アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • 満潮に乗って

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    ポアロもの。

    大富豪ゴードン・クロードが死亡し、その莫大な財産は若き未亡人ロザリーンが相続しましたが、実質はロザリーンの“兄”・デイヴィッドのコントロール下にある状況です。
    そして、ゴードンに経済的に依存しまくっていたクロード一族の人々は、“後ろ盾”がなくなってしまい、金銭的窮地に立たされてしまいます。
    クロード一族と、ロザリーン&デイヴィッド兄妹の間に不穏な空気が流れる中、ある日村にロザリーンの前夫(ゴードンの前の夫)を知るという人物が現れて・・・。

    解説にも本作品が「ドラマ重視」と書かれていましたが、確かに“事件”が起こるまでのヒリついた人間模様がしっかり描かれていますね。
    そして、一

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    2023年08月10日
  • 魔術の殺人

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    ネタバレ

    クリスティの長編ミステリー。
    マープルシリーズ。古典作品の読みにくさがこれでもかと詰まった作品だ。(笑)
    女主人、現在の夫、1番目の夫の継子と実子。そして養子の娘、2番目の夫の子供二人、ここに付き添い人や使用人、医者等中々難しい環境設定のため序盤は苦しんだが、後半迄に何とか整理して読み進める事が出来た。さらに、舞台設定が非行少年たちを集めた少年院であり、すべてが作用しながら非常に面倒臭い、異様な世界観を漂わせている(人間関係の設定の難しさも作風に合わせている様に思っている。)
     マープルの旧友であるルースは自身の妹であるキャリイをとても心配しているが原因がわからない。マープルは昔から空気感をよ

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    2023年08月05日
  • ナイルに死す

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    ネタバレ

    ⚠️2022年放映の映画版についても言及があるため、未視聴の方は軽いネタバレにご注意ください⚠️

    今回の教訓:愛は人を変える
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    エジプトのエキゾチックな景色の後に後半バタバタと展開していった映画版と違い、小説ではウィンドルシャム卿とリネットの結婚問題にページが割かれていたため、リネットがサイモンを奪うまでの過程が見られ、じわじわと迫り来る嫌な空気を味わうことができました。

    ジャクリーンとの友情が壊れるだろうことは予測できたのですが、まさかジョウアナまでリネットを脅かしていたとは……油断ならないリネットの身の上を思うと、せつなくなります。映画を観てからかなり経っているため

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    2023年08月05日
  • 死者のあやまち

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    ネタバレ

    クリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。相棒はオリヴァ夫人。
     再読によりクリスティの作品を沢山読み返しているが、久しぶりにオリヴァ夫人の熱量に討たれた。ポアロシリーズは周辺人物も魅力的だが、何故か少し苦笑いしている様に見えるポアロが新鮮であり、彼に対して突進してくる様なオリヴァ夫人のおばちゃん感はとても魅力的で実は好きなコンビだ。クリスティはオリヴァ夫人に自身を投影している様だが、これだけ生き生きとした登場人物は他の作家でも中々思い出せないし、本当に魂がある様に錯覚させられてしまう。
     今作では、ポアロにオリヴァ夫人からいきなり電話がかかって来て怒涛の如く捲し立てられ、ミスレモンが呆れる

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    2023年08月04日
  • 三幕の殺人

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    ネタバレ

    三幕の殺人
    クリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。再読。
     ※古い作品の為、重要な要素のネタバレあり。

     この作品について、大まかな部分は忘れていたが、改めてクリスティ作品を読んでいるこの機会に必ず手に取ろうと決めていた作品だ。この作品は特殊で、僕自身、過去に評価自体は高くなかったのだが、犯人と動機と「最後の一行」は鮮烈に覚えていた為だ。第一の殺人にて老牧師が殺害されるが、牧師は過去から現在に至るまで誰かに恨まれた事はなく、彼が死んで徳をする人もいない。何か秘密を隠している様な事もない。だからといって全く無差別な殺人では次に同じ方法で殺害された医師との関連が無くなってしまう。クリスティ

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    2023年07月31日
  • 書斎の死体

    A

    購入済み

    面白かった

    最初から怪しい人物が犯人だったわけだが
    うまいこと誤魔化されてしまう。
    謎解きされて、なんで気づかなかったのだろうと思う。
    面白かった。

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    2023年07月30日
  • ヘラクレスの冒険

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    なかなかおもしろかったですよ。
    短編なので、トリックを楽しむというよりは引退前のポアロの生活をちょっとのぞくというスタンスでページをめくってください。

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    2023年07月30日
  • 教会で死んだ男

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    短編なのにそれぞれがすごくボリュームのある話を読んだ気分にさせられた、唸る。すずめ蜂の巣、表題の教会で死んだ男がよかった。どちらもセリフの伏線がラストに生きてきたし、顛末もしんみりしたりほっこりしたりする話でした。

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    2023年07月29日
  • 書斎の死体

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    クリスティの長編ミステリー。マープルシリーズ。書斎で死体が見つかるというミステリーありがちの設定であるが、クリスティにかかれば読者を惑わせ、迷走させる絶好の舞台装置になる。
     導入から読者へ謎を提起し、全く面識の無い屋敷で発見されたブロンドの若い女性の死体。彼女が誰で、なぜこの屋敷で殺害されていたのか、が提示されて、その後、彼女だと思われる失踪者が踊り子として働いていたホテル、そこに滞在する大富豪、そして死体が発見された屋敷の近くに住む若い胡散臭い男と女と登場人物が出揃う。
     物語が進行していく中で、村の石切場から若い女性の焼死体が発見され、更に事件は混迷を極める。
     マープルは死体が発見され

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    2023年07月29日
  • 火曜クラブ

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    ネタバレ

     クリスティの短編集。連作。マープルが初めて推理を披露した作品。安楽椅子探偵の中でも有名なミス・マープル。クリスティ自身がとても好きなキャラクターらしいが、愛情を感じる。
     この作品ではマープルの家に集まった様々なジャンルの人々(作家、画家、弁護士、元刑事、牧師)が、それぞれ持ち寄った過去に起きた未解決 事件(現在は解決している)を出題し、謎解きしていくミステリー。結成日が火曜日なので火曜クラブだ。
     火曜クラブ
     とある屋敷で起きた殺人事件の話。最初は食中毒と思われたが、殺人の噂がたち、改めて調べた所、死体から毒物が発見される。
     とても短い解説でそれぞれ考えうる可能性を上げていくが、最後マ

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    2023年07月24日
  • 鏡は横にひび割れて

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    ネタバレ

    ダイキリ、ハイ=エチール=デキシル=バーボ=キンデロリテート
    カルモー
    コーヒー、ヒ素
    枯草熱の吸入器、シアン化物(青酸)
    睡眠薬

    p32
    書斎の死体

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    2023年07月30日
  • リスタデール卿の謎

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    短編集。『ナイチンゲール荘』のオチは、結構ブラックな話。あまり期待はしていなかったのですが、割と面白かったです!基本的には、若いカップルが出てきて事件に巻き込まれる話が多かったです。『事故』も期待以上ですし、そこから続く短編数編も良かったです。強いて言えば、見せ方の問題で、順番を変えれば、もっと違った見方ができたかなあと思いました。

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    2023年07月16日
  • ゼロ時間へ

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    「殺人は結果であり、物語ははるか以前から始まっている」当然と言えば当然だが、殺人が起こるまでを切り取るのは面白い。僕はクリスティがほとんどのトリックや構成を彼女の時代に生み出したと思っているが、今回も秀逸だ。
     バルト刑事シリーズもクリスティの中では有名だが、改めて読むと彼の人間性(無骨だが力強く優しさがある)に惹きつけられる。彼の娘の事件は確かに頭の悪い女教師の暴走だが、それに対してのリアクションがバトル刑事の魅力を思い出させてくれた。
     章が変わり、登場人物達の紹介が行われ、彼らは物語の舞台ソルトクリークに終結する。どの人物達も一癖も二癖めありそうな連中ばかり。これからどのように経過が進み

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    2023年07月12日
  • 三幕の殺人

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    完全に盲点になってた!
    思い返すと初めから気持ちの悪さと違和感はあったのに…。
    悔しい!(嬉しい!笑)

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    2023年07月07日
  • ナイルに死す

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    異国のラブロマンスを読んでいるようだった。
    エジプト旅行をしている、とまではいかなくても空気感は十分伝わってくる。
    ミステリーだということを忘れそうになった頃、事件は起きる。
    資産家のリネット、夫のサイモン、元恋人のジャクリーン。
    この三人を中心に物語は展開するが、いつもどおり意外な真相が待ち受けていた。
    読み終わって思うのは、愛は恐ろしいってこと。

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    2023年07月05日
  • 白昼の悪魔

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    通常「悪魔」と言えば薄暗い空間に潜んでいそうな代物だけど、本作のタイトルは『白昼の悪魔』
    白昼に悪魔だなんてしっくりこない言葉の連なり。けど、序盤から男を狂わせる魔性の女性が登場している事でその単語に納得してしまう構成となっているね
    魔性のアリーナ・マーシャルは既婚の身でありながら、妻帯者に平然と絡んでいく。しかも昼日中を堂々と。それを見れば誰だって「悪魔」はここに居たのだと考えてしまう

    けれど殺されるのは「悪魔」と囁かれるアリーナその人。おまけに殺人行為も正午にほど近い時間に行われる為に今度は殺人犯を「白昼の悪魔」と考えそうになってしまう
    しかし、アリーナを殺す「悪魔」へと変化しそうな男性

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    2023年06月26日
  • 書斎の死体

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    ミス・マープルシリーズの長編第2弾。面白かった。人物描写が良くてグイグイ読ませる。特に事件の噂をする村人たちの描写に、ちょっと笑ってしまった。短編集「ミス・マープルと13の謎」(ハヤカワでは「火曜クラブ」)で良い味を出していたバントリー夫妻とサー・ヘンリーも登場する。
    マープルが相変わらずすごく鋭くて、終盤に一気に謎が解ける展開だった。オチも良かった。

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    2023年06月26日
  • マン島の黄金

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    表題作は本篇収録作の中で面白くなかったけれどワクワクするような冒険譚と言う感じで短編集のタイトルにはぴったり。

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    2023年06月25日
  • 予告殺人〔新訳版〕

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    登場人物が多くてマープル登場前に挫折しかけたけど、途中からいろんな人のいろんな秘密が発覚して面白くなっていった。犯人の秘密にはびっくり!

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    2023年06月25日
  • もの言えぬ証人

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    ネタバレ

    鏡越しに見たブローチのイニシャルが逆になるところには早めに気づいて、Aから始まりそうな名前を登場人物一覧の中から探して、そんな人いなくて、まだなんかあるんだなと思ってたら「親のアラベラという名をもらいそれを略したのがベラ、つまりATのAはアラベラのA」とか言われた時にはそんなんわかるわけなくない?と思いましたがおもしろかったです
    ドクタータニオスはいい人だなと思った(投機失敗してるし散々疑われてたのできれいなジャイアン効果かもしれないけど)

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    2023年06月23日