アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ名探偵ポアロシリーズ 長編6作目
今回はヘイスティングスも参加
邪悪な雰囲気を醸し出している屋敷を舞台にした物語。
屋敷を中心として次々と事件が起こっていくため、終始ハラハラしながら楽しく読み進めることができた。
登場人物の発言に翻弄され失敗を犯してしまった前半では、普段は見られないポアロの後悔を見られて新鮮だった。同じく前半では、探偵はまず被害者となりうる人間を守らなければならず、犯人を突き止めることが目的ではないという、ポアロの私立探偵としての矜持を知ることができて良かった。
打って変わって次々と謎を解決していく後半では、落ち込んでいたポアロの精神も復活し、彼の自尊心が作り上げた壮大な -
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Posted by ブクログ
ネタバレ1作目よりも読みやすく感じてするすると読み終えることかできた。
ヘイスティングズのせっかちで早とちりで少し惚れっぽいキャラクター性が好きだったので、無事幸せになれて良かったなと思った。
1作目から引き続き読者から見た(ヘイスティングズから見た)第一容疑者が、ちょっとした情報1つでコロコロ変わっていくのがおもしろかった。
愛のために暴走したり、愛のために命を投げ打ったり、愛のために旧友と敵対したり。
今作はそんな愛の話だったなと感じた。
次作の「アクロイド殺し」は帯に問題作と言われているだけあって、なかなかおもしろいらしいのでとても楽しみ。 -
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購入済み
絵に惹かれて試し読みをしたら続きをみたくなって購入しました。アガサクリスティ原作の海外ドラマは好きでよく観ますがマンガもおもしろかったです。もっと他にもあったらなぁと思いました。
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Posted by ブクログ
【作中の好きなセリフ】
・老嬢というのは、見ざる、言わざる、聞かざる、の格言を無視して、すべてを見て、すべてを聞き、悪口だろうがなんだろうが、べらべら喋るものなんだ。(ヘンリー卿:P145)
・世の中に恨みを抱いた人間は危険です。世の中は自分に償いをするべきと考えがちですから。(マープル:P440 )
【感想】
ある日突然「殺人ゲーム」のお誘いかのようなの広告を見て住人が一処に集まり・・・というを出だしからして、ワクワクした。
最初の事件発生が早いことと、1章ごとが短く、話がサクサク進んでいくので読みやすい。アガサの長編としてはやや長めであったが、一気読みした。正統派のフーダニット兼ホワイダ -
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ネタバレ主人公のジョーンが、一人旅により自分の半生を振り返る物語。優しい夫と3人の子供たちに恵まれ、人生に充実感を得ていたジョーン。砂漠地帯で電車が止まり、本も読み尽くしてやることがなくなったことから、自分が正しいと信じ続け、夫や子供たちの生き方をも決める自分の身勝手さに気付いていく。
特に愛する夫の人生を奪っていることに猛省し、赦しを乞おうと動き始めた電車に乗るも、家に近付くにつれどんどん『いつもの自分』を取り戻してしまう。
夫より先に家に到着し、謝るか、いつも通り振る舞うかの2択で悩んだ結果、後者を選んだことが残念だった。
ジョーンも悪いが、夫であるロドニーも、子供たちも、もう少しジョーンと対話を -
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ネタバレヘイスティングズが語り部でない部分が出たのは新鮮。一見無関係に見える被害者同士を結びつける隠れた共通項を探していくものを『ミッシング・リンク・テーマ(くさりの中の1つ)』というらしいが、それを主軸としながらも第三者の視点を入れるというアガサクリスティのオリジナリティが出た作品のよう。
その第三者があまりにも犯人のようで、物語も終盤まで彼が犯人だというていで動いていくから疑いようがなかったが、最終的にはやはり『被害者の死に対して誰が得をするか』が大切なのを思い知らされた。しかし、本当に殺したい相手を『ABC』のなかに紛れ込ませると、さすがに気付きにくい…。してやられた感。兄の財産も手にするのはも -
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ネタバレこれがアガサクリスティーが生み出した、ポアロシリーズの第一作目か…!
第一次世界大戦中、イギリスの田舎にある『スタイルズ荘』にて資産家のエミリー・イングルソープが毒殺されるところから物語は始まる。
容疑者はスタイルズ荘で暮らす義理の息子たちと、長男の嫁、エミリーの友人、エミリーの昔の友人の娘、そして年下の夫。
暗い影を落としていた時に光が差したように登場するエルキュールポアロ!彼の登場から物語がスピーディーかつ爽快に展開していくのがたまらなかった。
ジョンとメアリの関係やら、アルフレッドとエヴリンの関係やら…恋心を描くのがうますぎる。恋愛ありきの泥沼毒殺事件だった。
にしても、アルフレッドとエ -
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ネタバレ悲しい結末だった。きっとジャクリーヌはお金がなくてもサイモンのことを愛していたと思う。でもサイモンはジャクリーヌを愛していたからこそ、2人で何不自由なく暮らせて自分の趣味に興じられるお金が欲しかった。
そして美貌も頭脳も財産も有するリネットは、おそらく欲しいものを何不自由なく手に入れてきたからこそ、『欲しいもの』となった親友・ジャクリーヌの恋人であるサイモンを奪うことに特に大きな抵抗がなかったのだろう。自分本位で動いてきたからこそ、最後は2人の画策に気付かず殺されてしまったとあり、なんともいえない気持ちになる。
ポアロは名探偵でありながら洞察力に優れ、何を赦して何を裁くかを自分自身で決めている