アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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あっけないというか、そうだよなというか、結局それか、というエンディング。旅をしながらの長い回顧録で物語るという構成は、カズオ・イシグロの「日の名残り」を想起させる。話が進めば進むほど、主人公のジョアンのことが嫌いになっていく。そして、ジョアン自身も向き合っていなかった自分自身を発見し、目醒める。しかし、その気づきで得たことを現実に還元することはなかった。目醒める前の自分にあっけなく回帰してしまったのだ。
最後、エピローグの賞だけ、ジョアンの夫のロドニーの視点で描かれる。僕はずっと彼にシンパシーを持って読み進めていたし、歯痒かった。そして、歯痒さマックスで物語は終わった。結局それでいいのか?その答えは読者に委ねられているのだろう。
人生初のアガサ・クリスティ。ずっと名前を知っているのに、触手が伸びなかった作家。三宅香帆さんのレコメンを見て読んでみた。ストーリーの展開を楽しみつつ、読み手にも深く問いかける良い小説だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ以下、個人的な推理。
当主の家の料理人とミス・ギルクリスト、あまりに言っていることやキャラ性が似通っているので同一人物では……!?
具体的には良い料理人で、料理に関連づけて喋る女。
なんか無理がある気がするが、アガサ・クリスティならOKだぜ!
犯行自体は可能ということで、動機は何かと考えるとなんか急に喋るだけ喋って帰っていった美術商が明らかに関係ありそう。コーラが良い絵を見つけたことがあって云々、という話があったが、もしかして本当に貴重な絵を発見し、それを奪うために殺したのではなかろうか?
そう考えると当主の死は実は(コーラが間違いで)自然死の可能性もあるし、ミス・ギルクリストが殺して気づかれたという可能性もある。
コーラが殺人を仄めかしたのは、ギルクリストが殺したことに気づいたパターン? うーん、でも動機があるのはコーラのほうか。
あるいは動機を勘違いしてもらえるようにコーラが殺人を仄めかすようなこと言わせてから殺害することで、自分が遺産相続関係の動機から外れようとした、とかかなと予想。
ということで終盤まで進めてから冒頭をちょっと読み直したら、当主の家の料理人20代って書いてあるじゃねーか。オールドミスで白髪のギルクリストと同一人物はさすがに無理がある。
そうすると親子……?
ヘレナが自分の顔を鏡で見て気づいたというのは、顔が似ていること=血縁関係ではなかろうか。
そう考えてみると料理人は当主の私生児まであるかもしれない。ギルクリストと当主の子が料理人。
こうやって考えてみると、少なくとも料理人が犯人で動機は遺産。リチャードは料理人を子どもだと認めて遺産を譲ることにしていたが、途中で金欲しさに料理人に毒殺されそうになっていることに気づいて遺言を変更したあとに毒殺される。
ギルクリストは共犯で、こっちはやっぱりコーラの買った絵狙いかな……?
で回答編。
メインの犯人・動機・当主が自然死は合ってたけど料理人関係ないんかい! あとそのなりすましは予想外だぜ!
そういや序盤読んでいたときに斧で頭を潰されていたというのは普通に入れ替わり疑っていたのだが、「遺産を受け継ぐコーラが死んだふりしても意味ないな」と思って打ち消してしまった。そっちかよ!
メイントリックはともかく、動機・犯人は急に出てきてめちゃくちゃ喋ってから帰ってった美術商のおっさんが目立ちすぎていてわかりやすい事件ではあった。 -
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ネタバレこの家にいた覚えがある、あの時わたしが見たのは——。
ニュージーランドで育ったグエンダがイングランドで見つけた素敵な家。彼女はその家を知っている気がした。そこは彼女が幼い頃に住んでいた家だった。そして思い出した死体。グエンダと夫ジャイルズは真相を突き止めようと調査を始める。ミス・マープルの忠告にもかかわらず。
回想の中の殺人事件を解き明かすミス・マープル。噂好きの老婦人を演じて情報を得ていくミス・マープルの本領発揮である。一方で、ミス・マープルは若い2人に忠告をする。眠れる殺人事件は寝かしておくべき。ミス・マープルが心配したように、若い2人は傷付き、また危険な目に遭う。間一髪で駆けつけ、庭の手入れのスプレーで危機を救うミス・マープルがかっこいい。ストーリーをリードするのはグエンダであり、正直ミス・マープルは助演のようなポジションだが、そこがまたいい。もちろんミステリーなので事件の進行と謎の解かれ方も鮮やかだが、グエンダの戸惑いと不安、大胆さといったヒロイン性も読ませる。さすがクリスティー作品という味がある。 -
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ネタバレ【再読】
中東のラマット国王ユースフの従妹シャイスタが通う名門女子校メドウバンク。ロニイは、公安課のパイクアウェイ大佐の命により、アダム・グッドマンの名で庭師として潜入することに。その最中、新任体育教師のスプリンガーが、室内競技場で何者かに射殺された。どうやら背景には、中東の消えた宝石が関係しているらしい。さらにはシャイスタが何者かに誘拐されてしまった。その後も殺人事件が立て続きに発生し、学校は混乱を窮めることに。
やがて生徒の一人がポアロのもとを訪れ、応援を要請する。
捜査の末ポアロは、秘書のアンを犯人だと名指しする。生徒の一人であるジェニファーのラケットに宝石が隠されていることを知ったアンは、それを奪うことを企んだ。その現場をスプリンガーに目撃されたため、彼女を殺害したのだった。
クリスティー作品には珍しい学園ミステリ。そこに中東での革命の動乱と消えた宝石が絡んでくる。読んでいる人のほとんどが「いやポアロわい」となること間違いなし。
●見どころ
・いつも以上になかなか登場しないポアロ
・膝を見れば女性の年齢がわかるポアロ
・学校の在り方に対する校長の考え方がいい
●名言
「学校は今日の子供たちのものよ。五十年前の子供たちのものでも、三十年前の子供たちのものですらないわ」