アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • 蜘蛛の巣

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    【戯曲】
    クリスティーの戯曲。
    戯曲は短いので時間がない時にもサクッと楽しめて良い。短いのに二転三転して面白い。

    この作品は倒叙のような感じもあり、コメディータッチなので明るくて、三谷幸喜さんぽい。
    今まで読んできた作品とは違うクリスティーの新たな一面だった。

    登場人物みんな明るいキャラクターなのが楽しい。勝手に三谷さん作品で毎回出てくる役者さん達を想像しながら読んだ。

    攻略本にも書いてある通り、舞台ならではの「志村、後ろ〜!」的な面白さが味わえる作品だった。これは舞台で観てみたらもっと面白いだろうな。
    最後もコメディー舞台らしい感じで、読後感も楽しかった。

    ◆あらすじ
    外交官の夫からおしのびで賓客が屋敷を訪れると聞かされた妻のクラリサ。急いで準備するクラリサは部屋で死体を見つけてしまい…。

    ※この作品も裏カバーのあらすじに全部書きすぎなので要注意です。

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    2024年07月10日
  • 検察側の証人

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    1933年発表の短編集『死の猟犬』に収録された短編を戯曲化した作品。短編よりもキャラクター一人ひとりの個性が際立っており、読み応えがある。また戯曲オリジナルの脚色もスリリングで"演出家"クリスティの手腕も堪能できる傑作中編ミステリ。

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    2024年07月09日
  • 満潮に乗って

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    「満潮に乗って」
    なんてミステリー小説には、似合わないタイトルだこと……。

    全てが顔見知りのような田舎
    一代で富を築いた男の死と、遺産をめぐる親族と若い妻。
    ポアロは単に人の話を聞いてまわるが、読んでいる読者は「たぶんこうだ」と思うもののなかなか辿り着けない。
    だって満ち潮に乗って(勢いにまかせて?)事件を起こすミステリー小説があるはずが無いって先入観があるから。

    これが成立するのは、作者の巧みなわざと登場するひとりひとりの魅力が、読んでいる者をずっと惹きつけているから、と、ラストシーンを読み終わって感じた。

    終わってみたら、結構面白いお話でした。

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    2024年07月09日
  • 死の猟犬

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    いつも読んでるポアロシリーズとは全く違ったお話ばかり。解説では怪奇幻想小説の括りになってました。アガサさんはこういうのも書いてると初めて知ったので驚き。ゾッとする結末や後悔に苛まれる結末や、なんとも言えない歯痒さを残す作品など、どれも面白かったです。

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    2024年07月08日
  • ねじれた家

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    1949年発表、ノンシリーズの一作。作者自薦のベスト10にも挙げられる屈指の名作。なんだろう、ものすごく尖ったところがあるわけではないが、2度と忘れることができないような、重く鈍い衝撃と余韻がある。謎解きの苦味と、語り手の底抜けの馬鹿らしさと愚かさ、ねじれたまま元に戻らない無情さ、それらの一体感。それら苦味こそ、本書の旨みかもしれない。

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    2024年07月08日
  • 蒼ざめた馬

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    途中までなんとなく予想出来たけど、やっぱり最後はおまえかーい!ってなった。
    タイトルがいいよねほんとに

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    2024年07月06日
  • ゼロ時間へ

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    【ノンシリーズ】
    ポアロじゃない「ノンシリーズ長編」。

    全ての伏線が最後に一気に回収される。
    繋がりがないように思えたエピソードも全て
    関係している。

    偶然に起きる殺人なんてものはなく、たくさんの要素が絡まった時に殺人は起きてしまう。人間の心理を描いたクリスティーらしい作品。

    今回も犯人を当てられなかった。
    犯人がわかってからもう一度読み返すと、犯人の心理的な怖さをもっと感じられる。

    バトル警視は、ポアロのような灰色の脳細胞を持つ天才タイプとは違って、良いお父さんであり人間味がある。作中でポアロの話も出てきてニヤリとしてしまう。

    最初のエピソードが最後になって意味を持ってくる。そこにクリスティーのとてつもない巧みさと、格好良さを感じた。
    後からジワジワくる深い渋い作品。
    再読したらまた違う面白みがありそう
    ★4.5

    ◆あらすじ
    休暇を過ごす海辺のリゾート地に集まってくる多重三角関係の男女。そこには不穏な気配が漂う…

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    2024年07月17日
  • 暗い抱擁

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    ネタバレ

    お世辞にも見た目が良いとは言えないが、天性の人たらしで自分の魅力をアピールする能力に長けたゲイブリエル。障害のために日頃腫れ物のように扱われるヒューに対しても一切気を遣わないゲイブリエルのあけすけなところに、ヒューはある種の感銘を受ける。人当たりのいいゲイブリエルがヒューの前でだけ仮面を脱ぎ、虚勢の下に隠された劣等感や弱みを曝け出す。ヒューの立場から彼を見るからこそ、読み手もゲイブリエルのコンプレックスと裏腹の虚勢を垣間見て彼の人間くささを感じ取ることができる。
    ゲイブリエルとイザベラのどこまでも暗い逃避行。取り澄ました(とゲイブリエルが思い込んでいる)イザベラにどうしようもない劣等感を刺激されたゲイブリエルは、彼女を泥水に引き摺り込むも、彼女が汚れることはついぞなかった。どこまでも自分勝手だが、それこそがゲイブリエルにとっての苦しみ。そしてそれを見せつけられてもどうすることもできないヒューにとっても地獄。
    兄嫁のテレサの存在がこの世界の秩序のように思える。

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    2024年07月04日
  • 鏡は横にひび割れて

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    ネタバレ

    クリスティーの話ってタイトルがほんとに素敵
    これもお気に入りのタイトルのひとつ
    子供が犯人では無いか?!と思ったけれど、始めに戻った時、鳥肌!
    悲しいけれど終わり方がとても良かった、、!

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    2024年07月03日
  • 象は忘れない

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    1度10代の頃に読んだけれど内容をあまり覚えていなかったので再読。私は象にはなれなさそうです(笑)
    個人的にタイトルのセンスがいいミステリ作品ベスト5に入ると思っている。

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    2024年07月01日
  • ハロウィーン・パーティ

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    【ポアロ】
    楽しいはずのハロウィンパーティーで突如事件は起こる。
    「私、殺人を見たことがあるの。」と言った少女がパーティー後にバケツに頭を突っ込んで死んでいた。

    犠牲者が子供なのも珍しいけど、毒殺ばかりのアガサ作品でこんなに凄惨な殺害方法も珍しい。
    「なぜ少女のジュディスが殺されなければいけなかったのか?」という動機が絶妙だった。
    関係者への聞き込みによって、ジュディスがどういう子供だったのか?が浮き彫りになり、それが解決編になっていきてくる。複雑に絡まった動機に思わず上手い!と思った。
    ポアロが関係者に聞き込みをする中盤は、長くて中だるみを感じたけど、読み終わった後にそれが必要だったことに気付く。

    今回はかなりベタなトリックが出てくる。
    でもそれがわかった所で動機が全くわからないし、他の人も怪しい。アガサ作品は、ミスリードがたくさん仕掛けられているので何かに気が付いたとしてもまたまんまと騙されてしまう。

    この作品は、映画『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』の原作らしい。映画は怪奇要素の入った内容にだいぶ改変されているとのこと。

    そしてこちらはアガサが79歳の時に出版されていて、晩年期でもこんなに凝った作品を書いていたことに驚いた。

    Audibleでアガサ。紙の本では違うアガサ。
    毎日アガサでも全然飽きないどころか、読めば読むほど魅了されていく。
    Audibleにて。

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    2024年06月27日
  • 魔術の殺人

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    中編ぐらいでもよかったかも?と思うけど、面白かったのでよし。
    相関図が複雑なので、家系図をつけてほしいと思った。

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    2024年06月26日
  • 書斎の死体

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    書かれた時代のせいか、アガサクリスティーの作品はいつも途中は冗長に感じるものの、最終的にはおおっ!と納得させられるからすごいと思う。

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    2024年06月24日
  • カーテン

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    やっとここまで来たか…という感慨に浸りながら読んだポアロシリーズ最終作。
    数年かけて読み続けていたので、思い入れもひとしお。
    年月と共に名探偵も老いて弱っていくけれど、その分作品の深みが増しているように思える。
    事件の全容についてはある程度予想できた。
    では、この最後の事件を彼はどう締め括るのか。
    スタイルズ荘に始まり、スタイルズ荘に終わる。
    良い幕引きではないでしょうか。

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    2024年06月23日
  • 魔術の殺人

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    1954年発表、ミス・マープルものの第5作。非行少年たちの更生施設が隣接するストーニーゲートで起こる不可解な事件。イリュージョンといえば聞こえはいいが、派手さはなく、登場人物たちの証言もあやふやで推理ゲームとしての旨みはそこまでない。しかし推理劇としての面白さは別格。人間性から犯人、結末、真相を読み取ることができるか、マープルとクリスティに試される一作。

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    2024年06月22日
  • なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

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    ボビィとフランキーの謎解き冒険!アガサ・クリスティの代表的な探偵はポアロとミス・マープル。名バディといえばトミー&タペンスの名が上がるだろう。もちろんそれらの作品群は言わずもがなの面白さだが、クリスティの長編ノンシリーズも負けず劣らず面白い。クリスティを好きな人もあまり知らない人も一読するとその絶品の味に舌鼓をうつに違いない。

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    2024年06月18日
  • ゼロ時間へ

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    ネタバレ

    ひとりごと

    アガサ•クリスティーさんの作品を初めて読みました。登場人物が多くて(最初名前も覚えるのが難しい)慣れるまで登場人物、役職を見返しました。

    本作は自殺しそこねた男から始まり、それぞれが1つの屋敷に集まって何やら起こりそうな雰囲気が漂う中、殺人事件が起こるー。

    ゼロ時間の種明かしをされた時、サイコパスの人は1つの事柄だけでここまで用意周到に準備をし実行するんだと思うと怖くなりました
    憎い人を簡単に殺めるのではなく徐々に追い詰めてそして思いつく1番の苦しい方法で消えてほしい
    その為に、犠牲者が何人いても構わない犠牲者はただの演出という考えが恐ろしいです

    ただ普通の人達が理解できないくらいのサイコパス思考、行動を発揮してくれた犯人には感謝です
    面白くてすいすいと読めました

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    2024年06月15日
  • 牧師館の殺人

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    ネタバレ

    ミス・マープルの長編初登場作。

    セント・メアリ・ミード村におけるマープルの印象があまり良くないことに驚いた。
    「あの人は村いちばんの意地悪よ。村で起きることを残らず知っているうえに、そこから、とっても悪意のある推測をするの」
    マープルが村人にこんな風に思われているなんて、少しショック。地元の警察関係者にも胡散がられているし。アガサ・クリスティはマープルを何故もっと魅力ある女性にしなかったのか不思議に思った。

    事件の真相には驚いた。それこそ胡散臭い村人がたくさん出てきた中での、まさかの真犯人。事件の謎解きも二転三転し読んでいて混乱した。
    逆にずっと胡散臭い嫌な娘と思っていた女性が実は意外にいい娘だったことにも驚いた。

    マープルがポアロと違うのは、あくまでも素人探偵という位置づけである点。ポアロのようにズバリ真犯人や事件の真相を言い当てるのではなく、あくまで自分の意見を警察関係者に述べて後は一任する。
    これで事件が解決するのはマープルの洞察力と熟練された説得力によるものか。

    マープルについて。
    マープルはアガサ・クリスティの実のお祖母さんに似ているらしい。「気持ちのいい人間なのだけれど、あらゆる人、あらゆることで、その人やことの最悪の事態を驚くほどの的確さで予想し、それがたいてい的中する」
    さらにポアロシリーズの『アクロイド殺し』に登場したシェパード医師の姉キャロラインの原型とも言われている。「気むずかしい老婆、好奇心いっぱいで、何でも知っているし、何でも聞いている、家庭内の完璧な探偵」
    私のご近所にこんな鋭い洞察力を持ち近所の人たちを常に観察するお婆さんが住んでいたら嫌かな。

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    2024年06月15日
  • 牧師館の殺人

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    ネタバレ

    クリスティのミス・マープルシリーズ第一弾。
    ポアロは映画などで何となく触れたことがあるが、ミス・マープルは本当に初めて。マープルのシリーズにも良作があるらしく、それを読むためだけに一作目を手に取った。

    語り手は牧師。その牧師の家でセント・メアリ・ミード村一の嫌われ者が殺される。意外なことに犯人はすぐに自白するが。。。

    思った以上にマープルが出て来ず、あれっという感じ。語り手がマープルの隣人というだけで、ある意味村人Aから見た事件、という体裁だから非常に淡白にストーリーは進む。クリスティらしい、適度に退屈で、適度に意外な犯人。当たりハズレもなく、シリーズの一作目としてはある意味普通すぎるのではないか。

    何となく、語り手によって面白さが変わりそうなシリーズだと思った。

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    2024年06月12日
  • ゼロ時間へ

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    ネタバレ

    海の見える館ガルズポイントで行われた殺人。被害者の遺産はネヴィル・ストレンジとその妻に相続されることになっていたが、奇しくもその日館には、現在の妻ケイと前妻のオードリーが顔を揃えていた。時を同じくして、ガルズポイントに客として訪れていた高齢の弁護士が死亡する。心臓を患っていた彼は、何者かがエレベーターを故障中と偽装して階段を歩かせたことが原因で死亡したと見られる。
    バトル警視は、不自然なほど揃い過ぎた証拠を検証しながら、甥で同じく警察官のジェイムズとともに犯人を追い詰めて行く。
    登場人物の過去や心情を丁寧に描きながら、動機やアリバイを重視したクリスティらしい作品。
    クリスティの作品は高齢の人物が「最近の人たちは」と若者の現代的な考えに苦言を呈することがよく見られるが、現代人の我々からみてもネヴィルの考えはかなり自己中心的で歪んでいる。
    自殺未遂したアンガスがどのように事件に絡んでくるのかというところが良かったのと、リゾート地の夏の終わりを感じさせる描写が素晴らしい。
    ポアロシリーズではない作品でポアロが引き合いに出されるのはなかなか珍しいのではないだろうか。そして最後までトマスが残念すぎる。
    殺人は物語の結末。つまり物語は、その「ゼロ時間」に向かって進んでいる。

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    2024年06月10日