アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • 火曜クラブ

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    目次
    ・火曜クラブ
    ・アスタルテの祠
    ・金塊事件
    ・舗道の血痕
    ・動機対機会
    ・聖ペテロの指のあと
    ・青いゼラニウム
    ・二人の老嬢
    ・四人の容疑者
    ・クリスマスの悲劇
    ・毒草
    ・バンガロー事件
    ・溺死

    アンソロジーなどで何編か読んだことはあるはずのミス・マープルシリーズ。
    実はきちんと読んだのは初めてです。
    思った以上に短い作品ばかりで、推理をするというよりも人々の意見を聞いているうちに正解に流れ着いちゃった、という感じ。
    長編と比べたら、必ずしも論理的ではないけれども、ミス・マープルの言葉には説得力がある。

    しかし、これほどバラエティに富んだ殺人事件と同じ構造の事件が起きているのだとした

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    2024年08月02日
  • 青列車の秘密

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    探偵がポアロなのにセント・メアリ・ミード村のヒロイン、大金や”火の心臓”といういわく付きの宝石、そして、豪華寝台列車のブルートレイン内での事件。三角な恋愛模様などなど…魅力的な要素がいっぱいでとても面白かったです。犯人を当てることもできました。

    序盤はゆっくりと人間模様の描写に当てられていて、ポアロが登場後は徐々にスリリングでスピーディーな展開になっていき、ラストがとても素晴らしい終わり方です。読後感も良く、余韻に浸れるような、まるで列車の発車から終着駅までの動きのような小説。ただ残念なのは、やはり偶然に頼り過ぎなことと、詰め込み過ぎてあの件はどうなんだろうというモヤモヤ感が残ってしまうのが

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    2024年07月29日
  • 愛の重さ

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    ネタバレ

    主に三人の人物を中心として物語は進展していく。
    ①ローラ
    両親の愛を一身に受ける兄。その兄が死ぬと、悲しみの中にありながらローラは密かに両親の愛が自分に向くのではと期待する。しかし今度は、生まれたばかりの妹シャーリーが愛を独占することに。ローラはシャーリーの死を願うようになるが、ある時火事からシャーリーを守ったことをきっかけに、ローラはそれまでとは打って変わってシャーリーを心から愛するようになる。それは独占欲とも執着ともとれるものだった。成長したシャーリーと恋仲になったヘンリーのことをよく思わないローラは、二人の結婚に反対する。
    ②シャーリー
    ローラを説得してヘンリーと結婚するものの、定職につ

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    2024年07月27日
  • 娘は娘

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    【ノンシリーズ】
    シングルマザーのアンは人生の全てを注いで一人娘を育てきた。しかしアンの再婚問題を機に母と娘の関係が変わってくる…。

    「母親の目線」で読むか、「娘の目線」で読むかによって思う事も変わってくる。
    自分も娘がいる母親だし、かつては娘だった時代もあるので、両方の気持ちがよくわかるので面白い。

    再婚を決めた男性のことをどう思うか?
    娘が好きな男性を親として許せるかどうか?
    この2点は読者それぞれの価値観によって違うと思う。

    古い友達と長年仕えるメイド、この2人の頼れる老女が精神安定剤みたいで安心する。

    クリスティー自身もこの作品と同じように、娘がいて14歳も年下の男性と再婚して

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    2024年07月27日
  • 葬儀を終えて

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    1953年発表、エルキュール・ポワロシリーズの第25作。遺産相続の諍いから始まるオーソドックススタイルのミステリなのだが、仕掛けは決してありきたりなどではない。最初から最後まで手がかりは堂々と提示されているし、読者なら頁を遡って怪しい記述を探すこともできる。それでも欺されるのはやはり女王クリスティの類稀な力によるもの。時代の移り変わりにより、世間のポワロの認知度に差が出てきているのも良き。

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    2024年07月27日
  • もの言えぬ証人

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    ネタバレ

    犯人がまさかの既に死んでいるという真相。捕まって裁きを受けるが当たり前だと認識してしまっているから、ここの展開は少し驚いた。
    作中で登場人物のことを「全くセンスはないが着飾るのが好きな人」と評していたのがなぜか妙に印象に残っている。多分作者の身の回りにこういう人がいたんじゃないかなと思う。他作品にも、服装についての描写はよく出てくるし、アガサクリスティー自身の観察眼の鋭さがあったからこそ、いろんな作品にそれが活かされたのかなとも考えた。

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    2024年07月26日
  • 杉の柩

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    ネタバレ

    加害者だと思われている人物にも実は被害者への殺意があった、様々な人物がウソをついていた。そのウソがなぜつかれたのか、背景を辿ると真実が見えてくる。人物同士の感情や関係が交差する素晴らしい話だった。

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    2024年07月25日
  • ポケットにライ麦を〔新訳版〕

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    【マープル】
    マープルの「推理ではありません。事実です」という言葉が、カッコ良くて痺れた。
    編み物をしている優しいおばあさんの姿とは全く違う一面が見れた。

    今回の事件は私的なことも含まれているから、いつもは穏やかなマープルが静かに怒っている。だからカッコ良い。

    ラストがとても良かった。
    このラストのおかげでこの作品が心にいつまでも残る。最後の2行もとても印象的だった。

    愛読書の『アガサクリスティー完全攻略』著者の霜月さんが、この作品の解説者だった。
    数多いクリスティー作品の中から、自分の好きなタイプの作品を選べるのは霜月さんのおかげなので本当に感謝してます。

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    2024年07月24日
  • なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

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    クリスティの本を、文庫の新刊で読めるというのがいいですね!90年も前に書かれたとは思えない構成の緻密さ。この作品を発表した時の英国の読者たちの 驚く顔が見えるようです。

    もちろん今の時代に読むと「ン?」という箇所もありますし、翻訳ものなので、英国の90年前の文化をよく知らない私たちにとっては分かりづらさ もあるのですが、それを差し引いても、このミステリーの二転三転する構成や、終盤にわかる真相は面白いです。予想外の人間が犯人であることも。

    ポワロもミス・マープルも出てこないけど、フランキーという伯爵令嬢と、牧師の息子ボビイがバディとなって事件を追っていくスリリング さは見ものです。

    ダイイ

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    2024年07月28日
  • ひらいたトランプ

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    ブリッジのルールを知らなかった私が残念。
    ブリッジのルールを知らなくても十分楽しめてしまうところはさすがとしかいいようがない。

    ラストは久しぶりに「え?」て言ってしまった。
    いや、アガサクリスティーのは毎回「え」てなるけど、声が漏れたのは久しぶりだった。その一瞬だけ私自身がオリヴァ夫人になって小説の中に入れた気さえした。

    ありがとうアガサクリスティー!

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    2024年07月22日
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕

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    ネタバレ

    その人だけは絶対にないと頭の中で外してた。思い返してみると色々伏線張られてた...トリックより殺人までの下準備が恐ろしい。
    派遣された看護師視点の作品で、読者と同じ目線で話が進んでいくのが新鮮だった。「殺人は癖になる」いうポアロの言葉が印象的。

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    2024年07月22日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

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    ネタバレ

    途中で最初の事件とは関係ない話が展開し、どうなっていくのだろうと思っていたら最後は綺麗に集約されて行ってさすがだなと思った。
    途中で少年犯罪について語る一節があり、それが印象に残っている。

    "彼女が気にかけている相手か、もしくは、ポアロが思うにこちらの方が可能性大だが、彼女が守ってやりたいと思っている相手、おそらくほんの子供と言って良い年齢の者。ミセスドレイクから見ると、自分がしたことの恐ろしさがよくわかっていないように思われる者。
    ポアロは、ミセスドレイクのことを性格はきついが誠実な人物だと思っている。こういうタイプの女性は、結構いる。しばしば治安判事になったり、協議会や慈善団体

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    2024年07月21日
  • ゴルフ場殺人事件

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    ポアロのシリーズ2作目。難解な事件で、犯人が全くわからないほど、二重三重に巧みに練られたトリックに驚きました。ただ、あまりにも偶然性に頼ったストーリー運びが、なんだか不自然な感じがするところが気になるところ。

    良かった点は、犯人の行動心理を分析しながら推理する”灰色の脳細胞”を持つポアロと、地べたを這いつくばって物的証拠から推理するパリ警視庁の”猟犬”ジロー刑事との勝負。ポアロが感情的になる場面がいいですね。

    あと、小説として恋愛要素があるのは普通ですが、相方のヘイスティングズが色目きたって捜査の弊害になる”いかれポンチ”ぶりに苦笑い。

    最後は、いい終わり方ですが、とにかく犯人や恋愛の相

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    2024年07月21日
  • ゼロ時間へ

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    ゼロ時間。殺人はその結果であって、それ以前から物語が始まっている。タイトルから秀逸。クリスティの新たな試み、これまでのミステリーの常識を覆す画期的な作品。

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    2024年07月21日
  • 葬儀を終えて〔新訳版〕

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    ネタバレ

    これはこうだ、と思い込んでいる事象をいい意味で裏切ってくれるのがいいなと思う。登場人物は疑いようもなくその人本人だと信じているからこそ、今回も結末は予想外のところから出てきたし、こんな作品を次々編み出していったからこそアガサクリスティーはミステリの女王と呼ばれるのだなと考えた。
    それにしても、作中に出てくる料理(スコーンや紅茶、
    フォアグラのパテ、トースト、ポートワイン、クレームドカカ、舌平目のクリーム煮、子牛肉のカツレツなどなど)、すごく美味しそう。イギリス料理はあまり美味しくないと巷で言われているけど、このラインナップを見ているとそんなことはなさそうに思える。料理や地名がよく出てくる小説は

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    2024年07月19日
  • ポアロのクリスマス〔新訳版〕

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    クリスティーにしてはなかなか派手なトリックで楽しめる。実際やってみるとどんな風になるのか気になるので、ドラマも観てみたい。
    クリスティー作品はもれなく抜群に面白いし、どれも3日もあれば読んでしまう。今作も例にもれずめちゃくちゃ面白いのだが、まさかこの人が…いやいや、それだけはないだろう、やめてくれよ、と思っていた人が犯人だったので、★マイナス1(笑)。

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    2024年07月18日
  • 予告殺人

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    【マープル】
    マープルのイメージをつかむためにPrime Videoでドラマ版を観たら大大大正解だった!
    Audibleで自分が想像していたマープル像は完全に間違っていた…

    ドラマのマープルは、知的で上品で、優しくて、控えめで品格があって、頼りになるとっても可愛い素敵なおばあさんだった!

    Audibleの声のイメージから、私は勝手に生意気で噂好きな少し下品なおばあさんを想像していて、完全に正反対のイメージを持ってしまっていた。

    マープルの姿も知らなくて、小説も読んでいないのに、いきなりAudibleで聴いてしまったのがいけなかった…
    なぜならAudibleのマープル役は男性がやっているか

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    2024年07月19日
  • 白昼の悪魔

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    中盤まで事件は起きない。登場人物の名前や人となりを覚えられるのを待って、女優の死亡。
    そして前半のセリフや描写も含めて推理されるんだ、なるほど…。どんでん返しというよりはていねいな一冊で、好みでした。

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    2024年07月17日
  • パディントン発4時50分

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    ネタバレ

    ミス・マープルシリーズ。
    しかし今回の主役は、なんと言ってもスーパー家政婦ルーシー・アイルズバロウ。彼女の完璧なまでの仕事っぷりには感心するばかり。頭脳明晰、料理の腕、きめ細やかな洞察力、気の配り方、人当たりの良さ、そしてミス・マープルに引けを取らない好奇心。全てにおいて魅力的で、新たにルーシー・シリーズも創作してほしいと思った。

    ロンドン発の列車の窓から偶然目撃した殺人事件。男が女を絞め殺す、まさにその瞬間を目撃した老婆ミセス・マギリカディは慌てて友人ミス・マープルの元に駆け込むことから物語は始まった。
    けれど悲しいかなミス・マープルは体調が思わしくなく、スーパー家政婦ルーシーに事件の捜査

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    2024年07月14日
  • ポアロ登場

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    1924年の作品です。
    名探偵ポアロの初めての短編集で、14もの話が入っています。
    ポアロとヘイスティングズの掛け合いが面白く、ホームズとは一味違った推理方法が面白いです。

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    2024年07月13日