アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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ネタバレミス・マープル シリーズ ⑥
「ポケットにライ麦を詰めて歌うは街の唄───」
会社で毒殺された社長のポケットにはライ麦が詰まっていた。
そして、マザーグースになぞられ連続殺人が起こる。被害者の一人であるメイドは以前ミス・マープルがしこみ、マープルのもとで働いていた。現場となる館にやってきたマープルの推理は。
それぞれにクセがある登場人物達の怪しさ。鉱山をめぐる過去の因縁。そして、マザーグースになぞられる殺人の不気味さ。
誰もが犯人のようで、誰もが違うような。事件に引き込まれました。
今回、犯人を言い当て、すべての謎を解き明かしたマープルが力強くかっこいい。特に最後!
そして、マープルに届 -
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どれも読み応えがあって面白かった。
『謎の盗難事件』と『砂に描かれた三角形』は、読み進めていくうちにドラマを観た記憶が蘇ってきて、また映像で観たくなった。
個人的には、一番短いけど一番衝撃的な『砂に描かれた三角形』が好み。インパクトすごい。
他の方も書いていたけど、短編でも各話の最初に登場人物一覧をつけてほしい。『死人の鏡』なんてもうだれがだれやら。
それと、毎回言ってる気がするけど、ポアロシリーズは翻訳がしっくりこないものがときどきある。ドラマの印象が強いからか、ポアロさんには「〜だぜ」なんて言ってほしくないんだよなぁ。だれに対しても敬語を使う方が潔癖で上品なキャラクターに合ってると思う(個 -
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ネタバレクリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で書いた一冊。この作品群はとにかく登場人物の内面が他作品以上に深く描かれているのが特徴。
夫に先立たれたアンは、娘のセアラに無償の愛を注いでいた。あるとき、セアラが三週間のスイス旅行に出掛けている間にアンは自分と同じく配偶者に先立たれた悲しみを背負って生きるリチャードと出会い、たちまち恋に落ちる。しかしスイスから帰ってきたセアラはリチャードを毛嫌いし、二人の結婚を認めようとしない。リチャードはリチャードで、そんな態度を取る近い将来継娘になるはずのセアラを拒絶する。
母親には女性としての幸せを求めることは許されないのかと苦悩するアン、突然現れた継父に「お -
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「わたしは決して忘れませんよ。よく憶えておいてね。わたしは何一つ忘れていませんよ」
ほんとうのホラーは、人のこころの中にある。
恐るべきマザーにより支配されたポイントン家の人々。
第一部はこの話の主人公たちがこの物語の彩りを掻き回すように着色する。
ここでのポワロはまるで“ひょっこりはん”のように、物語のちょっとした端っこに顔を出す程度。
事件発生後の第二部になり、ポアロは本来の位置に着く……。
アガサ・クリスティーのミステリーは、本当に色々な展開を楽しむことができる。
最終的には謎の解明になるが、その結果がそんなに重要ではない時もある。
このお話はまさにそう、過程での登場人物のあやふや -
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ミス・マープルはテレビドラマシリーズで見ていましたが読んだことはありませんでした。
なにか読んでみようとこちらを。これはドラマで見ていないので犯人知らない。
イギリスの田舎町チッピンググレイホーンの住人は新聞の広告欄に「殺人お知らせ申し上げます。リトル・パドックス館で午後6時30分。」という文章を見る。「晩餐会の催し物だろう」と言いながらも訝しがる気持ちは抑えられない。村の人々はたっぷりの好奇心でリトル・パドックス館に集まる。
リトル・パドックス館の中年女主はレティシア・ブラックロック。彼女も「覚えがない」と言いながら客を迎える準備をする。
そして6時30分。館の明かりが消え男が乱入してく -
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ノンシリーズ。
男性を虜にしてしまう美貌の持ち主・ローズマリーが、自身の誕生日パーティーの最中、毒を飲んで亡くなってしまいます。
それから一年後、件のパーティーを催した同じ店に、(ローズマリー以外の)同じメンバーが集まった時、再び悲劇が起こってしまい・・・。
"過去の事件と全く同じ状況下で第二の事件が起きる"という設定・・ん?これって、ポアロもの短編『黄色いアイリス 』と似てるんでねーの?と思ったら、やはり『黄色・・』の方が元ネタだったようですね~。
ま、それはいいとして・・いやぁこれは面白かった!
私の中では『杉の柩』と同様、"タイトル地味だけど、すこぶる -
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ネタバレ面白かったなあ…
この本を原作とした三谷幸喜のドラマが再放送するのを知って読んでみた。三谷幸喜は「地味だけど面白い」って言ってたけど、たしかにめちゃくちゃ面白かった。
個人的には『ナイルに死す』や『メソポタミヤの殺人』より好き。
作中に登場するエルサレムやペトラの風景がピンとこなかったので、ネットで画像検索しながら読んだら楽しかった。
あと三谷幸喜のドラマのキャストを見て、登場人物のイメージを掴みながら読むのも楽しかった。
ただ、当時のヨーロッパの人の中東地域への価値観や宗教観はやっぱり理解できてないので、そこは仕方ないかな〜という感じ…
「彼女を殺してしまわなければならないんだよ」というセ -
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【ポアロ】
1956年クリスティー66歳の作品。
催し物の「殺人犯人探しゲーム」で、賑やかなパーティーは一転して悲劇へと変わってしまう…。
『ハロウィンパーティー』でも出てきた女性ミステリー作家のオリヴァ夫人は、どことなくクリスティーを思わせる。
今回の事件はポアロでさえも考え込んでいる。いつも自信満々のポアロがこんなにも悩んでるんだから、私にわかるはずがない。
徐々にポアロがパズルを1つずつはめていく。
次第にパズルが埋まり、全てがピタッとハマった時の気持ちよさと面白さが楽しめる。
大胆過ぎる伏線、ミスリード、キャラクター、想像できない結末。
全てがちょうど良いバランスで熟練の技を感 -
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海辺の午後
クリスティの短編戯曲集
海辺の午後
昔から裕福な人達が過ごして来たビーチ。時代の流れで海辺を訪れる人達も様変わり。
古い時代の夫婦や家族が時間を過ごすビーチにビキニを着た非常識な美女が現れ男達を魅了、女達は反感を抱く(時代を感じる描写)。
一方、付近では盗難事件が発生、エメラルドなど高価な品物が盗まれてしまう。
古き時代を引きずりながらビーチで余暇を楽しむ人達と美女と警察のドタバタ劇。ミステリー的な要素は多く無いが、クリスティ得意の「オールドミス」が牛耳る家族(立場の弱い夫、束縛される息子)や若い二人の男女等、設定は面白い。
今の時代背景から見るとコメディの様に見えてしまうが、少な