アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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アガサ・クリスティの全作品を読んでみようと思い立ち、やはり最初は有名なものからとこちらの作品を選択。
国際寝台列車に集まった様々な生活階級、国籍の乗客。食堂車などは今は殆ど見かけないので、殺人事件以前にこの作品の煌びやかな舞台に惹かれた。
事件の謎解きは、主人公ポアロの知人ブーク(この寝台列車会社の重役)と同じように全く判らず、ただただポアロの見解に「ほぉ」となるばかりであった。
クリスティの作品を読み進めて行けば、いずれはポアロと肩を並べて推理を楽しむことができるようになるだろうか。そうなったらより楽しそう。
当文庫本の解説は有栖川有栖氏。
その中にもあるように、現代のミステ -
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ネタバレクリスティのマープルシリーズ第五弾。
ある一家の女主人に何か悪いことが起きそうだと、その女主人の姉から様子を見てきてほしいと頼まれたマープル。女主人の一族が勢揃いする中、銃声が響き…
マープルが最初から最後まで、小さいコミュニティの中で起きる事件にガッツリと関わる、これまでになかったケース。そこそこ多い一族から順番に事情を聞いて(というか聞かされて)、いつものとおり、村で起こった出来事と付き合わせて真相に迫る。
真相自体は意外性のあるものではないが、非常に手堅い完成度。だからある意味、地味すぎて埋もれてしまう作品なのかも。登場人物が多く、関係性が非常に複雑なのはマイナスか。
代表作と比べ -
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マープルシリーズ長編8作目。セント・メアリ・ミード村にも色々変化があり、シリーズを順番通りに読んでいるので時の流れを感じた。高齢になったマープルはほとんど家にいて、安楽椅子探偵っぽくなっている。捜査担当のクラドック警部、友人のバントリー夫人、ヘイドック医師とお馴染みのメンバーも登場してくれて嬉しい。あとマープルが若かったらクラドック警部とお似合いだっただろうなあとちょっと思った。
マープルは高齢とはいえ頭の良いしっかりした女性なんだけど、お年寄り扱いされることに複雑な感情を抱いているのは共感した。事件についても、トリック云々より人間心理のほうに重点を置いているのがクリスティらしくて良かった。 -
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個人的にクリスティ作品の魅力といえば、
個性豊かかつ人間味のある登場人物(事件の容疑者)たち、
膨大な情報の中にミスリードと本当のヒントとを潜り込ませる巧みさ、
そしてミスリードの要素すら拾い上げ本筋とは別のストーリーに昇華させる組み立ての巧さ、
あたりが大きいのだが今回は短編集という性質上どうしてもそれらを感じづらかったというのが正直な印象。
短いページ数で語らなければいけないので人物描写にそこまで割けず、ミスリードを入れる隙がないのでヒントが分かりやすく浮き彫りになっており、長編では毎回予想外の真相に驚かされていたのに、今回は途中でなんとなく分かってしまうことが多かった。
というのは各話 -
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クリスマスが近づいているので、クリスマス関連の小説が読みたくて、久々にアガサ・クリスティーを手にしました。ポアロのクリスマスと迷ったのですが、気分は短編でした。これには、最後、マープルも登場。嬉しいサプライズでした。
クリスマスプディングの冒険、24羽の黒つぐみが特に好きです。どうも、デビット・スーシェのポアロシリーズを見過ぎているせいか、原作よりもドラマの脚本の方が馴染み深くなっています。だけれど、やはり原作の良さもあるなぁと思って楽しく読みました。ドラマのポアロと原作のポアロは似ているけれど、ちょっと違います。原作の方がシニカルなイメージ。それもまた読んでいて楽しい。 -
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ネタバレポアロシリーズの中では好きな部類。
凄惨な事件ながらも、中東の異国情緒あふれる雰囲気が、読んでいる間もなんとなく心を温めてくれた。
犯人とトリックに関しては多少「うーん?」と思うところもなくはないが、それでも最後の犯人の自供のセリフは悲しくて不気味で心に残った。
ミスレザランの目線で進むところもよかった。ヘイスティングスとは違う物言いや目の付け所を書き分けるところ、さすがアガサ・クリスティ。女性ならではのものの見方が繊細に表されていて秀逸。
名作オリエント急行と時系列で繋がっているところも、さすがは殺人事件磁石のポアロさんだなぁと笑ってしまった。
また読み返したい一作。 -
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ポアロシリーズ。
名探偵の悲しい宿命とばかりに、旅先でも事件に遭遇しちゃうポアロ。エルサレムを訪れたら、そこで殺人事件の捜査依頼を受けることに。
冒頭はなんとも不穏な台詞で幕を開ける。
その台詞は夜のしじまに流れ出て、あたりを漂い、やがて闇の中を死海の方へ消えていった、という表現…なんて痺れる詩的な導入なんだろう。。
母親がサディスティックで家族を支配的に束縛しているボイントン家の関係性と、この家族と複雑に絡み合う外部の人たちとの利害関係が面白い。その後に発生する殺人事件が単調にならず、それを鮮やかに紐解く様子がとっても痛快だった。
同じ中東の旅情モノ『ナイルに死す』と雰囲気が似ていてな -