アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
折原一氏が解説で、クリスティの中で一番の作品と言っているので、最近のマイブームにのって読んでいました。この作品は過去には読んでいないはずです。
「だって、リチャードは殺されたんじゃなかったの?」
アバネシー家の当主リチャードが病死した葬儀の後の、遺言状公開の席上で、末妹のコーラが無邪気に発したこの言葉。このとき、席上にいた親戚一同の凍りつくような雰囲気。それがまざまざと映像のように意識させられるうまい冒頭です。
そして、その言葉を発したコーラ本人は翌日殺されてしまうのです。
なかなか憎い演出と意外な犯人で楽しめました。久しぶりに読むとポアロのもったいぶった演出も気にならなくなっていまし -
Posted by ブクログ
1934年発表の短編集。それでも古臭さを感じないのは、さすが「ミステリーの女王」!
残念ながらパイン氏の活躍はごくわずかですが、他のクリスティの探偵たちと同じくらい深く心に残っています。
クリスティの描く人物は、型にはまっていると言われますが、この作品はその「型」を上手く利用していると思います。
長く役所に勤めた経験から、人間の型を「統計的に」まとめて、人の不幸を取り除く(この形の推理法を高めたのが、ミス・マープルですよね)。
人間の本質を鋭く突いたこの短編集は、またクリスティーの観察眼の鋭さをも表しているように思います。
短編の中では「リスタデール卿の謎」「ねずみとり」とともに一押しの作品で -
Posted by ブクログ
トミー&タペンスが活躍するシリーズ第2弾です。
短編集ですが、「ビック4」と同じ感じで、大きな流れはあります。なるほど、こういう短編にヒキを増やして書いたのが「ビック4」だったわけだと理解できました。
読んでみて、わたし、やっはりこの2人、大好きです。
もう、むゃくちゃ生き生きしています!!
短編て、けっこう苦手で、連続で読めない方なのですが、この本に関してはOKみたいな感じです。
ポワロより、ミス・マーブルより、この2人の活躍が読みたいです。
きっと、推理マニアには、物足りないのかなぁ……どうしても、冒険よりになってしまうから。
しかし、「おしどり探偵」という題名は、どうよ(笑)まあ、 -
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Posted by ブクログ
メアリ・ウェストマコット名義のクリスティの作品は、読み返すほどに味が出てきます。読むたびに新たな発見があり、そこから自分の考え方が分かってくるというか。最初に読んだころから随分違う印象を持つようになりました。母と娘、愛しているからこそどんな犠牲も払う。それを決めたのは自分なのに、相手を恨めしく思ってしまう瞬間があるのです。その気持ちが段々胸に溜まっていって、自分でも訳のわからないモヤモヤになって・・・。ミステリの女王は人間観察の女王でもありますね。イーディスやデーム・ローラの台詞を読んでいると、目の前にクリスティがいたら心の奥底まで見抜かれそうな気がしてきます。