アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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【作中の好きなセリフ】
・老嬢というのは、見ざる、言わざる、聞かざる、の格言を無視して、すべてを見て、すべてを聞き、悪口だろうがなんだろうが、べらべら喋るものなんだ。(ヘンリー卿:P145)
・世の中に恨みを抱いた人間は危険です。世の中は自分に償いをするべきと考えがちですから。(マープル:P440 )
【感想】
ある日突然「殺人ゲーム」のお誘いかのようなの広告を見て住人が一処に集まり・・・というを出だしからして、ワクワクした。
最初の事件発生が早いことと、1章ごとが短く、話がサクサク進んでいくので読みやすい。アガサの長編としてはやや長めであったが、一気読みした。正統派のフーダニット兼ホワイダニット。解答を読んだら、ちゃんと作中にヒントがあり、完全解答はもちろん無理だが、もう少しは真相に近づけたかも!と悔しかった。アガサは意味のないこと書かないよなあ・・・よい推理小説を読んだ満足感のある読後。
他の名探偵と比べて、ミス・マープルは、そこそこ周りになめられたり、邪険にされることがあるのが、可愛らしくてよい。そんな中でも、地元警察のクラドッグ警部をはじめ、ミス・マープルに敬意や親愛をもって接するキャラが出てくるので、ストレスなく読めてよい。
クラドック警部は、他に『パディントン発4字50分』、『鏡は横にひび割れて』、『教会で死んだ男』にも出てくるらしいので読もう。
このクリスティー文庫(早川書房)は、表紙の折り返しカバー(ソデ)部分に、主要登場人物のまとめを載せてくれているのが、大変ありがたい・・・。海外ミステリにありがちな「これ誰?」の回数が格段に少なくなる。本作も「ジュリア」と「ジュリアン」がいたり、名前呼びと名字呼びが入り交じったりするので、スムーズに読み進める助けになった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ悲しい結末だった。きっとジャクリーヌはお金がなくてもサイモンのことを愛していたと思う。でもサイモンはジャクリーヌを愛していたからこそ、2人で何不自由なく暮らせて自分の趣味に興じられるお金が欲しかった。
そして美貌も頭脳も財産も有するリネットは、おそらく欲しいものを何不自由なく手に入れてきたからこそ、『欲しいもの』となった親友・ジャクリーヌの恋人であるサイモンを奪うことに特に大きな抵抗がなかったのだろう。自分本位で動いてきたからこそ、最後は2人の画策に気付かず殺されてしまったとあり、なんともいえない気持ちになる。
ポアロは名探偵でありながら洞察力に優れ、何を赦して何を裁くかを自分自身で決めている。罪を犯した人をすべて『罪人』にせず、正当な理由や自分が最善だと思った時に救済のチャンスを与える。そこが『事件を解決に導いた正義のヒーロー』でありながら『一個人』という感じで最高!
アガサ・クリスティのシリーズものは、番号が若いものから読まないと過去作のネタバレを食らうことがあるということは覚えておく必要があるだろう。 -
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ネタバレ前作に引き続き、ヘイスティングスの色恋による暴走に突っ込みをいれながらも、今回は遂に成功。
原作では結婚後、牧場経営で成功してアルゼンチンへ移住したという形で、今後の登場が減るらしい。
また、ドラマ版では結婚後、鉄道への投資に失敗したため破産し、イギリスに帰国して引き続きポアロの助手を務める。
今回の事件では、依頼を受けてポアロ達が到着してみれば既に依頼人は亡くなっているという事の始まり。ゴルフ場というタイトルだが、遺体の発見現場がゴルフ場なだけで、他にゴルフ要素はない。
ポアロの推理は結構成り行き任せな感じがあるものの、ジローというライバルの存在や(特に落ちが笑いどころ)、この事件に深く関わりのある過去の事件など、推理自体も二転三転で面白かった。
最後は収まるところに無事収まった形で概ねすっきり。
解説は、ドラマ版ポアロの日本語吹き替えを担当・熊倉一雄さん!
ディズニー作品やヒッチコック等でも馴染みのある声。
人間というものは、じつに模倣ずきの動物であります。日々の生活の習慣のなかにおいても、非独創的であり、それと同様に、習慣のそとにおいてもまた模倣ずきなのです。かりに、ある男が犯罪をするとなると、彼が犯す他のいかなる犯罪も、きわめて類似性をおびてくるのであります。〜一度成功したのに味をしめて、そのつぎもきっと成功すると主張する、あの人間性に深く根ざしているものに服従してしまいました。そのおかげで彼は、独創性の欠如の天罰を受けなければならなかったのです。p149 -
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アガサ・クリスティの攻略本なるもので★5となっていたので、読んでみました。
16年前、妻(キャロライン)が画家の夫を毒殺したとして逮捕され、獄中で無くなった。でも、母は無実だったという娘の依頼で再調査をするポワロ。事件当時現場にいた5人に聴き取りをしていく。
キャロラインの人となりを5人が語るのだけど、その人物像が人によって180度違う。そこに潜む一人一人の想いに注意を払いつつ、また、ちょっとした発言も見逃さない。
また、キャロラインが妹に宛てた手紙。キャロラインをどう見るかで、そこから導き出される結果が見事に異なってくる。
こうだと決めつけて物事を見ると、大変な思い違い、判断ミスをしてしまう。
アガサ・クリスティの人物描写は巧みだと、本書を通しても感じました。 -
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ミス・マープル作品
穏やかな、日本人がパッと浮かぶ欧州おばあちゃん
だがこのミス・マープルは違う
恐ろしいほどかっこいい
たった2ページだけマープルが語る
不器量な小間使いグラディスの不幸な生立ち
しかし、読者は共感する
なんて不遇な子なのだと
そんなグラディスの死体が見つかった
マープルは列車に乗って現場へ向かう
マープルは席に座り殺人事件を報じる新聞を静かに読む
その横顔は憤怒に満ちていた
か、か、かっけえええええええ
おばあちゃんかっけえええええ
復讐の絶対審判老婆爆誕
怒りの推理
そして全てが終わりマープルの家に手紙が届く
そこで復讐の絶対審判老婆の物語は悲しみとともに終わりを迎える
ホント、かっこいいおばあちゃん読みたかったらこれで。ドラマでしかマープル知らなかった…
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ネタバレ大富豪の老人が毒殺され、家族に嫌疑がかかる。
老人の孫と結婚したいチャールズは犯人探しに乗り出すが───
老人の家族と話しながら彼らの人となりや動機を考えていくのが本の8割くらい。結構地味なんですが不思議とすいすい読めました。
この人が犯人かな、みんな怪しいような、分からん!となったところに真犯人がわかるんですけどこれは分からなかったです。
子供が犯人だっていう発想がなかった。
ねじれた家のねじれた子供ってことなのでしょうがあんまり恐ろしさは感じなかったなぁ。
ジョセフィンはねじれた家のねじれた子供だった、というオチが自分には唐突であんまり可哀想とは思えませんでした。 -
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ネタバレポアロシリーズ㉔
マギンティ夫人は死んだ。
どんなふうに死んだ?
あたしのようにひざついて、
マギンティ夫人は死んだ。
どんなふうに死んだ?
あたしのように手をのばして、
マギンティ夫人は死んだ。
どんなふうに死んだ?
こんなふうに……
掃除婦のマギンティ夫人が肉切り包丁のようなもので後頭部を叩き切られて殺された。夫人の家に間借りしていたジェイムズ・ベントリィが逮捕され有罪となった。
しかし、逮捕したスペンス警視は犯人に納得がいかず、ポアロに再調査を求める。
年を取ったが、相変わらず尊大なポアロ。
調査をするが、相手はポアロの名前にピンとこず、奇妙な外国人としか思っていない。
しかも、宿泊したロング・メドウズのサマーヘイズ夫人は愛らしいけど、家中をドタバタと駆け回り、料理ときたら超残念。ポアロのしかめっ面に、ちょっと吹き出してしまう。
しかし、マギンティ夫人の持ち物であった新聞の切り抜きから推理が進み、それぞれの会話の端々から事実が紡がれ、みんなの前で、思いもよらない犯人を追い詰める。
その流れは流石の一言でした。
オリヴァ夫人の登場も嬉しい。彼女のチャーミングさと「女の勘で〜」って言いながら、ちょっと当てにならない感じが可愛い。
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ネタバレ数冊クリスティ小説を読んだもののどうにも世界観に入りこめず、今回は事前にドラマ版を少し視聴してから読んだら各登場人物像がイメージとして頭に入ったせいか面白かった。今後は同シリーズ抵抗なく読めそう。
離婚して別の男と結婚したい妻・ジェーンに対し、夫・エッジウェア卿は断固拒否する。ものまねタレント・カーロッタのショーを見に来ていたポアロに、口添え願えないかと夫人から依頼される。
いざ、ポアロが卿を伺ってみると、最初は拒否していたがあんな女仕方ないと思い直して承諾する旨の手紙を夫人宛に出して既に受け取っているはずだと卿。
呆気にとられながら夫人に報告しに行くと、そんな手紙は受け取っていないが、承諾してくれたのなら良かった!ポアロさんありがとうと、話は解決したがどこか引っかかるポアロ。
翌朝、卿は首を刺されて死亡。
卿の執事や秘書は、昨夜ジェーンが訪ねてきたというものの、ジェーンには確かなアリバイがあった。(パーティへの出席)
カーロッタを訪ねに行くと、ベロナール薬の過剰摂取により既に死亡していた。
〆が手紙で、自己顕示欲・自己愛の強さが強いのが面白く、すっきりした終わり方だった。
ポアロの仕返しも面白い。該当者じゃなくても気が気ではないだろう笑
「殺人狂でなければ、とおっしゃるのかな?ところがそうでない、実際にあることなのです。最初の殺人はーー犯人も、非常な、良心の呵責に苦しみます。発見される危険も、ある。だが、二度目の殺人は、精神的にはずっと楽になる。さて、それで嫌疑がかからないとすれば、犯人は今度は気軽に第三の殺人にとりかかるのです。そして、しだいしだいに、芸術家的な誇りが芽生えてくるーー殺人の方法に凝りだすーー最後には、ただ楽しみのためにさえ、人を殺すのです」p199 -
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ポアロシリーズ15作め。1937年の作品。
原題は『Death on the Nile』。
『オリエント急行の殺人』と並ぶ人気作ですが、読むのは初めて。
ナイル川をさかのぼる豪華客船なんて猛暑に読むにはちょうどいいだろうと思いましたが、これがほんとおもしろかった。
クリスティー作品によく出てくる男女の三角関係。従来は殺人事件の背景や人間模様の一部だったりしましたが、本作ではこの三角関係こそがストーリーのメイン。
全540ページの250ページくらいまで事件が起こらないのですが、もうこのまま何も起こらなくても十分おもしろい。
作中のカルナック号はサヘル島から第二急湍まで行って帰ってくる7日間のツアー。
1970年にアスワン・ハイ・ダムが完成したため、第二急湍は水没しているのですが、だいたいワディ・ハルファのあたり。
作中でも存在感を放っているアブ・シンベル神殿はダム建設にあたり移築されてるんですね。
エッセブアという地名も出てきますが、これは今はないのか地図では見つけられず。
カルナック号のモデルとなったクルーズ船「スーダン号」は今でも現役。現在はルクソール〜アスワンの5泊6日で1490〜2700ユーロ!(片道です)
カタラクト・ホテルも「ソフィテル レジェンド オールド カタラクト アスワン」として現存。「アガサ・クリスティ・スイート」という部屋もあるそうです。
クラシックな内装といい、当時も上流階級のための優雅な旅だったのでしょう。
このゴージャスな旅を特別なことでもなく、たいして楽しんでいるようでもなく、受け入れている人々の描写がむしろ旅情があって楽しいです。何度も映像化されているのも納得の映えそうなストーリー。
殺人事件現場にしては不謹慎すぎるほどロマンスも発生しますが、個人的には善人すぎる癒しのコーネリア嬢がお気に入り。
(227ページ)
「もちろん人間は平等じゃないです。平等だとしたら説明のつかないことばかりだもの。たとえばわたしは、なんかこうぱっとしない器量で、悔しいと思ったこともあったけど、もう気にしないことにしてます。」
基本的に若い娘さんには紳士なポアロ。リネット、ジャクリーヌ、ロザリー、それぞれにかける言葉が優しい。
『ひらいたトランプ』のレイス大佐も登場。
『青列車の秘密』のルーファス・ヴァン・オールディンも名前だけ登場。
2020年の新訳版。全体的には非常に読みやすいのですが、「博労」、「ピナフォア」、「セコティーン」といった言葉が特に説明もなしに使われているのがちょっと気になりました。
ミスリードがわかりやすいので今回は犯人も当たりましたが、殺人事件そのものよりも、コーネリア嬢を含めていくつかある三角関係の行方が気になり、最後まで楽しめました。
(483ページ)
「じゃ、どうしてわかったんです?」
「わたしがエルキュール・ポアロだからです!」
以下、引用。
6
わたしはこの小説を、自分の〝外国旅行もの〟のなかで最良の作品のひとつだと思っています。探偵小説は逃避文学かもしれませんが(それの何がいけないのでしょう!)、読者は太陽がまぶしく輝く空と、青い川水と、犯罪を、安楽椅子にすわったまま楽しむことができるのです。
19
「どう考えてもおかしいね──あんなに美人なのは。大金持ちでしかも美人──そりゃないだろ! そんなに金持ちなら美人に生まれる権利なんかないんだ。ほんとにきれいだからな……あの女はなんでも持ってる。公平じゃない……」
38
黒人の楽団が突然、奇妙な不協和音を含んだ喜悦の音楽を奏ではじめる。ロンドンが踊った。
39
若いことは幸福だなどというのは見当違いもはなはだしい。青春時代はいちばん傷つきやすい時期なのだ。
56
「お母さんはあの博労のじいさんに甘いですよね」
57
「なぜ過去に生きるんです? なぜ昔のことにしがみつくんです?」
「過去をなくしたあとは何で埋め合わせればいいというの?」
79
ポアロは上機嫌な顔をし、やさしい口調でしゃべっていた。丹念にプレスした白いシルクのスーツに身を包み、パナマ帽をかぶり、人造琥珀の柄に毛の房をつけた、凝った装飾の蠅払いを手にしている。
123
人生では輝きというものが大事な意味を持つのよ、ムッシュー・ポアロ。そしてお金はそれを持つのを助けてくれるの。
154
「あなたも人間に興味がおありなんですの、ムッシュー・ポアロ? それとも興味があるのは犯罪者になる可能性のある人間だけかしら?」
「マダム──そのカテゴリーからはずれる人は多くはいませんよ」
219
ポアロがレイス大佐とはじめて出会ったのは、一年前、ロンドンでのことである。ふたりは非常に奇妙な晩餐会に招待された──その晩餐会は、招待主である風変わりな男の死によって幕を閉じたのだった。
220
ポアロは大佐のためにウィスキーを注文し、自分は砂糖をたっぷり入れたオレンジエードのダブルをあつらえた。
227
「そんなふうに、何かに怒ってばかりいるのって、やめたほうがいいんじゃないでしょうか」
「そして、もちろん人間は平等じゃないです。平等だとしたら説明のつかないことばかりだもの。たとえばわたしは、なんかこうぱっとしない器量で、悔しいと思ったこともあったけど、もう気にしないことにしてます。」
230
「あなたがどなたなのか、さきほどようやく気づきましたよ、ムッシュー・ポアロ。古くからのお友達のルーファス・ヴァン・オールディンからお噂を聞いていたんです。」
312
「不謹慎な質問をされるのは大好きです」
332
「なんという毒々しい女だ! ふう! だれが殺人者か知らないが、殺すならあの女を殺せばよかったのに!」
353
「男物のハンカチですが──上等のものではありませんね。かの親愛なるウールワースあたりの品物でしょう。せいぜい三ペンスの」
389
共産主義の本や小冊子が数冊、スナップ写真が相当数、サミュエル・バトラーの『エレホン』と、サミュエル・ピープスの『日記』廉価版の一冊。
442
「それはきみが文明的すぎるからだよ。きみも死を東洋人の目で見るべきだな。死なんて出来事のひとつにすぎない──特に気にとめるようなことじゃないんだ」
「それはそれでべつにいいんです──東洋人は教育を受けていないんですもの。気の毒だけど」
「無教育なのはいいことだね。教育のせいで白人種は活力をなくしたんだ。アメリカを見たまえ──文化のお祭り騒ぎをやっている。まったくどうしようもない」
444
「わたしは、自分がぱっとしないから、余計に美しいものに敏感なんです。あの人は美しかった──女として──まるでギリシャの女神さまみたいに美しかった。美しいものがひとつなくなったら、世界は大切なものをひとつなくしたことになるんです。そういうことなんです!」
454
「あなたはわたしの友達のヘイスティングズと同じネクタイを締めていますね」
「これはイートン校のネクタイです」
462
「リネットのことは、あの子がピナフォアを着た可愛い女の子だったころから知っていた」
480
音がしないようセコティーンで貼りつけた。
483
「じゃ、どうしてわかったんです?」
「わたしがエルキュール・ポアロだからです!」
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Posted by ブクログ
『アガサクリスティ完全攻略』で本書が★5になっていたので読みましたが、そこまでではなかった。というか、本書の前に読んだ『葬儀を終えて』があまりにもよ過ぎたのかも知れません。
「いいかい、彼女を殺してしまわなければいけないんだよ」という会話をポワロがホテルで耳にしてから物語が始まります。エルサレムへの旅行中のこと。
その話をしていたのは、ボイントン一家の次男と長女。ボイントン一家の母親(長男・次男・長女にとっては継母)は子ども達が幼き頃からマインドコントロールして支配し、反抗できないようにしてきた。それなりに年を重ねているのだから、もう少し抗ったらいいのにと思うけれど、母親の言いなり。そこにもどかしさを感じるけれども、それがマインドコントロールの怖さなのだろう。
その母親が殺された。読者は当然子ども達の誰かだろうと予想するだろう。しかし、アリバイや最後に生きている母親を見た時間からすると、嘘をついているのは〇〇ではないかと思う。
また一方で、ある人物の証言を聞いていたら、非常に違和感があったのだけども、その人の社会的地位や言動からすると、その違和感は考えすぎなのかもしれないとも感じる。
読者の思い込みや先入観を、本作も巧みに覆している。しかし、やはり『葬儀を終えて』のほうがより楽しめた。