アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • 死との約束

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    1938年の作品
    エルキュール・ポアロシリーズ長編16作目。

    あらすじ
    エルサレムを訪れたポアロがたまたま耳にしたのは、「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」という男女の囁きだった。

    ヨルダンに旅行に来たツアー客の1人である医師のサラ・キングは妙なアメリカ人の家族と居合わせる。その家族は揃いも揃って家長のボイントン夫人の権力の支配下にあり、自由を奪われていた。サラは、息子のレイモンド・ボイントンと友人になり、彼らを救いたいと考えていた。しかし、かつて刑務所の看守だった夫人は、子供たちにサラとの交流を禁止する。腹を立てたサラはボイントン夫人を非難するが、夫人は「私は、行動も名前

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    2025年05月03日
  • ホロー荘の殺人

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    終戦の翌年に発表された作品である為か、戦争を経て激変せざるを得ない人間社会とそれによって歪さを醸す人間模様が描かれていたような印象を受ける
    それでいて、本作の主題は愛と殺人なのだろうね


    筋書きとしては不倫を疑われた男性がホロー荘に滞在しているらしき人間によって射殺されるというものだけど、その射殺されるまでのシーンがしっかりとページ数を掛けて描かれているが為にむしろ殺人はおまけで人間模様こそ本筋だと認識させるような作りとなっているね
    そもそも舞台となったホロー荘に関係者が集まるまでの前段で家主の夫人・ルーシーが当初から危惧するように何かが起こりそうな者達が集まっていたと言えるのだから、序盤か

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    2025年05月01日
  • スタイルズ荘の怪事件

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    1920年の作品。
    ポアロ長編シリーズ一作目。

    戦争で負傷したヘイスティングスは、旧友ジョンカベンディッシュからスタイルズ荘に招待される。
    スタイルズ荘の当主は、ジョンの義理の母であるエミリーイングルソープであり、莫大な財産を持っていた。エミリーは最近20歳以上年下のアルフレッドイングルソープと再婚したばかりであったが、ヘイスティングス滞在中にエミリーが何者かにストリキニーネで毒殺される。

    エミリーの夫アルフレッドイングルソープ、エミリーの義理の息子のジョンカベンディッシュ、その妻メアリー、ジョンの弟で医師のローレンスカベンディッシュ、エミリーの友人のハワード夫人、屋敷に住む薬剤師のシンシ

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    2025年04月29日
  • ひらいたトランプ

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    個人的にどんでん返しだったのでとても楽しい。
    ポアロが混乱したり、小芝居を打つシーンも珍しくて好き。
    その小芝居のために、女子からすけべじじい呼ばわりされても気づきもせず熱中するポワロが可愛い。
    「人生の暗さなんぞをしゃべるのは、安っぽい人のすることよ」のロリマー夫人のセリフが気に入ったので、今後愚痴っぽくなりそうなときにこれを思い出そうと思う。
    (この本が刊行された時、クリスティは46才。)

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    2025年04月28日
  • ゼロ時間へ

    A

    購入済み

    ナニか物足りない

    やたらと散りばめられた多数の伏線が
    見事に回収されて、すごいなと思う。
    ゼロ時間に向かって物語が進んでいくのも斬新だなと思う。
    その一方で、後だし感が強いなとも感じた。

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    2025年04月28日
  • ナイルに死す

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    ネタバレ

    名探偵ポアロシリーズの作品です。
    前半は事件が起こらず、様々な人間が登場して、それぞれの立場や思惑が描かれます。人間関係を理解して読み進める必要があり、登場人物も多いので、最初は丁寧に読む必要があります。クリスティの作品の中でもかなり長編の部類だと思います。
    犯人だけでなく、犯人以外の人物がそれぞれの理由で証言で嘘をつくので、より複雑になっています。殺人事件の犯人も意外な人物で、犯人が分かった後でもどんでん返しがあって驚きました。

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    2025年04月27日
  • 予告殺人〔新訳版〕

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     突然新聞に掲載された「殺人をお知らせします。」という不穏な広告、パーティーの最中に起きた殺人事件、怪しげなチッピング・クレグホーンの村の住人という不可解な謎を推理するのが面白くそれらの真相を見抜くミス・マープルの推理力と洞察力が際立っていた。犯人は何となく予想がついたが犯行動機に思わず身震いした。

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    2025年04月26日
  • ナイルに死す〔新訳版〕

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    ネタバレ

    犯行に直接関係ないような些細な謎も鮮やかに解明していく様と、ポアロの優しさというか紳士ぶりが素敵でした。「何でも持っている」と揶揄されていたリネットは、本人も言っていたとおり
    周りは敵だらけで、親友や婚約者から裏切られ、
    恨みを抱いてる人も多く、彼女が孤独な人間であることが分かり、人間の欲望や愛は誰にも止めらないと皮肉を感じられてよかったです。

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    2025年04月26日
  • ホロー荘の殺人

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    これってミステリーなの…?ポアロが目立たないほどアクが強すぎるキャラと心理描写。 被害者はクズい、ルーシーは怖すぎ、ヘンリー卿影薄すぎ、共感できるのはミッジとヘンリエッタ。 殺人なくてもよさそう…。 ミステリー要素が多い「5匹の子豚」の方が好きかも。 ミステリー要素なしの「春にして君を離れ」と同じカテゴリーの本。

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    2025年04月25日
  • スリーピング・マーダー

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    恩田陸さんが勧めていて気になって読んだ1冊。
    前に読んだ「五匹の子豚」も回想ものだったけれど、今回は主人公の女性が段々と思い出していく描写があって新鮮だった。マープルの活躍も良かった。あと、アガサ・クリスティ作品に出てくる「言葉」はめっちゃ重要なんだと改めて気付かされた!!

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    2025年04月24日
  • 鏡は横にひび割れて

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    ホワイダニットものとしては上位に入るぐらい好きだ。
    悲劇的で泣きそうにはなるけど。
    ホント記憶を抹消して読みたかった、とつくづく思う。
    この意外性のある動機に純粋に驚かされたかったな。
    周囲の人間の話から徐々に事件の輪郭が浮かび上がる。
    その過程がめちゃくちゃ面白いんだよねえ。

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    2025年04月19日
  • シタフォードの秘密

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    ネタバレ

    ポワロでもミス・マープルでもないクリスティ作品。しかし、ストーリーはまさにクリスティ・ワールドである。
    雪に覆われた、自然により作り出された「密室」、そこで行われた降霊術で示唆された殺人。
    死体で発見されたシタフォード荘の主トリヴェリアン大佐。
    フィアンセが容疑者となり、その無実を晴らすべく、エミリー・トレファシスが新聞記者チャールズ・エンダビーを相棒に事件に挑む!
    という物語。

    とはいえ、チャールズは最終的にあまり活躍しない賑やかしなのだが。結局はナラコット警部が優秀なのだが。
    根っからのクリスティファンなので楽しんだが、ところどころトリックには突っ込みたくなったり、説明されていない謎があ

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    2025年04月17日
  • チムニーズ館の秘密

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    ポアロシリーズでもミスマーブルシリーズでもないミステリー。
    誰が誰なのかっていう問題がずっとあって犯人推測できなかったし、主人公の正体も見破れなかった。本当にアガサクリスティーの頭脳には完敗だ。

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    2025年04月17日
  • 満潮に乗って

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    ポアロ長編はやはり面白い!殺人者の一登場、殺人者のニ登場、今までと異なる展開にワクワクした。解説者も書いていたけど、アガサクリスティーは誰が被害者になるかを想像するのも楽しい。

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    2025年04月16日
  • ナイルに死す〔新訳版〕

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    ネタバレ

    ポアロシリーズ⑮

    富と美貌を兼ね備えた女性リネット・リッジウェイと夫のサイモンはエジプトに新婚旅行にきていた。しかし2人は、リネットの友人で、サイモンの元婚約者であるジャクリーン・ド・ベルフォールに旅行の間中つけ回されていた。不穏な空気の中、ナイル川の船上で事件は起きてしまう。

    すごく面白かった!
    謎が渦巻く船の中を、登場人物一人ひとりが、行動し、さまざまな思いを巡らせる。
    そこに無駄がないからこそ、ポアロによって一つ一つの謎が解けていく事で、それぞれの状況や思いに「あぁ〜そういうことか」と納得し、感情移入してしまう。

    犯行の手口は素晴らしいものだったけれど、犯行前にあったポアロの優しい

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    2025年04月15日
  • 書斎の死体

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    ★★★★☆ネットでミステリー小説初心者向けというタイトルで紹介されていました。アガサクリスティの作品は、最近ではABC殺人事件も読みました。どれも面白く読めました。事件の真相が明かされる時が一番ワクワクしてしまうのは、高校生の頃に読んだ他の有名な作品の時と同じだったと思い返しました。また高校の時に読んだ作品を読み直してみたいと思っています。

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    2025年04月09日
  • パディントン発4時50分

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    ネタバレ

    今まで読んだマープルシリーズの中で一番すきだったかも。ジェーンが事件が気になってぐいぐい行動して、これ以上の行動は身体の負担があるかとらルーシーを配置するまでの序盤もよかったし、少年2人の事件への興味の持ち方がおもしろかった。
    アレグザンダーかわいい。
    最後、おわかりになりません?って気になる終わり方するのもいい。えぇ教えて終わってほしいーってなったけど多分ブライアンだろうなぁと予想。

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    2025年04月02日
  • ポアロのクリスマス

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    密室!
    久しぶりだー。
    しかもこてこての密室!
    にやにやしてしまった。

    そこに富豪がいる限り。
    そこに不遜な父親がいる限り。
    起きちゃいますよね殺人が。

    明らかに怪しい態度をとっていた人間がいたのに。
    あー、めちゃくちゃ怪しい。絶対この人が犯人じゃん!て思ったのに。
    なぜその人の存在を忘れるかな私。
    いや。忘れるようにまんまと誘導されてしまったのか。くーーっ!

    あとは、なんとなく「ぽくない」感じがあったな。
    良いとか悪いとかではなく「アガサクリスティーぽくない」というか。

    でも読後感が良い点はいつもと一緒。
    読後感やその作品を包む雰囲気は作者の人柄が反映されるっていうしね。だからアガサ

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    2025年04月01日
  • 書斎の死体

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    バントリー大佐の書斎である朝見つかった見知らぬ金髪の若い女性の死体。夫の潔白を信じる夫人は友人のミス・マープルを伴い、女性がダンサーをしていた高級ホテルに向かい犯人探しに奔走する。

    マープルシリーズ第二弾。事件の始まりはセント・メアリ・ミードだったものの、物語は隣州の高級ホテルで展開される。動機らしきものは序盤で判明するのだが、如何せん容疑者にはアリバイあった、というのがこの話の肝。一つの謎が解けるとすべての謎が次々と解明されるといった具合に後半の展開は早い。最序盤にヒントがさりげなく隠されているので、比較的フェアな謎だと思う。ミステリーにありがちなありふれた事件ではあるが、その見せ方を工夫

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    2025年03月30日
  • ビッグ4

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    ストーリー進行はいつもと少し違うなという印象。
    アガサの物事への見方、考え方がいつもよりも表現されてない印象もあった。
    それでも、こうなるのでは?と思いつつ読み進めてやはり騙されたりして。笑
    読者を騙す天才、今作も面白かったです。

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    2025年03月28日