アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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ネタバレ『海浜の午後』
海辺のビーチチェアに寝そべる人々。夫アーサーをほったらかして友人のボブと砂の城を創り遊ぶノーリーン。ジョージとクラム夫人の会話。息子を支配するガナー夫人。盗まれた首飾りの話。彼らの周囲を歩き回る謎の美女。首飾り盗難事件を捜査するフォーリー警部。
『患者』
何者かに突き落とされたウィンクフィールド夫人。精神的なショックから会話をすることができなくなった夫人。犯人を突き止めるための実験。瞬きによる会話。夫であるブライアンの浮気相手の正体。
『ねずみとり』
マイケル・トランスに誘われ彼の家にやってきたサンドラ。マイケルは旅行中で留守。家にいたジェニファー。誘い出されたことに気がつくサンドラ。同じく誘い出されたデイビッド。サンドラの元夫の死に不審を持つアレック。部屋から発見されたマイケルの遺体。仕掛けられた罠。 -
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人が才能を持って生まれるのか、才能が人を選ぶのか。偉大な音楽の才能を持って生まれた主人公の青年が、たったひとつの道のためにほかの全てを失うまでの物語。あるいは人のエゴと自己愛、欺瞞、その醜さについての物語。
ずいぶんと救いようのない話だった。つまらなかったというのではない。読み始めれば劇的な展開もないうちから引き込まれ、分厚い本にも関わらず短期間で読み終えてしまった。面白く、人間の業が描かれていて、そして意地の悪い話だった。見たくないものをつきつけられるようなところがある。悲劇なのだが、悲劇に浸って気持ちよく涙を流せるというようなカタルシスではない、皮肉な話だった。
クリスティは「春にして君を離れ」に続いてまだ二冊目なのだけれど、「春にして~」と共通するテーマが根底にあるような気がした。人がいかにして自分を誤魔化し、正当化し、己の正義を信じるために多くのことに目をつぶるかということ。愛と名付けられたものの欺瞞。 -
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ハラハラドキドキの展開が面白かった。
ラスボスというか黒幕においては、
『あの人だな…』
『えーっ!?そっち!?』
『って、やっぱそっちかーっ!』
ってな感じで翻弄されてしまった。
トミーとタペンスにおいては、トミーが意味もなく(あるんだろうけど)カーッとなるところ、
非常に人間味に溢れていて微笑ましい(感想そこかー)。
二人とも好奇心旺盛で行動的で魅力的。
本作品では二人の展開が途中で別々になってしまったけど、
もっとずっと一緒にいて活躍しても良かったかな。
あまり前知識が無いうえにクリスティー作品も二作目だから、
勝手にわかった風に評することはできないけれど…
アガサ・クリスティと言えばミステリー。
ミステリーと言えば密室…じゃないや、推理物。
なんてイメージが強いこともあって、
こういった話も書くんだと、ちょっと意外だった。
ポアロシリーズ、トミーとタペンスシリーズ含め、
他の作品も非常に興味深く、いつか読んでみたい。
どうでいいけど、個人的に“トミー”と言えば『噂の刑事トミーとマツ』を思い出す。
本当にどうでもいいね(笑)。 -
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第7回福岡翻訳ミステリー読書会の課題本(課題作は、表題の短編のみ)。
読書会が終わってから、詳しい感想を書く予定。
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読書会終了! いやはや、今回もツッコミどころ満載で(笑)とても楽しい読書会でした。
クリスティーということで、代表作はほとんど読んでる~という人からこれが初めて、という人まで、読者層は割りとまちまち。
私もクリスティを読むのはこれが4冊目だったので、先輩方のお話をふむふむと参考にさせてもらうなど。。
さて、そんな楽しい会話の中で出たのは、以下のようなこと。
・クリスマス・プティングってそもそもどんなお菓子?
・クリスティはこの短編では、あまりミステリーを書く気がないみたい? イギリスのクリスマスを書きたかっただけ?
・この話はあまりポアロっぽくない。ミス・マープルでもよかったのでは?
・話を読んでいる途中、○○が怪しい、と思ってたのに、全然関係なかった(笑)。
・第一章と第二章の隔絶間が甚だしい。話についていけなくなりそうだった。
・クリスティはやはり、おばさんの視点を書くと冴える!
・最後(第六章)の意味深な表現は何? ポアロ何したのと思ったよ(笑)!
……と、私の覚えている限りこのようなところでした。他にも途切れることなく会話が続き、とても面白かった。
私の感想も大体似たような感じで、クリスティはこのお話を自分のために楽しんで書いたのではないかなぁ、と。あまりミステリーとしてこだわらず、割とおおらかな気持ちで、筆の赴くままに書いたのでは。
これまでに読んだクリスティ作品を振り返ってみても、クリスティの魅力はパズル的なミステリーにあるのではなく、人間観察にあるのではないかと思う。
なので、私個人としては、課題作になった「クリスマス~」よりも、「負け犬」では人物描写の点で、「二十四羽の黒つぐみ」や「夢」では発想と視点の点で、それぞれ優れていて面白いと感じた。 -
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アガサ・クリスティの初期作品を読み直してます。
トミー&タペンスもの。
デビュー作につぐ2作目とは気づきませんでした。
読んだのはだいぶ後だったと思います。
デビュー作で有名になったためか、このほうが明るくて広範囲の読者を獲得出来たのか、売り上げは倍増だったとか。
戦争が終わって平和になり、活気づくロンドン。
この戦争というのが第一次世界大戦。
1922年の発行ですからね~。
幼なじみのトミーとタペンスが、ばったり再会し、仕事がない二人で会社を始めようと「ヤング・アドベンチャラーズ」を名乗ります。
トミーこと、トーマス・ベレズフォード。
見た目は平凡だが感じが良く、冒険心はあるが真面目でしっかりした青年。
タペンス(2ペンスという意味)はあだ名で、本名はプルーデンス・カウリー。
大きな灰色の目で、勘が良く、いたずら小僧のような雰囲気があるキュートな娘。
新聞広告をタイムズ紙に載せた所、反応があり、事件に巻き込まれていきます。
とっさに名乗ったジェーン・フィンという名が波紋を起こすのです。
1915年に、汽船ルシタニア号がドイツの攻撃を受けて沈没。
そのときに、機密書類を受け取ったのがジェーン・フィンでした。
行方の知らないジェーンを捜すいとこジュリアスも登場。
これは写真でしか知らないジェーンに恋しているアメリカ人で、富豪なのです。
情報局員のカーターと情報を交換しつつ、トミーは怪しい男を尾行して邸に入り込み、秘密の会合を目撃。
国際的な陰謀が行われている様子。
タペンスは怪しいと睨んだ夫人の元へ、メイドとして潜入。
教会大執事の娘であるタペンスは、女中に家事を仕込む立場だったので、お手のものでした。
その建物のエレベーター・ボーイともすぐ仲良くなったり。
ユーモラスな書き方で、スリルもほどほどに。
携帯どころか、まだ電話もすべての家にあるわけではない時代。
用事の連絡は電報!という。
レトロなテンポで~素人探偵が活躍。
ポワロもののような綿密さはありませんが、コメディ映画を見るような気分で、楽しく読めます。
そういえば、ドラマもテレビで見たかも…
タペンスはフランセスカ・アニスだったそうで~原作に美人ではないと書いてある割には大美人だけど、チャーミングにいきいきと演じていました。
この版は、2003年の新訳によるもので、一番新しい装丁。 -
Posted by ブクログ
なんだか今回は、たちの悪い男に良いように操られる女性がたくさん登場した。
一筋縄ではいかない犯人。しかも、皆その人物を、不審に思うことさえしなかったのだから。それこそ、自分がその手にかかる、その瞬間まで。
ラストの二人の人物の台詞は、あまりに悲しい。そして、普段穏やかなミス・マープルでさえ、怒りに震え涙するのだ。
ところでこの作品、ミス・マープルが探偵であるのはお馴染みだが、ニール警部もなかなか良い動きをしている。頭の回転が良くて誠実で正義感も強い。事前情報なしで、ミス・マープルを小馬鹿にしない警察官には、なかなかお目にかかれないと思うので。