー作品には幾つか有るけれど、本作の場合はそもそも事件とすら思われておらず、被害者のヘレンは駆け落ちしたと殆どの者に信じられていた点が特徴
    グエンダ自身もこれまでヘレンの事など欠片も覚えて居ないどころか、殺人現場に自分が居た事すら覚えて居なかった
    なのにとある台詞を聞いた瞬間から彼女は眠れる殺人の存在を確信するわけだ
    その導入はホラー感が有りつつも、幼少時の鮮烈な記憶が残っていたという納得感が有る為に読者にも眠れる殺人の存在を確信させるもの

    本作を面白くしているのは殺人を思い出すグエンダの存在だけでなく、彼女と共に事件を探るジャイルズの存在が有ってこそだね
    若い新婚夫婦が選んだ家は妻が昔住んでいた家でおまけに殺人が有ったらしい。それに興奮して余計な捜査を始める二人の様子はかなり危なっかしくて他のミステリならば被害者候補に成りかねないもの
    だというのに、ジャイルズは意外な賢さを見せるし、グエンダも素晴らしい直感によって選ぶべき道を選んでいる
    また、田舎のお婆ちゃん感たっぷりのマープルが二人を支えているものだから、尚更に事件だけじゃなく事件に接する主要人物も魅力的に感じられる作りになっている


    本作の主題となる眠れる殺人はとあるポイントを過ぎるまで本当に殺人が有ったのかあやふやままに展開する。唯一頼りになるのはグエンダの曖昧な記憶だけ
    だから関係者も時には読者でさえも「本当に殺人が有ったのか?」と疑いながら捜査は進んでいく
    そのような展開だったからこそ、眠れる殺人が起き上がり過去に関係する人物に牙を向いた瞬間には恐怖すら感じられ、その恐怖の正体が解き明かされた瞬間には興奮を覚えずに居られない

    本当に上手い構成になっている作品ですよ

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    2024年02月10日
  • 予告殺人

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    ネタバレ

    犯行可能なのが一人しかいないが、この人は犯人であってほしくない…と読み進めていたら、そもそもの前提が間違っていた。誤植だと思っていた箇所は誤植じゃなかった。

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    2024年02月04日
  • メソポタミヤの殺人

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    ネタバレ

    レザラン看護婦がヘイスティングズより優秀なので、ずっと助手しててほしいな…と思った。しかしコールマンとくっ付くとは思わなかった。
    珍しく金目当てではない愛の殺人だったが、犯人の執念が怖い。塩酸飲んで死ぬの嫌すぎる。

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    2024年02月04日
  • ナイルに死す

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    ネタバレ

    映画を見たので犯人は知っていた。行動に至るまでの経緯とかはすっかり忘れていたので楽しめた。途中までエジプト旅行記なので、殺人事件が起こるまではゆったりしている。リネットは悪人ではないが、個人的には同情できる被害者ではなく、逆に3人殺したジャクリーヌ(+サイモン)の方に共感してしまう。

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    2024年02月04日
  • ホロー荘の殺人

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    ネタバレ

    ヘンリエッタのことを読み進めるうちにどんどん好きになっちゃうので、犯人だったらどうしようとヒヤヒヤしていた。犯人でも探偵でもないのに主人公すぎる。ジョンは人好きのする性格ではないのにモテてるのが不思議だが、クラブトリーばあさんの態度を見るに、ヘンリエッタと同じくらい義理堅かったんだろうな。

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    2024年02月04日
  • 火曜クラブ

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    ネタバレ

    ミス・マープルが短編で13の事件をサクサク解決していく。「青いゼラニウム」と「四人の容疑者」は流石にちょっと無理があるのでは、という気がする。「動機対機会」と「クリスマスの悲劇」は好き。ミセス・バントリーはお話しするのが苦手と言いつつも一瞬で仮名を考えてるのがすごい。

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    2024年02月04日
  • 書斎の死体

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    ネタバレ

    グレイク嫌な奴だな〜と思っていたが、マープル先生のセリフで大佐と同じくアッサリ印象わ引っくり返されてしまった。人生の巻き返しをはかる人間の多い事。
    バントリー夫人はゴシントンホールで殺人なんて二度と起こりはしないと言ったけど、二度目あるんだよな…。

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    2024年02月03日
  • 動く指

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    ネタバレ

    ミステリよりロマンス成分が多め。途中までミーガンが犯人と思ってたのでハラハラしていたが、全然当たっていなくて逆に安心した。冷静になると犯人の動機がゲスい。マープルはゲストキャラ的扱いだったが、これはこれでいいかも。

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    2024年02月03日
  • ゼロ時間へ

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    ネタバレ

    犯人が怖すぎる…。真相が分かってからはオードリーがただただ気の毒。やたらトマスとメアリーの会話が多いと思ったらそこがくっついたので、納得した。冒頭のシルヴィアの話関係あるのか?と思っていたらしっかり拾われて脱帽。

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    2024年02月03日