アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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ネタバレアガサ・クリスティの短編集。
夢の家
崖っぷち
クリスマスの冒険
孤独な神さま
マン島の黄金
壁の中
バグダッドの大櫃の謎
光が消えぬかぎり
クィン氏のティー・セット
白木蓮の花
愛犬の死
「夢の家」
ミステリーというよりサスペンス。人が狂っていく様が静かに描写されていて普通に怖い。
「名演技」
過去を知るならず者に脅されると気づいた女優、一世一代の名演技。彼女の代役も死体役とはいえ、なかなかの名優ではなかろうか。
「崖っぷち」
一線を踏み越えたのはまさかのクレアだった…!?ヴィヴィアンだと思ったのに。いや、ヴィヴィアンも楽しげに崖を飛んだ時点で一線を踏み越えてはいるのか。
「クリスマ -
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久々にクリスティーに戻って、
やっぱり勝手知ったるホニャララ〜で馴染みました。冒頭、登場人物が順序よく描かれる様は、まるで舞台上の人物に光を当てるように鮮やかで。これから起こる事件を予感してわくわく。
そこまで強烈では無いけれど、魅力的な人物もちょいちょい出てきます。彼らの恋模様をポアロが時に励ますような意味深なアドバイスも楽しい。
いつも犯人を想像しながら読み進めるのだけど、思いもよらない人物が最後名指しされるので、気持ちよく騙される。ヒントは各所に散らばっているけれども、気づけない。
ちょっと残念なのは国際謀略の要素もあって、話を大きくし過ぎているかな〜感があるところ。 -
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ネタバレアガサ・クリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で発表した『春にして君を離れ(Absent in the Spring)』は、彼女の作家人生のなかでも特に内省的で、個人的色彩の濃い作品である。1944年の刊行当時、クリスティーは第二次世界大戦下という不安定な時代の只中にあり、50歳を超えて人生の折り返し地点を迎えていた。当時クリスティーはすでに「ミステリの女王」としての地位を確立していたが、その一方で、プライベートでは二度目の結婚生活を送りながら、自身の女性としての在り方や人間関係について内省的な時間を過ごしていた。
物語は、旅の途中で孤立を強いられた中年女性ジョーンが、ふとした空白の時 -
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ミス・マープルシリーズ③
静養のため、妹のジョアナと共にリムストックへとやって来たジェリー・バートンは、誹謗中傷が書かれた差出人不明の手紙を受け取る。バートン兄妹は一笑に付すが、この町では以前から人々を誹謗中傷する手紙が出回っていることを知る。
そんな中、手紙の内容を苦にして、自殺者が出てしまう。
誰が、こんな手紙を書いて町中にばらまいているのか?
なぜ、こんなことをしているのか?
自殺か他殺か?
田舎の個性的な面々は、誰もが無関係なように見えるが、誰もが怪しくも見えてくる。
謎ばかり深まる。
しかし、ラストにマープルが登場し、謎の根本をシンプルに示す。
うわぁ~スッキリ!視界が一気に -
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購入済み
面白かった
面白かった。
かなりはっきりとしたヒントが示されていたのに
気づけなかった。
作者がうまいのか、私がヘボなのか。
まぁ両方か。
次に読む本こそは謎を解いて見せるぞ。 -
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アガサ・クリスティのノンシリーズ。
呪われていると噂が絶えない「ジプシーが丘」と呼ばれる土地に魅了された青年の物語。
本編の3分の2ぐらいは、絵に描いたような信じられない逆玉婚の描写が続く。そんなに上手いこといく??って思っていると、終盤で事件が起きて、そこから驚愕の展開に移り変わる。
クリスティが晩年に描かれた作品だけに、狂気に満ちた欲深い人間の描写には恐ろしいものを感じた。
そして、真相を知った上で読み返してみると、初読とは違った解釈ができる表現や構成が随所にあって、上手いなぁと感嘆させられる。
甘やかな喜びに生まれつく人と、終わりなき夜に生まれつく人。この対比のメッセージ性が印象深 -
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マープルの長篇4作目。クローズド・サークルで起きた事件は、その様子から犯人の見当はすぐ付いても、なんでそうなるのかサッパリわからなかったです。事件は、発生が早めで、かつマープルもわりと早く登場するのに、捜査がなかなか進みません。おかげで犯人は勝手に追い詰められて、出さなくてもいい犠牲者が出たのが可哀想で、読み終わってスッキリしなかったですね。推理は巧みな伏線を見事に回収していて、上手いこと考えるなと驚かされましたが、ちょっと都合良すぎる気もしました。
ところで、なんだか読みづらく感じた本作ですが、登場人物の多さに加えて、恐らくルーカス夫人が表紙裏の登場人物に掲載されていないのが原因でしょうね -
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