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アガサ・クリスティーの夫マックスは著名な考古学者だった。しばしば夫婦は中東の地へ発掘旅行に出かけ、彼の地で実り多い時を過ごしている。二人で第二次大戦前に訪れたシリアでの発掘旅行の顛末を、ユーモアと愛情に溢れた筆致で描いた旅行記にして、豊かな生活を送った夫妻の結婚記録。
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Posted by ブクログ
クリスティの旅行記(というより生活の記録)を深町眞理子訳で読む!なんという贅沢な読書体験!これを知らなかった自分を悔やみ、旅行記コーナーに置いててくれた東京堂さんに感謝。 年下の考古学者の夫と数年にわたり発掘に赴いた、1930年代のシリア。民族ごとに個性豊かな現地の民たち、息を呑む美しい風景。宗教と...続きを読む伝統、文化の違いに、ときにあきれ、困り果てながら、イギリス人らしいユーモアをもってすべて記録していくクリスティの透徹した観察眼。また、夫との仲睦まじさにも心が潤う。 いやほんと面白いですよ、世界のアガサ・クリスティが、「奥方さまは本を読めなさるのか! えっ、字も書ける! こりゃあ旦那さまも鼻が高い」みたいに言われちゃうんですよ! というわけでこのままアガサ・クリスティの自伝に行く!
この時代はシリアがフランス統治下だったのだからそれが良かったとは一概に言えないにしても、戦争はなく訪れることもできたのだろうかと思うと色々思わされる。 クリスティのミステリはもちろん好きだが、自伝的な小説や、こうしたエッセイ的なものも好きだ。 今や行くことが難しくなってしまった土地、自由さ、不便さ...続きを読む、強さ、そういう景色に憧れる。
ロンドンとは何もかも違う、楽しくて大変でそして懐かしいシリアでの発掘調査の旅。登場人物すべてが愛おしく思えてくるから不思議。 これを読んでから中東が舞台になっているミステリーを読むとイメージがより鮮明になって2倍、3倍面白いです。
クリスティーの初ノンフィクション作品。 中東での発掘旅行が描かれていて、クリスティーの魅力が詰まったファンには嬉しい1冊。 この作品を読んで1番驚いたのが、クリスティーが肉体的にも精神的にもめちゃくちゃ強かったこと。 例えば、ネズミがわんさかいる寝室で寝た時のこの1文。 〈鼠どもがこちらの体の上...続きを読む前面を運動場にして、元気に体操したり、野外スポーツに励んだりしているありさまでは、眠るのはほとんど不可能である。〉 (۳˚Д˚)۳ギャーーー!!!! ネズミが自分の体の上で暴れてる状況を、元気に体操だなんて!!笑 更に、ゴキ、クモ、ノミ、コウモリ、ヘビなど、モゾモゾ這いまわる生物がウジャウジャいるカオスな寝室((°ө°));ムリ また、暑さと病気の蔓延で、堪え難い頭痛の極致の状態でもこの1文。 〈完全に疲労困憊して、痛みに悩まされつつ眠るというのも、あながち悪いことばかりではない。なによりうれしいのは、翌朝、心も晴れ晴れと、元気いっぱいにめざめたときの驚きと、そのすばらしさだ。 わたしは体じゅうに精気が横溢しているのを感じ、猛烈な空腹感を覚える。〉 いや、もう無敵な強さ。凄まじい回復力。 どんなことでも楽しんでしまう好奇心と強靭なメンタルと体力。 少しお転婆なお嬢様ぐらいに今まで想像してたけど、大間違いだった! この本に描かれてるクリスティは、クレイジージャーニーに出てきそうな人だった笑 どんな時でもユーモアがあって、人生を思いっきり楽しんでいて、思ってた以上にユニークで魅力的な人だとわかって、ますます人としてのクリスティーが大好きになった。 著名な考古学者である2番目の夫マックス・マローワンは同じくタフな人で、どんな問題が起きても冷静沈着に解决して、人にも動物にもとても優しい人物だった。 イギリスでこの作品は、アガサ・クリスティ・マローワン名義で刊行されているとのこと。
クリスティのエッセイをはじめて読んだ。元気で賑やかな(太った)ご婦人という印象を受ける。作品の人物たちと同じく、本人のコミュニケーション能力もすごい。後は発掘調査隊員たちの個性がすごい。訳者の後書きがとても詳しく、自伝も読んでみようかなという気になった。 仲の良いご夫婦だったようで何より。
とても上質のエッセイです。推理小説家としてではなく、考古学者の夫とともに40年代のシリアで発掘に携わった彼女がシリアでの日々をつづったものですが、アラブ社会とのカルチャーショックをユーモアたっぷりにかたっている。砂漠と太古への彼女の愛情を感じます。
イギリスの作家アガサ・クリスティの旅行記『さあ、あなたの暮らしぶりを話して クリスティーのオリエント発掘旅行記(原題:Come, Tell Me How You Live)』を読みました。 『アガサ・クリスティー99の謎』を読んで、もっとアガサ・クリスティのことを知りたくなったんですよね。 ---...続きを読む--story------------- アガサ・クリスティーの夫マックスは著名な考古学者だった。 しばしば夫婦は中東の地へ発掘旅行に出かけ、彼の地で実り多い時を過ごしている。 二人で第二次大戦前に訪れたシリアでの発掘旅行の顛末を、ユーモアと愛情に溢れた筆致で描いた旅行記にして、豊かな生活を送った夫妻の結婚記録。 (解説 深町眞理子) ----------------------- 1946年(昭和21年)に刊行された作品……アガサ・クリスティ・マローワン名義で出版された、夫マックス・マローワンとの中東発掘旅行記です。 ■『テルのうえにすわってた』 ■まえがき ■第1章 シリアをさしていざ行かん ■第2章 予備調査の旅 ■第3章 ハーブル河とジャフジャーハ河 ■第4章 チャガール・バザールでの最初のシーズ ■ 第5章 シーズンの終わり ■第6章 旅の終わり ■第7章 チャガール・バザールでの生活 ■第8章 チャガールとブラーク ■第9章 マックの到着 ■第10章 ラッカへの道 ■第11章 ブラークよさらば ■第12章 エイン・エル・アルース ■エピローグ ■解説 一九三〇年代のオリエント発掘旅行記 深町眞理子 ミステリの女王アガサ・クリスティには、もうひとつ考古学者の妻としての顔があった……14歳年下の考古学者マックス・マローワンと結婚していらい、ほぼ毎年のように彼に従って発掘旅行に出かけていたのである、、、 本書は、そうした発掘現場での暮らしぶりについて語ったもので、愛すべき旅行記であると同時に、実り多かった夫妻の結婚生活をも垣間見せてくれる……アガサ・クリスティの愛情あふれる旅行記。 ミステリ作家アガサ・クリスティではなく、考古学者マックス・マローワン夫人として、フランス支配下のシリアの発掘現場での日々の暮らしぶりを語った作品です……当時の中近東の生活ぶりがユーモアを交えて生き生きと描かれていましたね、、、 衝撃的だったのは、宿泊施設で身体の上を跳ね回る蚤たちや壁を覆うゴキブリ、そして身体だけでなく顔の上までも走り回るネズミ……うーん、これには耐えれそうにないなぁ、、、 眠れないし……トラウマにもなりそうです。 あとは、現地の人たちの命……というか人の死に対する意識についての記述が印象に残りました、、、 一家の面子や威信のための殺人であれば、それはやむを得ないことと考え、罪に問われても刑期は長くないとのこと……宗教の違い、文化の違いという面が大きいと思いますが、その価値観は理解できないなー 現代におけるテロ行為とかも同じような感覚なのかもしれませんね。
アガサ・クリスティーの初ノンフィクション作品。自らが夫と共に遺跡発掘生活をしていた頃の話。時代的に今では考えられないこととか、穿った見方みたいなのもあるけど、基本ユーモアで面白く仕上がっていた。
アガサクリスティの作品で、ときどき中東に健康を回復させるために行くという話しがある。 当時では、暖かい地方へ行くことが、健康によいとされていたのだろうか。 アガサクリスティが、夫について、発掘調査に同行したのは、健康のためもあるのだろうか。 いずれにしても、アガサクリスティのミステリの発掘ネ...続きを読むタが、経験にもとづいたものであることが確認できる。
クリスティーのシリア発掘調査日記。 クリスティーの再婚した相手が考古学者であり、クリスティーも夫と一緒に発掘調査に同行したことは有名だが、その様子は初めて詳しく知った。オリエントな世界に魅せられていくつかの作品を上梓したクリスティーだが、その作品の下敷きになったであろう中東への眼差しがここに現れて...続きを読むいる。 ヨーロッパと違う風土、人々。虫や小動物に悩まされたり、勝手が違うルールやマナーに呆れたり、クスリと笑える描写もある。これが当時の典型的な西洋人の中東への見方かと納得することもあり、あまりにナチュラルな上から目線は現代から考えると座りが悪い部分もある。戦時中にまとめたのだから、明らかに過去を振り返って楽しかったと回想する思い出の記ではあるが、クリスティーも異邦人生活の楽しさ(それも配慮してもらえる立場での)を教授していたのだなと。時間も空間も超えてこれを読む自分は、ひとつの旅行記としてというより、クリスティーの情報のひとつとして読んだ。
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アガサ・クリスティー
深町眞理子
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