アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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ネタバレポアロものでも、オリヴァがでてくるのは安心して読めます。
オリヴァが、ある意味、アガサクリスティの分身でもあり、
作家生活について表現したいことが、ところどころで本音として現れています。
物語は、悲しいお話ですし、一卵性双生児についてと、精神病に関する記述では、
妥当性について考えさせられるところもありました。
アガサクリスティが人間性を大事にしているということが分かっていて読めば問題がないですが、
誰の作品か分からずに、この本だけを読むと、よい印象を持たない読者もあるかもわかりません。
ファンの目と、通りすがりの読者の視点の違いが気がかりです。
ただし、「象は忘れない -
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ネタバレ猟犬が関連したミステリはいくつかある。
本短編集にも、猟犬にまつわる話が一つある。
短編集の名前は、どの短編の名前にするかは迷わないのだろうか。
しばしば、一番いいと思うものでない名前になっていることもある。
本編は、2週間楽しむことができました。
短編集には、他の作品と関連した話題、用語をみつけるのが楽しみです。
似た構造、似た登場人物、似た風景、似た駅名があると、
アガサクリスティものを読み進むときのヒントになります。
自分では、ミステリと怪奇物の区別がつきません。ごめんなさい。
ネタばれになるといけないのでこのあたりで。 -
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ネタバレ初めのうちは、どこの文化の話かよくわからなかった。
現代のイギリスの話でないことは分った。
昔の話なので、生活の実感がわかなかった。
家族の間の関係は、資産がある家だとこういうふうなんだろうなと想像はついた。
登場人物でアガサクリスティに近いのは、
インホテプの娘レニセンブと
インホテプの母エサかな思った。
「生きている妾と、死んだ妾では大違い」
といった、人生訓のような言葉があちこちに出てくる。
エジプト文化の人生訓なのか、
アガサクリスティの見聞きした人生訓なのははわかららなかった。
話の筋としては、へネットという召使の位置付けがよくわからなかった。
殺人者の正体も意外だった。
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ネタバレ厩舎街の殺人
謎の盗難事件
死人の鏡
砂にかかれた三角形
の4作品を所蔵。
最初は短編だと気がつかずに、読んでいて、あれ本の途中で結論がでて、終わるのかと思ったら、短編集でした。
厩舎街の殺人は、ガイフォークスデイという記念日の意味を知ることができました。
推理小説には、自殺か他殺かが問題になる筋書きは、いろいろありますが、他殺である場合が多いようです。
謎の盗難事件では、書類の盗難事件が課題となる。他の作品でも書類の盗難が話題になったことがある。似ているところもあれば、似ていないところもある。
似た作品があると、作品の違いを楽しむことができるか、辟易としてくるかは、 -
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ネタバレ戯曲は、自分で演じるか、演劇の裏方として関与しているときでないと、ピンと来ないことが多い。
アガサクリスティの作品も、映画などで見た作品は、戯曲を読んでも理解できるし、映像を思い浮かべることができる。
でも、映画も舞台も見たことがない作品では、自分たちでやろうと思わない限り、つまらない。
本作品も、そう思って読み終わったら、解説で似たようなことが書かれていた。
作品を演じてみると、なにげないト書きに、伏線があったり、
演じてみると、楽しい舞台にすることができる。
俳優や監督の解釈と、主張により、楽しいものにすることができる。
であれば、この戯曲も、自分の人生に照らして、 -
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ネタバレアガサクリスティの楽しみ方は
1 イギリス文化に馴染む。紅茶、朝食、昼食、夕食など。
鉄道の利用、新聞の読み方、新聞への広告の出し方など。
2 中近東、南アフリカ、オーストラリア、アメリカなど旧植民地の文化に馴染む。
アガサクリスティ自体が行ったことがある地方の描写は、すごく立体的。
3 犯人探し
4 女性のものの見方と男性のものの見方の違い
5 考古学、遺跡発掘作業など。
6 音楽、オペラなどの芸術活動。
7 作家、小説、詩、マザーグースなど。
3以外は、アガサクリスティの経験に基づく内容なので、とても勉強になります。
本書は、1,2,4,5,7 -
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ネタバレアガサクリスティの3つの面がみごとに3人の女性として描かれているように思われる。
まず、未亡人の母親。
再婚をめぐる心の葛藤。
死別ではない、アガサクリスティからは、一番遠い性格のように見受けられる。
未亡人の母親の娘。
わがままだけど、反面大人びた考えの持ち主。
最後は、幸せを選択できるところは、一番アガサクリスティに似ているかもしれない。
未亡人の母親の友人。
著名人で、仕事上はアガサクリスティに一番近い役回り。
考え方、発言も、公式のアガサクリスティの言いたいことを代弁している。
それでも、未亡人の母親の性格の中に、ひょっとしたらアガサクリスティらしさが
織 -
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ネタバレアガサクリスティの推理小説をたくさん読んできたので、
だんだん類型化して読むようになってきました。
最初の見開きの人物紹介で、誰が死に、誰が犯人かを予測するようになりました。
半分以上は当たりません。
第1章を呼んだところで、次の予測をするようにしています。
本書では、すぐにその予測も外れました。
第2章で、予想外の方がなくなられたからです。
主人公は、死なない。主人公だと思われる人は死んでしまう。
結局、本筋の主人公は、人物紹介の下の方にある人になったところで、がっくりしました。
このがっくり観を味わいたくて、アガサクリスティを読み続けています。
本書も、第3章ま -
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ネタバレ愛を一手に独占する赤ん坊の妹に対して、死んじゃわないかと思った姉。
それでも、火事のときに、夢中で助け出そうとした人間性。
人間の性格はなかなか直せないが、
愛されることによって変わるかもしれないという望みは残った。
愛するときの重さと、愛されるときの重さの、性格が違うことが分った。
どちらか一方では、手抜かりなのだということを感じた。
ps.
解説において、ハンセン病に対する時代的な認識の限界について断りがある。
原作を書き換えると、時代的な認識の限界が分からなくなるので必ずしも書き換えは必要はないが、最低限、解説では言及がある。