アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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目次
・火曜クラブ
・アスタルテの祠
・金塊事件
・舗道の血痕
・動機対機会
・聖ペテロの指のあと
・青いゼラニウム
・二人の老嬢
・四人の容疑者
・クリスマスの悲劇
・毒草
・バンガロー事件
・溺死
アンソロジーなどで何編か読んだことはあるはずのミス・マープルシリーズ。
実はきちんと読んだのは初めてです。
思った以上に短い作品ばかりで、推理をするというよりも人々の意見を聞いているうちに正解に流れ着いちゃった、という感じ。
長編と比べたら、必ずしも論理的ではないけれども、ミス・マープルの言葉には説得力がある。
しかし、これほどバラエティに富んだ殺人事件と同じ構造の事件が起きているのだとしたら、セント・メアリ・ミード村というのは、米花市と同じくらい怖い土地である。
流れるように読んだから、個別の感想は特になし。 -
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ネタバレ主に三人の人物を中心として物語は進展していく。
①ローラ
両親の愛を一身に受ける兄。その兄が死ぬと、悲しみの中にありながらローラは密かに両親の愛が自分に向くのではと期待する。しかし今度は、生まれたばかりの妹シャーリーが愛を独占することに。ローラはシャーリーの死を願うようになるが、ある時火事からシャーリーを守ったことをきっかけに、ローラはそれまでとは打って変わってシャーリーを心から愛するようになる。それは独占欲とも執着ともとれるものだった。成長したシャーリーと恋仲になったヘンリーのことをよく思わないローラは、二人の結婚に反対する。
②シャーリー
ローラを説得してヘンリーと結婚するものの、定職につかず浮気までするヘンリーとの結婚生活に疲れ果てる。そのような中でたまたま出会った探検家のリチャードに惹かれるも、ヘンリーがポリオにかかり介護が必要になってしまう。病気を機に偏屈になってしまったヘンリーを介護しながら、シャーリーはますます疲弊していく。
③ルウェリン
恋人を捨てて伝道者となり訪れた熱帯の島で、物思いに耽るシャーリーと出会う。シャーリーはヘンリーに先立たれた後リチャードと結婚して島で暮らしていた。その島でシャーリーが不慮の事故で死ぬと、ルウェリンは傷心のリチャードに代わって訃報を姉であるローラに伝えに行く。
愛されることを諦め愛することを選んだローラ。シャーリーを愛するが故にローラが犯した過ち。ルウェリンが告げる残酷な事実を受け止めて、ローラは最後に愛される道を選ぶ。
暗く虚しい人生の中で、偏屈な老人ボールドックが唯一の心の友としてローラを支えている。
クリスティーとは別名義の「愛の小説シリーズ」の一冊だが、ミステリー要素もある(かなり予想はしやすい) -
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【ノンシリーズ】
シングルマザーのアンは人生の全てを注いで一人娘を育てきた。しかしアンの再婚問題を機に母と娘の関係が変わってくる…。
「母親の目線」で読むか、「娘の目線」で読むかによって思う事も変わってくる。
自分も娘がいる母親だし、かつては娘だった時代もあるので、両方の気持ちがよくわかるので面白い。
再婚を決めた男性のことをどう思うか?
娘が好きな男性を親として許せるかどうか?
この2点は読者それぞれの価値観によって違うと思う。
古い友達と長年仕えるメイド、この2人の頼れる老女が精神安定剤みたいで安心する。
クリスティー自身もこの作品と同じように、娘がいて14歳も年下の男性と再婚してるので、ここまで繊細に描けるのではないかと思った。
読後感は『春にして君を離れ』と同じ。
読み終わった後に考えさせられる本が好きなので、こういうのも大好き。
いつものミステリーっぽくない、こういう作品もあるからクリスティーは飽きないんだよなぁ。 -
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ネタバレこれはこうだ、と思い込んでいる事象をいい意味で裏切ってくれるのがいいなと思う。登場人物は疑いようもなくその人本人だと信じているからこそ、今回も結末は予想外のところから出てきたし、こんな作品を次々編み出していったからこそアガサクリスティーはミステリの女王と呼ばれるのだなと考えた。
それにしても、作中に出てくる料理(スコーンや紅茶、
フォアグラのパテ、トースト、ポートワイン、クレームドカカ、舌平目のクリーム煮、子牛肉のカツレツなどなど)、すごく美味しそう。イギリス料理はあまり美味しくないと巷で言われているけど、このラインナップを見ているとそんなことはなさそうに思える。料理や地名がよく出てくる小説はイメージを掻き立てることでその舞台世界に誘ってくれるから好き。 -
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【マープル】
マープルのイメージをつかむためにPrime Videoでドラマ版を観たら大大大正解だった!
Audibleで自分が想像していたマープル像は完全に間違っていた…
ドラマのマープルは、知的で上品で、優しくて、控えめで品格があって、頼りになるとっても可愛い素敵なおばあさんだった!
Audibleの声のイメージから、私は勝手に生意気で噂好きな少し下品なおばあさんを想像していて、完全に正反対のイメージを持ってしまっていた。
マープルの姿も知らなくて、小説も読んでいないのに、いきなりAudibleで聴いてしまったのがいけなかった…
なぜならAudibleのマープル役は男性がやっているから!!
ナレーターさんはとても上手なんだけど、やっぱり男性に声だけであのドラマのマープルの感じを出すのは無理だ〜。
村の人のイメージも完全に間違っていた。
みんな上品で知的な紳士淑女だった。
この間違った想像こそがマープルを好きになれなかった原因だった。
それからマープルの英語の綺麗さと聴き取りやすさに驚く!!英語に慣れてない私でも知ってる単語は1つずつはっきりと聴き取れる。綺麗な英語にうっとり聴き入ってしまう。
イギリスの綺麗な田園風景、素敵なお家、上質で上品な服装、家具、食器、テーブルコーディネートの美しさ、テーブルマナー、何もかもが釘付けだった。この話は中流階級くらいの話。
この後に『パディントン発4時50分』を少し観たんだけど、お城みたいな上流階級の家で本当にこんな状態だった(♡∀♡)♡♡♡
ドラマ+読書のダブルが最高だけど、1度でも観れば小説でもAudibleでも断然イメージしやすくなる。
ポアロも映像では1度も観たことがないので観てみたい。(ハマりそうでこわい…)
○ここからはAudibleで読書のレビュー。
ドラマは小説どおりに忠実に再現されてるけど、やっぱりクリスティーの心理描写は小説でなければ味わえないと感じた。
有栖川有栖さんの『月光ゲーム』で大学生が遊んでいたマーダーゲームが出てきた。
こんなに昔からある伝統ゲームだったんだ。
予告殺人という今までにない事件の進み方にドキドキする。
中だるみ感はあるけど、ドラマ版を観たおかげで最後まで楽しめた。
マープルの魅力がわかって本当に嬉しい!!
これからはマープル楽しむぞー(*˘︶˘*).。*♡
Audibleにて。
◆あらすじ
地元紙の広告欄に「殺人お知らせ申し上げます…」という文章が掲載された。
好奇心旺盛の村の人々が館に集まる。
予告の時刻になると… -
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【ポアロ】
恋愛ドラマ+ミステリー。
ポアロが出てくるまでミステリーということを忘れていたくらい。
もうポアロ登場しなくても良くない?と思ってしまうほど、恋する女性の痛いくらい切ない心情を巧みに描いている。
クリスティーはやっぱり女性の心理描写が超絶上手い。ロディーのそんなにどこが良いのかわからなかったけど、恋は盲目なのかな…。
法廷から始まり、ポアロの聞き込みを挟んで最後は法廷で終わる、今までにない展開。
人によってその人への見方が全く違う。
誰が本当のことを言ってるのか、読者自身も人を見る目を試されているようで面白かった。
「何でもない嘘を付くのが犯人」とポアロ。
一見なんの意味もないような嘘から犯人を絞っていくのが痛快だった。
最後もミステリーとは思えない温かさを感じた。ポアロはこんな良いこともするのね( ◜‿◝ )♡
『ナイルに死す』と同様に、いつまでも心に残る登場人物だった。
このタイトルはどういう意味なんだろ。
こんなに良い作品なのにあまり有名ではないのは、このよくわからないタイトルのせいだとしたらもったいない。 -
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本作は、ミス・マープル初登場のタイトル作を含む13の短篇集。これらは、1927年から雑誌連載していた6篇に、他の短篇を追加して1932年に発刊されたもの。作品の初出としては、1930年発刊の長篇『牧師館の殺人』より先になります。
そんな事情もあってか、前半6篇より追加された後半は尻上がりに面白くなって行きます。犯人当ても前半の『アスタルテの祠』『金塊事件』『動機対機会』は、犯人を当てることができましたが、後半は惨敗。マープルというキャラを、著者が次第にものにしていってる感じがしました。
最初はただの田舎のおばさんだったミス・マープルが、人生経験から推理して発言し、次第に周りの人達の信頼を得て行く様子がとても良かったです。そんなミス・マープルの象徴的な発言が、6篇目ラストP171にあり、雑誌連載の締めくくりにしようとした感じがして興味深かったです。
なお、タイトルの火曜クラブと言う、各自が語る迷宮入り事件を参加者が推理し合うのは前半6篇まで。7篇目からは、バントリー夫妻の家での晩餐会での謎解きになり、最後の1篇は、議論ではなく現在進行形の推理物です。
特に面白かったものは、『舗道の血痕』『青いゼラニウム』『バンガロー事件』『溺死』。
正誤 十五刷
P104の10行目:
あその舗道の上→あそこの舗道の上
P343の7行目:
こちゃまぜ→ごちゃまぜ -
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【戯曲】
クリスティーの戯曲。
戯曲は短いので時間がない時にもサクッと楽しめて良い。短いのに二転三転して面白い。
この作品は倒叙のような感じもあり、コメディータッチなので明るくて、三谷幸喜さんぽい。
今まで読んできた作品とは違うクリスティーの新たな一面だった。
登場人物みんな明るいキャラクターなのが楽しい。勝手に三谷さん作品で毎回出てくる役者さん達を想像しながら読んだ。
攻略本にも書いてある通り、舞台ならではの「志村、後ろ〜!」的な面白さが味わえる作品だった。これは舞台で観てみたらもっと面白いだろうな。
最後もコメディー舞台らしい感じで、読後感も楽しかった。
◆あらすじ
外交官の夫からおしのびで賓客が屋敷を訪れると聞かされた妻のクラリサ。急いで準備するクラリサは部屋で死体を見つけてしまい…。
※この作品も裏カバーのあらすじに全部書きすぎなので要注意です。 -
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「満潮に乗って」
なんてミステリー小説には、似合わないタイトルだこと……。
全てが顔見知りのような田舎
一代で富を築いた男の死と、遺産をめぐる親族と若い妻。
ポアロは単に人の話を聞いてまわるが、読んでいる読者は「たぶんこうだ」と思うもののなかなか辿り着けない。
だって満ち潮に乗って(勢いにまかせて?)事件を起こすミステリー小説があるはずが無いって先入観があるから。
これが成立するのは、作者の巧みなわざと登場するひとりひとりの魅力が、読んでいる者をずっと惹きつけているから、と、ラストシーンを読み終わって感じた。
終わってみたら、結構面白いお話でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレお世辞にも見た目が良いとは言えないが、天性の人たらしで自分の魅力をアピールする能力に長けたゲイブリエル。障害のために日頃腫れ物のように扱われるヒューに対しても一切気を遣わないゲイブリエルのあけすけなところに、ヒューはある種の感銘を受ける。人当たりのいいゲイブリエルがヒューの前でだけ仮面を脱ぎ、虚勢の下に隠された劣等感や弱みを曝け出す。ヒューの立場から彼を見るからこそ、読み手もゲイブリエルのコンプレックスと裏腹の虚勢を垣間見て彼の人間くささを感じ取ることができる。
ゲイブリエルとイザベラのどこまでも暗い逃避行。取り澄ました(とゲイブリエルが思い込んでいる)イザベラにどうしようもない劣等感を刺激されたゲイブリエルは、彼女を泥水に引き摺り込むも、彼女が汚れることはついぞなかった。どこまでも自分勝手だが、それこそがゲイブリエルにとっての苦しみ。そしてそれを見せつけられてもどうすることもできないヒューにとっても地獄。
兄嫁のテレサの存在がこの世界の秩序のように思える。 -
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【ポアロ】
楽しいはずのハロウィンパーティーで突如事件は起こる。
「私、殺人を見たことがあるの。」と言った少女がパーティー後にバケツに頭を突っ込んで死んでいた。
犠牲者が子供なのも珍しいけど、毒殺ばかりのアガサ作品でこんなに凄惨な殺害方法も珍しい。
「なぜ少女のジュディスが殺されなければいけなかったのか?」という動機が絶妙だった。
関係者への聞き込みによって、ジュディスがどういう子供だったのか?が浮き彫りになり、それが解決編になっていきてくる。複雑に絡まった動機に思わず上手い!と思った。
ポアロが関係者に聞き込みをする中盤は、長くて中だるみを感じたけど、読み終わった後にそれが必要だったことに気付く。
今回はかなりベタなトリックが出てくる。
でもそれがわかった所で動機が全くわからないし、他の人も怪しい。アガサ作品は、ミスリードがたくさん仕掛けられているので何かに気が付いたとしてもまたまんまと騙されてしまう。
この作品は、映画『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』の原作らしい。映画は怪奇要素の入った内容にだいぶ改変されているとのこと。
そしてこちらはアガサが79歳の時に出版されていて、晩年期でもこんなに凝った作品を書いていたことに驚いた。
Audibleでアガサ。紙の本では違うアガサ。
毎日アガサでも全然飽きないどころか、読めば読むほど魅了されていく。
Audibleにて。