アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • 雲をつかむ死〔新訳版〕

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    【ポアロ】
    パリからロンドンに向かう飛行機の中で事件は起きた。人が密集している狭い飛行機の中でどうやって殺人をしたのか?
    見つかった凶器も謎だらけの、まさに「雲をつかむ」ような事件。
    大好きなクローズドサークルで起きた事件に恋愛要素も入ってきて楽しめた。

    解説はなんと大好きな阿津川辰海さん!
    久しぶりの阿津川さんにめちゃくちゃテンション上がってしまった。
    ファンだから言うのではなく、本当に過去イチわかりやすい解説だった。

    まず、阿津川さんも同じクリスティー攻略本を読まれていることに驚いた。
    そして、それぞれの主要メンバーの心理描写が描かれている所を親切にページ数まで教えてくれる。読者はそのページを振り返ると伏線に気が付くことができる。

    なんてわかりやすい楽しい解説なんだ!
    2度読みすると、ちゃんと書いてあるから面白いんだよなぁ。

    阿津川さんの解説を読んで更に物語の深みに気が付くことができた。ミステリーの読み方を教えてもらえると、こんなに面白くなるんだ。
    教え方がとても上手な先生に教えてもらったような感じで最後まで楽しかった。
    ★3.5

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    2024年07月19日
  • 死への旅

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    クリスティー文庫その90。冒険スパイ小説と謳われてるけど、かなり冒険寄りだった。しっかりとミステリー要素も加えてるところは流石だと思った。

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    2024年07月19日
  • 死が最後にやってくる

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    クリスティ劇団に所属する名優たちが、それぞれの役をしっかりと熱演する良作。全てが型通りのため、ある程度犯人は読みやすく難易度も低めだが、予定調和的な心地良さがあるのも事実。エジプトという舞台に現代風のアレンジが加えられ、クリスティ作品を読む上での味変作品としても貴重な一作。

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    2024年07月17日
  • 書斎の死体

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    【マープル】
    マープルの女性ならではの鋭い視点は、私も女性なので共感できる部分が多かった。
    ポアロにはなかった面白い視点だった。

    ポアロはプロの職業探偵なのに対して、マープルは素人のおばあさん。
    「私の知っている○○さんはこうだったのよ」という、年の功的な推理の仕方が個人的には説得力に欠けるなぁと思ってしまう。
    やっぱりポアロの灰色の脳細胞の推理が好きだなぁ。

    キャラクターでは、ポアロは自分で「偉大な名探偵です!」と言いきる可愛らしさが好きだった。
    マープルはあまり自分を主張しないので、キャラクターがまだ捉えづらい。
    自分的にはもう少しアクの強さというか、パンチを求めてしまう。

    そして、ポアロは上流階級の人達中心の話だった。一族の上品な人達の秘密めいたものを見るのが好きだった。イギリスの上流階級の優雅な暮らしにも興味があって、その部分も楽しんでいた。
    対してマープルは庶民中心の話。
    自分も庶民なのでそんなに目新しさがない。
    村の人のゴシップも個人的にあまり好きになれない。

    マープルにはマープルの良さがきっとあるはず。ポアロと比べてるからいつまでも楽しめないんだ…。
    Audibleのマープル作品は少ないので残り3作品。マープルの良さを見つけたい。
    Audibleにて。

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    2024年07月17日
  • 海浜の午後

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    【戯曲】
    戯曲の短編集3作品。
    ただでさえ短い戯曲なのに、233ページの中に3作品もある。サクッと読める。

    短いのにひねりがあって、予想外の展開が楽しめる。

    特に『患者』が面白かった。
    舞台で観たらもっとドキドキして楽しめそう。

    ◆あらすじ
    バルコニーから転落した後遺症で、口も聞けなくなった女性に医師がある実験をすると…

    解説の柳原慧さんは、クリスティーで1番好きな作品は『ホロー荘の殺人』だと書いてあった。
    私もちょうど前日に『ホロー荘〜』を読んでNo.1だとレビューしたので、タイミングが良くて驚いた。
    『ホロー荘の殺人』は有名ではないし、そんなに1番に選ばれそうにない作品なのに、同じ気持ちの方に解説で出会えてすごく嬉しかった。

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    2024年07月17日
  • 牧師館の殺人

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    【マープル】
    初ミス・マープル。
    冒頭でクリスティーの孫が、ポアロとマープルの違いや魅力をわかりやすく教えてくれた。

    大きな違いは、ポアロがベルギー人で、マープルはイギリス人というところかな。

    イギリス田舎の小さな村が舞台。
    語り手の牧師が主人公で、マープルの出番は意外と少ない。初回だからか、マープルの扱いは他の村の人とあまり変わらない。

    初回のマープルのキャラクターはかなり薄味。いたって普通のおばあさんだったので、少し面食らった。
    『アクロイド殺し』のお姉さんみたいな、癖強めのキャラクターなのかと思っていたら全然違った。

    小さい村で起こっているせいか、ポアロシリーズと比べると地味に感じる場面が多かった。
    まだマープルをどうやって楽しんだら良いのかわからなくて、登場人物にもあまり感情移入できなかった。
    これからのマープルの活躍を期待して次を読もう。
    Audibleにて。

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    2024年07月17日
  • 火曜クラブ

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    ミス・マープルは普通の田舎の老婦人で、探偵でも警察でもない。だが、自分の経験したことを頭の中でつなぎあわせて、その場に居合わせたわけでもないのに、話を聞いただけで真実を見抜いてしまうのだ。このような短編集においてはピッタリの役だと思う。

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    2024年07月12日
  • 死との約束

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    死との約束ってなんだろ、
    と思いながら読み始めた。
    毎回クリスティーの小説を読み始める時は「伏線1個1個ぜんぶ拾う気持ちで行くぞ!」と気合を入れる。
    しかし、必ず裏切られる!
    え~そっちなの??????と思わされる。
    それなのに納得がいく。
    遠い昔のページに書いてあった一文を思い出して、
    やられた…と膝から崩れ落ちそうにはならないが、そのくらい良い意味で期待を裏返される。
    アクロイド殺しの時と同じような感覚というか、
    あ~そんな情報あったなと。
    最高。
    ただ、亡くなったボイントン夫人のサディズムについて、もう少しだけ作中で彼女の人生を濃く教えてもらえたら、更に更に大好きな作品になっただろう。

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    2024年07月10日
  • 満潮に乗って

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    1948年発表。ポワロシリーズ第23作。突然潮目が変わり、大海原に投げ出されたクロード一族の面々を中心に、波乱に飛んだストーリー展開が面白い。事件自体のご都合主義っぽい特性もトリックに一役買っており、クリスティの巧者ぶりが遺憾なく発揮されている。終戦後の作品でもあり、世界規模の人殺しを経て、平和を取り戻した人々の悲劇が描かれている。生き残った人々もまた戦争の被害者だとでも言いたいのだろうか?

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    2024年07月08日
  • 雲をつかむ死

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    これは誰が犯人か覚えてた。確かこの後のどこかの話でこの事件の犯人書かれてるんだよね笑 さらっと書いてあるから気に留めなければ忘れる程度だけど、順番に読むとそういう楽しさもあるね。

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    2024年07月08日
  • 海浜の午後

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    海辺の午後
    患者
    ねずみたち の3編からなる戯曲集。
    中でも面白かったのは『患者』
    予想とは違ったラストにビックリ。人物の紹介の仕方も上手いなと思いました。
    わがままを言うならば、戯曲集ではなくて、小説として読んでみたかったです。

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    2024年07月07日
  • 招かれざる客

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    【戯曲】
    クリスティーの戯曲。230ページ。

    二転三転して最後には驚く結末が待っている。
    登場人物の心情は一切語られていないので、誰が本当のことを話しているのか全くわからない。やはり登場人物みんな怪しい。

    犯人がわかってからもう一度読むと、その時のそれぞれの心情が想像できるので、2度楽しめる。

    でも読み終わってしばらくしてから、真犯人は本当に真犯人なのか?とも思えてきた。
    最後まで心情が描かれていないので、犯人が本当のことを言ってるのかどうかは読者にはわからない。
    そう考えるとまた違うストーリーが自分の中で生まれてくる…。
    ★3.5

    ◆あらすじ
    車が動かなくなり、男は近くの屋敷に救助を求めて訪れる。しかしそこには屋敷の主人の死体と、銃を持って立っている美しい夫人の姿が…

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    2024年07月07日
  • ポアロのクリスマス

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    【ポアロ】
    クリスティの義兄からの、最近の作品が洗練されすぎてきて貧血症的になってきたとの指摘と、「もっと血にまみれた、思いきり兇暴な殺人を」という要望に応えて書かれた作品。

    この指摘に「これでどうよ!」みたいな若干キレ気味なのか、いつものクリスティらしくない感じがする。
    ・血まみれ
    ・唯一の密室殺人
    ・トリック(全くクリスティらしくない笑)

    義兄の要望に応えつつも、クリスティらしさも出しながら要望以上の作品にしてしまうクリスティはさすが!

    犯人当てもかなり凝ってて、これでもかと言わんばかりのてんこ盛り。
    モリモリな感じが他の作品とは何となく違う。クリスマスだし、義兄も読者も王道ミステリーで喜ばせようというクリスティのサービス精神を感じた。

    最後は連続ドラマの最終回のような感じで、読後感が良かった。
    ★3.5

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    2024年07月02日
  • バグダッドの秘密

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    ネタバレ

    主人公のヴィクトリアは、「トミーとタペンス」のタペンスのような、クリスティ作品でよく登場するアクティブな女性。
     冒険心に富み、行動力があって非常に勇敢。タイピストとして雇われていたが、雇い主のモノマネで同僚を笑わせているところを本人に見られて仕事をクビになる。これからどうしようかと路頭に迷っていたところで出会った青年に一目惚れし、彼を追ってバグダッドへと飛ぶことを決意。しかし運賃すら払うお金がないので、経歴を詐称して裕福な夫人の付人として飛行機に乗り込む。
    一目惚れした青年に再び会うという目的のためだけに、諜報員として活動したり学者のふりをして発掘現場に潜り込んだりととにかく行動力に溢れている。命の危険にさらされながらも咄嗟の嘘や機転で乗り切るなど頭の回転も早い。
    最終的に、一目惚れした青年は自分を欺く敵だったことを知り落胆するも、違う青年と結ばれることになるので結果オーライ。
     飛行機の離陸シーンが臨場感に溢れていて印象的だった。

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    2024年07月01日
  • 秘密機関

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    小説に対してのコメントにはふさわしくないかと思うが、映画のようなドキドキ感・満足感が得られた。トミー&タペンスの他の活躍が気になる、そんな思いを持たせてくれる良い作品。

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    2024年06月29日
  • エッジウェア卿の死

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    【ポアロ】
    今回は登場人物にあまり魅力を感じないと思っていたら、犯人の手記で一気に忘れられない犯人になった。
    こういう終わり方は今までにはなくて、最後にグッと面白みが増してさすがクリスティだった。
    犯罪がバレたきっかけが犯人の生き様を見事に表していて本当に上手い。クリスティのこういう人間の描き方が好きで、また次の作品を読みたくなってしまう。
    ★3.5
    Audibleにて。

    あらすじ
    ポアロはある女優から貴族の夫との離婚を手助けしてほしいと頼まれるが、その夫はまもなく殺されてしまう…

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    2024年06月29日
  • 殺人は容易だ

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    この作品にはポアロもミス・マープルも登場しない。元警官の素人探偵ルークが主役である。名探偵でなく素人探偵だからこそ、読者を欺かせる仕掛けがある。クリスティの作品は奇抜な密室トリックや巧妙なアリバイトリックなどミステリー好きなら一度は触れたことのあるお決まりのものは少なく、むしろ些細な勘違いやキッカケにこそタネがある。また、本書のタイトル「殺人は容易だ」はインパクトがあり、また内容の核心を端的に表現している。

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    2024年06月28日
  • 白昼の悪魔

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    【ポアロ】
    孤島の高級リゾートホテルのクローズドサークル。大好きなクローズドサークル!

    宿泊客同士の人間観察のゴシップが面白い。でも人の噂話は表面しか見えてなかったりする。

    今回はクリスティー作品で初めてトリックに少し気付いたものの、怪しい人だらけなのでやっぱり最後まで犯人はわからなかった。
    解決編ではパズルを一つずつはめていくようなポアロの推理が美しかった。

    孤島クローズドサークルなので、次々と起こる殺人を期待⁉していたけど違った。
    自分も旅行している気分で楽しめた。
    美しい風景のこの作品は今度ドラマでも見てみたい。

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    2024年06月26日
  • 予告殺人〔新訳版〕

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    ネタバレ

    ミスマープルシリーズでは最高傑作と呼ばれているらしいけれど個人的にはあまり刺さらなかった。他のミスマープルシリーズをよく読んでいるせいかもしれない。
    犯人が意外なところから出てくるのはお約束通り。原著で読めるなら、そっちを読んだ方が細かい伏線に気づけるかも?

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    2024年06月25日
  • 教会で死んだ男

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    戦勝記念舞踏会事件
    潜水艦の設計図
    クラブのキング
    マーケット・ペイジングの怪事件
    二重の手がかり
    呪われた相続人
    コンウォールの毒殺事件
    プリマス行き急行列車
    二重の罪
    スズメバチの巣
    洋裁店の人形
    教会で死んだ男
    ポアロもの11編、ノンシリーズの怪奇もの1編、ミス・マープルもの1編の短編集。
    話が多くて読み終わる頃には、この話はどんなのだったかしら?なんて言うのがいくつか。
    『スズメバチの巣』はスズメバチの巣を駆除するのに使用する青酸カリを巡る話。一風変わった内容でラストも含めて、この短編集の中で1番好きなお話です。

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    2024年06月23日