思えば、マープルシリーズを読み始めたのは、たまたま読んだ「カリブ海の殺人」からだった。「復讐の女神」はその続編で、3部作の2冊目になるはずが、著者の命が尽きるまでに三部作が完成することはなく、ミスマープルシリーズとしては最後に執筆された作品になってしまったという曰く付きの作品。マープルと言えば控えめに登場することが多く、作品によっては物語の後半に初めて登場して、ちょこっと顔を出すだけという作品もあるのだが、「カリブ海」とこれはミスマープルが大活躍。謎解き要素は凡庸だが、多彩な人間模様と謎に包まれたスタートで読ませる。