アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ミス・マープルシリーズ③
静養のため、妹のジョアナと共にリムストックへとやって来たジェリー・バートンは、誹謗中傷が書かれた差出人不明の手紙を受け取る。バートン兄妹は一笑に付すが、この町では以前から人々を誹謗中傷する手紙が出回っていることを知る。
そんな中、手紙の内容を苦にして、自殺者が出てしまう。
誰が、こんな手紙を書いて町中にばらまいているのか?
なぜ、こんなことをしているのか?
自殺か他殺か?
田舎の個性的な面々は、誰もが無関係なように見えるが、誰もが怪しくも見えてくる。
謎ばかり深まる。
しかし、ラストにマープルが登場し、謎の根本をシンプルに示す。
うわぁ~スッキリ!視界が一気にクリアになった。そして、全てのピースがはまる爽快感!
バートン兄妹のロマンスもまた良かった〜 -
購入済み
面白かった
面白かった。
かなりはっきりとしたヒントが示されていたのに
気づけなかった。
作者がうまいのか、私がヘボなのか。
まぁ両方か。
次に読む本こそは謎を解いて見せるぞ。 -
Posted by ブクログ
アガサ・クリスティのノンシリーズ。
呪われていると噂が絶えない「ジプシーが丘」と呼ばれる土地に魅了された青年の物語。
本編の3分の2ぐらいは、絵に描いたような信じられない逆玉婚の描写が続く。そんなに上手いこといく??って思っていると、終盤で事件が起きて、そこから驚愕の展開に移り変わる。
クリスティが晩年に描かれた作品だけに、狂気に満ちた欲深い人間の描写には恐ろしいものを感じた。
そして、真相を知った上で読み返してみると、初読とは違った解釈ができる表現や構成が随所にあって、上手いなぁと感嘆させられる。
甘やかな喜びに生まれつく人と、終わりなき夜に生まれつく人。この対比のメッセージ性が印象深く、後悔とやるせなさを感じさせる読後感だった。 -
Posted by ブクログ
マープルの長篇4作目。クローズド・サークルで起きた事件は、その様子から犯人の見当はすぐ付いても、なんでそうなるのかサッパリわからなかったです。事件は、発生が早めで、かつマープルもわりと早く登場するのに、捜査がなかなか進みません。おかげで犯人は勝手に追い詰められて、出さなくてもいい犠牲者が出たのが可哀想で、読み終わってスッキリしなかったですね。推理は巧みな伏線を見事に回収していて、上手いこと考えるなと驚かされましたが、ちょっと都合良すぎる気もしました。
ところで、なんだか読みづらく感じた本作ですが、登場人物の多さに加えて、恐らくルーカス夫人が表紙裏の登場人物に掲載されていないのが原因でしょうね。この人が掲載されていたらかなり読みやすくなったと思われます。これは、出版社のミスでしょう。
そういえば、ちょうど1年前にクリスティーを読んでみようと思い立ち、かれこれ14冊を読んできました。それ以前に読んだものを含めても、まだまだ沢山の未読作品があるので、のんびり読み続けていこうと思います。
あらすじ:
「殺人をお知らせします……」と、地方新聞の個人広告欄に掲載された一文に驚いた村の住人たち。彼らは、興味本位で招待主の屋敷であるリトル・パドックスに集います。時計が予告された時間を示したとき、部屋の電気が突然消えて、ドアが開いて強力な懐中電灯の光がすばやく照らされた刹那、「手をあげろ!」と男の声。そして拳銃の発射音が二度したあと、三発目の銃声で人影が床に倒れた。衆人環視のもとで発生した事件に、警察の捜査は遅々として進まない。そこに、偶然その地を訪れていたマープルが事件の解決に助力しますが……。 -
Posted by ブクログ
1938年の作品
エルキュール・ポアロシリーズ長編16作目。
あらすじ
エルサレムを訪れたポアロがたまたま耳にしたのは、「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」という男女の囁きだった。
ヨルダンに旅行に来たツアー客の1人である医師のサラ・キングは妙なアメリカ人の家族と居合わせる。その家族は揃いも揃って家長のボイントン夫人の権力の支配下にあり、自由を奪われていた。サラは、息子のレイモンド・ボイントンと友人になり、彼らを救いたいと考えていた。しかし、かつて刑務所の看守だった夫人は、子供たちにサラとの交流を禁止する。腹を立てたサラはボイントン夫人を非難するが、夫人は「私は、行動も名前も顔も、何も忘れたことはない。」と謎の言葉を残した後、ペトラ旅行で何者かに殺害された。
家族全員が容疑者の中、エルキュール・ポアロは犯人探しを開始する。
中近東シリーズのうちの一つですが、異国情緒や旅の雰囲気が感じられるのは「ナイルに死す」や「メソポタミアの殺人」の方かな?
殺された人物が、死んだ方が皆のためになるどうしようもない悪い奴、というところからして、「オリエント急行の殺人」と同じような展開か?と思わせらます。作品内でも、オリエント急行のときのように見逃してくれ、というようなセリフが出てきます。が、さすがクリスティー。オリエント急行とは全然違う展開になっていきます。
1938年という時代を生きた、さまざまなタイプの女性について想いを馳せることができる深みのある作品。
医師として自立している強い女性、サラ・キング。
元看守として家族の中で権力を誇示するボイントン夫人。女ながらに政治家として活躍しているウエストホルム卿夫人。ウエストホルム卿夫人のような活動的な女性に憧れながらも、自分では何もできないアマベル・ピアス。母親のせいで家族以外とつながりを持ったことがなく、外に出るのを恐れているキャロライン・ボイントン。精神的に不安定で、思い込みの激しいジネブラ・ボイントン。
それに比べてこの作品に出てくる男性たちはなんとも弱々しく自分の意志がない(毒親のせい?)
女性ながらに小説家として女性がまだまだ生きづらい時代に生きた、アガサクリスティならではの視点を感じます。
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Posted by ブクログ
終戦の翌年に発表された作品である為か、戦争を経て激変せざるを得ない人間社会とそれによって歪さを醸す人間模様が描かれていたような印象を受ける
それでいて、本作の主題は愛と殺人なのだろうね
筋書きとしては不倫を疑われた男性がホロー荘に滞在しているらしき人間によって射殺されるというものだけど、その射殺されるまでのシーンがしっかりとページ数を掛けて描かれているが為にむしろ殺人はおまけで人間模様こそ本筋だと認識させるような作りとなっているね
そもそも舞台となったホロー荘に関係者が集まるまでの前段で家主の夫人・ルーシーが当初から危惧するように何かが起こりそうな者達が集まっていたと言えるのだから、序盤から殺人に繋がる素養が有った舞台と言える。それでもあの殺人事件が衝撃的なものとして扱われるのは、殺されたジョン・クリストウがあの家において家族のような存在であり、同時に殺人犯と目されたガーダ・クリストウがその妻であったからかもしれない
一方で夫を妻が殺した、なんて光景は世俗的な大衆紙で扱われるような詰まらない題材でも有って
それ故にポアロが現場に遭遇した際の「きわめてわざとらしい殺人場面」が事件の印象を複雑で正体不明なものとしていくね
当初、事件は滑稽な程に単純で作り物めいたものに思えた。だというのに探れば探る程に真相を求める者を惑わす作りとなっている
そのような印象を抱けるのもホロー荘に集う人間達がどこか世俗的でないと思えるからかもしれない
ミッジを別として、ホロー荘に滞在する者達はどこか前時代的。未だに貴族の時代が続いているのではないかと思えてしまう
けれど、ミッジという存在が示すように、そして作品が発表された時代背景が示すように、もはやホロー荘の在り方は世に反したもの。だからか、そこに集う者達の人間性はホロー荘で暮らさぬ者には異質なものと思えてしまい、その異質さが殺人事件の真相理解を邪魔してくる
特にルーシーの態度に代表されるように、ホロー荘の住人は敷地内で殺人が起きたというのに、それを現実のものとは考えないような態度ばかり。むしろ自分達に現実を突きつけようとする警察を邪険にする態度はもはや世俗に背を向けているかのよう
他方で彼らが何を大事にしていたかといえば、一族の繋がりであり互いを愛する心だったのかも知れない
ジョンはそもそも不倫の疑いを契機に殺されたわけだけど、そこには数多の愛情が絡まっている
ヘンリエッタ、エドワード、ミッジ、ヴェロニカ…。誰も彼も殺人を他所に思うが儘にならない感情に翻弄されていた
それはまるで世界を揺るがすような戦争が起きても人の生活は続くし、そこで人は愛を育んでいくと言わんばかりのものだったのかもしれない
それだけに終盤で波乱万丈の果てに一つのカップルが誕生した事はクリスティ作品らしいなと思いつつ、人間社会の確かさを感じさせる話だとも思えたよ -
購入済み
ナニか物足りない
やたらと散りばめられた多数の伏線が
見事に回収されて、すごいなと思う。
ゼロ時間に向かって物語が進んでいくのも斬新だなと思う。
その一方で、後だし感が強いなとも感じた。