アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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ネタバレ崖下へ転落し瀕死の状態の男を偶然発見したボビイ。男が息を引き取る直前にボビイに告げた一言「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」が気になり、女友達フランキーと共に事件の真相を突き止める物語。
エヴァンズの正体にびっくりし、黒幕の正体にもこれまたびっくり。
表題にもなっているエヴァンズって誰?と、こちらはずっと気になっているのに肝心の2人がエヴァンズからどんどん離れていくので焦ってしまった。
怪しい人も次々に登場するし犯人説も二転三転。ラストに向かっての怒涛の展開に、もう一度最初から読み返してしまった。
主役の2人が若者だけあって、今までのクリスティーものと違い全体が軽快に進んだ。ポアロやミ -
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【トミー&タペンス】
『秘密機関』から22年後。クリスティー51歳。
『秘密機関』のフワフワした設定と違って、今作は「無憂荘」の中にいるスパイを見つけるというもの。格段に読みやすくなってる。
みんな怪しい宿泊客の中からスパイを見つけるという、ミステリーの犯人探しと同じ楽しさがあった。
前作のようにあちこちに移動することもないので、展開が速くてシンプルでわかりやすい。
真相を知った時に、見事な伏線が張られていたことに気付いてもう一度読みたくなった。
他の作品では戦争のことはあまり語られていないけど、このシリーズでは戦争についてのクリスティーの考えを知ることができて興味深かった。
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“殺人事件を目撃したした”と言った少女が殺された。
誰もが知り合いの小さな町、そこで開かれた“ハロウィン・パーティ”で事件は起こった。
殺された少女のことを皆「嘘つき」と言う、ポアロはそこに興味を持ち、例によって住民ひとりひとりから丹念に聴き込みをする。
さらに、「資産家の死と使用人の失踪」「遺産書の偽造」「洋館と美しく妖しい庭園」
ポアロ物の王道をいく展開。
足を痛めても「小粋な外見」を気にするポアロと、有名な作家なのにどこか滑稽なミセス・オリヴァーの掛け合いが、「被害者が少女」という残忍さを和らげ、読み物として楽しく過ごすことが出来た -
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【ノンシリーズ】
もう何この面白そうなタイトル!
タイトルで1番気になっていたけど、冒険ものが苦手なのでなかなか読めずにいた。
ボビィは崖下に落下した溺死の男を発見した。男は「なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?」と一言だけ残して息を引き取った…。
この謎を解くために若い男女が潜入捜査する。
潜入捜査で思い出すのは『パディントン発4時50分』の何でも完璧にこなすルーシー。
この作品のフランキーも勇敢でカッコいい女性という点でルーシーに似ている。
さらにフランキーは伯爵のご令嬢で、ベントレーを乗り回す怖い物知らずの魅力的なお嬢様キャラクター♪
このフランキーのおかげで楽しくて一気読みだった -
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ネタバレ途中まで事件が起こらず長く感じてしまったが、最後に怒涛の展開でひっくり返された。真実がわかってから考えると、それまでのエピソードが違った意味をもって見えてきて、読み返すのがおもしろかった。
「終りなき夜」と「甘やかな喜び」が対比的であり象徴的。「甘やかな喜び」である、やさしく美しいエリーの喪失がより一層「終りなき夜」を深めていく。
主人公の周りには母やサントニックスなど警句を発し引き止めようとする人たちがいた。
母が主人公に、安定した仕事と生活をするよう、あんなにうるさく言っていた理由がわかった。母が言っていたのはこのことだったのだ。
すべてを得た後は、皆が去った。
読後はやるせなさと哀しみが -
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夏休みの1冊にぴったりなアガサ・クリスティの作品。ポアロシリーズ。舞台は夏のリゾート地。爽やかな舞台に、めっちゃドロドロなストーリーに苦笑。とはいえ、(時代もあるのか)アガサ・クリスティならではの上品さがあって嫌な気分にはならず、伏線も緻密で、トリックも面白かったです!
アガサ・クリスティの、可愛いけど自立してない女性が大嫌いな感じが伝わってきて、なんか時代を超えて微笑ましいです。アガサ・クリスティが現代にいたらワーママvs専業主婦論争に加わっていそうだ。
あとがきで、この話を戦時中のロンドンで家を焼かれながら書いたという話を読んで、びっくりしました。本当に芯の強い女性なんですね…。伝記も -
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【マープル】
クリスティーが最後に書いたマープル作品。
1971年81歳の時に出版した。
37歳の時に執筆した最終話『スリーピング・マーダー』よりも、この作品の方がマープルの集大成のように感じた。
最後に読んで良かった。
『カリブ海の秘密』の続編。
大富豪のラフィールがお膳立てした英国庭園バスツアーに参加したマープルが事件の謎を解いていく。
ミステリーとしては犯人もわかりやすいし、事件の全容も見えにくいのでキレは感じない。同じようなことを繰り返すシーンや説明が冗長に感じられることもあった。
でもこれは歳をとったクリスティーの味わいでもあるのかなと思った。
こんなにすごい長編を書けるくら -
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ネタバレポアロシリーズ㉕
アバネシー家の主人リチャードの葬儀は滞りなく終わり、遺産についての遺言が読まれるという時に放たれたコーラの一言「だって彼は殺されたのでしょ?」
なにこの一気に不穏に変わる空気。なにこの一気に心掴まれる展開。ワクワク感。
アガサ・クリスティがえがく『館に集まる一族』って本当に面白いわ~
相手に対する親族ならではの人物評や思い出によってそれぞれのキャラクターが分かってくると、ダメっぷりも、隠している秘密も、怪しさも浮き立ってくる。そして、それらが事件の謎をさらに深めていく。
やっぱり最後は犯人に驚かされる。
関係者を集め最後に行われるポアロの謎解きに、ただただ、ため息。 -
匿名
購入済みクリスティーの代表作
アガサ・クリスティーのチャレンジ精神の、一つの到達点。中心となるトリックは、一度読めば単純明快なんだけど、それを盛り上げる細工も上手くできてて、何度読んでもクライマックスはドキドキできる。
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その名はもちろん知っていた、
アガサ・クリスティ。
翻訳本アレルギーがあったので今まで読んだことなかったんだけど、荒木博之さんのVoicyで触れられて以来、気になっていたので読んでみた。
作家の真山仁さんは50頁で犯人がわかったということで、変な挑戦欲が掻き立てられたものの、やはり私には推理力も洞察力も集中力も足りない。
最後の最後まで犯人が分からなかったのは、…まあ想定内です。
ただこれ、犯人が分かってから読み返してみると、確かに50頁までで犯人のアタリはつけられる仕立てになっている。
自分の凡庸さを改めて思い知らされるようで、そこがなんとも悔しいな。
大富豪アバネシー家当主リチャード -
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【マープル】
カリブ海のホテルで療養しているマープルは、「殺人犯の写真を持っている」という退役少佐の昔話につき合わされる。
その直後その少佐は変わり果てた姿に…。
クリスティー74歳の作品。
クリスティーが歳をとったからなのか、この作品はおばあさんであるマープルと、介助なしでは歩けないおじいさんが大活躍する。
クリスティーとマープルが同年代なので、もう私の中では完全に2人が同一人物だと思って読んでいる。
マープルはいつもは現場に行かずに安楽椅子形式で推理して、登場するのは最後だけ。
でもこの作品は違った。
マープルの泊まっているホテル内で事件が起きるので、マープルも終始現場にいる。
だ