アガサ・クリスティーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ポアロの秘書レモンの姉ハバード夫人が寮母をするヒッコリー・ロードで、リュクサックやスカーフがズタズタになったり、インクがぶちまけられたりという事件が発生。その中のいくつかをやったと自供したシーリアは次の日コリンと婚約すると発表。発表後すぐに寮で服毒される。
シーリアが殺害されるまでに細かい事件がたくさん起きて深い意味があるのかと思えばそんなでもなかった。誤魔化し的な意味で木を隠すなら森みたいなもんで。
家宅調査から密輸疑惑が出て、麻薬、偽装パスポート、知りすぎた人達が殺されてくる展開でそんなにひねりがあるわけではなく、人格不適合者がそのまま捕まる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレずっと手にしようとしていたものが、寒々しくて無価値なものであったと理解し始めた瞬間。そこにゾッとする。ある瞬間をきっかけに、少しずつ自分の中の歪んだ欲望が大きくなっていく過程は、誰にでも起こりうるのではないかと思うと、それも怖い。エリーとの穏やかな日々を自分の手で壊さずにはいられなかったのは、「終わりなき夜に生まれついた人間」の性なのでしょうか。
読み返していると、マイクは無意識に、エリーのことをかなり愛していたと感じた。グレタという存在と計画実行のための歪んだ欲に覆われて、穏やかな幸せに自ら蓋をした。全て終わってから、その構図をマイク自ら理解した。後悔というよりも、冷静な理解に近いのかな。マイクがまだそんなに深く面食らってない感じが逆に怖い。
エリーは最初から気づいていたのか、途中から気づいたのか。どちらにしても。 -
Posted by ブクログ
(一応)ポアロもの。
本書は元々戯曲として書かれた作品を、クリスティー研究家(←理想の職業)、チャールズ・オズボーン氏が小説化したものとの事で「小説版」という表記になっております。
科学者のサー・クロード・エイモリーは自分が発明した新爆薬の化学式が、家族の誰かに盗まれた事に気付きます。
晩餐の席で「部屋を暗くしている間に化学式の書かれた書類を返すように」と皆に伝えるも、明かりがついた時にはクロード卿は殺されていて・・。
いかにも舞台劇といった雰囲気が感じられる作品。
“暗転後、照明がついたら人が殺されていた!ジャジャーン!(効果音)”なんて、まさに演劇チックな演出ですよね。
で、殺されてしまったクロード卿から“化学式を盗まれそうなので・・”と、事前に相談&件の書類を国防省に手渡してほしいとの依頼を受けていたポアロが、ヘイスティングズと共に屋敷に赴き、事件の真相を追及するという流れで話は進んでいきます。
舞台用の作品だけに、場面転換も少なく内容的にも王道ミステリって感じでそこは素直に楽しめるのですが・・えっと、犯人の行動まる見えだったんですけど( ̄▽ ̄;)・・。
“演劇”だから(?)しゃーないのかもしれないのですが…まぁミスリードもあるので、ポアロがどのような推理で真相に行きつくかの過程が見ものってことなんですかね~。
そして、個人的な注目ポイントというか“萌え”ポイントは、何といってもポアロ&ヘイスティングズのやり取りでございます♪
ポアロがヘイスティングズを小バカにしている時がすごく嬉しそうで“本当、お好きなのね~( *´艸`)”と、つい口元が緩んでしまった私です。
さらに、ヘイスティングズは年下の娘・バーバラにも“坊や”呼ばわりされたりと、いじられキャラ全開でしたね。
ということで、舞台劇の雰囲気とポアロとヘイスティングズの仲良しっぷりを堪能させて頂きました。
クリスティー作品の中で、戯曲シリーズはどうも食指が動かなくて手付かずだったのですが、本書を読んで小説と戯曲を読み比べてみるのもアリかも?と、思った次第です。
さて、ポアロもの(長編)は残すところ『カーテン』のみになってしまいました。
今年の“締め”ということで、これから読もうと思います~。 -
Posted by ブクログ
「クリスマスにはクリスティーを!」
……ということで、この時期になるとなぜか赤い背表紙の本を手に取ってしまう。私にとって、年末といえば「第九」よりもクリスティーですねぇ。
「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」
というスリリングな台詞で始まる本作。
彼女とは誰なのか?この会話の主は一体?
謎は深まるものの、中近東シリーズの『ナイルに死す』と同じくなかなか事件は起こりません。
そもそもこの作品、被害者は一人だし捜査の展開としても、ただ淡々と関係者との「会話」で進んでいきます。
だけれども、「この中に確実に嘘をついている人がいる」という視点で読むとこれが面白い!
なぜその供述を?誰かをかばっている?誰を?
お決まりの解決シーンでも、あらゆる「可能性」が挙げられ、「それで真犯人は誰なの〜?!」とやきもきしながら読み終えました。
今作のヒロイン枠であるサラ・キングはクリスティー作品にたまに出てくる”だめんず製造機”ですし、ちょっと刺激が足りない気もしましたが、やっぱりクリスティーは面白い(あと何回この台詞を言うことになるでしょうか……)。
そうそう、「オリエント急行」に触れられて苦笑気味のポアロさんも印象的でした。あれを引き合いに出されちゃうとねぇ……。
ポアロシリーズは残り9作。
じっくり堪能していきたいと思います。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ気をつけなさい、そこに悪魔がいる。
ポアロが滞在するホテルには様々な人が集まっている。平穏な休暇はある女性の死によって終わりを告げた。女性に敵が多かった、男を引きつける元女優の死。首を絞められるという死因から、犯人は女ではなく男と思われたが、夫にはアリバイがある。ポアロが見つけた悪魔とは——。
怪しい男にはアリバイがあり、女たちでは絞殺できない。洞窟から麻薬が出てきたり、呪いを実行する娘がいたり、偶然再会する幼馴染がいたり、込み入った犯人当てではあったが、最初のシーンのポアロのセリフが犯人を示していたとは。なるほどとしか言えない。