アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレクリスマスに、家族が集まっている時に、屋敷の主人のシメオンが殺害されます。横暴で支配的な主人と、それに逆らえない人々という構図は、"死との約束"に通じるものがありました。
富豪の死・遺産相続が絡む、クリスティでこのパターンは、動機のはっきりしている、直感で怪しいと思わせる人物が犯人だろうと予想していましたが、大外れでした…。
サグデン警視は、これからレギュラー化して欲しいくらい好きな人物だったので、ショッキングでした。しかし、読み返してみれば、やたらハンサムであることや、隙のない性格について描写していました。シメオンの血を色濃く受け継いでいるという情報を、読者にきちんと与えていたと気づきました。(それでも、気づけませんでしたが…)
タイムリーな時に読み終えられて嬉しいです。まだまだポアロシリーズを楽しみます! -
Posted by ブクログ
「アガサ・クリスティ」のミステリ連作短篇集『パーカー・パイン登場(原題:Parker Pyne Investigates, 米題:Mr. Parker Pyne, Detective)』を読みました。
『無実はさいなむ』、『蒼ざめた馬』、『ゼロ時間へ』に続き、「アガサ・クリスティ」作品です。
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「あなたは幸せ?でないならパーカー・パイン氏に相談を」こんな奇妙な新聞広告に誘われて、依頼人が次々とパイン氏の事務所を訪れる。
夫の浮気に悩む人妻、人生に退屈した退役軍人、平凡な生活を送るサラリーマン、大金を使いたがる大金持ちの婦人―人々の悩みに答える、「パイン氏」の奇想天外なサービスとは。
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1934年(昭和9年)に刊行された「アガサ・クリスティ」のミステリ短篇集… 「パーカー・パイン」シリーズの作品です、、、
本書には新聞広告を見て訪れる人々の悩みを聞き、不幸を取り除いて幸せにする「パーカー・パイン」シリーズの12作品が収録されています… 「パーカー・パイン」シリーズは、『黄色いアイリス』に収録されていた『レガッタ・デーの事件』、『ポリェンサ海岸の事件』以来ですね。
■中年夫人の事件(原題:The Case of the Middle-aged Wife)
■退屈している軍人の事件(原題:The Case of the Discontented Soldier)
■困りはてた婦人の事件(原題:The Case of the Distressed Lady)
■不満な夫の事件(原題:The Case of the Discontented Husband)
■サラリーマンの事件(原題:The Case of the City Clerk)
■大金持ちの婦人の事件(原題:The Case of the Rich Woman)
■あなたは欲しいものをすべて手に入れましたか?(原題:Have You Got Everything You Want?)
■バグダッドの門(原題:The Gate of Baghdad)
■シーラーズにある家(原題:The House at Shiraz)
■高価な真珠(原題:The Pearl of Price)
■ナイル河の殺人(原題:Death on the Nile)
■デルファイの神託(原題:The Oracle at Delphi)
■解説 小熊文彦
最初の6篇は、なんらかの理由で自分が不幸だと思っている依頼人を幸福にするという「パーカー・パイン」の本業であるカウンセラーとしての仕事が描かれています、、、
「パーカー・パイン」がよりどころとするのは医学でも心理学でも宗教でもなく統計… 官僚として35年働いてきた経験を元に、不幸を分類し、依頼人がどのタイプの不幸なのかを識別、その上でどうすべきかを伝え、悩みを解決していきます。
『中年夫人の事件』は、夫の浮気に悩む中年女性「パキントン夫人」の相談を解決する物語、、、
「パキントン夫人」を見たとたんに「パーカー・パイン」は「ご主人とご主人の事務所にいる若い婦人」の問題が、「パキントン夫人」の悩みだろうと言い当て、びっくりする「パキントン夫人」に「パーカー・パイン」は悩み解決の手数料として、前払いで200ギニーを要求… やがて「パキントン夫人」は3通の手紙を受け取り、「パキントン夫人」は美容院に行き、新しいドレスを作り、「パーカー・パイン」の事務所に向かう。
事務所で夫人は「クロード・ラトレル」という若い男を紹介され2人で昼食に… 「ラトレル」はすぐに夫人の楽しくさせてくれ、その夜2人はナイトクラブでダンスをするまでに、、、
それ以来「パキントン夫人」は、毎日毎晩のように「ラトレル」と会った… この行動がきっかけとなり、冷え切っていた「パキントン夫妻」の関係が回復してハッピーエンド… 夫婦間の愛情って、複雑ですよね。
『退屈している軍人の事件』は、海外の任地から帰国した退役軍人「ウィルブラム少佐」の相談を解決する物語、、、
任地の東アフリカから帰国して、田舎の小さな村に引っ込んだ「ウィルブラム少佐」は、退屈でやり切れない日々を過ごしており、「パーカー・パイン」の広告に目を引かれて、その事務所を訪れた… 「ウィルブラム少佐」の話を聞いた「パーカー・パイン」は50ポンドを請求し、明朝、さらに詳しい指示をすると言って「ウィルブラム少佐」を送り出した。
翌朝、「ウィルブラム少佐」は「次の月曜、朝11時にハムステッドのフライヤーズ通りへ行き、ジョーンズ氏を訪ねろ」という短い指示を受けた… 指示された場所に向かう途中、一軒の家から女の悲鳴が聞こえた… 「ウィルブラム少佐」が駆けつけると、明らかに空家と思われる家の中で若い女「フリーダ」が2人の黒人に襲われていた、、、
これは「パーカー・パイン」がミステリ作家の「オリヴァ婦人」の協力を得て考案した計画で、「ウィルブラム少佐」は危険な冒険に巻き込まれることで刺激的な日々を過ごすことができ、そして、「フリーダ」と結ばれるというハッピーエンド… でも、二人が向かった東アフリカで宝物はみつからないんですよね… まっ、刺激的なハネムーンになったからよかったんでしょうね。
『困りはてた婦人の事件』は、お金に困って知人のダイヤの指輪を盗んでしまった婦人「ダフネ・セント・ジョン」の相談を解決する物語、、、
「パーカー・パイン」のもとを訪れた「ダフネ・セント・ジョン」が見せたダイヤの指輪は最低でも2千ポンドはする見事な指輪だった… その指輪は「ドートハイマー夫人」のもので台座の緩みを直してもらうために預られたが、「ダフネ」は多くの借金を抱えていたので、ダイヤの模造品を作り、本物のダイヤを質入れして借金を返したのだ。
よって、現在「ドートハイマー夫人」のもとにあるのは、精巧な模造品ということになる… 「ダフネ」は後悔しており、「ドートハイマー夫人」の指輪を模造品から本物に取り替えてほしい依頼したのだった、、、
でも、実は「パーカー・パイン」を利用して「ダフネ」は、ダイヤの指輪を自らのモノにしようと悪だくみをしていたんですよね… それを見抜いた「パーカー・パイン」は、本物を「ドートハイマー夫人」のもとに返し、「ダフネ」には模造品を返すことにより、事件を解決します。
ちょっと複雑ですが、面白い展開でしたね… 経費のみ受け取り、報酬を受け取らない「パーカー・パイン」の態度も良かったですね。
『不満な夫の事件』は、趣味の合わない妻にないがしろにされ、妻から離婚を要求された夫「レジノルド・ウォード」の相談を解決する物語、、、
「パーカー・パイン」はスタッフの一人「マドレーヌ・ド・サラ」を使って、「レジノルド」が浮気をしたという芝居をすることに… 妻の心を夫に向かわせることができて、作戦は成功たかに思えたが、「レジノルド」は、あろうことか芝居ではなく本気で「サラ」に執心してしまった という「パーカー・パイン」にしては珍しい判断誤り(失敗談?)でした。
『サラリーマンの事件』は、不幸せではないが、なぜだか満足できないサラリーマン「ロバーツ」の相談を解決する物語、、、
有名会社に勤め、結婚をて見苦しくない世間体を保ち、子供たちにはきちんとした教育を受けさせ、その子供たちも健康で力強く、何がしかの貯蓄もある、大変に幸せな「ロバーツ」が「パーカー・パイン」の事務所を訪れた… 何か華々しい体験をしたいというのだ。
「パーカー・パイン」は、そんな「ロバーツ」に、ジュネーブまで列車でロシアの戴冠用宝石の秘密の隠匿場所を記した暗号文を運ぶように指示… しかも過激派組織が「ロバーツ」を阻止しようとしていると言って、、、
「ロバーツ」は刺激的な冒険により輝かしい経験ができて、「パーカー・パイン」は「ボニントン」に頼まれた設計図をジュネーブに送り届けることができてWin-Win… 一石二鳥でしたね。
『大金持ちの婦人の事件』は、「お金を使い方を教えて欲しい」という(贅沢な)悩みで「パーカー・パイン」のところにやって来た「アブナー・ライマー夫人」の相談を解決する物語、、、
5年前の夫を亡くした「アブナー・ライマー夫人は、夫が事業に成功したために金に困ったことはなかったが、それが逆に悩みであった… 娘のころは農家でせっせと働いていた夫人」は、金持になれば楽しい生活を送れると考えていたが、それは最初のうちだけだった。
今では楽しいどころか、お金があっても何もできない、持ってないもので金で買えるようなものが思いつかない、つまり生活が面白くなく何の楽しみもないのだった… そんな「ライマー夫人」の話を聞いた「パーカー・パイン」は1千ポンドを要求し、「ライマー夫人」に「コンスタンチン博士」を紹介する、、、
「コンスタンチン博士」は東洋人で、夫人に向って「あなたの魂は疲れている」と謎めいたことをいい、香り良く淹れられたコーヒーを飲ませた… いつしか「ライマー夫人」は深い眠りにつき、目覚めた時はどこかの農場のベッドの上にいた。
幸せ って、何なのかなぁ… ということを考えさせられる作品でしたね、、、
一緒に過ごすパートナーや環境によっては、お金がない方が幸せな場合もあるんですよね… 価値観というのは、一人ひとり異なるものだと改めて感じました。
後半の6篇はトラベルミステリ… 休暇を取った「パーカー・パイン」が旅行に出かけたものの、なぜか行く先々で次々と事件に出くわしてしまい、さっぱり休めない、という展開、、、
人を幸せにする… という行動原理こそ変わらないものの、「パーカー・パイン」らしい独特なスタイルは失われ、一般的なミステリに近い作品に仕上がっています。
『あなたは欲しいものをすべて手に入れましたか?』は、スタンブール行きのシンプロン急行で夫が誰かに何かを依頼した痕跡があって困惑しているという「エルシー・ジェフリーズ」という若い人妻の相談を解決する物語、、、
「エルシー」は旅立つ前に妙な物をみていた… 吸い取り紙に残された文字で、それは夫が手紙に書いたもので、「妻、シンプロン急行、ベニスの少し手前が最適だ」と読み取れた。
やがて列車がベニスの手前の海を渡る橋にさしかかると、空き室のコンパートメントから煙が出て大騒ぎになった… 発煙筒がたかれただけと分かったが、その騒ぎの間に「エルシー」の宝石箱が荒らされ、中身が無くなっていた、、、
「エルシー」の客室にいたスラブ系の女を「パーカー・パイン」が捕まえたが、その女は宝石を一切身に着けていなかった… 「エルシー」の夫「エドワード」が過去の出来事で恐喝されており、その解決のために一芝居打っていたとは、ちょっと読めない展開でしたね。
『バグダッドの門』は、ダマスカスからバグダッドへ向かうバス旅の途中、砂漠のただ中で起こった殺人事件を解決する物語、、、
ダマスカスからバグダッドへ砂漠を横断して進む六輪自動車の中で男性客の一人「スミザースト」が車内でグッタリしているのが見つかった… 男はすでにこと切れており、同乗していた空軍軍医「ロフタス」の検死により死因は頭を鈍器のようなもので殴られたらしいことが判明する。
かつて悪路を走る車の中で、頭を天井にぶつけて死んだ人間もいるとのことで、今回も事故かもしれないとの意見もあったが… ちょっと雑な検死だなぁ と思いましたが、、、
やはり「ロフタス」は、ただの空軍軍医ではありませんでしたね… 「スミザースト」がイートン校出身ということから、別な事件との絡みに気付くところがポイントでしたね。
『シーラーズにある家』は、イラン(ペルシャ)の首都テヘランと古都シーラーズを舞台にシーラーズの一角でひっそりと暮らす英国人女性「レディ・エスター・カー」にまつわる秘密を解き明かす物語、、、
バグダッドに着いた「パーカー・パイン」は、その後ペルシャに向ったが、その途中、飛行機のパイロットから乗客だった2人の英国人女性の話を聞いた… その話によると二人の女性はシーラーズに向い、そこで一人が建物から転落死し、もう一人が気が狂ってしまい、現在もシーラーズで世捨て人のような暮らしをしているらしい。
「パーカー・パイン」は、その話を聞いてさっそくシーラーズに向かい、気狂いと言われている「レディ・エスター・カー」に合い、話を聞くうちに彼女の秘密に気付く… 誰も知らない異国で過ごしているってことは、知られたくない過去があるんですよねぇ、、、
狂気の中での偶発的な事故死… 二人のことを、誰も知らない土地で入れ替わり、二度と母国には帰れないと思いつつも、徐々に故郷のことが恋しくなるが、真実を告白したら事故死ではなく殺人の容疑をかけられてしまうのではないか… そんな不安を抱えた彼女に、「パーカー・パイン」は温かい手を差し伸べたんですね。
『高価な真珠』は、ヨルダンのペトラ遺跡を舞台に真珠のイヤリングの盗難事件を解決する物語、、、
赤岩の都市ペトラに着いた「パーカー・パイン」はじめ旅行者の一行… その一行の中にアメリカの粗野な金持ち親子「ケイブル・ブランデル」と娘の「キャロル」が含まれており、「キャロル」が身に着けている真珠のイヤリングが8万ドルの価値があることや、失くしても直ぐにもう一組買ってもらえるとか、そうしたからといって破産するわけでもない、という嫌味な会話を聞かされていた。
翌日、一行が絶壁を登って広い台地に出た際、「キャロル」のイヤリングが外れていることに気付く… 確か少し前にはイヤリングは「キャロル」の耳についていたはずだった、、、
台地を探したが落ちておらず、誰かが隙を見て盗んだ可能性が高くなったが、身体検査等によってもイアリングは発見できなかった… 「パーカー・パイン」の推理は見事でしたが、盗んだ犯人はともかく、盗まれたイアリングには5ポンド程度の価値しかないことまで見破った手腕は見事でしたね。
『ナイル河の殺人』は、ナイル河を航行する観光船の中を舞台に船内で発生した殺人事件を解決する物語、、、
ナイル川を行く観光船は、金持ちの「レディー・グレイル」の貸切になるはずだった… 乗船していたのは「レディー・グレイル」と夫の「ジョージ卿」、姪の「パメラ」、付き添い看護婦「エルシー・マクノートン」、「ジョージ卿」の秘書「バージル・ウェスト」だけのはずだった。
だがそこに出港間際に「パーカー・パイン」が紛れ込む… そこではわがままな「レディー・グレイル」が気持ちをイラつかせていた、、、
その「レディ・グレイル」から「パーカー・パイン」に会ってほしい手紙が届く… 彼女はは夫が自分を毒殺しようとしていると打ち明けるが、「パーカー・パイン」は一笑に付し、「レディー・グレイル」は怒って、その場を去る。
しかし、その夜、「レディ・グレイル」はストリキニーネで毒殺される… 「レディ・グレイル」の生前の証言や「エルシー・マクノートン」の証言から「ジョージ卿」に疑いが向けられるが、、、
「パーカー・パイン」は灰皿に残っていた燃えかけの紙片から読み取れた僅かなメッセージ等から、真犯人を突き止めます… たまたま「パーカー・パイン」が乗り合わせなかったら、真相は闇の中だったでしょうね。
『デルファイの神託』は、ギリシャのデルファイを舞台に18歳の少年の誘拐事件を解決する物語、、、
ギリシャのデルファイのホテルに滞在する「ウィラード・ピーターズ夫人」のもとに脅迫状が舞い込んだ… 差出人は「ディミトリアス」と名乗り、彼女が溺愛する息子の「ウィラード」を誘拐したといい、身代金として1万ポンドを要求した。
「ピーターズ夫人」は同じホテルに滞在する「パーカー・パイン」に相談することに… 翌日2通目の脅迫状が届き、身代金の代わりに「ピーターズ夫人」が所有するダイヤのネックレスでも取引に応じると言ってきた、、、
「ピーターズ夫人」が再び手紙をもって「パーカー・パイン」を訪ねると、「パーカー・パイン」はダイヤを模造品に取り替えることを提案する… その後、同じホテルに滞在する怪しげな男「トムスン」が「ピーターズ夫人」の部屋を訪ねてきて、事件は意外な展開をみせる。
いやぁ… 叙述トリックにまんまと騙されましたね、、、
「パーカー・パイン」に成りすました悪人が、「ピーターズ夫人」を騙してダイヤを巻き上げようとしていたとは… まさか、「トムスン」が本物の「パーカー・パイン」とはねぇ。
気軽に読める作品ばかりなので、気分転換には良かったですね… 後半6篇のトラベルミステリは、イラクやイラン、ヨルダン、ナイル等が舞台となっており、後の「アガサ・クリスティ」作品を予感させるような作品でしたね、、、
イチバン印象に残ったのは、エンディングが鮮やかで意外性のある『デルファイの神託』かな… ダイヤを盗もうとした犯人の片棒を担がされそうになっていたことを見破った『困りはてた婦人の事件』も面白かったですね… 心にぐっとくる結末は『大金持ちの婦人の事件』かな、本当の幸せ って、人それぞれなことを改めて感じました。 -
アイリッシュのファントム
ウィリアム、アイリッシュのファントム、レイディのお手本になったお話。
クリスティさんの良さ、ポアロのうまさが遺憾無く発揮されている作品。
アイリッシュの方も面白いです。お好みで。 -
Posted by ブクログ
「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『ヒッコリー・ロードの殺人(原題:Hickory Dickory Dock)』を読みました。
『終りなき夜に生れつく』、『なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?』、『NかMか』、『ポアロのクリスマス』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
-----story-------------
外国人留学生の多いロンドンの学生寮で盗難騒動が次々と起き、靴の片方や電球など他愛のないものばかりが盗まれた。
が、寮を訪れた「ポアロ」は即刻警察を呼ぶべきだと主張する。
そしてその直後、寮生の一人が謎の死を遂げる。
はたしてこれらの事件の裏には何が…マザーグースを口ずさむ「ポアロ」が名推理を披露する。
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1955年に発表された「エルキュール・ポアロ」シリーズの長篇27作目となる作品、、、
『ポアロのクリスマス』に続き「エルキュール・ポアロ」シリーズ作品です。
「ポアロ」の秘書「ミス・レモン」の姉「ハバード夫人」が管理人として雇われているヒッコリー・ロード二十六番地の学生向けの寮で盗難事件が多発、、、
盗まれたモノは靴の片方や電球など他愛のないものばかり… 「ポアロ」は、探偵の理論と方法という講演をするという理由で寮に入り込み、真相を探ろうとします。
窃盗の大半は、寮生「シーリア・オースティン」が、同じ寮生の「コリン・マックナブ」の気持ちを惹きつけるための犯行ということが判明しますが、一部の盗難について「シーリア」は犯行を否定します、、、
「シーリア」が犯行を否定した盗難に何か意味があるのでは… と推理した「ポアロ」は真相を究明しようとしますが、そんな中「シーリア」が寮でモルヒネにより毒殺され、その後、寮の経営者「ニコレティス夫人」、寮生「パトリシア・レイン」が相次いで殺害されます。
「シーリア」の犯行ではなかった盗品、、、
ずたずたに裂かれたリュックサックは密輸の道具だったり、
電球は警察の捜査時に見えにくくするための工夫だったり、
聴診器は医者になりすます小道具に使われたり、
と、それぞれ意味のある犯行だったんですね… そして、その背後には大規模な麻薬密輸が絡んでいたという展開でした。
短時間に一気に多くの登場人物が出てくるので、人物の相関関係が判りにくかったなぁ… 特に寮生たちについては、名前と人物像がなかなか一致せず、ちょっと感情移入し難かったですね。
男女の寮生による犯行… そのうちの一人は、過去に犯罪歴(家族を毒殺)があったというオチでした、、、
途中で、ある程度、犯人が想定できる展開でしたが、なかなか面白かったです。
以下、主な登場人物です。
「エルキュール・ポアロ」
私立探偵
「ミス・レモン」
ポアロの秘書
「ハバード夫人」
レモンの姉。寮母
「ニコレティス夫人」
寮の経営者
「マリア」
ヒッコリー・ロード下宿料理人
「ジェロニモ」
マリアの夫
「ナイジェル・チャプマン」
歴史学専攻の学生
「レン(レオナード)・ベイトソン」
医学生
「コリン・マックナブ」
心理学専攻の学生
「サリー・フィンチ」
アメリカ人の女子留学生
「ヴァレリ・ホッブハウス」
服飾品のバイヤー
「エリザベス・ジョンストン」
ジャマイカからの女子留学生
「パトリシア(パット)・レイン」
考古学専攻の学生
「ジュヌビエーブ・マリコード」
フランス人の女子留学生
「ジーン・トムリンソン」
セント・キャザリン病院物理療法研究生
「アキボンボ」
西アフリカ人の留学生
「シーリア・オースティン」
セント・キャザリン病院薬剤師
「シャープ」
ロンドン警視庁の警部 -
Posted by ブクログ
「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『ポアロのクリスマス(原題:Hercule Poirot's Christmas{アメリカ:Murder for christmas})』を読みました。
『終りなき夜に生れつく』、『なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?』、『NかMか』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
-----story-------------
聖夜に惨劇は起きた!
一族が再会した富豪の屋敷で、偏屈な老当主「リー」の血みどろの死体が発見される。
部屋のドアは中から施錠され、窓も閉ざされているのに、犯人はどうやって侵入したのか?
休暇返上で捜査にあたる「ポアロ」は被害者の性格に事件の鍵が隠されていると考えるが…クリスマス的趣向に満ちた注目作。
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1939年に発表された「エルキュール・ポアロ」シリーズの長篇24作目となる作品です。
■第一部 十二月二十二日
■第二部 十二月二十三日
■第三部 十二月二十四日
■第四部 十二月二十五日
■第五部 十二月二十六日
■第六部 十二月二十七日
■第七部 十二月二十八日
■解説 霞流一
大富豪だが偏屈者の老人「シメオン・リー」がクリスマスに離れ離れの息子家族を、彼の住む「ゴーストン館」に呼び寄せるところから物語は始まります、、、
元々、ほとんど交流がなく、信頼関係のない四人の息子とその妻たち(三人)、そして初めて「ゴーストン館」を訪れた孫娘(亡くなった娘の子ども)と南アフリカから訪ねてきた「シメオン」の旧友の息子を自室に集め、「シメオン」は遺言状の変更を考えていることを仄めかし、息子たちへ挑発的な言葉を吐き掛け、一族が反目し合うように仕掛けます… その夜、「シメオン」が部屋の金庫に隠していたダイヤの原石が盗まれ、地元警察の「サグデン警視」が調査にやって来たクリスマスイヴの夜、「シメオン」は密室状態の自室で血まみれの惨殺死体で発見されます。
その殺人は密室にする必然性がないうえに、必要以上の出血があり、身体の弱った老人を殺害したにも関わらず激しい乱闘の形跡が残っており、謎のゴム片と木釘が残されているという、不合理な謎が残されていた、、、
息子やその妻、孫娘、旧友の息子、従僕等には、それぞれ動機や機会があるように思えた… 「ポアロ」は地元警察の警視「サグデン」や警察部長「ジョンスン」とともに真相を探ります。
誰が犯人でもおかしくない展開の中、孫娘「ピラール・エストラバドス」や旧友の息子「スティーブン・ファー」が偽者であることが判明し、疑いは二人に集中しますが、、、
これまた、まさかまさかの展開で、犯人とは思えない人物が真犯人でしたねぇ… 容貌がわかれば、ある程度、推理しやすかったかも。
もう一人、家族(「シメオン」の息子)が存在していたとは… しかも、その人物が捜査側にいたとは… 「アガサ・クリスティ」は、家族の愛憎を描くのが巧いですね。
登場人物が多く、序盤は少し入り込み難い面がありましたが、一人ひとりの特徴や性格が把握できた中盤以降は抵抗感なく読めました。
仲違いしていた息子たちや、偽者だった二人も幸せな未来が築けそうな明るいエンディングも良かったですね。
なかなか面白かったです。
以下、主な登場人物です。
「シメオン・リー」
ゴーストン館の当主
「アルフレッド・リー」
シメオンの長男
「リディア・リー」
アルフレッドの妻
「ジョージ・リー」
アルフレッドの弟、国会議員
「マグダーリン・リー」
ジョージの妻
「デヴィッド・リー」
アルフレッドの弟、画家
「ヒルダ・リー」
デヴィッドの妻
「ハリー・リー」
アルフレッドの弟
「ピラール・エストラバドス」
シメオンの孫娘、ジェニファーの娘
「スティーブン・ファー」
シメオンの旧友の息子
「エドワード・トレッシリアン 」
ゴーストン館の執事
「シドニー・ホーベリー」
シメオンの従僕
「サグデン」
アドルスフィールド警察署警視
「ジョンスン」
ミドルシャー州の警察部長
「エルキュール・ポアロ」
探偵 -
Posted by ブクログ
「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『象は忘れない(原題:Elephants Can Remember)』を読みました。
『鳩のなかの猫』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
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推理作家「ミセス・オリヴァ」が名づけ親になった「シリヤ」の結婚のことで、彼女は先方の母親から奇妙な謎を押しつけられた。
十数年前の「シリヤ」の両親の心中事件では、男が先に女を撃ったのか、あるいはその逆だったのか?
「オリヴァ」から相談を受けた「ポアロ」は“象のように”記憶力のよい人々を訪れて、過去の真相を探る。
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1972年に刊行された「エルキュール・ポアロ」シリーズ長編第32作目の作品、、、
『カーテン』が「エルキュール・ポアロ」最後の作品ですが、『カーテン』は1943年に執筆された作品なので、実質上(執筆順)では本作が「ポアロ」最後の作品となります。
『象は忘れない』という題名は、英語の諺「An elephant never forgets.:象は(恨みを)忘れない(そして必ず報復する)」に由来しているそうです。
■1. 文学者昼食会
■2. 象に関する最初の言及
第一部 象
■3. アリスおばさんの手引き
■4. シリヤ
■5. 過去の罪は長い影をひく
■6. 旧友の回想
■7. ふたたび子供部屋に
■8. ミセズ・オリヴァの話
■9. 象探しの成果
■10. デズモンド
第二部 長い影
■11. ギャロウェイ警視とポアロ覚え書を検討する
■12. シリヤ,エルキュール・ポアロに会う
■13. ミセズ・バートン=コックス
■14. ウィロビー医師
■15. ヘア・スタイリスト・ビューティシャン,ユージン・アンド・ローズンテル
■16. ミスタ・ゴビーの報告
■17. ポアロ出発を告げる
■18. 間奏曲
■19. マディとゼリー
■20. 審問廷
十数年前に起きた心中事件の真相と、心中事件の真相を調べるため「オリヴァ婦人」に近づいた「ミセズ・バートン=コックス」の目的を、「エルキュール・ポアロ」が「オリヴァ婦人」を巧く使いながら、見事に解決する物語、、、
ちょっともどかしい序盤の展開と、縺れて絡み合った糸がスッキリ解けるような中盤から終盤にかけての展開が、「アガサ・クリスティ」らしい作品でしたね。
心中したとされる「シリヤ・レイヴンズクロフト」の父親「アリステア」と母親「マーガレット」には、自殺すべき動機が見当たらない… 過去の関係者から聞き取りを進めるうち、当時、「マーガレット」の一卵性双生児の姉「ドロシア」が同居しており、心中の数日前に事故死していることが判明、、、
「ドロシア」に精神的な疾患があったことや、「マーガレット」との結婚前、「アリステア」と「ドロシア」が恋愛関係にあったことが判明… 「ポアロ」は、様々な証言から真相を推理し、真実に行き着きます。
一卵性双生児だった「マーガレット」と「ドロシア」の容姿が酷似していたことや、「ドロシア」の過去の奇行、「マーガレット」のカツラが4つも残っていたこと等が、大きなポイントになっていましたね。
「アリステア」も「マーガレット」も、「ドロシア」を愛していたことから起こった事件、、、
ちょっと哀しい結末でした。
ちなみに、、、
「オリヴァ婦人」って、どこかで見た名前だなぁ… と思っていたら、何作か「ポアロ」と共演しているらしく、そのうち、『死者のあやまち』と『ハロウィーン・パーティ』は既読でしたね。
どうも、「アガサ・クリスティ」本人がモデルみたいです。
以下、主な登場人物です。
「アリアドニ・オリヴァ」
ポアロとは旧知の女流推理作家
「ミス・リヴィングストン」
オリヴァの秘書
「ミセズ・バートン=コックス」
未亡人
「デズモンド」
バートンの養子
「シリヤ・レイヴンズクロフト」
オリヴァの名付け子
「アリステア・レイヴンズクロフト」
シリヤの父
「マーガレット・レイヴンズクロフト」
シリヤの母
「ドロシア・ジャロー」
シリヤの伯母
「マディ・ルーセル」
シリヤの家庭教師
「ゼリー・モーウラ」
シリヤの家庭教師
「ジュリア・カーステアズ」
オリヴァの友人
「ミセズ・マッチャム」
オリヴァの友人
「ミセズ・マーリーン」
オリヴァの友人
「ウィロビー」
医師
「ミセズ・ローズンテル」
美容院
「ミスタ・ゴビー」
情報屋
「ギャロウェイ」
元警視
「スペンス」
ポアロとは旧知の元警視
「エルキュール・ポアロ」
私立探偵 -
購入済み
ですよね
謎解きされたときの私の感想は、「ですよね」
ということで、さっぱり気づきませんでした。
それにしてもクリスティの小説の登場人物は、
リアリティがありすぎて恐ろしいような気がする。
人間心理の普遍性が、今でも読み次がれている理由なのでしょう。