アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
名作と名高い本作。
アルファベット順に殺人が起きるという不気味な謎と、鮮やかなプロットには一気に引き込まれた。
しかし、現代のリアルな犯罪心理小説に慣れた視点から見ると、劇中で事件に巻き込まれていく男の行動や、心理描写のディテールには、どこか物理的・心理的な無理があるようにも感じられた。
だが、読み進めるうちにこれは、当時のミステリが「プロットの美しさ」を最優先にした結果なんだなと納得。
当時は現代ほどミステリ作品が溢れておらず、読者の目も今ほど批評的ではなかったはず。
こうした細かな違和感に気づけること自体、本作が築いた「基礎」の上で、後世のミステリが進化を積み重ねてきた証拠なのだろう。
そう考えると、本作の歴史的価値は微塵も揺らがないどころか、ミステリの歴史の一端にいま自分が触れているのだと気づかされ、興奮で満たされた。
そして何より、この物語の最大の魅力は名探偵ポアロの〈名探偵ぶり〉にあると思う。
世間が用意された完璧な筋道や状況証拠に惑わされ、犯人だと決めつける中、ポアロだけは自身の違和感を信じた。
一人の人間に真摯に向き合い、その言い分に耳を傾け、冷徹なパズルの裏にある真実を見抜いたポアロの姿には、彼の人間味溢れる洞察力が詰まっている。
ミステリの歴史の深さと、ポアロというキャラクターの深い魅力を再発見した。
これこそが、時代を超えて本作が愛され続ける理由なのだと感じた。 -
Posted by ブクログ
ポスクロでアメリカの方からおススメされた、アガサクリスティのアクロイド殺し!
面白かった!
ただ、この翻訳!
これはなかなかクセがなれないよね。
不思議の国のアリスもそうなんだけど、
多分?言葉遊びが入ってたりして、多分?だけど?韻踏んでたり、なんか面白い言い回しの英語になってるんじゃないかなぁ?と思う文章多数で、
日本語にするとこで、違和感半端ない。笑
こんなふうに話すやついる!?
ってくらい物語に入り込めない。
こう、フッと知らないうちに本の中に入って夢中になる!っていうのが、海外本難しいー!!!!
入れる本もある。
ただ、あまりにも文化というか想像ができづらくて、なんだかようわからん言い回しすぎて、解読が面倒になったり、犯人探しのプロットがいまいち入ってこない、、、、
まぁ、それでも、えええーってちゃんとびっくりするんだけどね。
昔の話で、プラス翻訳で合う合わないとか、想像しきれないとこもあるんだろうけど、アガサクリスティってすごいなぁ。
ってつくづく思う。
こんだけ今も人気ってすごいよなぁ。
ちなみに、わたしはこちらで3冊目。
ポスクロでおススメしてくれた、アメリカ人のジョイさんにも、お礼のメッセージを送りました!
! ポアロシリーズ読んでみたいなぁ。
#アガサクリスティ
#ポアロシリーズ
#アクロイド殺し -
Posted by ブクログ
ネタバレ【再読】
ロンドンへと向かう飛行機の中で、フランス人の金貸しの女性が殺害された。その女性マダム・ジゼルは、何者かに毒矢によって殺されたと見られる。そして機内からは吹き矢の筒も発見された。同じ便に乗り合わせたポアロは、フランス警察のフルニエとともに捜査を始める。まず二人は、被害者の身辺を探ることに。マダム・ジゼルは金を貸した相手の弱みを握り、返済を渋った場合はそれをネタに相手を恐喝していたことが発覚する。また彼女の手帳から、乗り合わせた乗客のうちの何人かがジゼルの顧客であることが判明した。
捜査を進めていたポアロは二人の乗客ジェーンとノーマンと再会し、三人で事件を追うことに。すると、死んだジゼルには娘がおり、莫大な遺産を相続することになっていたことがわかった。ポアロはその娘が乗客であるホーバリー夫人のメイドだと突き止めたが、その矢先に娘は自殺してしまう。
ポアロは、ノーマンを犯人と名指しした。ジゼルが娘に莫大な遺産を残していることを知ったノーマンは娘に接近し、結婚した。飛行機の中でトイレに行くふりをして乗員に変装し、直接毒針を被害者に刺して殺したのだった。そして遺産を相続して用済みになった娘をも殺害した。
飛行機の中で毒の塗られた吹き矢が使われるという荒唐無稽な犯罪。だがそれこそが重要な鍵で、「そんなことは不可能だ」というところから考えれば、違う手を使ったということが見えてくる。吹矢筒が発見されることによってミスリードするのが上手い。
この作品ではポアロが主体的に捜査をするものの、素人探偵を使いながらという点が前作『三幕の殺人』とよく似ている。事件がその関係者にどのような影響を及ぼすか踏み込んで書かれている点も面白い。
●見どころ
・若い二人の探偵の推理と恋路を見守るポアロ
・『オリエント急行の殺人』を仄めかすポアロ
●名言
「イギリス人がよく言う表現を使うなら、まったくむかつくようなゴミ人間なんですから」
「すこしは憎んでもけっこうですよ。しかし、あなたは真実を直視せずに愚者の楽園に暮らすような人じゃないでしょう」 -
Posted by ブクログ
2作目のポアロ作品。3.3。
場面的状況を主に、誰が怪しいかを一つずつ憶測のもとに追い詰めていくポアロの推理力と自尊心がすごい。
物的証拠からは勿論のこと、誰がこの状況で罷り通らない嘘の証言をしているのかとの洞察力というか、合理的というか、事実を縫合させて事件を解決に導く手腕がすごい。
時として、犯人になりますよ、と暗に揺することで重複した事件の一つを自供させる持っていき方の強引さもポアロの魅力の一つなのかもしれない。
本人は真実のみが必要であり趣向、明かされた真実の後の犯人の動向を気にしないので、まだ著者2作目だが、ポアロの紳士さの裏にある冷徹さが癖になる。 -
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くしくも直前に読んだクリスティー作品「五匹の子豚」と同じように過去の殺人事件を遡り、真実を探る内容の本作。これに関しては過去に読んだかどうかも怪しいくらい曖昧な印象(-。-;
「五匹の子豚」に比べると、さらに事件の内容は漠然としていて各々の発言がどのこと・誰のことを指しているのかが、よりわざとボカシて言わせているなあという印象が強い。
事件の真相は割と分かりやすいのだが、より家族間の心情にスポットライトを当てて、ポアロさんも事件の真相がもたらす影響を考慮しながら過去を遡っている感じ。
推理の派手さはないが、<当時のことを何かしら記憶している人たち=像>を探してタッグを組むミセス・オリヴァとの会話劇が楽しい点が魅力かな。 -
Posted by ブクログ
★3.5
アガサ・クリスティー直筆の戯曲
戯曲なんで、ト書きまであるんですよねぇ。最初のうちは、なんかそのト書きが気になって読みにくいと思いましたが、読み進んでいるうちに慣れて、どんどん読み進むことが出来ました。むしろ小説よりも、読む速度は速かったかも。
2作品が収録されているのですが、1作目はポワロ物、2作目はノン・ポワロ。
1作目の『ブラック・コーヒー』は、舞台を意識したのか、いつものポワロ物とちょっと違う雰囲気を感じますね。特に気になったのは、ジャップ警部が軽い人物に見えた事。うーん。
2作目の『評決』ですが、出版時の評判はイマイチだったらしいのですが、私的には中々面白い気がします。最後のどんでん返しが、中々凄い。そう来たかと。
でも、もう一ト戯曲を読むか?と問われたら、ちょっと考えるかなw -
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ポアロシリーズ25冊目。
クリスティーはやっぱり面白いな……(n回目)。
ちょうど長距離移動があったというのもありますが、一日で読み切れる作家は、クリスティーを除くとあまり知りません。
「大富豪ゴードン・クロードが戦時中に死亡し、莫大な財産は若き未亡人が相続した」
というあらすじ通り、ゴリッゴリの遺産相続ものです。
ゴードンの姉、兄、弟、甥姪が入り乱れ、しかも戦後の苦境とそれまでの温室生活がたたり、いずれもが未亡人・ロザーリンとその兄に憎悪の感情を向けています。
このロザーリン兄妹がまたクセモノで、読んでいてもまっっったく同情心が湧いてこない!
ゴードン・クロードに頼りきりだったクロード一族もどうなの?という感じですが、これはたぶんクリスティーも意図してこういう性格に描いているのでしょうね。よっぽど倒叙モノなの?という気持ちで読んでいました。
一向に事件は起きないし、したがってポアロさんも全然出てこないのですが、それでも人間ドラマの面白さで読ませてしまうのがクリスティーなんですよねぇ。
クロード一族を把握する頃(肝の座ったフランセスが一番好み)には一気に引き込まれ、しかもやっと起きた事件も二転三転し……と最後はもう一気読みでした。
解説でも触れられていましたが、肝となる「ある秘密」も、あまりにさらっと書いてしまうのがすごい。
「あっ、なるほどね」と納得したうえで、じわじわと始めからの違和感がすべて繋がる気持ちよさ……。うーん、すごい。
ちなみに、ポワロさんが指摘した「ポーター少佐の一言」にはあれっと気付けたのがちょっと嬉しかったです(^^)(だからといって予想は何一つ当たりませんが……)
ということで、「かなり重症のクリスティー・ファン」向けの一冊も大いに楽しめたのですが、どうしても一つだけ……。
クリスティーが好んで出したがる、頭も良く自立心も強いのに男のセンスがないリンのような若い女性だけは、どーーーしても素直に「よかったね!」と言えないんですよねぇ( ˊᵕˋ ;)それでいいのか本当に。。 -
Posted by ブクログ
最近は未読のクリスティー作品でとりわけエルキュール・ポアロの登場作品をゆる〜く追っていて、『エッジウェア卿の死』は題名は知りつつも、内容はさっぱりだったので読むのを楽しみにしてました。
残念だったのは、翻訳が終始一貫して言い回しがかたくて読みづらかったこと。登場人物がみんな武人みたいな口調なので、誰の発言なのか悩みながら、なんとか進むやら戻るやら…難敵でした(u_u)
その点を除けば、二転三転する謎に見事にはまり、登場人物を順番に疑っていたら(笑)最後にあっと言わされる感覚は実に面白かったです。
要所、要所でトリックの一端をチラつかせながら、謎が解けたつもりでいると裏切られる…流石のクリスティー作品でした。