アガサ・クリスティーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
トミーとタペンスシリーズに初挑戦。
うん、とにかくタペンスが良い。台詞も行動も読んでいて楽しい。
相棒となるトミーは、タペンスに比べると正直キャラが掴みづらかった。
勇敢ではないけど冷静で知恵があってちょっと皮肉屋で〜みたいなキャラかと思いきや意外とトミーも充分行動力があるので、最後までトミーってこんなこと出来るんだ…の連続。
バディ物のようなものを期待してたのに早々に離れ離れになるストーリー構成は個人的にかなり残念。
仲間が離れ離れになってそれぞれで活動する展開は好きだけど、そういうのは2作目以降で、最初は冒険の中で反目し合いながらも絆を深めていくようなストーリーをしっかり見せて欲しかったかなあ。
まあ書いた当時はシリーズにする気なかったのかもしれないけど。
トミーが単身敵の集会所に忍び込むシーンの緊張感ある描写はさすが。
スタイルズ荘に続く長編2作目とのことだけどクリスティの意地の悪さ(笑)はしっかり出ておりブラウンの正体はちゃんと騙された。
面白い場面はたくさんあるけど、ストーリーがそこまで進展しない割にひとつひとつの描写がちょっと長いかなーという気はしたかな。
あと最後はラブストーリー的なハッピーエンドだからか、前半にあったタペンスのキャラの面白さが後半には大人しくなっていくのが寂しかった。
ただこの後のトミーとタペンスシリーズも読んでいこうと思えるくらいには魅力のある作品でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレクリスティ玄人から人気の作品ということは知っていた。
が、個人的にはそこまでだった。
昨年からクリスティを読み始めたずぶの素人にはまだ早いということか…
エリノアの描写は鬼気迫るものがありすごかったし、「直前まで犯罪する気満々でたまたま思いとどまっただけの人と、本当にそのまま犯罪を犯した人ってそこまで違うのか」的な部分はこの作品の核というか、おーそこに切り込むかというような重要なテーマのように感じたけど、劇中で割とあっさり処理されてしまうのが拍子抜けだった。
あと、あまりにエリノアの描写に集中し過ぎてその他の人物が浅く感じてしまったかな。
結局一番かわいそうなのは複雑な出自を持ち、それでも純粋におば様に尽くして夢に向かって頑張ってたら勝手に惚れられたり恨まれたりして結局殺されるメアリイなんだけど、最終的に誰にも同情されてないっぽいのが本当にかわいそう過ぎて、エリノアとピーターのほっこりエンドすら霞むモヤっとエンドに感じた。
あと、今回改めて分かったのは自分はポアロが好きだと言うこと。
クリスティ作品の読者の方々から言わせたら何を今更なことでしょうね。
ポアロ以外では「クリスティ作品を読みたい」と思って読み始めるけど、ポアロ作品に限っては「ポアロに会いたい」と思って読み始めている自分がいる。
それで言うと、今作はポアロの出番的にも活躍的にも正直期待外れだったかな。
まあ自分がクリスティ玄人になれたと思った暁には改めて読み返したい作品です。 -
Posted by ブクログ
クリスティ作品では異色の若者たちの冒険譚。
とても面白いけど、なんとなく拙さを感じるな?と思っていたら、長編作品としては2作目と知り納得。いやこれで2作目ならめっちゃすごいやん、さすがクリスティ。
フィクションならではのとんでも展開連発と、戦後の混乱期を逞しく生き抜こうとする若者たちのリアリティが絶妙な塩梅で表現されていて、とても楽しい冒険活劇だった。
そしてなにより、主人公たちが平民ってのがいい。クリスティ作品に限らず、ドラマチックさを求めるミステリの舞台はどうしても上流階級の世界に偏りがちだけど、トミーとタペンスは完全な一般市民。なんなら貧乏。圧倒的に親しみの持てるキャラクターで、根強いファンがいるのも頷ける。
余談だけど、物語の最後に成立する二組のカップル、どちらも成就の仕方がおしゃれすぎんか?セリフも気が利いてて、クリスティのおしゃれすぎるロマンスのセンスはこの頃からすでに健在のよう。