アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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ポアロもの。
大富豪ゴードン・クロードが死亡し、その莫大な財産は若き未亡人ロザリーンが相続しましたが、実質はロザリーンの“兄”・デイヴィッドのコントロール下にある状況です。
そして、ゴードンに経済的に依存しまくっていたクロード一族の人々は、“後ろ盾”がなくなってしまい、金銭的窮地に立たされてしまいます。
クロード一族と、ロザリーン&デイヴィッド兄妹の間に不穏な空気が流れる中、ある日村にロザリーンの前夫(ゴードンの前の夫)を知るという人物が現れて・・・。
解説にも本作品が「ドラマ重視」と書かれていましたが、確かに“事件”が起こるまでのヒリついた人間模様がしっかり描かれていますね。
そして、一 -
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ネタバレクリスティの長編ミステリー。
マープルシリーズ。古典作品の読みにくさがこれでもかと詰まった作品だ。(笑)
女主人、現在の夫、1番目の夫の継子と実子。そして養子の娘、2番目の夫の子供二人、ここに付き添い人や使用人、医者等中々難しい環境設定のため序盤は苦しんだが、後半迄に何とか整理して読み進める事が出来た。さらに、舞台設定が非行少年たちを集めた少年院であり、すべてが作用しながら非常に面倒臭い、異様な世界観を漂わせている(人間関係の設定の難しさも作風に合わせている様に思っている。)
マープルの旧友であるルースは自身の妹であるキャリイをとても心配しているが原因がわからない。マープルは昔から空気感をよ -
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ネタバレ⚠️2022年放映の映画版についても言及があるため、未視聴の方は軽いネタバレにご注意ください⚠️
今回の教訓:愛は人を変える
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エジプトのエキゾチックな景色の後に後半バタバタと展開していった映画版と違い、小説ではウィンドルシャム卿とリネットの結婚問題にページが割かれていたため、リネットがサイモンを奪うまでの過程が見られ、じわじわと迫り来る嫌な空気を味わうことができました。
ジャクリーンとの友情が壊れるだろうことは予測できたのですが、まさかジョウアナまでリネットを脅かしていたとは……油断ならないリネットの身の上を思うと、せつなくなります。映画を観てからかなり経っているため -
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ネタバレクリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。相棒はオリヴァ夫人。
再読によりクリスティの作品を沢山読み返しているが、久しぶりにオリヴァ夫人の熱量に討たれた。ポアロシリーズは周辺人物も魅力的だが、何故か少し苦笑いしている様に見えるポアロが新鮮であり、彼に対して突進してくる様なオリヴァ夫人のおばちゃん感はとても魅力的で実は好きなコンビだ。クリスティはオリヴァ夫人に自身を投影している様だが、これだけ生き生きとした登場人物は他の作家でも中々思い出せないし、本当に魂がある様に錯覚させられてしまう。
今作では、ポアロにオリヴァ夫人からいきなり電話がかかって来て怒涛の如く捲し立てられ、ミスレモンが呆れる -
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ネタバレ三幕の殺人
クリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。再読。
※古い作品の為、重要な要素のネタバレあり。
この作品について、大まかな部分は忘れていたが、改めてクリスティ作品を読んでいるこの機会に必ず手に取ろうと決めていた作品だ。この作品は特殊で、僕自身、過去に評価自体は高くなかったのだが、犯人と動機と「最後の一行」は鮮烈に覚えていた為だ。第一の殺人にて老牧師が殺害されるが、牧師は過去から現在に至るまで誰かに恨まれた事はなく、彼が死んで徳をする人もいない。何か秘密を隠している様な事もない。だからといって全く無差別な殺人では次に同じ方法で殺害された医師との関連が無くなってしまう。クリスティ -
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クリスティの長編ミステリー。マープルシリーズ。書斎で死体が見つかるというミステリーありがちの設定であるが、クリスティにかかれば読者を惑わせ、迷走させる絶好の舞台装置になる。
導入から読者へ謎を提起し、全く面識の無い屋敷で発見されたブロンドの若い女性の死体。彼女が誰で、なぜこの屋敷で殺害されていたのか、が提示されて、その後、彼女だと思われる失踪者が踊り子として働いていたホテル、そこに滞在する大富豪、そして死体が発見された屋敷の近くに住む若い胡散臭い男と女と登場人物が出揃う。
物語が進行していく中で、村の石切場から若い女性の焼死体が発見され、更に事件は混迷を極める。
マープルは死体が発見され -
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ネタバレクリスティの短編集。連作。マープルが初めて推理を披露した作品。安楽椅子探偵の中でも有名なミス・マープル。クリスティ自身がとても好きなキャラクターらしいが、愛情を感じる。
この作品ではマープルの家に集まった様々なジャンルの人々(作家、画家、弁護士、元刑事、牧師)が、それぞれ持ち寄った過去に起きた未解決 事件(現在は解決している)を出題し、謎解きしていくミステリー。結成日が火曜日なので火曜クラブだ。
火曜クラブ
とある屋敷で起きた殺人事件の話。最初は食中毒と思われたが、殺人の噂がたち、改めて調べた所、死体から毒物が発見される。
とても短い解説でそれぞれ考えうる可能性を上げていくが、最後マ -
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「殺人は結果であり、物語ははるか以前から始まっている」当然と言えば当然だが、殺人が起こるまでを切り取るのは面白い。僕はクリスティがほとんどのトリックや構成を彼女の時代に生み出したと思っているが、今回も秀逸だ。
バルト刑事シリーズもクリスティの中では有名だが、改めて読むと彼の人間性(無骨だが力強く優しさがある)に惹きつけられる。彼の娘の事件は確かに頭の悪い女教師の暴走だが、それに対してのリアクションがバトル刑事の魅力を思い出させてくれた。
章が変わり、登場人物達の紹介が行われ、彼らは物語の舞台ソルトクリークに終結する。どの人物達も一癖も二癖めありそうな連中ばかり。これからどのように経過が進み -
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通常「悪魔」と言えば薄暗い空間に潜んでいそうな代物だけど、本作のタイトルは『白昼の悪魔』
白昼に悪魔だなんてしっくりこない言葉の連なり。けど、序盤から男を狂わせる魔性の女性が登場している事でその単語に納得してしまう構成となっているね
魔性のアリーナ・マーシャルは既婚の身でありながら、妻帯者に平然と絡んでいく。しかも昼日中を堂々と。それを見れば誰だって「悪魔」はここに居たのだと考えてしまう
けれど殺されるのは「悪魔」と囁かれるアリーナその人。おまけに殺人行為も正午にほど近い時間に行われる為に今度は殺人犯を「白昼の悪魔」と考えそうになってしまう
しかし、アリーナを殺す「悪魔」へと変化しそうな男性