アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ミステリと思う勿れ笑
季節に応じた作品に触れようの回。(今夏は横溝正史の『獄門島』)
オリエント急行もポワロ・シリーズも未だ手付かずなのに、いきなりソフトな面からお邪魔する。あとがきにも書いてあるけど心理描写が巧み。「何?どうなる⁉︎」とビクビクじゃなくてワクワクした気持ちで各話の続きが気になっていた。
彼女が料理したクリスマス・ストーリーズはどれも不思議な構成だった。短編集ではあるけれど「信仰」をキーワードに各話が一本の糸で繋がっている。(自分にとって短編は変わらずとっつきにくいものだけど、そう考えたら個々の話として楽しめた) 彼女の代表作もこのスタイルで展開していくのかな。『クリスマス・キャロル』みたいなストーリーブック調にも見受けられるけど、聖書の知識を蓄えるのもさる事ながら大人になって再読するとまた違った味わいになってくると思う。
第1章は彼女なりにアレンジした聖誕劇だけど、とにかくルシファーの登場シーン(聖誕劇で⁉︎と思うだろう…)が一番度肝を抜かれた、を飛び越して笑いでつんのめった。東方の三博士が”VIP”と呼ばれていたのも。(間違ってはいない笑)
『いと高き昇進』もお気に入り。聖者達の行進で幕を開ける衝撃のイントロ。14人の聖人(ペトロ以外知らない人達。翻訳者さんですらご存知ない人もいる汗)が静物として崇拝される運命から解放されてそれぞれの形で現代を生きるところが何だか清々しい。(「解放された」って解釈で合っているのかは疑問だけど…)
彼女がどれほどの信仰心を持たれていたかは知らないけれど、普段「目に見えざるもの」への感謝を忘れがちな人が読んでも説教っぽくは聞こえないだろうし、クリスマスを機に思い出させてくれる仕掛けになっているのかね。 -
購入済み
面白かった
怖いねぇ、マープルさん。
何もかも見透かされてるような気分になる。
なにしろ証拠もなにも関係ないんだから。
それでいて、確かにそうだよねと思わずにいられない。 -
購入済み
面白かった
ミステリーではないです。
クリスティの別名義の作品です。
みんな幸福をつかむチャンスはあったはずなのにね。
でもそうはしなかった。
望んで不幸になっているようにも見えるし。
まあ幸せなんて本人の思い込みなわけで
他人がとやかく言うものではないけれど。
ほんとうの幸いってあるのかな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ記憶もないほど幼い頃に過ごした海辺の快適な家、おぼろげながら幸福な印象にそぐわない惨劇の場面…曖昧な中から浮かび上がる明暗のコントラストが魅力的。オカルト的な要素は珍しいけど、心地よさと怖さを結びつけるところがまさにアガサ。クレプスキュールレーベルのfrom Brussels with loveというアルバムに入っていたHelen’s songというきれいだけど背筋が寒くなるような曲を思い出した。謎解きは定番的なため、リリーが手紙を書く時点で死亡フラグ+相談相手=犯人確定。この犯行のトリックも読めた。テニスネットのエピソードで元の事件も確信。新たな死者が出たのは気の毒だけど、若い命を断たれ汚名を着せられたヘレンのためにはせめて真実が明らかになってよかった。復讐の女神と同じ話で、今の時代ジェンダー問題になるけど、こういう事件は犯人が男性ならしっくりくる(女性ならライバルを襲う)。ミス・マープルはおとり捜査が好きみたいだけど、動く指のミーガンの時みたいに事前調整してあげたほうが良かったと思う…ウォルター・フェーンの家に死人がいる気がすると言うグレンダの直感はガセだったのか、「マギンティ夫人は死んだ」のアリアドニ・オリヴァ的なオチはなかった。
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Posted by ブクログ
これは私の人生。
母の死と夫の裏切りに心を閉ざすシーリアは、失踪事件を起こした著者の姿だと言われる。穏やかな婚約者を捨てて選んだダーモット。すれ違うシーリアとダーモット、産まれた娘はダーモットの性質を引き継いだ。孤独なシーリアが語る腕のない男の意味とは。
ぎくりとする場面も多く、読むのしんどいこともあった。内気、自意識、夢想、色々なところに自分と重なるところを見つけた。シーリアの不安を我が事のように感じた。
痛快な祖母グラニー。よき理解者の母ミリアム。自分ではなくダーモットの性質を受け継いだからこそ助けになる娘ジュディー。四世代に渡る女性の生き方を描いた作品とも読める。
シーリアが指摘された小説家としての視点は、クリスティーも同じことを言われたのだろうか。これがまったくのノンフィクションでない以上、どれだけこの作品に真実の姿を探しても、クリスティーの肖像はまだわからないままだ。 -
Posted by ブクログ
殺人事件は、基本的にコメディ。
クラリサは、死体を見つけた。どうやら夫の前妻の子が手を下した可能性がある。もう少しで夫が外交上の要人を連れてくる。隠すしかない! 叔父や友人に協力を頼んで死体を隠したものの、謎の人物の通報により警察がやってくる。死体を隠した扉を開けられてもう終わりかと思ったら、そこに死体がなかった。さあ、クラリサはうまく警察をごまかせるのか?
人が1人死んでいるドタバタ劇。出てくるキャラクターのクセが強いのはクリスティーのお約束。手がかりはちゃんとセリフやト書きの中にあり、犯人がわかってから読み返すとなるほどと思う。どこかで上演してくれないかな。 -
Posted by ブクログ
クリスマスに慈悲を。
クリスマスに親類一同が集まった家で、老いた当主が血だらけになって発見された。手を下したのは家族なのか。ポアロはこの血みどろの事件をどう読むのか。
解説にもあるが、クリスマスを思わせるアイテムをちりばめた話である。密室に誰かが外からやってくるというのはサンタクロースだし、真っ赤といえばサンタクロースの服である——赤い服を着たサンタクロースはアメリカの産物だけど。クリスマスに家族が集合すれば、善意よりも苦痛や憎しみの爆発が起こるだろうとポアロは語る。そうなればクリスマスは殺人事件にもってこいの季節だ。
いかにも殺人トリックな作品なので、読み終わったときの満足感は十分。指し示された犯人もなるほどと思う。アリバイトリックはそこまでする必要があったのかなと思うが、まあ、もっと血を! という声に応えて書いた作品だと最初にあるので、そのしばりがあったからだと思えば。より洗練された作品を書いてきたクリスティーがあえてこういういかにもな殺人事件を書いたと楽しめる。血に飢えた方はぜひどうぞ。 -
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面白かった
短編集で、隙間時間に読み進めるのにちょうどいいと思います。
鮮やかな推理とは言えないケースもあるけれど
かえってそれが良いところだと思います。
慎重な男と言いながら
結構危ない橋をわたってるぞトミー。