アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • 雲をつかむ死〔新訳版〕

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    一作前の「三幕の殺人」と違って最初からポアロがいることもあって(ヘイスティングズがいないのも大きい)テンポよく読めた。犯人や大まかな手口は中盤までに分かってしまうけど、それでも面白かった。
    ジャップ警部好き。

    しかしいるとイライラさせられるけど、いないと寂しいヘイスティングズという存在…。

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    2025年11月22日
  • バートラム・ホテルにて

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    前半は舞台となるバートラムホテルについての話で、後半になってたたみかけるように話が展開する。
    ぶっちゃけ後味の良い感じのラストではないけれども、出てくる登場人物がそれぞれに魅力的なのと、ところどころで丁寧に描写される食事や当時のロンドンの様子などがとても面白い。
    悪に対する矜持なんかも見え隠れてしていて、長く愛される作品の根っこみたいなものを感じる。あと、ポーチドエッグが食べたくなるねえ……

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    2025年11月18日
  • 海浜の午後

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    ネタバレ

    キュートでスリリングな劇をどうぞ。

    劇が3作品収められている。どれも小品ではあるが最後まで一気に読ませる。

    「海浜の午後」海辺に集まった人々の中に強盗がいる? あっと驚く正体が判明するのが2段階になっているのがひねりどころ。息子を縛り付ける母などクリスティーあるあるキャラクターも見もの。

    「患者」植物状態と思いきや、患者は意思を示せる。実験の結果、口封じに現れた犯人は。イニシャルなんかわからないので推理不可能かと思いきや、ちゃんと劇中に名前が出てました。

    「ねずみたち」復讐の狂気。はたして警察は2人の弁解をどのように聞いただろう。

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    2025年11月17日
  • 予告殺人

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    初マープル作品!
    途中登場人物が多く読みにくい箇所もあったがラストに近づくにつれて手が止まらなくなった。
    本格ミステリというより、ドラマを見てるような感じ。
    マープルはポアロよりも、コミュ力活かして聞き込みで詰めていくタイプの探偵と感じた。
    部屋の図などがあればよりわかりやすかったなあ。

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    2025年11月17日
  • 終りなき夜に生れつく

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    ネタバレ

    最初から最後までマイクがクズで苦笑。
    エリーと結婚しようと話を進めているところでは、でかい夢だけ語ってフラフラしてる男はやめときなさいエリー!って思ってたけど、予想以上にやばい男だった。グレタと何か接点ありそうだなとは勘付いた。
    最後グレタよりエリーのことを思い返してたのは、グレタに対しては性愛だったけどエリーには本物の愛情を抱いていたからかなぁ。
    なんにせよ、マイクは道を間違えたね。切ないね。

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    2025年11月12日
  • 満潮に乗って

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    若い未亡人と再婚した大富豪のゴードン・クロード。彼は一族の生活を支えており、一族全員が彼の庇護のもとにあった。だが、彼は空襲で死亡し、財産は全て若い未亡人のロザリーンが継ぐことになった。それ以来、一族の生活費の支出は、実質的にロザリーンの兄のデイヴィッドの許可が必要になった。「彼女さえいなければ」戦争が人の心を闇にしていく。ポアロは空襲から避難した場所で居合わせたポーター少佐から、アフリカにいる彼の友人ロバート・アンダーヘイと彼の不幸な結婚についてや、その妻はその後ゴードン・クロードの妻となったが、アンダーヘイがまだ死んでいないかもしれないことを聞く。

    狭い村での人間関係の絡まり、戦争という大きな変化により今までの生活が失われたことに対する人々がまだ受け止めきれないところが緻密に書かれていてリアルだなと思う。いつも緊張状態に置かれていたリンが、帰ってきて平和を喜ぶと同時に物足りない気持ちになって結婚を迷う気持ちになる部分はとても共感できた。でも一方で、最後に自分を傷つけようとしたローリーと結婚を決意するというのは腑に落ちなかったなあ。私だったらデイヴィットもローリーも嫌(笑)偽者だったというオチは面白いけど、純粋なトリックを楽しみたい読者としてはちょっと物足りない結末だった。

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    2025年11月12日
  • バートラム・ホテルにて

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    ポアロばっかり読んでたからか、舞台装置が出来上がってて警察も有能で、壮大でありながらもホテル内で完結し、割とあっさりしていた。
    ポアロの、論理的ってよりも人間関係にスポットを当てて詰めていく展開が好きだから、今作はイマイチ響かなかったかも。オチも独特

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    2025年11月12日
  • 葬儀を終えて〔新訳版〕

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    なかなかポアロさん出てこないからポアロものということを途中まで忘れていた
    ミステリって、謎解きパートにうつる前までの前置きが振り返ってみると結構長いなっていつも思う
    面白いんだけども

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    2025年11月08日
  • 検察側の証人

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    ネタバレ

    読んでる途中に話の大枠を思い出しちゃった。法廷ミステリーとして想定内のどんでん返しに納まっている感もあるが、コンパクトに纏まっているゆえ疑念が生じる前に意表を突かれる(のではないか?)
    演技力が大きく関わってくる内容だからこそ演劇で見てみたい。戯曲版だけでなく、短編小説版があるそうで、そちらも読んでみたいなと。

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    2025年11月08日
  • 終りなき夜に生れつく

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    ネタバレ

    タイトルがとても美しい。
    原題のEndless Nightを直訳するのではなく
    元の、詩“Some are born to sweet delight,Some are born to Endless night.”から取った意味を
    尊重して訳されているのが素敵だと思う。

    違和感がずっとあって、普通こんなケチがついたら
    どんなに気に入ってもその場所に住みたくないだろうに
    固執してしまうところまで含めて『呪い』なのかな
    と思いながら読んでいたが
    怖いのはそこではなかった。

    オチが想像できたというレビューも見かけた。
    現代でこそ珍しくないカラクリかもしれないが
    これを1967年に執筆したというのは凄いのでは。
    丘などの場所設定も妖しく美しく破滅的だった。

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    2025年11月07日
  • 終りなき夜に生れつく

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    ネタバレ

    映画『タイタニック』のようなベタなロマンスの中に、『レベッカ』とか『ずっとお城で暮らしてる』みたいな危うさがずっと同居していた。あの存在はずっと異質なものとして描かれていたので、悪い予感はしていた。終盤まで読むとああやっぱり…アレとアレじゃん。
    アレとは方向性は完全に違うし、もはや謎解きなどの領域を超えた純文学のような読み心地で、○欲に支配された者が甘やかな喜びを捨て去り、終りなき夜へと向かうラストは確かに強い余韻を残しました。いいタイトルですね。

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    2025年11月02日
  • ハロウィーン・パーティ

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    オリヴァ夫人が船旅で知り合った友人に誘われて参加したハロウィーンパーティで事件が起こる。夫人はポアロに解決を依頼するが……ポアロシリーズ31作目。

    ようやくこの季節に読めた!それだけで満足。



    後期クリスティー 作品らしい、動きが少なく作中人物たちの年月を感じる。
    ただ、翻訳が古い。女性がたくさん出てくるんだけど、だいたいの女性の語尾が「ですわ」でちょっと読むのがしんどい。
    毎年この時期には本屋さんで面陳されていることやし新訳版が出たらいいのになぁ、と思ったり。
    事件は過去から掘り返すスタイルで、こちらは後期ポアロシリーズだとあるあるなんだけど、少し間延びした感じが否めない。
    謎解きはさすがクリスティ。

    作中でカボチャモチーフが全く出てこなくて、ひたすらリンゴなのはなんでなのかと調べたら(オリヴァ夫人がリンゴ齧ってたり)カボチャはアメリカ中心のハロウィンで、アイルランドをはじめヨーロッパはではリンゴを使ったゲームなどが主流だとか。
    そういえば昔何かで調べたとき、ジャックオーランタンはヨーロッパではカボチャじゃなくてカブだったとかあったような……。
    こういう発見があるのは楽しい。季節に絡めた物語を読む楽しみ感ある。

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    2025年10月30日
  • 予告殺人〔新訳版〕

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    毎回のごとく、犯人は当たらない!
    盛大に外した!(笑)

    今回はマープルよりも、クラドック刑事が活躍。
    先にパディントン発〜を先に読んでいたので、クラドック刑事が割とあつい人物だったのが意外だった(パディントン〜はもっとクールな印象を受けた)

    読み進めて面白いとは思ったけれど途中から人物がなりすましたりしていて、ごちゃごちゃし始めてしまったのが残念(私の理解力が足りないだけかもしれないが)

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    2025年10月26日
  • 死との約束

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    ネタバレ

    一家を財力で支配するサディスティックな未亡人。ボイントン一家の人間が自由を手にするためには、専制君主気取りの女王を死に追いやらなければならない。「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」という一文から始まるのが魅力的。ただ、一家の人間は被害者以外は薄味というか、あまり記憶に残らないキャラクター造形でレノックスとレイモンドがややこしくて何度冒頭を振り返ったか。部外者サラが一家の人間を救い出そうと奮闘するも、君主にすべて気取られて釘を刺される展開は一種のディストピアもののような趣向で面白い。実はこの出来事が事件の謎を解く鍵となっている…
    誰からも憎まれる被害者の設定が、登場人物たちの行動・証言をより複雑にして、不可思議な状況が出来上がるという趣向もいい。あのクリスティーの名作の亜種みたいな印象だ。

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    2025年10月20日
  • 死への旅

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    ネタバレ

    死にたかった彼女に与えられたのは決死のスパイ任務。

    相次ぐ科学者失踪の謎を探るために、白羽の矢が立ったのは飛行機事故で命を落とした女性と同じ赤毛のヒラリー。彼女は失踪した科学者ベタートンの妻になりすまして中東に滞在する。旅の目的地がどこにあるのかわからないまま。

    クリスティーあるあるの国際的陰謀に素人が挑む冒険小説ちょっぴりロマンス付き。いきなり素人がスパイ任務は無理だろうと思うけどヒロインに自分を重ねてみれば、これ以上楽しい設定もない。旅の途中で出会うさまざまな人物の裏を考えつつ、ロマンスだと思えば意気投合した若い男性がお相手なのは明白。夫の科学者が犯した殺人までは読めなかった。共産主義やソ連に対する態度がとても時代を感じるが、そこももはや作品のエッセンス。

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    2025年10月19日
  • 死との約束

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    ボイントン夫人が、(見た目が)荒れ地の魔女のイメージで読みやすかった。

    今回のポワロは、多数のおしゃべり好きな人達から話を聞くから、辛抱強くしている場面が面白い。

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    2025年10月14日
  • アクナーテン

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    ネタバレ

    古代エジプトに愛と平和と美を追求した王がいた。

    アクナーテンはそれまでのエジプトの神アメン信仰を廃止して、太陽神アテンを唯一神とする。争いを否定し、美を尊んだ。エジプトは、世界は、愛と平和に満ちるはずだった——。

    ちょうど大河ドラマ『べらぼう』を見ているせいか、人は正しく生きたいとは思わないのだと。それまで心を寄せていた様々な神たちを取り上げられることを民衆は喜ばない。力で治めていた場所にいきなり真理を説いても従うわけがない。窮地に援軍を送らずに愛を説く王なんて、軍からしたら見捨てられたと思うだけだ。

    毒を用意した人、実際に飲ませた人、決別を伝えた人。アクナーテンの周囲が皆それぞれに複雑な想いを抱えていた。そして殺人は起きる。ミステリというか、エジプト歴史劇。クリスティーは楽しかっただろう。解説がさすがの吉村作治先生。

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    2025年10月13日
  • 白昼の悪魔

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    ネタバレ

    物語の最初からポアロが出ている嬉しさとワクワク感!
    如何にも怪しい人物を犯人だと思い、終盤にその裏付け証拠も出てきた時は「これで終わるのかな?」と少し残念(勝手に)だったけれど最後に全部ひっくり返されてとても気持ちよかった!
    クリスティーの小説でこの「やられた〜」感覚をまだまだ味わいたい。
    登場人物の関係性も分かりやすく、物語の舞台も相まってサクサクと読めた。

    ただ後書き解説の温度が合わない。モヤモヤして本を閉じてしまったことが残念。

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    2025年10月07日
  • エッジウェア卿の死

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    ネタバレ

    ポアロシリーズやはり面白くて一気読み。
    登場人物もそれなりに多いし犯人はこの人か?いやこの人か?とわくわくしながら読みすすめてたら、まさかの最初の容疑者のジェーンがほんまに犯人やったんかーい!ってある意味びっくりした。こういうパターンもあるんだ。ジェーンの自己肯定感というかゴーイングマイウェイなところはかっこいいしちょっと見習いたい。
    ポアロがヘイスティングスに「わたしは本当にあなたが好きですよ」っていうシーンにやにやしちゃった。ふたりの関係良すぎる〜。

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    2025年10月01日
  • 火曜クラブ

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    ドラマ「ミス・マープル」(ジョーン・ヒクソン版)に今さらハマり、マープル初登場の短編集を読むことに。

    初読から1年半後に再読。どの話もきれいに忘れていた!
    「舗道の血痕」「二人の老嬢」「クリスマスの悲劇」あたりが良かったかな。
    「バンガロー事件」は、頭からっぽキャラのミス・ヘリアの意外な一面が明らかになって面白かった。
    (2025.9.21)

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    2025年10月01日