アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • 象は忘れない

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    ポアロものでも、オリヴァがでてくるのは安心して読めます。
    オリヴァが、ある意味、アガサクリスティの分身でもあり、
    作家生活について表現したいことが、ところどころで本音として現れています。

    物語は、悲しいお話ですし、一卵性双生児についてと、精神病に関する記述では、
    妥当性について考えさせられるところもありました。

    アガサクリスティが人間性を大事にしているということが分かっていて読めば問題がないですが、
    誰の作品か分からずに、この本だけを読むと、よい印象を持たない読者もあるかもわかりません。

    ファンの目と、通りすがりの読者の視点の違いが気がかりです。

    ただし、「象は忘れない

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    2011年08月14日
  • ブラック・コーヒー

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    小説版を先に読んでしまったので、少し、話の展開がまどろっこしい感じがしました。
    最初にこちらを読んでいれば、話が飛んでいて、わかりにくかったかもしれません。

    アガサクリスティの戯曲を読むのははじめてなので、まだ、どのあたりに味があるのかが分っていません。
    面白いのは「と書き」です。
    戯曲を書くときの参考になりました。

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    2011年08月14日
  • 愛の旋律

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    アガサクリスティではなく、メアリウェストマコット名の作品。

    英語の題名はGiant's Bread「巨人の糧」。

    幼馴染と男女の友情、従姉妹兄弟と叔母・叔父。
    母親と父親。戦争と平和。
    イギリスとドイツ。ユダヤ人とロシア。
    音楽と美術。ピアノとオペラ。
    相対する様々な関係が織り成す物語。

    主人公も、男からその妻。戦士したはずの夫と遷ろう。

    未完の肖像、春にして君を離れ、マン島の黄金
    など、ミステリでない作品の方が、好感が持てた。

    ただし、アガサクリスティの作品だと知らなかったら、読まなかったかもしれない。

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    2011年08月14日
  • 死の猟犬

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    猟犬が関連したミステリはいくつかある。
    本短編集にも、猟犬にまつわる話が一つある。

    短編集の名前は、どの短編の名前にするかは迷わないのだろうか。
    しばしば、一番いいと思うものでない名前になっていることもある。

    本編は、2週間楽しむことができました。

    短編集には、他の作品と関連した話題、用語をみつけるのが楽しみです。
    似た構造、似た登場人物、似た風景、似た駅名があると、
    アガサクリスティものを読み進むときのヒントになります。

    自分では、ミステリと怪奇物の区別がつきません。ごめんなさい。
    ネタばれになるといけないのでこのあたりで。

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    2011年08月14日
  • ねずみとり

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    読んだのは2度目ですが、犯人はすっかり忘れていました。
    読んでいる途中で、ひょっとしたら全員が関係者なのではと思いましたが、別の事件でした。

    1度目読んだときは、すごくおっくうだったのですが、2度目だと、だいぶすらすら読めました。
    出てくる歌の曲が思い出せないので、映像作品を見てみようと思いました。

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    2011年08月14日
  • シタフォードの秘密

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    降霊会って、こっくりさんみたいなものなんだろうか。
    イギリスでも同じようなものがあるのは初めて知りました。

    表紙の雪景色がすごく綺麗で、冬に持って歩くのにはもってこい。
    雪の足跡を、もう少しうまく使って欲しかったような気もする。

    解説を書かれている「飛鳥部勝則」さんの本は一度も読んだことがないので、ぜひ一度読んでみようと思いました。

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    2011年08月14日
  • おしどり探偵

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    タペンス&トミーが活躍します。
    特に、タペンスは、とても溌剌として、前向きで、困難に立ち向かう姿がすばらしい。
    アガサクリスティがこうなりたかったという性格の女性を描いているようだ。

    都市をとってからの2人もすごいが、若い時代もすごい。

    もっとたくさん2人の物語があるとうれしかった。
    本筋に関する事項が、他の作品における小説家、発掘などの経験のある事項とは違い、
    情報局のような経験のないものだからなのだろうか。

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    2011年08月14日
  • 雲をつかむ死

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    ネタバレ

    雲の中での死、つまり飛行機の中での殺人の物語。
    最初に殺人があり、順に謎解きをする、
    探偵ものの基本的な構成。

    ポアロに興味がない人には、面白みにかけるかもしれない。
    小型の飛行機が、都市間を飛び回っている状況が理解しやすかった。

    具合を「工合」という文字を使っていて、最初は違和感があったが、辞書を調べると、そういう表記もあることが分かりました。

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    2011年08月14日
  • 死が最後にやってくる

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    初めのうちは、どこの文化の話かよくわからなかった。
    現代のイギリスの話でないことは分った。

    昔の話なので、生活の実感がわかなかった。
    家族の間の関係は、資産がある家だとこういうふうなんだろうなと想像はついた。

    登場人物でアガサクリスティに近いのは、
    インホテプの娘レニセンブと
    インホテプの母エサかな思った。

    「生きている妾と、死んだ妾では大違い」
    といった、人生訓のような言葉があちこちに出てくる。

    エジプト文化の人生訓なのか、
    アガサクリスティの見聞きした人生訓なのははわかららなかった。

    話の筋としては、へネットという召使の位置付けがよくわからなかった。
    殺人者の正体も意外だった。

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    2012年09月26日
  • 忘られぬ死

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    アガサクリスティの小説を80冊くらい読んでくると、
    この話、前読んだことがあるような気がしてくる。

    登場人物の類似性、
    設定の類似性
    地方の類似性、
    職業の類似性、
    時代の類似性
    など、シリーズものでないものの方が、強く既見感を感じることがある。

    本作品の既見感は、なぜかは、全巻読んだら考えてみたいと思いました。

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    2011年08月14日
  • 死人の鏡

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    厩舎街の殺人
    謎の盗難事件
    死人の鏡
    砂にかかれた三角形
    の4作品を所蔵。

    最初は短編だと気がつかずに、読んでいて、あれ本の途中で結論がでて、終わるのかと思ったら、短編集でした。

    厩舎街の殺人は、ガイフォークスデイという記念日の意味を知ることができました。
    推理小説には、自殺か他殺かが問題になる筋書きは、いろいろありますが、他殺である場合が多いようです。

    謎の盗難事件では、書類の盗難事件が課題となる。他の作品でも書類の盗難が話題になったことがある。似ているところもあれば、似ていないところもある。

    似た作品があると、作品の違いを楽しむことができるか、辟易としてくるかは、

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    2011年08月14日
  • 暗い抱擁

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    探偵ものでないので、なぜだろうと思いながら読み終わって、
    解説を読んでわかりました。「アガサクリスティ」の作品でないことを。

    「メアリ・ウェストマコット」の第4作とのこと。
    The Rose and the yaw tree.
    というのが原作名とのこと。
    内容からすると、こちらの方がピンと来ます。

    作り、心理描写は、アガサクリスティものだという理解で読んでいて、違和感はありませんでした。

    死に対する態度、人間に対する態度など、アガサクリスティの本質的なところがより強調されているような気もしました。

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    2011年08月14日
  • 蜘蛛の巣

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    戯曲は、自分で演じるか、演劇の裏方として関与しているときでないと、ピンと来ないことが多い。

    アガサクリスティの作品も、映画などで見た作品は、戯曲を読んでも理解できるし、映像を思い浮かべることができる。
    でも、映画も舞台も見たことがない作品では、自分たちでやろうと思わない限り、つまらない。

    本作品も、そう思って読み終わったら、解説で似たようなことが書かれていた。

    作品を演じてみると、なにげないト書きに、伏線があったり、
    演じてみると、楽しい舞台にすることができる。

    俳優や監督の解釈と、主張により、楽しいものにすることができる。

    であれば、この戯曲も、自分の人生に照らして、

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    2011年08月14日
  • 無実はさいなむ

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    ネタバレ

    ある人物が、無罪であるということは、
    別の人物が、有罪である可能性があるかもしれないということだ。

    ある人物が、無罪であるということは、
    よい知らせだと思い込んでいることがある。

    利害関係者にとっては、利は害と背中合わせである。
    利があるところには、かならず害もあるのだということが、本書から理解できた。

    世の中は、うまくいかないものだ。

    ps.
    解説には、本書がある意味で失敗作だと書かれている。
    小説としては、いろいろな複線が有効に働いているので、成功作だと思う。

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    2011年08月14日
  • バグダッドの秘密

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    アガサクリスティの楽しみ方は
    1 イギリス文化に馴染む。紅茶、朝食、昼食、夕食など。
      鉄道の利用、新聞の読み方、新聞への広告の出し方など。

    2 中近東、南アフリカ、オーストラリア、アメリカなど旧植民地の文化に馴染む。
      アガサクリスティ自体が行ったことがある地方の描写は、すごく立体的。

    3 犯人探し

    4 女性のものの見方と男性のものの見方の違い

    5 考古学、遺跡発掘作業など。

    6 音楽、オペラなどの芸術活動。

    7 作家、小説、詩、マザーグースなど。

    3以外は、アガサクリスティの経験に基づく内容なので、とても勉強になります。

    本書は、1,2,4,5,7

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    2011年08月14日
  • 蒼ざめた馬

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    オリヴァ夫人が登場しているので、ポアロはいつ登場するのかと待っていました。
    最後まで、ポアロは登場しませんでした。

    連続殺人事件を追う人が、警察医、学者、警部と、連携していきます。

    自分を標的にして操作をしようとする女性の危険な賭け。
    最後は幸せに終わる(ハッピイエンド)は、なんとなく途中から想像ができました。

    主犯が誰かが、最大の山場のはずです。
    最後は説明が少し物足りない気もしました。

    読者の想像の範囲を広げておきたいという配慮かもしれません。

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    2011年08月14日
  • 娘は娘

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    アガサクリスティの3つの面がみごとに3人の女性として描かれているように思われる。

    まず、未亡人の母親。
    再婚をめぐる心の葛藤。
    死別ではない、アガサクリスティからは、一番遠い性格のように見受けられる。

    未亡人の母親の娘。
    わがままだけど、反面大人びた考えの持ち主。
    最後は、幸せを選択できるところは、一番アガサクリスティに似ているかもしれない。

    未亡人の母親の友人。
    著名人で、仕事上はアガサクリスティに一番近い役回り。
    考え方、発言も、公式のアガサクリスティの言いたいことを代弁している。

    それでも、未亡人の母親の性格の中に、ひょっとしたらアガサクリスティらしさが

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    2011年08月14日
  • さあ、あなたの暮らしぶりを話して

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    アガサクリスティの作品で、ときどき中東に健康を回復させるために行くという話しがある。
    当時では、暖かい地方へ行くことが、健康によいとされていたのだろうか。
    アガサクリスティが、夫について、発掘調査に同行したのは、健康のためもあるのだろうか。

    いずれにしても、アガサクリスティのミステリの発掘ネタが、経験にもとづいたものであることが確認できる。

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    2011年08月14日
  • 死への旅

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    アガサクリスティの推理小説をたくさん読んできたので、
    だんだん類型化して読むようになってきました。

    最初の見開きの人物紹介で、誰が死に、誰が犯人かを予測するようになりました。
    半分以上は当たりません。

    第1章を呼んだところで、次の予測をするようにしています。
    本書では、すぐにその予測も外れました。
    第2章で、予想外の方がなくなられたからです。

    主人公は、死なない。主人公だと思われる人は死んでしまう。
    結局、本筋の主人公は、人物紹介の下の方にある人になったところで、がっくりしました。

    このがっくり観を味わいたくて、アガサクリスティを読み続けています。
    本書も、第3章ま

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    2011年08月14日
  • 愛の重さ

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    愛を一手に独占する赤ん坊の妹に対して、死んじゃわないかと思った姉。
    それでも、火事のときに、夢中で助け出そうとした人間性。

    人間の性格はなかなか直せないが、
    愛されることによって変わるかもしれないという望みは残った。

    愛するときの重さと、愛されるときの重さの、性格が違うことが分った。
    どちらか一方では、手抜かりなのだということを感じた。

    ps.
    解説において、ハンセン病に対する時代的な認識の限界について断りがある。

    原作を書き換えると、時代的な認識の限界が分からなくなるので必ずしも書き換えは必要はないが、最低限、解説では言及がある。

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    2011年08月14日