アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • 親指のうずき

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    英国文化にも大分慣れてきたな(笑)。


    さて、真相が判明してからキーワードの行を読むと、
    確かに…確かにそういうニュアンスだとわかる。
    でも最初に読んだ時にはタペンスと一緒に勘違いした。
    …勘違いっていうか、成り行きで流れちゃった(笑)。

    でも、たとえ最初から考えながら読んでいたとしても、
    多分うまくミスリードされたに違いない。自信あり!

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    2013年05月17日
  • 海浜の午後

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    ネタバレ

    『海浜の午後』
    海辺のビーチチェアに寝そべる人々。夫アーサーをほったらかして友人のボブと砂の城を創り遊ぶノーリーン。ジョージとクラム夫人の会話。息子を支配するガナー夫人。盗まれた首飾りの話。彼らの周囲を歩き回る謎の美女。首飾り盗難事件を捜査するフォーリー警部。

    『患者』
    何者かに突き落とされたウィンクフィールド夫人。精神的なショックから会話をすることができなくなった夫人。犯人を突き止めるための実験。瞬きによる会話。夫であるブライアンの浮気相手の正体。

    『ねずみとり』
    マイケル・トランスに誘われ彼の家にやってきたサンドラ。マイケルは旅行中で留守。家にいたジェニファー。誘い出されたことに気がつくサンドラ。同じく誘い出されたデイビッド。サンドラの元夫の死に不審を持つアレック。部屋から発見されたマイケルの遺体。仕掛けられた罠。

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    2013年05月05日
  • 愛の旋律

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     人が才能を持って生まれるのか、才能が人を選ぶのか。偉大な音楽の才能を持って生まれた主人公の青年が、たったひとつの道のためにほかの全てを失うまでの物語。あるいは人のエゴと自己愛、欺瞞、その醜さについての物語。
     ずいぶんと救いようのない話だった。つまらなかったというのではない。読み始めれば劇的な展開もないうちから引き込まれ、分厚い本にも関わらず短期間で読み終えてしまった。面白く、人間の業が描かれていて、そして意地の悪い話だった。見たくないものをつきつけられるようなところがある。悲劇なのだが、悲劇に浸って気持ちよく涙を流せるというようなカタルシスではない、皮肉な話だった。
     クリスティは「春にして君を離れ」に続いてまだ二冊目なのだけれど、「春にして~」と共通するテーマが根底にあるような気がした。人がいかにして自分を誤魔化し、正当化し、己の正義を信じるために多くのことに目をつぶるかということ。愛と名付けられたものの欺瞞。

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    2013年04月21日
  • 予告殺人

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    甘美なる死と共に、様々な人間模様も味わえる濃厚な一冊でした。
    犯人は何となく分かったものの、ある伏線の意味に気づけなくて悔しい!ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、これから読む方はある人の発言に注意して読み進めて下さい。

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    2013年04月20日
  • 愛の探偵たち

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    「ねずみとり」原作と、マープル、ポアロ、ハーリ・クィンの短編。

    舞台「マウストラップ」を観た後に読んだ。舞台では表情から読み取るしかない心情の部分が、地の文で説明されるのでわかりやすいし、戯曲版では主要人物が増えているので、違いを比べて楽しめた。

    その他は、どれも記憶にある短編。

    舞台を見た時に何故かすぐ犯人がわかったのだが、多分この本は読んだことがあったんだな…。

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    2013年03月27日
  • 秘密機関

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    ハラハラドキドキの展開が面白かった。
    ラスボスというか黒幕においては、
    『あの人だな…』
    『えーっ!?そっち!?』
    『って、やっぱそっちかーっ!』
    ってな感じで翻弄されてしまった。


    トミーとタペンスにおいては、トミーが意味もなく(あるんだろうけど)カーッとなるところ、
    非常に人間味に溢れていて微笑ましい(感想そこかー)。
    二人とも好奇心旺盛で行動的で魅力的。
    本作品では二人の展開が途中で別々になってしまったけど、
    もっとずっと一緒にいて活躍しても良かったかな。

    あまり前知識が無いうえにクリスティー作品も二作目だから、
    勝手にわかった風に評することはできないけれど…
    アガサ・クリスティと言えばミステリー。
    ミステリーと言えば密室…じゃないや、推理物。
    なんてイメージが強いこともあって、
    こういった話も書くんだと、ちょっと意外だった。

    ポアロシリーズ、トミーとタペンスシリーズ含め、
    他の作品も非常に興味深く、いつか読んでみたい。

    どうでいいけど、個人的に“トミー”と言えば『噂の刑事トミーとマツ』を思い出す。

    本当にどうでもいいね(笑)。

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    2013年02月28日
  • メソポタミヤの殺人

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     再読。
     出来栄えは上々。キラリと光る名作。
     トリックは知ってしまえば「なあんだ」で終わってしまうかもしれない。西暦2000年をとうに過ぎた今、余りにも使い古された感のあるトリックでもある。しかし、有名なトリックというのは、思いもよらぬ「意外性」を持つから「再利用」が図られるのであり、既知だとして軽んじられるものではない。
     ストーリーも身があり、人物の思惑が交錯する様を描写する力量は、流石クリスティ。

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    2014年03月17日
  • アクナーテン

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    ネタバレ

    アメン神を中心とした多神教の古代エジプトを、アテンを唯一神とする一神教世界に変えようとしたアクナーテン。
    彼の思想はあまりに先進的過ぎ誰にも理解されない。
    誰にも理解されない理想を追い進む姿と、一国の王としての理想の姿とは一致しない。
    お互いを強く思いながらも、現実を祖国を憂うホムエルヘブと、理想を全世界を憂うアクナーテン二人の道は交わることはない。
    アクナーテンの悲劇のもとは最後の石工のセリフに凝縮されていると思う。

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    2013年01月22日
  • ポケットにライ麦を

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    クリスティの真骨頂ですね。
    彼女の犯人の動機はお金か愛情のため、の大体二択なんですが(まぁ一番多い動機だとは思いますが)犯人を判らせずにあっと驚かせる。
    被害者がとてもかわいそうですが、犯罪の餌食になってしまった人は残らず可哀そうですね。

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    2012年12月28日
  • クリスマス・プディングの冒険

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    第7回福岡翻訳ミステリー読書会の課題本(課題作は、表題の短編のみ)。

    読書会が終わってから、詳しい感想を書く予定。

    ***

    読書会終了! いやはや、今回もツッコミどころ満載で(笑)とても楽しい読書会でした。

    クリスティーということで、代表作はほとんど読んでる~という人からこれが初めて、という人まで、読者層は割りとまちまち。
    私もクリスティを読むのはこれが4冊目だったので、先輩方のお話をふむふむと参考にさせてもらうなど。。

    さて、そんな楽しい会話の中で出たのは、以下のようなこと。
    ・クリスマス・プティングってそもそもどんなお菓子?
    ・クリスティはこの短編では、あまりミステリーを書く気がないみたい? イギリスのクリスマスを書きたかっただけ?
    ・この話はあまりポアロっぽくない。ミス・マープルでもよかったのでは?
    ・話を読んでいる途中、○○が怪しい、と思ってたのに、全然関係なかった(笑)。
    ・第一章と第二章の隔絶間が甚だしい。話についていけなくなりそうだった。
    ・クリスティはやはり、おばさんの視点を書くと冴える!
    ・最後(第六章)の意味深な表現は何? ポアロ何したのと思ったよ(笑)!

    ……と、私の覚えている限りこのようなところでした。他にも途切れることなく会話が続き、とても面白かった。

    私の感想も大体似たような感じで、クリスティはこのお話を自分のために楽しんで書いたのではないかなぁ、と。あまりミステリーとしてこだわらず、割とおおらかな気持ちで、筆の赴くままに書いたのでは。

    これまでに読んだクリスティ作品を振り返ってみても、クリスティの魅力はパズル的なミステリーにあるのではなく、人間観察にあるのではないかと思う。
    なので、私個人としては、課題作になった「クリスマス~」よりも、「負け犬」では人物描写の点で、「二十四羽の黒つぐみ」や「夢」では発想と視点の点で、それぞれ優れていて面白いと感じた。

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    2012年11月20日
  • 秘密機関

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    アガサ・クリスティの初期作品を読み直してます。
    トミー&タペンスもの。

    デビュー作につぐ2作目とは気づきませんでした。
    読んだのはだいぶ後だったと思います。
    デビュー作で有名になったためか、このほうが明るくて広範囲の読者を獲得出来たのか、売り上げは倍増だったとか。

    戦争が終わって平和になり、活気づくロンドン。
    この戦争というのが第一次世界大戦。
    1922年の発行ですからね~。
    幼なじみのトミーとタペンスが、ばったり再会し、仕事がない二人で会社を始めようと「ヤング・アドベンチャラーズ」を名乗ります。

    トミーこと、トーマス・ベレズフォード。
    見た目は平凡だが感じが良く、冒険心はあるが真面目でしっかりした青年。
    タペンス(2ペンスという意味)はあだ名で、本名はプルーデンス・カウリー。
    大きな灰色の目で、勘が良く、いたずら小僧のような雰囲気があるキュートな娘。

    新聞広告をタイムズ紙に載せた所、反応があり、事件に巻き込まれていきます。
    とっさに名乗ったジェーン・フィンという名が波紋を起こすのです。
    1915年に、汽船ルシタニア号がドイツの攻撃を受けて沈没。
    そのときに、機密書類を受け取ったのがジェーン・フィンでした。
    行方の知らないジェーンを捜すいとこジュリアスも登場。
    これは写真でしか知らないジェーンに恋しているアメリカ人で、富豪なのです。

    情報局員のカーターと情報を交換しつつ、トミーは怪しい男を尾行して邸に入り込み、秘密の会合を目撃。
    国際的な陰謀が行われている様子。
    タペンスは怪しいと睨んだ夫人の元へ、メイドとして潜入。
    教会大執事の娘であるタペンスは、女中に家事を仕込む立場だったので、お手のものでした。
    その建物のエレベーター・ボーイともすぐ仲良くなったり。

    ユーモラスな書き方で、スリルもほどほどに。
    携帯どころか、まだ電話もすべての家にあるわけではない時代。
    用事の連絡は電報!という。
    レトロなテンポで~素人探偵が活躍。
    ポワロもののような綿密さはありませんが、コメディ映画を見るような気分で、楽しく読めます。

    そういえば、ドラマもテレビで見たかも…
    タペンスはフランセスカ・アニスだったそうで~原作に美人ではないと書いてある割には大美人だけど、チャーミングにいきいきと演じていました。

    この版は、2003年の新訳によるもので、一番新しい装丁。

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    2012年11月14日
  • 予告殺人

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    ミスマープルものを始めて読んだ。
    秀作。この人のミステリーはやはり面白いと思う。
    映画”情婦”とポアロシリーズ(デビットスーシェ)がもう最高。

    どんな人生でもその人次第で良くも悪くもなる、的な言葉がとても重い。

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    2012年11月08日
  • 魔術の殺人

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    事件自体はシンプルで犯人はすぐに分かってしまったけど、事件が起きるまで、ミスマープルが話の中心だったところは、ちょっと新鮮だった。学生時代の友人を助けにいく話なのだけど、この友人がちょっと不可思議な人。その謎が分かった時は、ちょっと感動した。

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    2012年11月04日
  • ポケットにライ麦を

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    舞台が村ではないので、他のマープル作品のような牧歌的な雰囲気はなかった。それに被害者がミスマープルの知り合いということで、マープルも謎解きを楽しんでいるような明るさがなく、マープル物としては暗くシリアスな雰囲気。私はほのぼのした話の方が好きだけど、この作品のファンが多いのは納得。ラストは思い出すたび胸が詰まる。最初に読んだ時は、マザーグースは必要だったのか?と思ったけど、もう一度読み返してみると犯人の狡猾さを改めて感じた。

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    2012年10月31日
  • 雲をつかむ死

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    個人的にはDVDで映像を見た後に小説を読んだ初のケース。どちらも面白い。ただし、西洋人の顔の見分けがあまりつかず、映像を見ても忘れてしまう自分の性質から、とても素直になぞ解きに熱中できたという特殊事情もあるだろう。

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    2012年09月30日
  • 殺人は容易だ

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    話の組立方が巧み。事件パート、捜査パート、推理パート、解決パート、それに加えてロマンスパート。それぞれを良いバランスと順序で組み合わせて、どんどんのめり込んでしまう仕組み。
    事件の内容は凄惨で醜悪だけど、気持ちの良いミステリ。

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    2012年09月29日
  • 予告殺人

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    ほんわかした雰囲気が良かった。何人も殺されるんだけど、凄惨な感じがまるでなく、マープルが楽しそうに事件を解決していた。クリスティもこんな感じのお婆さんだったんだろうなと思った。
    午後に生まれたからピップとエンマというのは意味が分からなくて調べたらP.M.をもじった言葉遊びらしい

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    2012年09月29日
  • ポケットにライ麦を

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    なんだか今回は、たちの悪い男に良いように操られる女性がたくさん登場した。
    一筋縄ではいかない犯人。しかも、皆その人物を、不審に思うことさえしなかったのだから。それこそ、自分がその手にかかる、その瞬間まで。
    ラストの二人の人物の台詞は、あまりに悲しい。そして、普段穏やかなミス・マープルでさえ、怒りに震え涙するのだ。

    ところでこの作品、ミス・マープルが探偵であるのはお馴染みだが、ニール警部もなかなか良い動きをしている。頭の回転が良くて誠実で正義感も強い。事前情報なしで、ミス・マープルを小馬鹿にしない警察官には、なかなかお目にかかれないと思うので。

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    2012年08月29日
  • 親指のうずき

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    たいへん面白かった。女史の作品の中でも佳作との評価は納得。
    推理小説としての醍醐味が味わえた。

    また、クリスティーの描く女性は本当に生き生きとしていて魅力的(タイプはだいたい決まってしまうけれど…)。
    今回の主人公も、とてもチャーミングで活動的。
    彼女自身がこのような女性だったのではないかと想像させられる。

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    2012年08月14日
  • 象は忘れない

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    久々にアガサ・クリスティー。
    夏の暑さを忘れるミステリーを急に読みたくなっただけだが
    そういえば小説の舞台はオリンピックに湧くロンドン。
    流れに乗っていた。

    1970年代になりポアロはずいぶん年を取ったが
    灰色の脳細胞は衰え知らず。
    ミセス・オリヴァもでてきて変わらぬ様子が嬉しい。

    昔起きた夫婦の銃殺遺体が見つかった事件。
    今になって暴かれる死の真相は?
    結末も満足のいくものであった。

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    2012年07月27日