アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • ポアロ登場

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    ユーモアを交えたジョークみたいな話が多い短編集だった。『狩人荘の怪事件』『グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件』『イタリア貴族殺害事件』の大胆さがなかなか見事で、ちょっと笑ってしまった。ラストを飾る『チョコレートの箱』が一番好き。

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    2024年10月23日
  • ポケットにライ麦を〔新訳版〕

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    ネタバレ

    ミス・マープル シリーズ ⑥

    「ポケットにライ麦を詰めて歌うは街の唄───」
    会社で毒殺された社長のポケットにはライ麦が詰まっていた。
    そして、マザーグースになぞられ連続殺人が起こる。被害者の一人であるメイドは以前ミス・マープルがしこみ、マープルのもとで働いていた。現場となる館にやってきたマープルの推理は。

    それぞれにクセがある登場人物達の怪しさ。鉱山をめぐる過去の因縁。そして、マザーグースになぞられる殺人の不気味さ。
    誰もが犯人のようで、誰もが違うような。事件に引き込まれました。

    今回、犯人を言い当て、すべての謎を解き明かしたマープルが力強くかっこいい。特に最後!
    そして、マープルに届

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    2024年10月21日
  • ビッグ4

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    ドラマとぜーんぜん違う!!!!
    スケールがどんどん大きくなっていくのアガサ!待って!待って!となったけど、のめり込んでいくのさすがの手腕。
    ヘイスティングスはめちゃくちゃ気絶する。

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    2024年10月20日
  • 死人の鏡

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    どれも読み応えがあって面白かった。
    『謎の盗難事件』と『砂に描かれた三角形』は、読み進めていくうちにドラマを観た記憶が蘇ってきて、また映像で観たくなった。
    個人的には、一番短いけど一番衝撃的な『砂に描かれた三角形』が好み。インパクトすごい。
    他の方も書いていたけど、短編でも各話の最初に登場人物一覧をつけてほしい。『死人の鏡』なんてもうだれがだれやら。
    それと、毎回言ってる気がするけど、ポアロシリーズは翻訳がしっくりこないものがときどきある。ドラマの印象が強いからか、ポアロさんには「〜だぜ」なんて言ってほしくないんだよなぁ。だれに対しても敬語を使う方が潔癖で上品なキャラクターに合ってると思う(個

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    2024年10月20日
  • 娘は娘

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    ネタバレ

    クリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で書いた一冊。この作品群はとにかく登場人物の内面が他作品以上に深く描かれているのが特徴。
    夫に先立たれたアンは、娘のセアラに無償の愛を注いでいた。あるとき、セアラが三週間のスイス旅行に出掛けている間にアンは自分と同じく配偶者に先立たれた悲しみを背負って生きるリチャードと出会い、たちまち恋に落ちる。しかしスイスから帰ってきたセアラはリチャードを毛嫌いし、二人の結婚を認めようとしない。リチャードはリチャードで、そんな態度を取る近い将来継娘になるはずのセアラを拒絶する。
    母親には女性としての幸せを求めることは許されないのかと苦悩するアン、突然現れた継父に「お

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    2024年11月06日
  • ポアロのクリスマス〔新訳版〕

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    最後まで予想外の展開だった。動機としては弱いような気がしたけど長年の恨みって恐ろしいね。マクベスの一説が引用されて物語が進むところも楽しい。 

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    2024年10月17日
  • 書斎の死体

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    んんー!これは良い騙され方!
    〈書斎に転がる死体〉というありふれた設定に、クリスティが変化をつけるとこうなるのか。
    いろいろ考えたけどやっぱり当たらなかったな。
    悔しいけど楽しい。
    真相が語られる場面では「あの台詞が」「それであの時!」「そこに繋がるのか…」とつい嬉しくなってしまったほど。
    女性的な視点で事件を紐解くミス・マープルシリーズも面白いな。

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    2024年10月13日
  • もの言えぬ証人

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    ボブ絶対可愛い!会ってみたい!
    久しぶりのポアロの長編は読み応え抜群でとても楽しかった。薬の話が出てくるやつは特に好き。

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    2024年09月29日
  • ポアロとグリーンショアの阿房宮

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    『死者のあやまち』の元になった中編作品。
    どちらも読んだけれど、中身が省略されている分印象は異なる。
    でも面白いことに変わりはない。
    たった120頁でも十分楽しめる。
    短いながらも意外性があり、ちゃんと驚くこともできる。
    ホント綺麗に纏まっている…が!
    あっさり終わってしまうからなあ。
    ポアロの面倒臭いところが好きな人間からすると、若干物足りないんですよねえ。
    省いても支障が無いと分かっていても、捜査部分はやっぱり欲しい。

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    2024年09月28日
  • 死との約束

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    「わたしは決して忘れませんよ。よく憶えておいてね。わたしは何一つ忘れていませんよ」
    ほんとうのホラーは、人のこころの中にある。

    恐るべきマザーにより支配されたポイントン家の人々。
    第一部はこの話の主人公たちがこの物語の彩りを掻き回すように着色する。
    ここでのポワロはまるで“ひょっこりはん”のように、物語のちょっとした端っこに顔を出す程度。

    事件発生後の第二部になり、ポアロは本来の位置に着く……。

    アガサ・クリスティーのミステリーは、本当に色々な展開を楽しむことができる。
    最終的には謎の解明になるが、その結果がそんなに重要ではない時もある。
    このお話はまさにそう、過程での登場人物のあやふや

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    2024年09月27日
  • 予告殺人〔新訳版〕

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    ミス・マープルはテレビドラマシリーズで見ていましたが読んだことはありませんでした。
    なにか読んでみようとこちらを。これはドラマで見ていないので犯人知らない。


    イギリスの田舎町チッピンググレイホーンの住人は新聞の広告欄に「殺人お知らせ申し上げます。リトル・パドックス館で午後6時30分。」という文章を見る。「晩餐会の催し物だろう」と言いながらも訝しがる気持ちは抑えられない。村の人々はたっぷりの好奇心でリトル・パドックス館に集まる。
    リトル・パドックス館の中年女主はレティシア・ブラックロック。彼女も「覚えがない」と言いながら客を迎える準備をする。
    そして6時30分。館の明かりが消え男が乱入してく

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    2024年09月25日
  • なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

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    『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』BBCドラマ2022全3話(3h)で。とても面白かった。先ず主人公や親友、ヒロインのキャラが良い。そして瀕死の男の最期の言葉=タイトルの謎と解決が素晴らしい。タイトルが秀逸で賞。思ったのだが、この謎解きは同作家の『猟人荘の怪事件』に近い。「なぜ、~しなかったのか?」アレンジや筋を変えると全く別作品としてどっちも面白くなるんだなぁ。

    クリスティの作品では『5匹の子豚』『コックを探せ』『ABC』『エンドハウス』『復讐の女神』と本作を新たにお気に入りに追加。

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    2024年09月22日
  • ポアロのクリスマス〔新訳版〕

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    旧訳ポケットミステリ版で。都筑道夫の解説付き。
    家族に本当のアリバイがないことくらいは、気付いたし、確かにアレには違和感があったが真相には辿り着けなかった。

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    2024年09月19日
  • 終りなき夜に生れつく

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    ネタバレ

    ポアロでもマープルでもないノンシリーズ。なかなか事件というものは起きず日々の描写、人々の心の描写がされていく。ただ事件が起きてからの怒涛の展開は圧巻。誰かが死んだとき、一番利益を得るのは誰かというのはミステリーを読む上で基本的な視点だと思うが、何故そこまでに至ったのか「動機」今回は特に犯人の生き方感じ方考え方が鍵。欲望に支配されて道をどんどん踏み外していく独白が見事。

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    2024年09月17日
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕

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    この手の類いはだいたい見破れない。

    そしてアガサ・クリスティの描く女性とその関係はリアルで魅入られてしまう。女をよく見るよなぁ、、と感心してしまった。

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    2024年09月17日
  • ポケットにライ麦を〔新訳版〕

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    読みやすい。さくさく読んでしまった。童謡に見立てた連続殺人。ミステリー好きとしてワクワクした。しかし本作の肝は最後。最後読んだら鳥肌が止まらなかった

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    2024年09月16日
  • 忘られぬ死

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    ノンシリーズ。

    男性を虜にしてしまう美貌の持ち主・ローズマリーが、自身の誕生日パーティーの最中、毒を飲んで亡くなってしまいます。
    それから一年後、件のパーティーを催した同じ店に、(ローズマリー以外の)同じメンバーが集まった時、再び悲劇が起こってしまい・・・。

    "過去の事件と全く同じ状況下で第二の事件が起きる"という設定・・ん?これって、ポアロもの短編『黄色いアイリス 』と似てるんでねーの?と思ったら、やはり『黄色・・』の方が元ネタだったようですね~。

    ま、それはいいとして・・いやぁこれは面白かった!
    私の中では『杉の柩』と同様、"タイトル地味だけど、すこぶる

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    2024年09月15日
  • 死との約束

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    ネタバレ

    面白かったなあ…
    この本を原作とした三谷幸喜のドラマが再放送するのを知って読んでみた。三谷幸喜は「地味だけど面白い」って言ってたけど、たしかにめちゃくちゃ面白かった。
    個人的には『ナイルに死す』や『メソポタミヤの殺人』より好き。
    作中に登場するエルサレムやペトラの風景がピンとこなかったので、ネットで画像検索しながら読んだら楽しかった。
    あと三谷幸喜のドラマのキャストを見て、登場人物のイメージを掴みながら読むのも楽しかった。
    ただ、当時のヨーロッパの人の中東地域への価値観や宗教観はやっぱり理解できてないので、そこは仕方ないかな〜という感じ…

    「彼女を殺してしまわなければならないんだよ」というセ

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    2024年09月09日
  • 死者のあやまち

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    【ポアロ】
    1956年クリスティー66歳の作品。
    催し物の「殺人犯人探しゲーム」で、賑やかなパーティーは一転して悲劇へと変わってしまう…。

    『ハロウィンパーティー』でも出てきた女性ミステリー作家のオリヴァ夫人は、どことなくクリスティーを思わせる。

    今回の事件はポアロでさえも考え込んでいる。いつも自信満々のポアロがこんなにも悩んでるんだから、私にわかるはずがない。

    徐々にポアロがパズルを1つずつはめていく。
    次第にパズルが埋まり、全てがピタッとハマった時の気持ちよさと面白さが楽しめる。

    大胆過ぎる伏線、ミスリード、キャラクター、想像できない結末。
    全てがちょうど良いバランスで熟練の技を感

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    2024年09月09日
  • 海浜の午後

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    海辺の午後
    クリスティの短編戯曲集
    海辺の午後
    昔から裕福な人達が過ごして来たビーチ。時代の流れで海辺を訪れる人達も様変わり。
    古い時代の夫婦や家族が時間を過ごすビーチにビキニを着た非常識な美女が現れ男達を魅了、女達は反感を抱く(時代を感じる描写)。
    一方、付近では盗難事件が発生、エメラルドなど高価な品物が盗まれてしまう。
    古き時代を引きずりながらビーチで余暇を楽しむ人達と美女と警察のドタバタ劇。ミステリー的な要素は多く無いが、クリスティ得意の「オールドミス」が牛耳る家族(立場の弱い夫、束縛される息子)や若い二人の男女等、設定は面白い。
    今の時代背景から見るとコメディの様に見えてしまうが、少な

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    2024年09月08日