アガサ・クリスティーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
やっぱミステリ最高〜ポアロ最高〜となった。
久しぶりにポアロシリーズ読んだけど、名探偵、そして紳士として信頼できるポアロがとても魅力的に映った。
事件の調査はポアロの推理を聞くと理路整然と進められていたみたいで、シンプルに考えていけばよかったのかあ〜と思ったけど、考えさせない書き方…犯人を含む乗客たちの一人称視点の文章が各所にあって、思考を乱される書き方が上手!そこも楽しいし!
これぞミステリ小説を読む面白さだよな!!!と感じた。
謎解きの部分はやっぱり読んでいてドキドキしたし、うわ〜!とうなってしまった。ドーパミンが溢れ出てきてたまんね〜という感覚…
以前よりもミステリを読む数が増えてきたので、こうじゃないか?ああじゃないか?ここでこれを書く意味って?と考えたぶん、謎解きパートが楽しくてしょうがない。
ポアロをはじめとする登場人物が素敵だし、ミステリ小説としても面白いし、満足感がすごい!
またポアロシリーズ読もう〜と思った。
ちなみに私が読んだのは「マダム・ジゼル殺人事件」という題の旧訳版だったけど、十分楽しめた。
-
Posted by ブクログ
七つの時計
僕は学生時代、古本屋巡りが好きでクリスティ作品は出版社等拘らずに時間をかけて全て揃えた。残念ながら全てを読み尽くす情熱は無かった訳だが、何年も経って再びクリスティへの熱が再燃し、ハヤカワ版を買い直し読み進めるに至る。
当然、以前に読んでいて記憶しているもの、読んだがうろ覚えで何となく記憶にあるもの、全くの初見があり、今作は今回が初見だった。そして幸いにも見事に裏をかかれ、学生時代にかえった様な気分になった。ものの見事に虚をつかれた、どう分類していいかわからないミステリーを久しぶりに体感した気持ちだ。
(ミステリーに縛られる事なく楽しめる。トリックの分類は勝手に叙述トリック、もしくは読者の先入観を逆手に取ったものだと理解している)
何でもかんでも面白いと評価する訳ではないが、僕にとっては良作だ。楽しむ事が出来た。
今作は「チムニーズ館の秘密」の続編にあたり、前作から主人公は変更になっている。チムニーズ館の所有者ケイタラム卿の娘、バンドルを中心に構成されている。魅力的な人物達も健在であり、多少なりとも滑稽なユーモア溢れるパートもあり、起承転結がはっきりしている。前作においては中心人物が他に存在していた為バンドルの魅力は制限されていたが、今作ではとても行動的で魅力ある女性に描かれており主人公として理想的だ。序盤はスリリングではあるが、読みにくさもあり(登場人物が多く名前がわかりにくい。職業も似ている為、手こずる)中々頁がすすまなかったが何故この様な事が起きたのか。については読者の好奇心を見事に捉えていると思う。
前作後、チムニーズ館は他の人物に貸し出されており、ケイタラム卿達は数年ぶりに館へ帰還する訳だが、屋敷ではとある若い人物が睡眠薬の飲み過ぎで亡くなっている事件が起きる。
物語が進むにつれて、バンドルを巻き込み広がっていく事件と、秘密結社「セブンダイヤルズ」の真実。バンドルや仲間達の冒険は魅力的だが危なっかしくてハラハラしてしまう。途中から秘密を共有する仲間が増えていきながら、そしてそれぞれが自分自身を欺きながら政治に関わる人物達との社交に携わり少しずつ謎が紐解かれていく訳だが。冒頭にも述べたが真相が明らかになった直後、空いた口が塞がらないとはこの事であり、そういえばクリスティはこうだったなぁと再認識させられた作品。前作に比べてバトル警視の役割も大きく、彼の人物像が少しだけ垣間見れる。
途中までは「チムニーズ館の秘密」には及ばないなぁと思いながら読んでいたが、中盤から結末までで場合によってはこちらの方がいい?と思わされた作品。「カリブ海の秘密」と「復讐の女神」と並び、「チムニーズ館の秘密」と「七つの時計」は二対一組で面白さが何段も上昇する。 -
購入済み
面白かった
物語として面白かった。
めでたしめでたし。
このみによるけど私には面白かった。
ミステリとしては、それほどでもないかもしれない。
もちろん謎解きは鮮やかでなるほどと思ったけど、
なんとなく犯人の目星はつくので。 -
Posted by ブクログ
ポアロは決してなんでもお見通しのホームズの様な探偵ではなく、思考の手順や道筋を整理しながら、ジグソーパズルの様に組み合わせていく、とても人間味のある探偵だ。従って、当然、推理の道筋が違っていて軌道修正する事もあるし、事件の連鎖を未然に防げない事もある。しかし最後には真実に行きつき、そしてハッピーエンドで物語は結末する。今回もとある二人の人物が、ポアロの策略によって結ばれる事になる。彼はキューピッド役を務める事がしばしばあり、幾つかの事件の後、ポアロの御節介により幾つかのカップルが誕生している(笑)。これはある意味でポアロシリーズのお約束でもあり、味の濃いミステリー本編を爽やかにするための要素でもある。
今作はスタートが変わっており、とある若い女性がポアロの探偵事務所を非常識な時間に訪ねて来る。彼女は、「人を殺したかもしれない」と言い放ち、しかしポアロを見たとたん、年寄り過ぎるという理由でいなくなってしまう。ポアロはショックを受けるが、娘については気に掛かり、「死体」の痕跡を探し始める。
そんな中、オリヴァ夫人の強引な(笑、いつもそうだ。)招待を受け、昨日のショックについて話していると、どうやら娘のきっかけを作ったのはオリヴァの可能性があり、名も知らぬ相談者のきっかけをポアロはつかむ。まだ殺人が起きたかどうかもわからない霞がかった状態から、ポアロは経験により何かの悪意を感じ、それを調査させていく。
作中、ポアロシリーズ同じみのキャラクターが総出、ジョージ、レモンは両方登場し(珍しい?)情報屋のゴビィなども登場する。主題「第三の女」は、アパートのシェアをするサードガールと文字通り三人目の女性の意味合いもあり面白い。
レスタリック家を巡る騒動になるが、トリックは再読の為、なんとなく記憶にはあったが、改めて楽しめた。設定が現代と似ている環境下でもありイメージを持ちやすく、読みやすい様に感じた。いつの時代も年寄りは若者を受け付けないらしい。また、今や伝説的なビートルズ等も型破りで受け入れられなかった時代のイギリスを読み取る事ができ、面白い。
物語冒頭から何を捜査しているのか。がテーマになる訳だが、読者もポアロと同様にこの小説のパターンを見出すまで時間がかかる。オリヴァのとある発言をきっかけに物語が動き始め、いよいよ大詰めか、というところで衝撃的な事実が判明する。過去にない手法だが、ミステリーとしては丁寧で、きちんと作中にヒントが残されている(最後は流石に驚きだが)父親のレスタリックの半生と娘の悲哀がとてもアクセントになっている。
推理小説としてとても丁寧な構成の作品だが、事件の取っ掛かりがあるまではポアロとオリヴァの冒険譚であり、長く感じてしまうかもしれない。シリーズを読み慣れている人は、ポアロとオリヴァのやり取りを楽しみながら進める事ができるだろう。 -
Posted by ブクログ
推理作家のオリヴァ夫人を迎えたハロウィーン・パーティで、少女が突然、殺人の現場を目撃したことがあると言いだした。パーティの後、その少女はリンゴ食い競争用のバケツに首を突っこんで死んでいるのが発見された!童話的な世界で起こったおぞましい殺人の謎を追い、現実から過去へと遡るポアロの推理とは。
映画化されるというのでこれは予習せねば!と読みました。新訳版が出ていたのに気づかなかった。小さな子供が犠牲になるのは悲しいんだけど、ある意味自業自得な面もあって余計にぐさっとくる。嘘つきや脅しは良くないですね。犯人は種明かしまで全然分からなかった。読み返すと伏線があってクリスティのすごさに毎回感動する。昔の事件と今の事件がつながるって面白い構造で、最近増えてますけど当時は少なかったんじゃないかな。
ちなみに映画はあまりに違い過ぎて原作とは完全に別物と思った方がよいです。。。ホラーっぽいし舞台も登場人物も違いました。 -
Posted by ブクログ
登場人物の魅力、キャラクター性は様々な物語になくてはならない要素だ。クリスティは描写力に定評があり、人物描写、風景描写は本当にその人達がその場所で生きている様な、そんなイメージを読者に与える。当然、時代のギャップや違和感は出てしまうが、それはあくまで古典としてのギャップであり、反対にそれらも魅力として捉えると、とてもノスタルジックな世界観の中ミステリーが展開されていき、何か壮大なストーリーを経験している様な、そんな気持ちになる。
今回、いきなり「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」という二人の人間の会話をポアロが偶然耳にするところから始まる。舞台はエルサレム、そして死海を中心に展開されていき、ポアロの海外旅行物の一つにあたる。イラクやエジプト等、考古学者のパートナーを持つクリスティらしい場所から、今回はイスラエル周辺が舞台となり、砂漠や岩だらけの場所、洞窟等現実離れした設定が魅力的だ。
物語の中心はサラ・キングという若い女医とボイントン家の人々が担う。家長のボイントン夫人はとても嫌な人であり(クリスティは嫌な年寄りを描かせたら世界一だろう(笑))、ボイントン家の人々は彼女に支配され、洗脳され、外界での生活を遮断されて暮らしている。今回、偶然、家族旅行に来ているが、周りからすれば異常な家族に見られている(全員が夫人の悪意に敵意を持っているが、批難の言葉は辛辣、余りにも酷い表現が昔からクリスティ作品の魅力の一つでもある。)
舞台はホテルから場所を移し、ヨルダンのペトラに移動するが、そこでボイントン一族を巻き込む殺人事件が発生する。物語は第二部に進み、ポアロのが本格的に参戦し、事件の真実に迫る。
メロドラマ的な要素と二転三転するストーリー。誰かが誰かの為に真実を偽り嘘をつき、全てを隠そうとしていくが、ポアロは真相を見抜き、心理の中に真実を見つけ、組み合わせていく。全てを正しく配置するポアロの手法が巧みな作品で、僅かの時間で真相に辿り着いてしまう。
クリスティ作品を読み慣れていた事と、遥か昔に読み終えていた作品の為、何となく犯人を推理できたが、やはり一筋縄ではいかない、意外性のある展開は面白い。また、個人的には「オリエント急行事件」についてポアロが問われ、言及している様子もあり、あの事件の結末とポアロの対応にはとても感動していた為、作中ではどの様に思われていたのかが不思議であった(やはりあの結末を世間が納得していない事は明白な様だが、真実は一族とポアロしか知らない)
長い間クリスティの作品に浸かり、そもそも僕の読書の土台を形成した作家であり、また改めて作品を手に取るようになると、過去作との関連や言及が以外に散りばめられている事に気づき、面白さのベースが改善されていく。今作は当然、過去作なしでも楽しめるのだが、雰囲気を更に楽しむ為に「ナイルに死す」や「メソポタミアの殺人」「白昼の悪魔」等と関連して読むと旅行気分を味わいながらとても楽しめるだろう。