アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
クリスマスが近づいているので、クリスマス関連の小説が読みたくて、久々にアガサ・クリスティーを手にしました。ポアロのクリスマスと迷ったのですが、気分は短編でした。これには、最後、マープルも登場。嬉しいサプライズでした。
クリスマスプディングの冒険、24羽の黒つぐみが特に好きです。どうも、デビット・スーシェのポアロシリーズを見過ぎているせいか、原作よりもドラマの脚本の方が馴染み深くなっています。だけれど、やはり原作の良さもあるなぁと思って楽しく読みました。ドラマのポアロと原作のポアロは似ているけれど、ちょっと違います。原作の方がシニカルなイメージ。それもまた読んでいて楽しい。 -
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ネタバレポアロシリーズの中では好きな部類。
凄惨な事件ながらも、中東の異国情緒あふれる雰囲気が、読んでいる間もなんとなく心を温めてくれた。
犯人とトリックに関しては多少「うーん?」と思うところもなくはないが、それでも最後の犯人の自供のセリフは悲しくて不気味で心に残った。
ミスレザランの目線で進むところもよかった。ヘイスティングスとは違う物言いや目の付け所を書き分けるところ、さすがアガサ・クリスティ。女性ならではのものの見方が繊細に表されていて秀逸。
名作オリエント急行と時系列で繋がっているところも、さすがは殺人事件磁石のポアロさんだなぁと笑ってしまった。
また読み返したい一作。 -
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Posted by ブクログ
ポアロシリーズ。
名探偵の悲しい宿命とばかりに、旅先でも事件に遭遇しちゃうポアロ。エルサレムを訪れたら、そこで殺人事件の捜査依頼を受けることに。
冒頭はなんとも不穏な台詞で幕を開ける。
その台詞は夜のしじまに流れ出て、あたりを漂い、やがて闇の中を死海の方へ消えていった、という表現…なんて痺れる詩的な導入なんだろう。。
母親がサディスティックで家族を支配的に束縛しているボイントン家の関係性と、この家族と複雑に絡み合う外部の人たちとの利害関係が面白い。その後に発生する殺人事件が単調にならず、それを鮮やかに紐解く様子がとっても痛快だった。
同じ中東の旅情モノ『ナイルに死す』と雰囲気が似ていてな -
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ネタバレ終盤急にひとりになり本当に全員死んで驚かされて、エピローグでヴェラの死後にその場に誰かがいたと驚かされて、証拠文書で判事じゃないか!と驚かされて、こうやって最後の最後まで翻弄されて、どうなることかと思った。
それぞれの登場人物に個性はあったはずだけれど、全体的になかなか名前が覚えられなくて苦労した。意外とたくさん人物名が出てくるし、呼び名もさまざまで少し読みにくい部分はあった。その中でも犯人の賢さが目立っているのが印象的だった。姿の見えない人物に操られるのは不気味な居心地の悪さがある。
犯行に手が込んでいて、そんなことをする時間があったかなと不思議に思った部分はのちに虚偽だったことがわかり、う -
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ネタバレ強かな者、汝の名は女。
美しい妻ローズマリーが誕生パーティーで毒死した。自殺とされていたが、殺人だったのでは? 関係者たちがローズマリーのことを忘れられぬ中、残された夫ジョージはそのパーティーに招かれていた人を再度集める。再現された現場で亡くなったのはジョージだった。はたして自殺か、殺人か。
満足。ローズマリーはなぜ死んだのか、もしくは殺されたのか。殺されたとしたら誰に? そしてジョージはなぜ死んだのか。どうやって毒は入れられたのか。ローズマリーの死が殺人だと告げる手紙は誰が書いたのか。つながる殺人に、絡まる人間関係。愛している、愛していない、失いたくない、の複雑な愛憎を、最初の個々の語り -
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ネタバレ事件の犯人像が内部的でなく外部的になるだけでこんなにも難解になり、犯人の姿や動機についてもずっと雲をつかむような所ばかりで、作中のヘイスティングズ同様ひたすらやきもきしてました。
だからこそ「ストッキング」がでてきた時の興奮具合は半端なく、ラストで遂に真犯人の名がポアロから明かされた瞬間のはっと息をのむ感じと胸の高鳴りが最高でした。
ポアロの「干し草の山には針がある」という言葉がよく沁みた事件だった。
犯人の恐ろしさが郡を抜いて怖かったです。
トリックの為に容易く無関係な人達を巻き込み、人生を壊していく非道さも、なによりポアロに真相を見破られ負けを確信した瞬間、躊躇い無く自身の頭を撃ち抜こう -
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ネタバレをせずにこの作品を語るのは難しい…
いや、ミステリーってそんなものかもしれないけれど。いや〜、伏線が細かくてほんの些細なことも最後にはそういうことだったのか!となるので。
この作品の前に読んだ「もの言えぬ証人」でも感じた事だけど、殺人事件が起きながらもまったりのどかさすら感じる展開ではある。ややもすると「静かな殺人」と評したくなってくるのだが(次々殺人が起きて人が死にすぎる系ミステリーに慣れすぎちゃったのかもと焦る…笑)でも、そこはクリスティー、一見のどかな雰囲気と思わせつつ小島のリゾートホテルを舞台に人間模様は波乱の種やら周りの好奇の視線で複雑に渦巻いている。
そこにポアロの「日の -
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ネタバレ初アガサ・クリスティ
この主人公は長年何をしてきたんだろうかと……
人の言葉や思いにずーーーーっと向き合わずにきたジョーン
そのつけがラストにきてる
自分勝手な幸福論を押し付けてきた結果、きっと誰にも幸せを願われずにいくんだろうな
子供のために主人のために
その奥にあるのは変化を恐れる自分のため
なんてプア・リトル・ジョーン
勇気を持ち合わせないプア・リトル・ジョーン
せっかくの回心のチャンスを与えられたというのに
最後のエピローグの最後の一文
一番愛している人間にそんなことを思われているとは
なんて哀れなプア・リトル・ジョーン -
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ネタバレポアロシリーズ ③
大富豪のロジャー・アクロイドが刺殺される。
ロジャーの友人であるジェイムズ・シェパード医師と、私立探偵を引退し、からまつ荘でカボチャ作りにいそしむポアロ(ただし、カボチャ作りには飽き飽き)が捜査に乗り出す
これも、ですが約100年前に書かれたってことが、すごいなぁ。面白いもの。
ロジャー・アクロイドの死で利益を得る者。謎の人物。ワクワクします。
風のように広がる村の人々の噂話。詮索が好きだけど人がいいキャロライン。クスッとしてしまう。
ジェイムズ・シェパード医師が書く、この事件についての手記の最後の言葉が大好きです。 -
Posted by ブクログ
おそらくは世界で一番有名なミステリ作家、アガサ・クリスティ。彼女のノン・ミステリ作品で、しかも彼女の書いた物語の中で1、2を争う傑作であるという下馬評はずっと前から知っていた。ずっと手に取らなかったのは、クリスティのミステリ以外の部分、ちょっと気取ったような繊細な心理的なやりとりの部分が面倒だったからだ。ただ、最近クリスティのミステリを読むと、そういう部分が少しおもしろく感じられて(大人になったのかもしれない)、よし!とおもむろに手に取ったのである。
最初は少し退屈だった。何よりも主人公の語り口調というかキャラクターが妙に鼻について、「ああ、嫌いな方のクリスティだな」と思った。が、読み進