アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • アクナーテン

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    解説にもあるが、アガサクリスティのエジプト好きの成果だと思う。
    他の作品ほど、人の間の心理の妙については、表現されていないようだが、
    アガサクリスティの人間に対する考え方は表現しているだろう。

    エジプト史は詳しくないので、どこまでが史実で、どこからが創作かは分からない。
    王政、宗教、戦争などに対する一つの考え方を表現している。

    戯曲なので、戯曲が嫌いな人には読みづらいかもしれない。

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    2011年08月14日
  • フランクフルトへの乗客

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    話を読んでいると、「フランクフルトへの乗客」ではなく、
    「フランクフルトでの乗客」というのが妥当なように感じた。

    霧で着陸できなかった飛行機が、フランクフルトで乗り継ぐ。
    ドイツのルフトハンザのハブ空港はフランクフルトだ。

    飛行機の話題があって、アガサクリスティが生きている頃に、
    飛行機も利用されていたことが分かった。

    話の筋としては、政治的な事項、経済的な事項、旅行、貴族、芸術など、
    いろいろあるが、やや気になるのは政治的な事項だろう。

    時代を感じさせる物語の一つだ。

    解説の森薫さんが、漫画の解説にしているのは出色。

    ps.
    日本からのヨーロッパへのハブ空港

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    2011年08月14日
  • アガサ・クリスティー自伝(上)

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    アガサクリスティの経験、推測で生まれてくる登場人物たちの原点が、
    自伝の中にたくさんあることが分かった。

    物語の中の主人公、登場人物と、アガサクリスティの性格の似た点の背景が分かった。
    感情移入しすぎずに、たんたんと書かれた自伝は、資料としては貴重だ。
    アガサクリスティ解説を書く人には必須の材料だ。

    上を読み飛ばしながら進んだので、
    アガサクリスティの本を全部読み終えたら、
    もう一度、上から読みなおそうと思う。

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    2011年08月14日
  • クリスマス・プディングの冒険

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    クリスマスに家庭でプディングを作る習慣があることを始めて知りました。
    最初のクリスマスにプディングを作る話は、ポアロものにしては、つくりが丁寧な気もしました。
    ただ、なぜ、ポアロがプディングの中のものが予測できたのかの説明が、なんとなく不十分で、消化し切れていない気がしました。

    シャーロックホームズと違って、ワトソン役のヘイスティングがいなくても、平衡感覚は崩れないのが面白いような気がします。むしろ、ヘイスティングがいない方が、均衡がとれているかもしれません。

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    2011年08月14日
  • 謎のクィン氏

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    サタースウェイトとクィンが登場する短編集。12作品。

    サタースウェイトは、物語の主人公である。
    話によっては69歳となっている。
    引退して余生を送っているので、探偵というわけではない。

    クィン氏は、突然現れて消えてゆく謎の人である。
    サタースウェイト氏が、事件を解決するのを誘導する質問をする。
    「事実をありのままに見る」
    と、見えてこなかったことが見えてくるという。

    出しゃ張りのポアロに対して、
    真逆の性格のようだが、
    事実に対する接近方法は、似ているかもしれない。

    人が思っていることの中に、回答があるという。

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    2011年08月13日
  • パーカー・パイン登場

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    犯罪ではなく、悩みを解決するパーカーパイン。
    犯罪に相当する事案もあるが、中心は人の悩み。

    本書には、ポアロは登場しないが、パーカーパインとポアロの共通点が分かる。
    人の心理を中心に、物事が起こるかどうかを推察する手法。

    お得意の中近東の話題、鉄道の話題もある。

    残念なのは、ポアロのような大量のシリーズ物でない点だ。
    投稿者は、ご自身が投稿したレビューには投票できません。

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    2011年08月04日
  • ヘラクレスの冒険

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    クリスティのマイベスト10に入れたい、短編を体系的にまとめた作品です。
    ひとつづつの事件は、必ずしも殺人があるわけではない。
    必ずしも犯人がつかまるわけではない。

    ヘラクレスの物語になぞらえた事件設定と、ポアロの人間性が現れている。

    本書の、解説に書かれている
    「著者を通しての、イギリス人の考え方やその他の国々の人たちに対する歴史認識、思想、政治や人種に対する思いなどもまた、やはりある年齢に達しないと面白がれないのではないかと思う。そうでないと、ただ予想外の犯人や驚天の犯行動機、奇想天外のトリック、そして鬼も泣く探偵の推理などに目が奪われるばかりで、クリスティ特有の深みを享受する

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    2011年08月04日
  • 第三の女

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    Third Girlとは、部屋を何人かで借りるときに、
    最初に借りた契約人が、2人で協同で利用していて、
    もう一人、一緒に分担するときに、第三の女と呼ぶ。
    部屋数が多ければ、第四、第五もあるらしい。

    周囲から、精神的に追い詰められた人の、心理的な葛藤を表している。
    自分で、自分が何をしたかをはっきりとは覚えていない。
    そんな人が、犯罪に巻き込まれたときに、犯人であることを押し付けられてしまう。

    ポアロは、冷静に事態を調べる。
    自分だけでなく、警察や調査担当、探偵小説家にまで調査をお願いする。

    今回は、調査だけでなく、精神科医による支援もある。
    結末は、ある意味でハッピ

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    2011年08月04日
  • ブラック・コーヒー〔小説版〕

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    小説版ってどういう意味かわからずに購入してしまいました。
    ブラックコーヒーは、最初は戯曲としてかかれたということを知りました。
    表紙に著者の名前を掲載しないのは、ひどいと思いました。

    本の中には、チャールズオズボーン小説化と書かれているので、
    表紙にも掲示すべきだと思います。

    そんな不満を持って読んでいたので、表現の細かいところに気が回らず、
    読み終わったあとも、内容がピンと来ていません。

    戯曲版を先に読んでから、本書を読み直してみます。

    ps.
    2010年、イオンシネマに持って行って、紛失してしまいました。拾われた方はお届けいただけると幸いです。

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    2011年08月14日
  • NかMか

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    トミー&タペンスものですが、ドイツとの戦争状態での話しです。
    ドイツ側からみても、納得できる部分もありますが、
    一面的なところがあるのはやむをえないかもしれません。

    皮肉もところどころあるので、イギリス人の考え方に陶酔しているのではないことが伺えます。
    違和感のある事項がでてきたので、話の途中で、関係者が分かりました。
    首謀者はわかりませんでした。

    解説に、映像作品についての紹介がありました。
    ポアロとマープルもの以外は診たことが無いので、かならずしもピンと来ていません。

    ながらくポアロものの映像作品を見てきました。
    最近、英語の勉強のためにマープル物のDVDを揃えた際

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    2011年08月04日
  • チムニーズ館の秘密

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    主人公格のアンソニー・ケイドが、本当はどういう性格の人かが、最後まで分からなかった。
    アガサクリスティに政治的な話題が多いのは、いろいろな国に行ったことがあるためだろうか。

    他の作品のような経験に基づいた話ではなく、こういう経験が面白いだろうという想像上の作品。
    よく国王、皇太子が出てくるのは、まだアガサクリスティの生まれた時代には、ヨーロッパにも王国が多かったせいだろうか。
    あるいは、アジア、アフリカの王国から、ヨーロッパに勉強に来ている皇太子などが多かったからだろうか。

    ちなみに、日本の昔の皇太子も英国で教育を受けていたらしい。

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    2011年08月04日
  • 殺人は容易だ

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    主人公は、元警官だという。
    全体を読んでみると、元警官らしいところにあまり気がつかなかった。
    元警官らしさが少しないのは、アガサクリスティが警官の経験がないためだろうか。
    あるいは、親しい人で警官がいないのだろうか。

    少し読み進むうちに、犯人がある女性ではないかと心配になっていった。
    あまりにも、犯人は男性だと決めつけていることからだ。

    また、アガサクリスティの小説では、思わぬ人が犯人のことがあるので、
    この人ではないかと思い、めぼしをつけながら読み進んだ。

    殺人は容易だという題目だが、物語が始まってから起こった2件の殺人は、
    主人公の知らない間に起こっている。
    現場

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    2011年08月04日
  • 魔術の殺人

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    ミス マープルものだと知らずにテレビで見て、それから数年たってから小説を読んだ作品です。

    本を読むときには、結果を知っていたので、映画と文学の違いを楽しみながら読みました。
    結論がわかっていても、そこまでの筋を文学としてはどのように記述するのかということを楽しみました。
    細かいところはもう忘れていたので、あ、そうだったんだと思いながら、読みました。
    事前に見ていても、登場人物が覚えきれずに、何度も表紙の裏の登場人物一覧をみながら読み進みました。

    ps.
    ミス マープルものの種明かしは、最後の最後が多いので、もう少し最後は書き込んでほしいものもあります。
    英語の表題の鏡を生かし

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    2011年08月04日
  • メソポタミヤの殺人

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    ネタバレ

    ポアロもの。看護婦さんが語り手。

    考古学のことはさっぱりわかりません。中近東には1度行きました。博物館は行かなかったのを悔やみます。出てきた話題は、博物館を訪問して注意してみようと思いました。

    なぜどのようには、最後までわかりませんでした。推理小説として楽しめました。考古学、メソポタミアのことが分かっていれば、より楽しめると思われます。

    本書を読んでから、アガサクリスティ百科事典、アガサクリスティ99の謎 を読みました。体験に基づいて書いているので描写が正確なのだという理由が分かりました。

    ーーー旧版への書評
    アガサクリスティものを全巻読もうと思って、新品を買っていたら、お金が持たな

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    2013年05月04日
  • 鳩のなかの猫

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    ネタバレ

    最初はポアロものだとは気が付かなかった。

    アガサクリスティの分身は誰だろうかと思いながら読み進んだ。
    ジュリアだろうか。

    女学校のあり方を問うような内容があるが、
    最後は急展開で、うまくついていけなかった。

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    2011年08月04日
  • 運命の裏木戸

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    アガサクリスティが、自分の分身を物語に登場させるのは、
    マープルはじめ、とても分かりやすい。

    「映画で見るのは好きじゃない。原作どおりでないから。」
    と言わせているところが、一番。

    ああ、アガサクリスティは、そう思っていたのだと理解しました。

    本に関する記述の端々に、アガサクリスティの読書感想がちりばめられている。

    アガサクリスティのファンにとっては、貴重なものがたり。

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    2011年08月04日
  • 七つの時計

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    なぜ時計が7つなのか。
    いろいろな謎がわいてきて、その解がわかりませんでした。

    アガサクリスティの経験による作品と想像(創造)による作品に分類すると、想像による作品に区分できるかもしれません。

    事件のあったのはアガサクリスティの知っている地方なので、経験による作品に分類できるかもしれません。

    そうすると、人物、地方と、経験と想像の2軸で4つに分類できます。
    人物も地方も経験のない作品は、ほとんどないような気がしますがどうでしゅうか。
    まもなく全作品を読み終わりますが、最初のころに読んだものは全く覚えていないので、断言できません。
    表計算ソフトに入れて分類をはじめたので、2度

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    2011年08月04日
  • 親指のうずき

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    ネタバレ

    イギリスの風景の映像が思い浮かぶ作品です。
    クラッシック音楽を背景に、風景や鉄道の映像を流すテレビ番組が多いので、
    情景がなんとなく思い浮かぶことができました。

    タペンスが、司祭の娘だということも、大事な展開に役立っています。
    いろいろな犯罪がどう処理されたかの整理が多少わかりにくかったようです。

    作品としては、よいできだと思いました。
    映像作品を見ていませんが、ぜひ作りたいと思いました。

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    2011年08月04日
  • 象は忘れない

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    初ポアロ♪面白かったです!
    推理作家のミセス・オリヴァが名付け親になっている
    シリヤの両親の12年前の心中事件の真相を調査する為、
    象のように記憶力の良い当時の関係者達を訪ね歩き、
    やがてポアロは愛の悲劇とも呼べる真相に辿り着く。
    「象は忘れない」というのはイギリスに伝わる慣用句で、
    象は自分をひどいめに合わせた人を一生忘れないし
    自分を助けてくれた人も一生忘れないという意味だそうです。
    「象は忘れないけれど、人間は忘れます」というセリフで
    読後感がますます爽やかになりました。

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    2011年08月02日
  • 招かれざる客

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    主が死んでいるところから話が始まる。

    次々と現れる犯人の可能性のある人。
    このひとか、あのひとか。

    次々と現れる犯人を庇おうとする人。
    この人は、あの人を庇い、あの人はその人を庇う。

    庇いあいの中に、生まれる齟齬。
    齟齬が破綻したときに、人間関係が破綻する。

    人間として、誰を信じるかは選択の問題だと分かった。

    ぜひ、機会があれば、一度演じたい題目だ。

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    2011年07月03日