アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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『感情と理性を混同してはなりません』ーーエルキュール・ポアロ
アガサ・クリスティ…名探偵コナンが好きなので、それ繋がりで知ってたけどちゃんと読むのは初めてでした。
読みながら読者も推理できるタイプの高濃度ミステリー。さすがとしか言いようがない完成度…
当然ではあるのですが登場人物はカタカナまみれなので覚えるのに結構時間かかりました笑
ストーリー中盤くらいでやっと覚えられた…
途中で屋敷の見取り図(部屋割り?)とか手紙とかが図でしっかり出されてたので、メモしながら読むと一緒に推理できて絶対楽しいだろうな…!私はメモ取らずに突き進んだせいで楽しさを半減させてしまいました
読みながら推理して楽しめるように、自分ももっと頑張らないと…と感じた1冊でした -
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ネタバレそこには、古き良き英国の空気が漂う。
バートラム・ホテルには懐かしき時代がまだ残っている。移りゆく時代の中で、ここにはあの頃の英国が残っている。娘時代に泊まったこのホテルに、何十年振りに滞在したミス・マープル。ロンドン滞在を楽しみ、ホテルの人間模様を観察していたが、老牧師が行方不明になり、狙われた令嬢の身代わりでドアマンが撃たれてしまい——。
ラストの謎解き、それでいいの? 証拠が何もないのがいっそ潔いほど。しかし前半のバートラム・ホテルの描写や、滞在を楽しむミス・マープルの様子が味わいある。おやじさんことデイビー主任警部のキャラクターもいい。 -
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【短編集】
1934年クリスティ44歳。
「あなたは幸せ?でないならパーカー・パイン氏に相談を。」
新聞にこんな広告が出ていたら、怪しいと思いつつ気になってしまう。
政府の統計局に35年間勤めていたという変わった経歴を持ち、今は人の「不幸」を統計学に基づいて解決する仕事をしているパーカー・パイン氏。
大きな体に形のよいはげ頭、度のきつい眼鏡。そして、人を安心させるような雰囲気。
なんとなく風貌はポアロと重なる。
でも、ポアロが犯罪の謎を解くのに対して、パインは人生の不満を解決するのが本業。
ポアロでお馴染みの人物が登場するのも嬉しい。
依頼人の悩みに合わせて、人員を動かしたり、芝居を仕掛けたり。
なんだかホワイトな喪黒福造みたい。
前半は、パーカー・パイン氏ならではのユーモラスな解決法と、この唯一無二のキャラクターを楽しんだ。
ただ、後半になると、よくある旅先で事件に巻き込まれる探偵小説のようになってしまって少し残念。
それならパーカー・パイン氏である必要がなくなってしまい、ポアロかマープルにお願いしたくなる。 -
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序盤から不必要なほどキャラクターがわんさか出てくるが、たった数ページの会話でぞれぞれの特徴を捉えることができるので苦にならない。登場人物の書き分けが世界一上手いのではないだろうか。
【ネタバレ】
トリックに新規性はありませんし、この手法だとリスクが高すぎるので、ポアロがいうほど計画性の高い狡知に長けた(スリック)犯罪という印象は受けませんでした。共犯者の存在は当てられませんでしたが。
リゾート地という心理的に開放感のある心地よい舞台で人間関係が交錯していく物語の本筋にはのめり込むことができ、その点は『ナイルに死す』に匹敵するかも。バカンスの文化が羨ましいなあ…もっと真夏に読むべきだった。 -
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ネタバレ忘れない、あなたの愛を。
ミセス・オリヴァが滅多に参加しない文学者昼食会で出会ったミセス・バートン=コックスは、ミセス・オリヴァが名付け親となったシリヤの両親の悲劇を知りたがる。息子の結婚相手としてシリヤが相応しいのか判断したいと。仕方なくミセス・オリヴァはシリヤの両親が亡くなった10年以上前の事件の真相を突き止めるために、関係者を洗い出し、話を聞いていくのだが——。
タイトルの「象は忘れない」というのはことわざらしい。作品中には何度もこの言葉が出てくる。人は忘れる生き物だが、ミセス・オリヴァが訪ねていく人々は、様々に出来事を記憶している。ミセス・オリヴァが協力を願ったポアロも、ミセス・ロバート=コックスの息子デズモンドからの頼みを聞き、ミセス・オリヴァと役割分担しながら、人に会っては話を聞く。会話劇で進んでいくことが多く、また思い違いや断片的な記憶も多いため、こんなので真相がわかるのだろうかと思うが、さすがはポアロ。情報を整理して、デスモンドとシリヤに「真実」を与える。
将軍と夫人ではなく、夫人の一卵性双生児の姉だ、というのは割と早くから感じとることができるが、それに至った理由は推理までさっぱりわからず。ポアロが示した「真実」は、愛ゆえの悲劇であり責任感であり正義感だった。それはまさに若い2人の求めていたものであり、2人の結婚を祝福するものだった。
ポアロの推理は、過去の調査で残っていたものと、さまざまな人に聞いた過去の話だけであり、今となっては確かめようのない「真実」とも言える。ただ、幸せになるべき人を幸せにする解決であった。これは確かに推理小説であり、そのうえで人間讃歌である。ミセス・オリヴァのキャラクターも後押ししているが、ストンと落ち着く読後感が心地よかった。散々「象は忘れない」と言い続けてのラストのセリフ「ありがたいことに、人間は忘れることができるんですよ」というのも素敵だ。 -
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ネタバレ面白かった。ただ、ボーバリー夫人のメイドが、マダムジゼルの娘というのは突拍子で、出来すぎた話に見えた。完璧に話を理解しているわけではないが、ジゼルの娘がすぐに死んでしまうというストーリーを作り上げるのに、そこまで必要な要素だったのだろうか。ノーマンは、ジゼルの娘と出会い、そして、ホーバリー夫人とジゼルのつながりを知って、殺人を企てたらしいが、実の母娘が、双方が知らないうちに関わり合うというのが自分は、引っかかるのだろう。まあフィクションだしいいか。
確かに、変装をするというのは、あまり考えていなかったが、現実的に考えれば、乗務員しかジゼルを直接的には殺せないはずである。アガサクリスティの作品は、現実的でアナログな部分にオチが持っていかれるのが心地いい。「人は、無意識のうちに、自分を曝け出したくなる」、「動機があって、行動する」というのは、まさにその通りだと思った。いつも通り、ポワロの冷静で、論理的で、それでいて人間の情への鋭い観察力はみもの。自分が1番好きなのは、そのキャラクター性なのだと思った。 -
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ネタバレ飛行機内という密閉空間で起こる殺人事件。
冒頭から飛行機苦手なポアロさんが可愛い( ´艸`)探偵はそこに居るのに、見ざる・聞かざる・言わざる状態ゆえに事件は眼前でしっかり起きる。
ただ殺害方法の謎については蜂?それとも…?のくだりが個人的に好みではなかったかな。エキゾチックな方法に寄せられると、心理的瞬間の有無を抜きに本当に犯人はそんな方法を採用するか?ってツッコミ入れちゃう…
しかし!安定のクリスティーなので、犯人は意外なところから暴かれて、読者の心理の穴を突いてしっかり騙してくれる。
毎度、ありがとうございます(^^)の気持ち。
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ネタバレ序盤における描写に違和感があり、早い段階でこの仕掛けに気づいて犯人がわかってしまった。「ここからさらにどんでん返しがあるのでは?」と勘ぐったものの、予想通りの結末だった。これまでに本作の系譜を引く国内ミステリーを読んでいたからこそ見抜けたのだと思うが、それが100年前の作品であるというのには驚かされる。
ただ、翻訳の文体がどうにも体に合わず、なかなか読み進められなかったのが惜しい。全部舞台でのセリフのようで人間味が感じられないというか…。前半こそじっくりと細かい描写を追えたものの、途中から流し読みになってしまい、きっと原作の良さを半分も味わえていない気がする。
「犯人自身による手記」という叙述トリックの形式自体は非常に面白く賛成だが、個人的には犯人が自殺してしまうオチが残念に感じられた。しかもそれをポアロが暗に促しているように見える。事件を解決するだけでなく、犯人の死まで導いてしまうような探偵のスタンスは、どうも好きになれなかった。 -
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ミステリー史に残る作品で、今のミステリーの土台を作った一冊なのだろうとは思う。ただ、自分にはあまりハマらなかった。
仕掛けは確かに上手い。伏線もかなりあり、犯人を示す叙述上の手掛かりは巧いと思う。ただ、犯行を成立させる細かな条件まで十分早く提示されているとは感じられず、「その情報が後から出てくるなら何でもありでは?」という感覚が残った。
自分は、後から振り返れば辻褄が合うフェアさよりも、最初に与えられた情報を積み上げて真相へ到達するフェアさの方が好きなのだと思う。
また、『medium』のような現代ミステリーを読んでいることもあり、仕掛け自体にはそこまで新鮮味を感じなかった。もちろん、1926年にこれをやったことや、後のミステリーに与えた影響はすごいと思う。
キャロラインは好きだった。噂好きでお節介だけど、優しさもあって印象に残った。
日本語訳も少し読みにくく、文章や会話が自然に入ってこない感じがあった。
歴史的な価値や仕掛けの巧さは理解できる。でも、それと自分が読んで面白いかは別だった。
10段階評価: 4点 -
Posted by ブクログ
ネタバレアガサ・クリスティー大全集で星5つだったので期待して読んだ作品。
ボイントン夫人の性根の悪さには納得。誰かをいたぶっていないと生きている意味がない、というような人で、一度ターゲットを決めたら徹底的に追い詰める。あれだけ人を苦しめていたら、誰かに殺されても仕方ないと思ってしまうほどだった。
ただ、ボイントン家の娘たちにはかなり引っかかった。母親に支配されてきた被害者なのは分かるけれど、あまりにも自己中心的。結局、自分のことばかり考えているように見えて、「あなたたちも大概じゃない?」と思ってしまった。
そして一番気になったのがサラ。ボイントン家とは何の関係もない部外者なのに、「自分がこの家族を変えなければ」という発想になるのがどうしても理解できなかった。いや、あなた部外者ですよね?と思ってしまう。しかも、出会ったばかりのレイモンドとすぐに恋に落ちる展開も、正直あまり腑に落ちなかった。
犯人がウエストホルム卿夫人だったのも、「え、そこ?」という感じ。最初の頃に事情を聞かれて、服装について話していたくらいの印象だったので、最後に犯人として出てきたのはかなり唐突に感じた。
さらに、最後はポアロに追い詰められたウエストホルム卿夫人が自殺する。『アクロイド殺し』のときと同じように、ポアロが犯人を自殺へ追い込んでいるようにも見えて、「ポアロ、そこまでやるの?」という気持ちになった。
作品として評価が高いのは分かるけれど、私は謎解きそのものよりも、登場人物たちの行動に「いやいや、それはおかしくない?」とツッコミを入れながら読んだ作品だった。
でも、こういうふうに登場人物に納得できないところがたくさんある作品ほど、読後にあれこれ話したくなるので、これはこれで面白かった。