アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • 蒼ざめた馬

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    ある女性を看取ったゴーマン神父が何者かに殺害された。ゴーマン神父の持ち物から見つかったメモには、女性が死の間際に口にしたと思われる複数の人物の名前が羅列されていた。それらの人物は何を意味しているのか。
    主人公で学者のマークは、警察医の友人コリガンから事件の概要を聞き、興味を抱く。
    全くの偶然から「蒼ざめた馬」の名を耳にしたマークは、霊能力を持つという怪しげな人たちが住まう「蒼ざめた馬」という名の邸宅に赴く。例のリストは、ここの怪しげな住人たちによって殺された人たちなのではないか?そして、何者かが人を殺したい人間をこの「蒼ざめた馬」に導く役割を担っているのではないか?
    マークが参加する降霊会以降の不穏な空気が秀逸。そんなことは科学的にあり得ないと言い聞かせても、もしかしたらとじわじわ這い上がってくる恐怖。
    オカルトをテーマにしながらも、人々の背景をしっかりと描写しているのがクリスティらしい。ただ、マークがどうしてそこまでハーミアを拒絶するのかは理解しがたかった。
    ポアロシリーズ常連のオリヴァ夫人登場作品。

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    2024年04月05日
  • 蒼ざめた馬

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    オカルトな方向に話がどんどん進んで行った時はどうなる事やらと思ったけれど、犯人も想定外だし面白かった
    映画みたいだったな
    ジンジャーが強くて可愛らしくてジブリのヒロインのよう

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    2024年04月01日
  • 無実はさいなむ

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    一族の汚名を雪いだはいいものの、それによって歯車が大きく狂い、様々な苦悩を生んでしまう。
    Ordeal by Innocence というタイトルがそれをよく表している。
    レイチェルによって「人為的な方法によってつくられた」一家。レイチェル自身は本当の家族になれると信じて疑わなかったのだろう。でも、最後の各人のその後を見るに、やはりそれはうまくいかなかったということだと思う。
    慈善事業と家族の在り方、児童虐待の根深さなど昨今の社会問題に通ずるテーマが盛り込まれている。
    「そのくらいにしとかないとクリスティに殺されるよ」と多くの読者が思ったことだろう。正義を貫こうとするキャルガリが報われて何より。

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    2024年03月19日
  • スリーピング・マーダー

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    出版社と著者の契約に基づき、クリスティの死後に出版されたミス・マープル・シリーズ最後の一冊。犯人探しの楽しみはもちろん、そこに描かれる時代がかった風景、冒頭のホラーにも似た展開、様々な性格の登場人物たち、そして控え目に大活躍するマープルと、マープルシリーズの魅力を詰め込んだ、まさに大団円にふさわしい一作。恩田陸の解説(というか随想)も良い。

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    2024年03月16日
  • 杉の柩

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    エリノアは絶対犯人ではないし、登場人物の中に必ず犯人がいる!とわかっていたのに、最後まで真犯人が誰かわからなかった……
    紛失したモルヒネ=殺人に使われたモルヒネだと確認されてないことや、バラのトゲで怪我したのだという言葉…絶対何か関わってくると思いつつ、同じように出された車の目撃情報などは推理を惑わせる情報で、あーーこのバランスがうまいんだった…アガサ・クリスティーの小説は…と思った。

    事件そのものも面白かった。登場人物たちはそれぞれ個性があるし、あとがきでも言及があるように、一昔前のイギリスの「階級が人の性格をある程度決める」という要素もあり、この感覚はこの時代の小説ならではの空気を出していて好き。
    解決パートが裁判の尋問形式で進むのも面白かった。ポアロの推理披露がみたいという人には物足りないかもしれないけど、それでもポアロのかっこよさは少しも損なわれていない。
    物語を半分読み終えてポアロが登場しただけで、そのかっこよさにワクワクした!

    ただ途中でポアロが察しの悪いロード医師にイライラする場面では、わたしも同じようになにもわからなかったので、「ごめん…」と思いながら読んだ。

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    2024年03月15日
  • 予告殺人〔新訳版〕

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    旅のお共として。ミス・マープルの長編。面白かった。人気作というのも頷ける。レティとロティが出てくるのにも気付いてたけど、単なる言い間違いかと思ったよ。これが翻訳物じゃなければもっと気になったのかも。最初の殺し方はすごいし、そんな理由で昔の友達を殺しちゃうの?と。でもドーラの性格上、よく1年も我慢できたな、とも思う。結局金なのか。

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    2024年03月07日
  • 秘密機関

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    若きトミーとタペンスの冒険劇。ポアロやミス・マープルの王道ミステリとはまた別味のするスリル溢れる展開に謎。クリスティ長編2作目だという今作は隠れた名作。

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    2024年03月06日
  • 書斎の死体

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    作品の書かれた1940年代ですでに、「書斎の死体」はお決まりのモチーフであったようで、クリスティの茶目っ気が楽しい。

    犯行現場が書斎であることが、全く偶発的なことという外し方。真相は複雑に絡まっているけれど、利害のある関係性に気付き、動機や犯行方法を明るみにしていく手腕がお見事。

    替え玉として選ばれてしまった、罪のない女学生を思うと悲しさが残る。

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    2024年03月02日
  • 死人の鏡

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    『厩舎街の殺人』『謎の盗難事件』『死人の鏡』『砂にかかれた三角形』が収録された短編集。
    ちょっと長めの短編だったので、どの話も読み応えがあって、でも割と気軽に読めました。

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    2024年02月16日
  • スリーピング・マーダー

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    眠れる獅子を起こすと厄介な事になる。それは誰もが胸に留めるべき教訓なのだけど、本作で起こしてしまうのは殺人
    誰も殺人と思わなかったワンシーンが一人の女性の回想により突如起き上がる。序盤は唐突に、そして話が進む毎にゆっくりと殺人犯の足音が忍び寄る様子にはクリスティーの熟練さがそこかしこに活きていると感じられるね

    本作の他にも殺人と思われていなかった過去の事件が現代に殺人として蘇る事件はクリスティー作品には幾つか有るけれど、本作の場合はそもそも事件とすら思われておらず、被害者のヘレンは駆け落ちしたと殆どの者に信じられていた点が特徴
    グエンダ自身もこれまでヘレンの事など欠片も覚えて居ないどころか、殺人現場に自分が居た事すら覚えて居なかった
    なのにとある台詞を聞いた瞬間から彼女は眠れる殺人の存在を確信するわけだ
    その導入はホラー感が有りつつも、幼少時の鮮烈な記憶が残っていたという納得感が有る為に読者にも眠れる殺人の存在を確信させるもの

    本作を面白くしているのは殺人を思い出すグエンダの存在だけでなく、彼女と共に事件を探るジャイルズの存在が有ってこそだね
    若い新婚夫婦が選んだ家は妻が昔住んでいた家でおまけに殺人が有ったらしい。それに興奮して余計な捜査を始める二人の様子はかなり危なっかしくて他のミステリならば被害者候補に成りかねないもの
    だというのに、ジャイルズは意外な賢さを見せるし、グエンダも素晴らしい直感によって選ぶべき道を選んでいる
    また、田舎のお婆ちゃん感たっぷりのマープルが二人を支えているものだから、尚更に事件だけじゃなく事件に接する主要人物も魅力的に感じられる作りになっている


    本作の主題となる眠れる殺人はとあるポイントを過ぎるまで本当に殺人が有ったのかあやふやままに展開する。唯一頼りになるのはグエンダの曖昧な記憶だけ
    だから関係者も時には読者でさえも「本当に殺人が有ったのか?」と疑いながら捜査は進んでいく
    そのような展開だったからこそ、眠れる殺人が起き上がり過去に関係する人物に牙を向いた瞬間には恐怖すら感じられ、その恐怖の正体が解き明かされた瞬間には興奮を覚えずに居られない

    本当に上手い構成になっている作品ですよ

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    2024年02月10日
  • 予告殺人

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    犯行可能なのが一人しかいないが、この人は犯人であってほしくない…と読み進めていたら、そもそもの前提が間違っていた。誤植だと思っていた箇所は誤植じゃなかった。

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    2024年02月04日
  • メソポタミヤの殺人

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    レザラン看護婦がヘイスティングズより優秀なので、ずっと助手しててほしいな…と思った。しかしコールマンとくっ付くとは思わなかった。
    珍しく金目当てではない愛の殺人だったが、犯人の執念が怖い。塩酸飲んで死ぬの嫌すぎる。

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    2024年02月04日
  • ナイルに死す

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    映画を見たので犯人は知っていた。行動に至るまでの経緯とかはすっかり忘れていたので楽しめた。途中までエジプト旅行記なので、殺人事件が起こるまではゆったりしている。リネットは悪人ではないが、個人的には同情できる被害者ではなく、逆に3人殺したジャクリーヌ(+サイモン)の方に共感してしまう。

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    2024年02月04日
  • 火曜クラブ

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    ミス・マープルが短編で13の事件をサクサク解決していく。「青いゼラニウム」と「四人の容疑者」は流石にちょっと無理があるのでは、という気がする。「動機対機会」と「クリスマスの悲劇」は好き。ミセス・バントリーはお話しするのが苦手と言いつつも一瞬で仮名を考えてるのがすごい。

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    2024年02月04日
  • 書斎の死体

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    グレイク嫌な奴だな〜と思っていたが、マープル先生のセリフで大佐と同じくアッサリ印象わ引っくり返されてしまった。人生の巻き返しをはかる人間の多い事。
    バントリー夫人はゴシントンホールで殺人なんて二度と起こりはしないと言ったけど、二度目あるんだよな…。

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    2024年02月03日
  • 動く指

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    ミステリよりロマンス成分が多め。途中までミーガンが犯人と思ってたのでハラハラしていたが、全然当たっていなくて逆に安心した。冷静になると犯人の動機がゲスい。マープルはゲストキャラ的扱いだったが、これはこれでいいかも。

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    2024年02月03日
  • さあ、あなたの暮らしぶりを話して

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    クリスティのエッセイをはじめて読んだ。元気で賑やかな(太った)ご婦人という印象を受ける。作品の人物たちと同じく、本人のコミュニケーション能力もすごい。後は発掘調査隊員たちの個性がすごい。訳者の後書きがとても詳しく、自伝も読んでみようかなという気になった。
    仲の良いご夫婦だったようで何より。

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    2024年02月03日
  • ハロウィーン・パーティ

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    映画になると聞いて読んだが、全くヴェネツィアが出てこない…?名前だけ借りた別物かもしれない。
    マイケルの美男ぷりと所業の落差はすごい。ミランダが可愛いが、ほぼ元凶で驚いた。何も悪いことはしてないが。

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    2024年02月03日
  • 魔術の殺人

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    珍しくトリックと犯人は見当がついた。片付いた後のキャリイの態度が印象的だが、最初から何となく勘付いてたんだろうなとも思う。1回殺人を犯した人間は2回目以降止まらなくなるってなはクリスティでは徹底してるなあ〜。

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    2024年02月03日
  • 愛の探偵たち

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    「三匹の盲目のねずみ」は犯人が意外で驚いた。
    「申し分のないメイド」はいきなり署に来て真相を捲し立てて帰っていくマープルの勢いが好き。真相の方からやってくる事もあるのか…。
    表題作は、はじめて読むクィン氏シリーズだった。あんまり毒が無い。

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    2024年02月03日